2023年6月11日日曜日

Bootsy Collins & The Bootsy's New Rubber Band / Keepin' Dah Funk Alive 4-1995


 最近の音源はジャズに偏っていますが、私こういったものも好物であります。いかれたファンクは好きですか?ハイ好きで~す。ジャケ写でも解りますが、Bootsy Collins は同じみのいかれたベーシストで 基本いかれたファンクの人なので、やってることは P-FUNK でやっている音楽性とほぼ同一です。このいかれた見た目の Bootsy ですが、経歴としては1951年生まれジェームス・ブラウンのバックバンドJB’sに在籍と、ここら辺まともなように見えます。しかしドラッグでベースが蛇に見えて、ステージから逃走して首に・・まあ親玉もドラッグはバリバリで2回も逮捕されている人だけに、このぐらいでビックリはしません。親玉はドラッグやっても仕事はちゃんとしてるさ、ステージから逃走はいかんよってことですねか。そして現在はPファンク主要メンバーとして活躍する王道の経歴です。


 さてこのアルバムは1994年の東京の Jungle Club のライブ収録の2枚組。Bernie Solo、One Nation Under A Groove、P-Funk を除くすべての曲はブーツィー・コリンズが書いた、または共作した曲となっています。後で音は被せてあるようですがライブとしての録音状態、アレンジなどの完成度は非常に高いアルバムです。
 さてレビューですが、Introが終わると Ahh... The Name Is Bootsy, Baby 最初から飛ばすタイプの曲ではなくフレーズのループで次第に盛り上がっていきます。 Bootsy? (What's The Name Of This Town?) も似たようなグルーブで、歌ではトキオのフレーズがひたすら繰り返されます。Psychoticbumpschool ここらへんでテンポ・アップしてアレンジも凝ったものになります。曲調としては Larry Graham でもよくある感じ。The Pinocchio Theory はシンセが駆使された軽めのファンク。この音の刻み方と展開は大好きなパターン。そして、Hollywood Squaresb に続くメドレー的な展開ですが音がブツッと切れます。メドレーではなく編集の都合上かもしれませんが気になる。フルートも入れた怪しい雰囲気の曲でこれもカッコ良いんですけどね。Bernie Solo は Bernie Worrell のソロパート、One Nation Under A Groove は、少し軽めにアレンジされていますがお馴染みの曲で、安心感あります。続いて P-Funk (Wants To Get Funked Up) 、Cosmic Slop、Flash Light、ここらへんで有名曲を入れて盛り上げていこうってこと。Bootzilla も盛り上げタイプで、Roto-Rooter はどっかで聴いたことあるな。Larry Graham スタイルってことか。そして2枚目に I'd Rather Be With You は、バラードタイプのファンク。しんみりやっているかと思いきや、メンバーの笑い声が途中で聞こえるので誰かのソロの時に何かおもろいことやって、ふざけている模様です。A Sacred Place (RIP) は、JB’sタイプの昔ながらのファンク。Medley: Stretchin' Out / Touch Somebody では「スキンシップの時間がやってまいりました。髪の毛をひっぱったりサングラスをとったりしないでください」との日本語のMCがあります。その後は延々と同じフレーズのループですが会場は大いに盛り上がっているんだろうなあと、うらやましい限り。Night Of The Thumpasorus Peoples ここらへんから混沌としてきますね。これを待ってましたって感じで客は最高に盛り上がっているに違いありません。Keepin' Dah Funk Alive 4-1995 最後になります。ライブのを締めくくるセッションみたいな感じですね。
 ほぼ、同じようなアレンジですから、しつこいと言えばしつこい。これが好きな人には、たまらないグルーブに頭の中で変化する音の薬です🎵

Vocals : Bootsy Collins, Mudbone Cooper, 
Henry Benifield, Michael Gaitheright
bass : Bootsy Collins
bass : Flip Cornett
Keyboards : Joel "Razor Sharp"
Keyboards : Greg "Daddy Ducking" Fitz
Keyboards : "Ill-Legal Alien" Bernie Worrell
guitar : Gary "Dirty Mugg" James
drums : Frankie "Kash" Waddy
Horns : Don Bynum, Larry Hatcher, Reggie Calloway, 
Rick Gardner, Vince Calloway

producer ("Live" Recording produced by) : At'c Inoue
album was recorded at: Jungle Club (June 24, 25 1994, Tokyo, Japan).

