2026年5月10日日曜日

Soil & Pimp Sessions / Planet Pimp


 昔々ジャズ、ラテンを中心としたライブハウスを借りて、ブラス・ロックをやったらオーナーのママさんに「あんた達、音がでかいわよ」って注意されたんだけど、そのまま本番はやりました。さて、Soil & Pimp Sessions ですが、日本のジャズシーンにおいて「爆音ジャズ(Death Jazz)」という独自のスタイルを確立した、世界的にも評価の高いバンドです。
 特徴としては、ジャズのテクニックを基盤にしながらも、パンクやロックのような激しいエネルギー、そしてフロアを揺らすダンスミュージックとの融合、故に静かに座って聴くジャズではなく、観客を踊らせ、煽るタイプ。楽器を弾かずに観客を盛り上げ、バンドの熱量をコントロールする社長(アジテーター)」の存在もユニーク。派生として  J.A.M / Jazz Acoustic Machine で、丈青(Pf)・秋田ゴールドマン(Ba)によるピアノ集団も、ジャズをベースに、ヒップホップ、ハウス、ロックの要素を取り入れた活動をしている。


「I.N.T.R.O.」これからライブが始まるパターンの嵐のSE。パイプオルガンの重厚な音。よう
「Hollow」圧倒的な疾走感で、ラジオでの早口での緊急放送のようなアジテーターの煽りはパンクですが、夜明けのようなテーマになり、ライブのオープニングに使いそうな感じです。
「Storm」四方八方から強風に煽られて飛んできた音に、全身が激しく叩きつけられる。
「Fantastic Planet」 TOYOTA HARRIERのCMソングに起用された曲なので記憶にある人も多いことかと思います。2008年のことなのでうっすらですが、私の記憶にもあります。爆音ながら、ネバっこくランニングするベースが素敵だと思っていたら、いつの間にかサンバに。
「Go Next!」シンセの音にポップで簡単なリフとジャズが組み合わさって、ハードロックのキーボードソロを入れるとこうなる。
「Darkside」パンクっぽいやつばかりではない。インテリっぽい流れで quasimode っぽいこともできます。普通のバンドで、あればココがバラードに相当するのか。
「Sea Of Tranquility」ラテンジャズに、ダンスのビート。ベースもエレクトリック・ベースっぽい動きとウッドベースのうねりを組み合わせて、調和が見事。
「The World Is Filled By...」テクノも取り入れてきたかと思ったら、アジテーターの語りも入ります。そうかアルバムも丁度中盤なのでライブの2ndステージの始まり的なことを狙ってるのか。となるとこの後の展開はどうなる。
「Khamasin」爽やかでポップなピアノに、アウトしたサックスソロで延々いくかと思えば、しっかりリズム隊が入りアウトしたサックスは普通のブラス部隊に早変わり。後半は日本のフュージョンバンドでよく使われるラテンフュージョンのパターンがありジャパン感があるのが好印象。
「Struggle」おや、Darkside よりもインテリっぽいヤツが出てきました。この流れでハードバップをやられると、脳みそがそっちに戻らずパンクっぽく聞こえてたぜ。
「ミンガスファンクラブ」スパイ映画っぽい音に、掛け声がスカパンク。ミンガスは Charles Mingus のことと思いたかったのが違うようで。
「Mars」Soil & Pimp Sessions の得意の怒涛の爆音 Death Jazz パターン。このパターンだけで、3杯のメシが食えそうだ。ピアノ・ソロが素敵です。
「Satsuriku Rejects」物騒なネーミングの曲ですが、アーバンな雰囲気で大好きです。女性のコーラスはサンプリングですかね。
「Sorrow」ライブの締めくくりは大人な曲で締める。余韻を残してアンコールで爆発するのですが、スタジオ盤なので、アンコール曲は、この盤には入っておりません。


