2025年3月22日土曜日

Curtis Maifield / Curtis Live!


 1971年1月、ニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジのクラブ Paul Colby's Bitter End で行われた公演が収録されている名盤と言われているヤツです。録音されたクラブは1961年のオープンから1974年までは、Paul Colby氏 がオーナーで現在は The Bitter End Cafe として現存していました。キャパは230人と書いてありましたので、そこそこの大きさですが大きな会場ではありません。本アルバムでも客との近い距離感がわかります。


 1958年に The Impressions で活動を開始した Curtis Maifield は1970年からアルバム Curtis (1970) を皮切りにソロ活動を開始します。そして翌年に発売されたのがこの Curtis/Live! (1971), Roots (1971) となります。The Impressions の活動でも Further Impressions(1996) で聴いていて、1967年あたりから大きく作風が変わってきたのを感じましたが、数年前までは古いタイプのソウルを歌っていた Curtis Maifield が更にこのソロ活動で大きなサウンドで進化していることで当時のファンは歓喜したに違いなく、そこからもこのアルバムは名盤と言われているものと思います。


 Billboard 200で21位、R&Bアルバム・チャートでは3位。ギター・ベース・ドラム・パーカッションのシンプルな編成、再び聴きながらの全曲レビューしていきます。1曲目は Mighty Mighty (Spade And Whitey) は、Donny Hathaway / Live(1972) に通ずる雰囲気です。まばらに聴こえる観客の手拍子が、そこそこ小さな会場かと思ったりしましたが曲が終わった後の拍手では手拍子で感じるよりも人数が多い。軽快でノリの良い曲だが、We're killing off our leaders, It don't matter none black or white, And we all know it's wrong, And we're gonna fight to make it right の歌詞でもわかるように人種差別と暴力への痛烈なプロテスト・ソングです。Rap~I Plan To Stay A Believer イントロで Curtis がしゃべっているところで 音が途切れてしまうと思っていたら、ここが Rap で、そこから次の曲が始まる編集転でした。そして I Plan To Stay A Believer これも Donny Hathaway / Live(1972) の雰囲気と似た演奏のソウル、何故か最後にリコーダーの音がしてぶっつり。購入当時に聴いた時には、この盤は bootleg なのかと思ってしまいましたが、今聴くと臨場感あふれる録音とも解釈できます。We're A Winner ここら辺から Curtis 節になってきますが、タイトな演奏がカッコ良いです。そして、また Rap で語りブツっと切れてからの、We've Only Just Begun ゆったりとしたソウル、突然のテンポアップと二つの曲を何も考えずにつなげて演奏しているかのような斬新な曲です。愛のプレリュードとして Carpenters がヒットは1970年ですから、これは流行歌を意識しての録音のようです。Curtis のペラペラなテレキャスの音が良いですね。気になります。People Get Ready 名曲は Impressions 時代からの Curtis 作曲です。語りかけるような歌は切なくて聴きながら現代の様々なミュージシャンにも愛される様々な演奏も思い出しながら聴けます。そして Rap です。rap の意味を改めて見てみたら、叩く、おしゃべり、非難する、逮捕する、ラップで歌うと色んなシーで使われる単語のようです。Stare And Stear 作風としては今までにない感じのストレンジな楽曲で、ワウのかかったギターのフレーズも印象的。Check Out Your Mind タイトなソウルのイントロで、テーマに入ると雰囲気が変わります。全体的には Curtis 節の16ですが、ベースだけ JB のノリが面白い。Gypsy Woman やっぱりライブなどでも外せない名曲です。ドラムもベースも原曲の流れの中で外さない程度の小技を入れたフェイクのよう なリズムを入れてきて、やたらハイレベルです。The Makings Of You そしてバラードタイプの曲の投入です。Curtis のファルセットが効果的な曲です。そしてまた Rap で、メンバー紹介からのWe The People Who Are Darker Than Blue やたら長い曲名でサイケな雰囲気なベースが曲全体をイメージづけます。このフレーズはB級マイナー・ジャズ・ファンクでよく使われるやつですね。曲の途中で、また I Plan To Stay A Believer のようなリコーダー音が鳴ります。つまりはリコーダーでは無いですね。マイクのハウリングでしょうか。余計なことが気になります。そして(Don't Worry) If There's A Hell Below, We're All Gonna Go は曲名も長いが、録音も長い9分25秒です。基本的には一つのリフを延々と繰り返すタイプで、ここら辺がキチンとABメロ、サビのような様式での Impressions 時代と大きく異なる演奏形態で、Curtis の発明と言うことではないでしょうが、以降のファンクなどの曲作りの中に取り入れられていのかと改めて思いました。Stone Junkie だるいリズムに繰り返されるStone Junkie のメロディは中毒性があります。
 改めて聴いて思っていた以上に、サウンドが Donny Hathaway / Live(1972)  と似ていると思いました。このアルバムは1971年、ほぼ活動が同期しているので、誰が最初かはあわりませんが、Impressions時代を加味すると先駆者は Curtis なのかとも思えてきます。そんなことも聴きながら楽しめる名盤🎶

producer, vocals, Guitar : Curtis Mayfield
Guitar : Craig McMullen
Bass : Joseph "Lucky" Scott
Drums : Tyrone McCullen
Congas, Bongos, Percussion : Henry Gibson

writtenby : C. Mayfield (1 to 5, 7 to 16)
recorded live at Paul Colby's Bitter End, New York City.

1. Mighty Mighty (Spade And Whitey)
2. Rap
3. I Plan To Stay A Believer
4. We're A Winner
5. Rap
6. We've Only Just Begun / Paul Williams, Roger Nichols
7. People Get Ready
8. Rap
9. Stare And Stare
10. Check Out Your Mind
11. Gypsy Woman
12. The Makings Of You
13. Rap
14. We The People Who Are Darker Than Blue
15. (Don't Worry) If There's A Hell Below, We're All Gonna Go
16. Stone Junkie





  





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