2021年11月28日日曜日

本日のCD Donald Byrd ♪ Blackjack

 


 ドナルド・バードが率いていたレギュラー・バンドによる1967年録音で、このグループは66年暮れからファイブ・スポットに出演していました。メンバーのアルト・サックスのソニー・レッドとは同じデトロイト出身で、歳も同じということもあり、バードも信頼を寄せていた関係で、このアルバムでは West Of The Pecos、Loki、Eldorado 3曲がソニー・レッドの作曲した作品となっていて、レッドのフリーキーなプレイが気持ち良い。ちなみに作曲者は Sylvester Kyner = Sonny Red の本名とのこと。


 アルバム全体からはハード・バップから一歩抜け出すアーシーな感じです。初試聴はいつもの行きつけ「おでんバー」でしました。この「おでんバー」アート系のコアな趣味の人とかプロが常連に多い店ですが、このアルバム試聴の時は他の常連は写真系の人だったのでマニアックに楽しんだのはマスターと私の二人だけでした。結果マニアなマスターも楽しんでいただける内容でまずそこが大満足の中身でした。タイトル曲の Blackjack はロックビートが強くオトボケ・ファンキーな感じです。ソニー・レッドがブチ切れたソロをとるとバードやモブレーまでもが、俺も俺もとかましてきたエキセントリックな仕上がりです。ここらへんが最初から私とマスターのマニアな心をつかんでくれます。
 一歩進んで2曲目の West Of The Pecos ではアップテンポの正調モード系ハード・バップとなり、流れとしては1曲目でかまされたのに少し落ち着いてくれと言われている感じです。続く Loki でも正調ハード・バップではありますが切り込み隊長レッドからバード、モブレーに続きなるほど。
 そんな中 Beale Street が始まるとなんか聞いたことがある?と聴きながらモヤモヤします。するとマスターが💡 Herbie Hancock の Watermelon Man 1962 なるほどそうだなとYouTubeで交互に聴いてみると、コード進行とバッキングパターンがやはりマンマです。テーマが少しだけ違う感じで音階の順番を少し変えただけのように酷似しています。Watermelon Man の方が1962年作なので先に発売ですから、Beale StreetのほうがWatermelon Man をオマージュしている感じですね。ジャズ界ではこの手のコードだけ変えるとか、メロディーだけ変えるとかの手法は多くみられ元曲を公言されているものも多いですが、ポップやロックでヒット曲だったりすると著作権でよくもめてますよね。まあ何回聴いてもパクリでした。
 プロデューサーは Alfred Lion。アルバムとしてもエキセントリックさが楽しいアルバムですが、Herbie Hancock と続けて聴くとまた楽しさ倍増かもしれません。

trumpet : Donald Byrd
alto sax : Sonny Red
tenotr sax : Hank Mobley
piano : Cedar Walton
bass : Walter Booker
drums : Billy Higgins

producer : Alfred Lion
recorded on January 9, 1967

1. Blackjack
2. West Of The Pecos
3. Loki
4. Eldorado
5. Beale Street
6. Pentatonic





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