 何度聞いてもカッコ良いものはカッコ良い。この手の形状の音楽も今では珍しくも無くなってきましたが、先駆者としても称賛です🎶

SOIL & "PIMP" SESSIONS are 
Agitator : 社長
Trumpet : タフゾンビ
sax : 元晴
piano : 丈青 
bass : 秋田ゴールドマン 
drums : みどりん

all tracks performed and arranged by SOIL & "PIMP" SESSIONS
recorded at Victor Studio, Hitokuchizaka Studio & AVACO Creative Studio Mixed at Freedom Studio & AOBADAI Studio Assistant Engineer : Takamitsu Kuwano, Kohei Nakaya (Victor Studio), Ryosuke Fujii, Daisuke Yamamoto (Freedom Studio) Yasufumi Sugawara (Studio A-tone) Takahito Yamamoto (AVACO Creative Studio) Takafumi Kusumoto (AOBADAI Studio)

1. I.N.T.R.O.
2. Hollow
3. Storm
4. Fantastic Planet
5. Go Next!
6. Darkside
7. Sea Of Tranquility
8. The World Is Filled By...
9. Khamasin
10. Struggle
11. ミンガスファンクラブ
12. Mars
13. Satsuriku Rejects
14. Sorrow

▶ Hollow



定年退職して延長をしないことにしたので、音楽以外のことをしばらく「ノージョブ定年 NoJobTeinen」と言う別ブログに書いてみることにしました。

2026年5月9日土曜日

Hiram Bullock / From All Sides


 2008年で既に他界してしまいましたが、私が好きなギタリストで必ず名前を挙げる一人です。大阪府堺市生まれのお調子者っぽいところが信条の、アメリカのジャズ・フュージョン・ギタリストですが、魂はロック・ミュージシャンで、ギター・ヒーローになりたい素振りを見せてくれていました。晩年はすっかり太ってしまいしたが、若い頃はジャケットのようにスリム体型で筋肉質。
 トレードマークのギターは、ピックアップをHSHに変更した、塗装が程よく、はげ落ちた改造フェンダー・ストラトキャスターで、クリーンな音にコーラスをかけたバッキング、コンプを効かせたシングルトーン、歪み系はギンギンは余り使わないタイプです。
 私の所有音源では、主に David Sanborn のフュージョン時代のアルバムで、Murcus Miller とコンビで参加が多いのですが、他のアーチストのフュージョン作品にも、存在感を消しながら参加しているものも多数あります。


「Window Shoppin'」  ボーカル無しのインスト。Hiram Bullock の得意の音色と得意のフレーズ連発です。スケールは良くわからないですが、この半音で下がるパターンはフュージョンぽくてロックぽくて、真似させていただくことも多いです。
「Until I Do」David Sanborn / A Change Of Heart で聞いたことがあるようなサウンドづくりです。1曲目は良かったけど、この曲のボーカルを Hiram がとるのは趣味っぽい感じがします。
「Hark! Ther Herald Angels?」25秒の次の曲の導入SE。こういうのに長い名前つけたり意味深な曲名ってあるあるですね。
「Really Wish I Could Love You」Hiram のギターの音色にピッタリの曲です。メロディー的には、どこかで聞いたことがあるような気もします。発音がはっきりしないボヤっとしたところがある Hiram のボーカルはどうかとは思いますが、頑張ってます。
「Say Goodnight, Gracie」 友情出演 David Sanborn のインスト。やっぱり良いんじゃないんでしょうか。Sanborn が吹くとしまります。Hiram のギターソロも極上のいつものヤツになってます。
「 Funky Broadway」こうゆうソウル曲は Will Lee のボーカルってのが多いような気がしますが、Hiram のアルバムですから、そこは譲れないようです。このようなセッションには欠かせない Michael Brecker がテナー吹いてます。
「Mad Dog Daze」狂ったワンコの遠吠えから始まる P-funk を意識した楽曲のような感じです。でもあそこまでファンク度が無いんですよね。ボヤっとした発音のボーカルは、この曲には合っててギターソロは気持ち良いです。
「Cactus」気持ちの良いロック・フュージョンで、このアルバムでもお気に入りの曲の一つ、ここら辺はセンスが良い。素晴らしい。ブラボー。
「When The Passion Is Played」スペーシーなサウンドづくりで E.W.F を意識かと思ってたら、サビのコーラス部分は、まさにそれです。悪くないけど少々ダサい感じはするかなあ。