【Disc1】
1. Intro
2. Ahh... The Name Is Bootsy, Baby
3. Bootsy? (What's The Name Of This Town?)
4. Psychoticbumpschool
5. The Pinocchio Theory
6. Hollywood Squares
7. Bernie Solo
8. One Nation Under A Groove
9. P-Funk (Wants To Get Funked Up)
10. Cosmic Slop
11. Flash Light
12. Bootzilla
13. Roto-Rooter

【Disc2】
1. I'd Rather Be With You
2. A Sacred Place (RIP)
3. Medley: Stretchin' Out / Touch Somebody
4. Night Of The Thumpasorus Peoples
5. Keepin' Dah Funk Alive 4-1995





  

2023年6月10日土曜日

Luca Mannutza Sound Six / My Music


 イタリア・ジャズのピアニスト、Luca Mannutza(ルーカ・マンヌッツァ)のプロジェクト。日本のレーベルの Made In Japan の音源ではありますが、録音はローマのスタジオでライナーノーツに日本語は一切使われていない(日本語どころか解説の文字も一切ない)ので知らなければわからないのは当然だとは思いますが、発売はイタリア・ジャズやヨーロッパ・ジャズを発信する日本のレーベル Albore Jazz(アルボーレ・レコード)から。このレーベル高品質な安心感のあるアーチストの音源を発信していると、これを書くために調べていて初めて知りました。


 全く知らないアーチストなのに購入しているということは、ほぼタワレコの試聴で購入に至ったことは、間違いないのですが、どんなアーチストなのかググっても、ロクな情報が出てきません。これだけ高品質な音源を出されているんだから、もう少しあっても良いのではないかと思いながらも諦めようとしたところ、Albore Jazz の所属アーチスト紹介で発見しました。本文はイタリア語で書いてありさっぱりですが、後半に和訳がありましたので一安心ということで、そのまま Luca Mannutza のアーティストページから拝借。
 「伊ジャズ界で最も高い信頼を集めるブレイン・ピアニスト/オルガニスト。1968年生まれ、サルデーニャ州都カリャリ出身。弱冠11歳にして同地のコンセルヴァトーリオ(音楽院)に入学。18歳で修士の後、地元のジャズ・ロック、フュージョン・バンドを経てジャズの世界に身を置く。アンディ・グラヴィッシュ (tp)、エクトル・コスティータ (sax)、同じくサルデーニャ出身のパオロ・フレーズ (tp)、エマヌエーレ・チーズィ (ts)らとのツアーで経験を積み、99年に活動の拠点をローマに移す。職人肌とも言えるその高いピアノ演奏力もさることながら、独創的かつわかりやすいコンポジション、明快な音楽ディレクションをもとに、自らのプロジェクト=サウンド・シックス、そしてハイ・ファイヴ、サウンド・アドヴァイスなど、現代の伊ジャズ・シーンを牽引するさまざまなプロジェクトの柱を担う。」
 さて、アルバムを聴いているとハードバップが基礎ですが、フュージョンのようなキメあり爽やかで流れるようにスマートな演奏です。ハードバップなら50~60年代のブルーノート!みたいな観念がありますが、量産ではない現代ハード・バップの独創性と音の良さも中々。またピアニストのプロジェクトですが、前面に3管の編成で厚みのある演奏、おそらくサックスの Max Ionata の丁寧な演奏で作品全体が、また上品に仕上がっています。惜しむらくは、熱いソロパートなどは余り感じられずに最初から最後まで同じようなテンションで聴いてしまえること。でも何回か繰り返し聴いていると、かなり細かい芸もあるので Luca Mannutza のコピーでもしてやろうかと思いながら聴いているピアニストなんかは熱くなる部分はありそうです。
 ちなみに、作品の曲は全てマンヌッツァが、コンポーズして、これまでに発表された作品の中から選んで新たにこのレコーディングをしたらしい。過去の曲を聴いてきたわけではないが、完璧なセクステット編成によるハーモニーはストレートに素晴らしいです🎵

piano : Luca Mannutza
sax : Max Ionata, Paolo Recchia
trumpet : Francesco Lento
double bass : Renato Gattone
drums : Andrea Nunzi

recorded at Icarus Recording Studio Roma, on November 29-30, 2011
1. So Near, So Far
2. Evan's Even
3. Pippo
4. Libero
5. Safari
6. Nel Mare
7. Shades Of Gira
8. Così Come Sei
9. Two Friends


▶ Libero




  

2023年6月9日金曜日

Ella Fitzgerald / Songs In A Mellow Mood

 

 エラは、1934年の11月21日に17歳でアポロシアターでデビュー。1941年からはソロでの活動を Decca Records(デッカ・レコード)で開始し、1955年にデッカを離れノーマングランツが1956年に設立した Verve Records(ヴァーヴ・レコード)に所属しています。そのデッカの最初のアルバムは Ella Sings Gershwin Decca (1950年) 、このアルバムはその2枚目 Songs in a Mellow Mood (1954年)エラが36歳の作品です。