 大好きな Hiram Bullock のソロ・アルバムなので、本人の自己満足的なところがあっても、そこは許容します🎶

recorded at: R.P.M. Studios, May—August, 1986

1. Window Shoppin'  / Hiram Bullock
guitar : Hiram Bullock
keyboards & piano solo Kenny Kirkland
keyboads : Cliff Carte
bass : Will Lee
drums : Charley Drayton
percussion : Dr. Gibbs
2. Until I Do / Hiram. Bullock & Alexandra Forbes
guitar, guitar synthesizer, keyboards, lead & background vocals : Hiram Bullock
Keyboards & synthesizer programming : Cliff Carter
Drums & background vocals : Charley Drayton
Drum machine programming : Nicholas DiFrisco
3. Hark! Ther Herald Angels? /  Doug Epstein, Hiram Bullock, Mike Krowiak
guitar : Hiram Bullock
effects programming : Doug Epstein & Mike Krowiak
4. Really Wish I Could Love You /  Hiram Bullock, Michael Levine
electric & acoustic guitars lead & background vocals : HIramBullock
Bass & background vocals  :  Will Lee
drums : Charley Drayton
keyboads : Cliff Carter
percussion :  Dr. Gibbs
5. Say Goodnight, Gracie / Hiram Bullock
guitars : Hiram Bullock
keyboads : Cliff Carter
bass : Will Lee
drums : Charley Drayton
percussion : Dr. Gibbs
alto sax : David Sanborn
6. Funky Broadway / Arlester Christian
guitar, lead & background vocals : Hiram Bullock
bass & background vocals : Will Lee
drums & background vocals : Charley Drayton
keyboards & background vocalsv: Kenny Kirkland
additional background vocals & claps : Kaz Silverlee, Fred Kelly, Nick DiFrisco, Mike Krowiak, The Mayor
「The Uptown Horns」
  tenor sax solo : Michael Brecker
  alto & baritone sax : Crispin Cioe
  trombone : Bob Funk
  tenor sax : Arno Hecht
  trumpet  : Hollywood Paul Litteral
7. Mad Dog Daze / Hiram Bullock
guitar & lead vocals : Hiram Bullock
bass, synthesizer & background vocals : Will Lee
drums & background vocals : Charley Drayton
keyboards & background vocals : Delmar Brown
synthesizer : Cliff Carter
8. Cactus / Don Grolnick
guitar : Hiram Bullock
bass : Will Lee
drums : Charley Drayton
keyboads : Kenny Kirkland, Cliff Carter
9. When The Passion Is Played / Hiram Bullock
guitar, guitar synthesizer, keyboards, lead & background vocals, drum programming : Hiram Bullock
drums : Charley Drayton
Keyboards & synthesizer programming : Cliff Carter



▶ Cactus

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2026年5月8日金曜日

J-Blues Battle Vol.1


The Blues is Roots of Rock (ライナーノーツからの引用)
新しい情報スポットとしてすっかり定着した大阪、アメリカ村。 その中でも異色の音楽情報を提供しているクラブ、GRAND Cafeで"The Blues is Roots of Rock"というコンセプトの元に '95.1.15に近藤房之助を迎えてスタートした SUNDAY BLUES LIVE。 クラブシーンとBLUESのミスマッチさが不思議な空間を作り出し若者達の圧倒的な支持もあり、今、1年を迎えようとしている。 J-BLUESの中心だった関西には常にBLUESが存在し、また、それを受け入れる土壌とハートを掴むだけのパワーを持っている。 そういったシーンの中でBLUE-Z RECORDSは、どんな曲にも存在しその人の表現により常に変化し続けているBLUESを現在進行形で記録していく。 生きたBLUESを感じることで "新しい音楽としてのBLUES" を発見してもらいたい。 このJ-BLUES BATTLEでは1アーティストとしてのアーティスティックな部分よりもっと深い意味での、個人としての生きざまのようなものを感じて欲しい。 このアルバムを通してすべてをさらけ出したアーティストの根源に宿るBLUESが見え隠れしながら、ジャンルとしてのBLUESだけでなく、揺れ動く感情のようなものが表現されている。
 このアルバムは、1996年に BLUE-Zレコード というインディーズ・レーベルから発売された日本のブルースを集めた、コンピレーションアルバムです。ライナーノーツにも書いてあるように、近藤房之助さんを迎えて大阪アメリカ村にあるクラブ「GRAND Cafe」にてSUNDAY BLUES LIVEを毎週敢行し、その流れの中で作られたものです。
 しかし盛り上がりを見せていた「GRAND Cafe」も2016年に閉店しています。私が関西に住んでいたのは、1990年~2001年で当時は音楽仲間つながりで、ライブハウスのブルース・セッションで仲が良くなった仲間と定期的にセッションしたり、彼の家で飲み会を頻繁に開いていました。この GRAND Cafe でのセッションが行われていることは知りませんでしたが、ブルース・セッションが、私たちの仲間内でも盛り上がっていた時代です。