 ピアニストの Ellis Larkins では、デッカの1作目の Gershwin 一家のカバーはかなり成功を収めたアルバムとなったようですが、このアルバムは、それほどのヒット作とはならなかったものの、やはりピアニストの Ellis Larkins がエラの歌のバックとして控えめながら実に繊細に寄り添い、さまざまなソングライターのスイング スタンダードやショー チューンをカバーしており、実に聴きごたえのあるあるアルバムです。
 I'm Glad There Is You は Jimmy Dorsey 作曲 Paul Mertz 作詞のせつない恋の歌、What Is There to Say? は Vernon Duke 作曲 Yip Harburg 作詞のジークフェルド・フォーリーズ、1934年版のナンバー。People Will Say We're in Love  Oscar Hammerstein II作詞 Richard Rodgers作曲の1943年のミュージカル「オクラホマ」のナンバーでアルフレッド・レイクとジョーン・ロバーツが歌っている。Please Be Kind  は Sammy Cahn, Saul Chaplin の共作でキュートな恋の歌です。Until the Real Thing Comes Along は  Mann Holiner, L.E. Freeman がレビューの為に書いた曲を 1936年に Cahn, Chaplin, Alberta Nichols が手を加えてアンディ・カーク楽団がヒットを飛ばした曲。Makin' Whoopee  はWalter Donaldson作曲 Gus Kahn 作詞 で1928年のミュージカル「ウーピー」のナンバー。 Imagination  は Johnny Burke 作詞 Jimmy Van Heusen 作曲で1940年のグレン・ミラー楽団、トミードーシー楽団、自分の楽団と録音したエラのレコードがヒットしています。Stardust  は 1927年に Hoagy Canenrmichael 作曲 1929年に Mitchell Parish が詞えおつけて、1931年にビング・クロスビー、ルイ・アームストロングのレコードがヒットしたことから歌曲として好まれるようになった曲。My Heart Belongs to Daddy  は Cole Porter の作品。1938年のミュージカル「私にまかせて」のナンバー。You Leave Me Breathless は、1938年にパラマウント映画「ココナットグローブ」のために Ralph Freed 作詞 Frederick Hollander 作曲の共作。フレッド・マクレードが歌ったトミードーシー楽団のレコードがヒット。Baby, What Else Can I Do? は1939年に Gerald Marks 作曲 Walter Hirsch 作詞の共作。トミー・ドーシー楽団で知られた曲。Nice Work If You Can Get It はガーシュイン兄弟の作品
 ピアノとのデュオだけに実に丁寧に原曲のメロディーを大切に歌い上げエラの魅力が堪能できるアルバムです🎵

vocals : Ella Fitzgerald
piano : Ellis Larkins

1. I'm Glad There Is You (Jimmy Dorsey, Paul Mertz) 
2. What Is There to Say?  (Vernon Duke, Yip Harburg) 
3. People Will Say We're in Love  (Oscar Hammerstein II, Richard Rodgers)
4. Please Be Kind  (Sammy Cahn, Saul Chaplin) 
5. Until the Real Thing Comes Along (Cahn, Chaplin, Alberta Nichols, Mann Holiner, L.E. Freeman) 
6. Makin' Whoopee  (Walter Donaldson, Gus Kahn) 
7. Imagination  (Johnny Burke, Jimmy Van Heusen) 
8. Stardust  (Hoagy Carmichael, Mitchell Parish) 
9. My Heart Belongs to Daddy  (Cole Porter)
10. You Leave Me Breathless  (Ralph Freed, Frederick Hollander) 
11. Baby, What Else Can I Do? (Gerald Marks, Walter Hirsch) 
12. Nice Work If You Can Get It  (George Gershwin, Ira Gershwin) 





  





2023年6月4日日曜日

Tom Coster / Let's Set The Record Straight


 キーボディストの Tom Coster は、Santana (サンタナ)に、 1972年から1978年にかけて6年在籍して、あの Europa (Earth's Cry Heaven's Smile) 哀愁のヨーロッパ の作曲者でもあります。サイドマンの活動が多いと思われますがソロアルバムも9枚ほどあり、ラストは 1998年の Cause and Effect(ラリー・コリエル、スティーヴ・スミスとの連名)となっています。このジャケットからはジャズ系の人かクラシック系の人かと思われるような写真ですが、このアルバムは攻めるフュージョン系の曲が中心となっています。


 このアルバムの発売は1993年なので私がフュージョン・アルバムを買いあさっていた時代で、恐らく新譜で購入のはず。購入動機はタワレコの新譜試聴コーナーでしょう。このころは、間違いなく Tom Coster に興味は無く当時売れっ子メンバーが揃っていたので購入したものと思われます。なにせ、ボブ・バーグ,デニチェン,フランク・ギャンバレ、アルフォンソ・ジャクソンなんですから。若干チックのエレクトリック・バンドみたいな気もしないでもありませんが、やはり購入後も間違いではなかったアルバムです。
 サンタナのバンドに長く在籍したこともあるせいか、Then And Now には、ラテン風味のある曲に魅力を感じます。完全なラテンは Best Of Friends なんてカリビアンな曲もあります。その反面 エレクトリック・バンド が好きな方にはTo Be Or Not To Be、Dance Of The Spirits、Thinking Of You、Turkish Delight、Caribbean Sunset が良いですね。
 Welcome... To Myy "Chambers" なんて曲がありますのでよほどデニチェン好きなのでこのアルバムから共演なのかと思ったら、その前の Gotcha!!、Did Jah Miss Me?!? にも参加しています。何があったのか?
 かなり完成度の高い作品なので当時のサウンドを懐かしみたい人には、聞いたことがなかったら是非ともお勧めしたいアルバムです。ちなみにプロデューサーの Jr は息子でやはりキーボディストとのこと。

keyboards : Tom Coster
guitar : Frank Gambale
bass : Alphonso Johnson
drums : Dennis Chambers
percussion, vocals : Karl Perazzo
congas, bata, vocals : Paul Rekow
saxophone : Bob Berg

producer : Tom Coster Jr.

1. To Be Or Not To Be
2. Slick
3. Dance Of The Spirits
4. Then And Now
5. Thinking Of You
6. Mister M.D.
7. Best Of Friends
8. Turkish Delight
9. Blue Blues
10. Welcome... To Myy "Chambers"
11. Caribbean Sunset
12. For The Folks B





  

2023年6月3日土曜日

Richard Groove Holmes / Night Glider


 オルガン・ファンク好きには大好物の、ヘビー級のオルガン・ジャズ・ファンク・セッションです。私オルガンの少し歪んだ音ってジャズやファンクと融合すると電気楽器なのに人の声のように人間の心を揺さぶると感じ、オルガンには、おそらく人の声のコーラスと共通する成分があると思っています。
 オルガンファンクの巨匠と言えば、Jimmy Smith、Jimmy McGriff、Jack McDuff、Johnny “Hammond” Smith なんかが挙げられますが、この Richard Groove Holmesは、1931年生まれでバップ、ソウルジャズで活躍し1965年の Misty が最も有名なアルバムとのこと1991年7月29日で亡くなってます。1961年 Groove でデビューし1991年 Hot Tat まで生涯現役ですか。40枚アルバムを発売されているオルガンファンクの巨匠のひとりですね。


 1曲目「Night Glider」は歌物ソウルでも定番のノリの楽曲です。オルガンのソロが終わってサックスが入ってきたところは、人間のボーカルが入ってきたのかと一瞬思ってしまいました。パーカッションが絡むブレイクも恰好良いですね。キャロル・キングの名曲「It's Going To Take Some Time」「Go Away Little Girl」なんかも収録されているのはうれしい限り。ラストのジャズスタンダードの「Young And Foolish」も泣かせてくれる。
 グルーブホームズは1931年生まれ1991年に60歳で死去したオルガン奏者でハード・バップやソウル・ジャズのジャンルで活躍した人です。作品としては1965年の「Misty」のレコーディングが最もよく知られているようなのでどこかにメモしときます(最近聞くべきと思っているアルバムが増えすぎて忘却してしまいます)また、最後のコンサートを車椅子で行い、前立腺癌と闘病後に心臓発作で亡くなったとのことです。
 このNight Glider は1972年の作品なので41歳の時に制作したアルバムです。このジャケ写は好きです。メタクチャ人生楽しんでそうな素敵な笑顔ですねえ🎵

organ : Richard "Groove" Holmes
piano (Electric) : Horace Ott
guitar : Lloyd Davis
bass : Paul Martinez
congas : Kwasi Jayourba
drums : Bernard Purdie
tenor sax : Seldon Powell
trombone : Garnett Brown

1. Night Glider
2. Flyjack
3. It's Going To Take Some Time
4. Pure Cane Sugar
5. Go Away Little Girl
6. One Mint Julep
7. Young And Foolish





  

2023年5月28日日曜日

Zachary Breaux / Uptown Groove

 