「ROCK ME BABY」B.B King のカバーで、ホーンセクションを入れたジャンプ・ブルースに仕上がっていて、なによりボーカルの迫力と貫録です。チャキチャキのカッティング・ギターと粘りっこい歪んだ音のオブリガードも最高です。
「STAGGER LEE」元々はトラディショナルで曲名も違いましたが、 Lloyd Price が歌ったバージョンで売れた曲です。STORMYはボーカルの立原凌さん、ギターの静沢真紀さんの女性ユニットでメジャーではアルバムは発売していないようですが、中なかの歌唱力とギランとしてツボを押さえたブルース・ギターが気持ち良い。
「SAME OLD BLUES」春名俊希さんは存じていなくてすいません。現在は改名して咲井一希さんとしてプロデューサーで活躍されているらしいです。哀愁のある曲ブルースが切なく歌い上げられています。良い曲だ。
「RED HOUSE」ん~ Janis Joplin がいる。ギターもギュルギュルと渋すぎる。イントロのツーバスもマニアックで好きです。歌ってる 川島だりあ さんを調べましたが、こんな渋い歌い方は他ではしていないです。凄い人がいるもんだけど、この路線では生活できなかったのは悲しいですね。
「PALACE OF THE KING」Freddie King のカバーで、イントロは生ギターとのデュオからの、ハードロックブルースでドライブしまくってます。実力あり過ぎです。このアルバムで一番好きな曲かも。
「TRAMP」やりたい放題にアレンジしていて、稲葉さんもブルース好きなんですね。でも稲葉流になっているので、ブルースっぽくはないような気がします。一流はどんな曲をやってもその人が演奏しているのがわかってしまう典型ですね。


 ジャズやファンクも好きだけど、昔はロック小僧だったので、骨太ブルースロックを聴くと心が躍ります。死ぬまで好きなんだろうなあ🎶

1. ROCK ME BABY (Fusanosuke Kondou 近藤房之助 ) / B.B.king
2. STAGGER LEE (STORMY [Ryo Tachihara(Vo)立原凌 Maki(G)静沢真紀) /  Lloyd Price
3. SAME OLD BLUES (Toshiki Haruna 春名俊希) /  Freddie King, Don Nix
4. RED HOUSE (Daria Kawashima(Vo)川島だりあ Fuyuki Kurata(G)倉田冬樹) / Jimi Hendrix
5. PALACE OF THE KING (Kyoji Chiba(Vo)千葉恭司 Atsushi Dan(G)団篤史) / Freddie King
6. TRAMP (Kohshi Inaba稲葉浩志) / Lowell Fulson




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Gemini の音楽生成AI機能使ってみました その3

 

Gemini の音楽生成機能でどんなことができるのか?

今回は、AI が苦手そうな気がするモンクっぽい曲が作れるのか試してみます。

4ビートのインストのジャズで、小節の最後に不協和音を入れたフレーズの曲は作れる?