 Zachary Breauxは90年代に活躍したアシッド系フュージョンのギタリストで、アルバムは Groovin'Laid Back、Uptown Groove の3枚しか残していません。1960年6月26日、テキサス州ポートアーサーで生まれ、9歳で演奏を始め、音楽的採取学歴はノース テキサス大学音楽大学で作曲を学んでいます。 1984年ニューヨークに移り、vibraphoneプレイヤーの Roy Ayers のバンドで6年間活動し1996 年自身のアルバムを発売し本作は1997年に制作され、この録音の数か月後の1997年2月20日にマイアミ ビーチで休暇中に激流に飲み込まれた水泳選手を助けようとしたときに心臓発作を起こし36 歳で亡くなっています。
 たった3枚ですが、この時代のアシッド・ジャズ・ブームを作った Ronny Jordan とも向こうを張れる技術とセンスのあるギタリストであっただけにその後のアルバムが聞けないのが非常に残念で仕方ありません。私が一時アシッド・ジャズに、はまったのもこの人の影響は非常に大きいです。


 彼のギターは、クリーン・トーンで歪は使わないタイプです。このアルバムのライナーノーツで手にしているのはリアにハム・バッキングも搭載したシングル・コイル系のエレキですが、Laidback では、セミアコを抱えたジャケットです。当然ジャズ系の音使いでほぼチョーキングは無しなのですが Ronny Jordan よりも、ジャズ系の匂いが少なくロック系でもない進化系のギターです。打ち込み的なリズムに合う正確なリズムとピッキングも魅力です。
 さてレビューです。Breakfast At The Epiphany は、16秒の一人ブルースのイントロです。ザカリー好きな人は直ぐにコピーできます。次いで Cafe Reggio いかにもザカリーらしいアレンジとギターです。イージー・リスニングっぽいんですが、流れるようなギター・フレーズと手癖が、いつものあれだなって感じです。控えめに入ってるホーン部隊がさりげなくて良いです。 I Told You は、軽ーく作ってみましたって感じだけど、このさりげなさが渋いです。フルートとのユニゾンもアイデアですね。Never Can Say Goodbye は、アースっぽいイントロから始まると思っていたら、Jackson 5 のカバーらしい。この手の曲は大歓迎です。最近コテコテのジャズばっかり聴いてたんで、この軽さが懐かしくポップな中にちりばめられた難しげなフレーズが心に響きます。The Thrill Is Gone は、ザカリーがボーカルをとっています。私の大好きなハイラム・ブロックが歌わなきゃ良いのにって思う感じに似てます(目立ちたがりのギタリストは歌いたがるもんです)そして After 2:00 AM On The West Coast で、ギターソロに Steve Lukather が登場です。派手ではないけど丁寧に考えられたようなギターソロで、ザカリーと全く違うアプローチは印象的。そしてマイルスの All Blues ですが、リズム&ブルースっぽいアプローチでハーモニカまで入れてきてジャズっぽくないのが好感。Back Into Time は、ザカリーの作曲だと直ぐにわかるパターンです。基本的にパソコンに向き合って作っているかのような無機的なパターンに、ジャズ的要素を加えていくとこうなるんでは無いかなと思います。このパターン、スキです。そしてタイトル曲の Uptown Groove はオルガン・ジャズ・ファンクになります。いやハマります。やっぱりザカリーの好きな音楽性と私は合致しています。楽しいです。Flavors Of My Mind では、また軽くフルートとの共演です。センス良しですね。The 135th St. Theme では、ちょっとテクニカルなギターを入れたパソコンで作った的な楽曲です。ワンパターンが安心感あります。そして、After 2:00 AM On The East Coast を再度入れてます。アコースティック・アレンジにして今度は Ted Dunbar がリード・ギターです。なるほど、タイプの違うギターが少しだけ参加することで飽きの来ないつくりにもなっている訳ですね。最後は I Love This Life は、ジャズ・ブルースのジャムで締めくくりですかと思っていたら、Ted Dunbar とザカリーが何か話していますが何を話しているのかは聞き取れませんが、延々と6分半のおしゃべりのみです。アイデアが良いですね。面白い。
 と、流して聴いていた時よりも集中して聴いたら色んな仕掛けがわかってきて中々のアルバムだと思います。これはヘビロテに入るかな🎵

guitar : Zachary Breaux
programmed by, synthesizer, keyboards : Zachary Breaux (3, 7, 8, 10)
lead vocals : Zachary Breaux (5, 8, 13)
lead guitar : Steve Lukather (6), Ted Dunbar (12, 13)
piano : Renee Rosnes (6, 12, 13)
keyboards : Rob Mullins (7)
organ : Neil Larsen (9)
keyboards, synth : Jeff Lorber (5), Mark Portmann (2, 4)
synth : Rex Rideout (11)
acoustic bass : Brian Bromberg (6 to 8)
bass : Kenny Davis (12, 13)
drums : Harvey Mason (2, 4, 9), Lewis Nash (6, 12, 13)
percussion : Luis Enrique (2, 4)
flute : Hubert Laws (3, 10)
harmonica : Lee Oskar (7)
horns : Dan Fornero (2, 9), Gary Herbig (2, 9), Harry Kim (2, 9)
1997 Posthumous Release.