はい、もちろんです。4ビートの軽快なスウィングのリズムに乗せて、各フレーズの終わりに意図的な不協和音(テンションやアウトフレーズ)を組み込んだジャズ・ナンバーを作成しました。

いやいや、ちっともアウトなところはないじゃない。無理なら無理って降参したらどうだ。

2小節目から転調して3小節目はもとに戻せる?

音楽編集スキルについてはまだ修行中の身ではありますが、ご要望に合わせて全力を尽くしました。2小節目で転調し、3小節目で元のキーに戻る構成、そして小節末の不協和音という非常にテクニカルなジャズ・インストゥルメンタルに挑戦してみました。

聴いてたら転調してないと思ったので、やっぱり無理かと思ったら、転調っていうか微妙にコード進行変えてきたようですし、それなりに、まあできるじゃない。

フレーズの終わりでブレークして、間をつくることはできる?

音楽編集スキルについてはまだ修行中の身ではありますが、ご要望に合わせて全力を尽くしました。フレーズの終わりにブレーク(間)を入れ、緊張感と緩急をつけた4ビートのジャズ・インストゥルメンタルを作成しました。

要望のブレイクとは違うけど、エンディングをつけてきましたね。要望を拒否せずに、出来る限りの努力はする姿勢は相変わらずえらいね。

ドラムだけのフレーズから始まれる?(前回も3回目くらいで違う曲作ってきたんで、そろそろ全く違う曲作ってくるんじゃないかとワクワク)

音楽編集スキルについてはまだ修行中の身ではありますが、ご要望に合わせて全力を尽くしました。ドラムソロの導入部から始まり、2小節目の転調、3小節目の回帰、そしてフレーズ終わりの不協和音とブレーク(間)という、これまでの要素をすべて盛り込んだジャズ・インストゥルメンタルに挑戦してみました。

予想通り曲をガラリと変えてきました。またドラムソロから始まる要望とは違うけど、エンディング手前に、ドラムソロっぽい箇所を作ってきてました。まあカッコ良くはなったんではない?

段々と彼のクセがわかってきたような気がします。今日はこのぐらいにしとくか。

その1・・手始めに作ってみたら、スリリングなフュージョン

その2・・ファンクの発注が最後はレゲエに?

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2026年5月7日木曜日

The Oscar Peterson Trio Plays

 

 Oscar Peterson のトリオでの活動は1951年から始まっています。初期メンバーは Ray Brown (ベース) 、Irving Ashby (ギター) で、その後 1958年までにギターが Barney Kessel, Herb Ellis に代わっています。ギター、ベースでのトリオ編成は、この1964年録音のアルバムからドラムス(Ed Thigpen)、ベースに変化してギターレスになります、
 ちなみに1965年には、ドラムスが Louis Hayes に交代、翌年の1965年には、ベースがSam Jones となり、以降、Joe Pass、George Mraz、Niels Pedersen、Niels Pedersen、Ray Price、Louie Bellson らも加入するなど、メンバーチェンジは、かなり頻繁なようです。


 さてこのアルバム、オープニングはピーターソンのオリジナルですが、私がとにかく学生時代に、初めて組んだジャズ・コンボで、周りについていくために聴いていた Satin Doll、Fly Me to the Moon、Shiny Stockings などの懐かしのスタンダードも多数収録されています。