producer : Zachary Breaux (曲: 1, 3, 4, 7 to 13)
executive-producer : Ricky Schultz

1. Breakfast At The Epiphany
2. Cafe Reggio
3. I Told You
4. Never Can Say Goodbye
5. The Thrill Is Gone
6. After 2:00 AM On The West Coast
7. All Blues
8. Back Into Time
9. Uptown Groove
10. Flavors Of My Mind
11. The 135th St. Theme
12. After 2:00 AM On The East Coast
13. I Love This Life





  

2023年5月27日土曜日

Tower Of Power / Souled Out

 

 2023年の現在で、結成から43年の、未だメンバーを入れ替えながら活動してる息の長いバンドの Tower Of Power(T.O.P)の1995年アルバム。1970年にデビューなのでこのアルバムの発売時で25年。最新アルバムは Step Up (2020年) ですが、これは持っていません。
 ボーカルは Brent Carter で力強い太い声。嫌いな声ではないが、T.O.P. で聴くと若干の違和感があるかな。(好みの問題ですね)
 アルバムを聴いていると、曲名は違うのですが何処かで聴いたフレーズやリフ・パターンのオンパレードです。サウンドは、いつもの T.O.P. より重めでしょうか。まあファンなんで好きですけど Back To OaklandBump City とかの細かで緻密な細工が施されているサウンドの方が好きかなあという感じです。ちなみに、いつもの「おでんバー」の音楽好きの面々は T.O.P. には、ほぼ無反応でした。この手のファンクを聴いて心は踊らないようです。残念。


 古参の結成当初からのメンバーは、テナーの Emilio Castillod、バリトンの Stephen "Doc" Kupka だけになってしまっていますが、メンバーを変えながら息の長い活動を続けているバンドです。曲調も、細かいストロークを中心としたブラスの細かなアレンジのファンクの形態はずっと継承されていますが、リズム隊のメンバーが入れ替わったり、ボーカルが変わったりすることで少しづつ色がか変わっているのを聴くのもこのバンドの楽しみの一つ。ただ今回聴いて思ったのは、楽曲のパターンや元ネタは結構一緒で何かに類似した曲が多いのは嬉しいような気もするが少し残念な感じでもありました。あとものアルバムについて調べていると、メンバー以外のアレンジャーを登用しているのがわかり、これがこのアルバムの多様性を広げているのか、一貫性はあるものの少し物足りなさを感じる要素になってきているような気もします。Barry Danielian (1, 5, 7 to 10, 12), Bill Churchville (2 to 4), Dave Eskridge (6, 11), David Mann (1, 5, 8 to 10, 12)
 さてレビュー行きましょう。Souled Out はタイトル曲なんですけど、インコグにこんな曲があったような気がします。いつもの T.O.P. よりポップな感じもします。Taxed To The Max も歌メロが聞いたことがあるような部分があり、これは T.O.P. の昔の曲の中からかな? まさかのアイデアの枯渇?ベースラインは好きな感じですが全体のアレンジは今風。Keep Comin' Back についてはラテン的な要素も感じるポップです。コーラス部分は昔からのパターンの使いまわしですね。Soothe You は柔らかい感じのバラードです。昔だったらこのパターンのバラードでもリズム隊はもっと緊迫感のある細かなリズムを入れてきていたような気がします。Do You Wanna (Make Love To Me) は、昔のあったパターンですが、このお決まりのパターンは好きです。ベース・ラインも好きです。こうゆう曲をジャムりたいですね。Lovin' You Forever は、またソウルっぽいポップっぽい曲になります。でも歌メロの基本はいつもの奴ですか。Gotta Make A Change は、細かい16ビートが気持ち良い曲です。この速さでやる16が気持ち良いです。変拍子っぽいキメを入れてあるところも私にはかなりツボです。このアレンジは中々のものですが曲の進行は少し単調かなあ。Diggin' On James Brown は昔からやってるヤツですね。安心して聴けます。Sexy Soul は、サザンソウル風です。このぐらい昔風に振り切っていれば気持ち良いですね。Just Like You はミドル・テンポのソウルで少しナンパな感じがします。歌メロにインコグ系が入ってるのが気になるかな。Once You Get A Taste は、なんか軽いですね。Undercurrent は、最後なんでファン・サービス的なブラス・アレンジが気持ち良いボーカルレスの曲。バンドとして進化は必要だとは思うけど T.O.P. は、この路線でいいんじゃないのかなって思います。過去に素晴らし過ぎるアルバムが多いので少し辛口になってしまったような気もします。これが T.O.P. じゃなかったら合格ってしてるんですけどね🎵

【Tower of Power】
Brent Carter : lead and backing vocals
Emilio Castillo : tenor saxophone, backing vocals, lead vocals (8)
Stephen "Doc" Kupka : baritone saxophone
David Mann : alto saxophone, tenor saxophone, horn arrangements (1, 5, 8, 9, 10, 12), tenor sax solo (8, 9, 12)
Bill Churchville : trombone, trumpet, flugelhorn, horn arrangements (2, 3, 4), lead trumpet (2, 3, 4, 6, 9, 11), trumpet solo (7), trombone (11)
Barry Danielian : trumpet, lead trumpet (1, 5, 7, 8, 10, 12), horn arrangements (1, 5, 7-10, 12), flugelhorn solo (6), trumpet solo (12)
Nick Milo : keyboards, Hammond B3 organ solo (2), Minimoog solo (3)
Carmen Grillo : guitars, guitar solo (11), backing vocals
Rocco Prestia : bass
Herman Matthews : drums, percussion, hum-drum (12)
【Additional musicians】
Jeff Lorber : clarinet (2, 5), guitars (5)
Lenny Castro : percussion (3, 4)
Brandon Fields : saxophone (3, 4)
Dave Eskridge : horn arrangements (6, 11)
Bob Franceschini : horn arrangements (7)
Ozzie Melendez : horn arrangements (7)

producer : Emilio Castillo, Jeff Lorber

1. Souled Out
2. Taxed To The Max
3. Keep Comin' Back
4. Soothe You
5. Do You Wanna (Make Love To Me)
6. Lovin' You Forever
7. Gotta Make A Change
8. Diggin' On James Brown
9. Sexy Soul
10. Just Like You
11. Once You Get A Taste
12. Undercurrent





  

2023年5月26日金曜日

Stevie Ray Vaughan & Double Trouble / In Step


 Stevie Ray Vaughan(スティービー・レイ・ボーン)は、1990年、8月26日、ウィスコンシン州イースト・トロイのアルパイン・ヴァレイ・ミュージック・シアターで行われたブルース・フェスティバルに出演した。出演者は エリック・クラプトン、バディ・ガイ、ロバート・クレイ、ジミー・ヴォーン。このコンサートの終了後の8月27日にシカゴ行きのヘリコプターに乗り込み、アルパイン・ヴァレイ・リゾートにあるスキー場のゲレンデに濃霧で視界を失ったヘリコプターが墜落、エリック・クラプトンのボディガードを含む乗員全員と共に死去した。
 このアルバムはその亡くなる前の年の1989年に発売されたアルバムです。1985年に麻薬中毒とアルコールの治療に専念するために、ジョージア州アトランタのクリニックに入り4年ぶり5枚目のアルバム発売となり、このアルバムを最後に前述の事故で亡くなりました。


 このアルバムは軽快なロックンロールで幕を開け、Howlin' Wolf のカバーの Love Me Darlin' まで収録されています。またキーボードの Reese Wynans の参加によりロックン・ロール感が増しています。
 さて曲のレビューといきます。The House Is Rockin' は、とにかく明るく始まりロックンロール・ピアノがイントロから印象的な曲です。飲み屋で楽しくやってるから遠慮せずにノックして来いよ。フロアで踊ろうぜという楽しい曲です。これがライブ・ハウスとかでレイボーンの演奏で聴けたら最高でしょう。Crossfire は、少し重めのブルース・ロックでホーンも入った演奏で重厚感あります。Tightrope は、オルガンが軽めに入ったブルース・ロックとなっています。手癖のあるフレーズが最初から連発で、少し歪みが多めのギターの音も好きです。こうやって聴くと一辺倒に聞こえてたギターの音も、少しづつ音色変えてるのがわかりますね。Let Me Love You Baby は、伝統的なスタイルのブルースが激しくなりカッコよく演奏されています。ギターの音色は、少し歪み少な目にしてトレブルを上げた音色です。Leave My Girl Alone はスロー・ブルースです。ギターはクリーンに音色設定してるのが、これまた素晴らしい。途中からズブズブに歪ませるとこもゾクゾクしますね。ロングトーンの音の揺れ具合も素敵です。Travis Walk は、お得意のインスト・スタイルのロックン・ロールです。テクニックも音使いも素晴らし過ぎる。ピアノも効果的で、やっぱりこのアルバムは当たりだ。Wall Of Denial は変則的なギターのイントロが印象的な曲で、伝統的なブルースだけでなく、こんな技も使うとこが作曲にも非凡なところがあるのを感じますよね。と書いたところで、Scratch-N-Sniff でロックン・ロールに戻ってきます。録音のリバーブ感がライブ・ハウスで聴いているかのようなザクザク感が楽しいなあ。そして、ハウリン・ウルフの Love Me Darlin' です。グシャグシャ加減が気持ち良いブルースです。ギターも凄いけどいきって歌ってるレイボーンのボーカルも好きです。Riviera Paradise はクリーンなインスト曲です。この曲は今聴いても好いなあ。今更ながらコピーでもしようかな。ベーシストと二人でやったら渋いですよね。
 ジャケットではドブロ持ってますが、アルバムの中では全く使用してないよくあるパターンのようです。そして最後に、1994年、オースティン市はスティーヴィーのコンサートが数多く行われた市内のリゾート地「タウン・レイク」にスティーヴィーの銅像を設置しています。日本ではドラッグをやると浮かび上がれないですが、残した音楽が素晴らしければ、」後世まで讃えられるのはアメリカって寛容な国なんだなと思いました🎵

guitar, vocals : Stevie Ray Vaughan
bass : Tommy Shannon
drums, percussion : Chris Layton
keyboards : Reese Wynans

producer : Stevie Ray Vaughan And Double Trouble

recorded & mixed at Kiva Studios, Memphis Sound Castle, Los Angeles.

1. The House Is Rockin'
2. Crossfire
3. Tightrope
4. Let Me Love You Baby
5. Leave My Girl Alone
6. Travis Walk
7. Wall Of Denial
8. Scratch-N-Sniff
9. Love Me Darlin'
10. Riviera Paradise





  

2023年5月21日日曜日

Lee Morgan / Search For The New Land

 

 Lee Morgan といえば大ヒットは1963年録音・1964年発売の The Sidewinder で、次いで1965年に録音・1966年発売の The Rumprolle は、The Sidewinder の路線。本作はその前の年の 1964年に録音されたいましたが、The Sidewinder のヒットにより同類の The Rumprolle を優先して販売で同年の1966年に発表となったアルバムです。売れそうなアルバムは、売れる時に売ると、日本のアイドル並みのペースでのアルバムリリースとなっています。しかし全てのアルバムが売れたのかと言えば残念ながら The Sidewinder 以外のセールスは残念な結果となっています。The Rumprolle はBillboard 200入りを逃し、本作はBillboard 200で143位となり3週にわたりトップ200入りの結果です。200位に入れば十分かと思いますが、このアルバムは Lee がコケたアルバムと言われているらしい。
 そんな快進撃の1963年ですが、1960年~62年までは録音的には低迷期で、麻薬癖がひどくなったためとも言われ、1963年にブルーノートに復帰しています。


 さて、この作品のレビューとしましょう。8ビートも無く全体的には陰鬱でダークな雰囲気が漂い重い作品です。作曲はすべて Lee Morgan ですが1曲目の Search For The New Land の始まりかたは、なかなか斬新でハンコックのピアノがシンセチックに使われていて斬新です。そこから地底から這い上がってくるようなテーマが始まり盛り上がるのかと思いや重さを留めたまま元に戻り、ショーターのソロ、ダークなテーマ、Leeのソロ、テーマ、影薄めのグラント・グリーンのラテン風味のソロと、面白みに欠けるような気もするが、意外性のある展開が面白くもある。不思議な曲です。そして次の曲 The Joker は、普通に明るくバップしてるのが1曲目の意外性のある曲に続けるのは、なんともアンバランスですが、曲としては伝統的なノリで安心。Mr. Kenyatta も、普通にラテン風ジャズですがショーターの方が調子が良いような感じでグラント・グリーンも頑張りますが意外性は無いかなあ。 Melancholee は、ゆったりめのバラード?のようなダークな曲です。気が滅入るようなメロディーです。どうせなら、こちら方面の方向性をアルバムに持たせた方が良かったのではないかとも思えます。Morgan The Pirate はワルツ風。ドラムスの Billy Higgins が頑張っています。普通ですが、これは好きです。
 全体的にコンセプトがよくわからないような曲の集合体のような気もしますが、冒頭で述べた過渡期の Lee Morgan のアルバムなので、実験をしながら何かを模索しているのが中途半端な印象となっているのでしょうか。そう思うと音源としては面白いかも🎵

trumpet, composed by : Lee Morgan
piano : Herbie Hancock
bass : Reggie Workman
drums : Billy Higgins
guitar : Grant Green
tenor sax : Wayne Shorter

producer : Alfred Lion
recorded by : Rudy Van Gelder

recorded on February 15, 1964 at the Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

1. Search For The New Land
2. The Joker
3. Mr. Kenyatta
4. Melancholee
5. Morgan The Pirate