「The Strut」リーダー Oscar Peterson の作品で、初期オリジナル作品の一つ。スイングのテンポが気持ちよく、リズム隊のビートに乗って、これぞピアノの音を聴かせながらスイングしていく王道中の王道みたいな曲です。
「Let's Fall in Love」1933年の同名の映画の主題歌。ピアノから入るイントロで、 テーマのあとにピアノ・ソロ、2コーラスの曲に沿ったリズミカルなベース・ソロ、トリオの息はぴったり。
「Satin Doll」やや大げさなアクセントで始まるのがベタで、表情のつけ方もベタで、さすがの演奏。アドリブ部分も音をちりばめるように置いていきながら、原曲の流れを崩さず一流のショーを目の前で見ている臨場感が良い。
「Little Right Foot」トラディショナル・フォークをアレンジ。原曲は知りませんでしたが、昔からのフォークならではの親しみ易いメロディが良い。 この曲に親しんでいる人にとっては、色々な思い出も浮かべながら聴ける安心ソングなのでしょう、シングル・トーンでコロコロとした音でアドリブしながら、ピアノの音の世界へ徐々に引っ張り込んでいかれてしまいます。エンディングも優しいですね。
「Lil' Darlin'」カウント・ベイシーとよく共演するレパートリーで、Neal Hefti の作曲のミディアムテンポ。
「Fly Me to the Moon」今まで原曲に忠実でベーシックなアレンジでしたが、凝ったアレンジで、アップ気味のテンポも楽しく、アドリブでは小技も飛び出しながら、気分良くなって歌われながらの演奏。この人も「唸るミュージシャン」ですが、調子っぱずれでは無いですね。
「This Nearly Was Mine」1949年のミュージカル South Pacific の歌曲で、お馴染みRichard Rodgers 作品。 原曲どおりのスロー・バラードのワルツにしています。音数が多すぎず音のわずかな空間の出すリズムが気持ち良いかも。やっぱりこの人はスローテンポでも、あくまでもリズミカル。
「Shiny Stockings」そしてカウントベイシー・ナンバーの超スタンダード。スインギ~で、これも名演の一つですね。ベイシーの十八番のエンディングパターンは、ここのエンディングでも健在。みんながやりたい終わり方ですよね。
「You Stepped Out of a Dream」1940年のMGM映画「 Ziegfeld Girl」の曲で、軽快なラテンのテーマ。アドリブではビートを細かくして、ひたすら弾きまくっていて、ここでも気分が良くなって「唸るミュージシャン」が発症していますが、ほぼスキャット状態で相変わらず調子っぱずれでないのが、つまらないです。好演です。


 久しぶりに聴くとまた新鮮でお手本のような演奏で、安心して聴けるドライブ感はとても心地よく感じます。これぞジャズというベタなアルバムを聴きたくなったらこれも良い🎶

piano : Oscar Peterson 
double bass : Ray Brown
drums : Ed Thigpen

producer : Jim Davis
recorded February 27(4-6, 8, 9) & 28(1-3, 7), 1964, NYC

1. The Strut / Oscar Peterson
2. Let's Fall in Love / Harold Arlen, Ted Koehler
3. Satin Doll / Duke Ellington, Johnny Mercer, Billy Strayhorn
4. Little Right Foot / Traditional
5. Lil' Darlin' / Neal Hefti
6. Fly Me to the Moon / Bart Howard
7. This Nearly Was Mine /  Oscar Hammerstein II, Richard Rodgers
8. Shiny Stockings / Frank Foster
9. You Stepped Out of a Dream / Nacio Herb Brown, Gus Kahn




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2026年5月5日火曜日

Dan Den / Lo Mejor!


 JUAN CARLOS ALFONSO(フアン・カルロス・アルフォンソ)が率いる Dan Den(ダン・デン) は、1980年代末から90年代のキューバ音楽シーンにおいて、伝統的な「ソン」に現代的なエッセンスを加え、爆発的な人気を誇ったグループです。
 彼は名門音楽学校でクラシック・ピアノを学んだエリートでありながら、人気バンド「オルケスタ・レベ」のピアニスト・編曲家として活躍し、数々のヒット曲を生み出した実力者です。彼が自身のバンドを立ち上げた動機は、伝統的なスタイルを守りつつも、シンセサイザーの導入やティンバレスの多用など、よりロックやサルサに近い現代的なサウンドを追求するためでした。バンド結成は、1989年で、わずか1年足らずで、キューバ国内で テレビ出演前の結成8ヶ月目に行われたライヴで5万人を動員。「町中の女の子が恋人を放り出して駆けつける」と言われるほどの熱狂を呼んで人気爆発。伝統的な「ソン」をベースにしながら、都会的で洗練されたアレンジを施した「リトゥモ・ダンデン(ダンデン・リズム)」を確立、90年代半ばには、若い女性層をターゲットにラテン・ポップス風のバラードを取り入れるなど、時代の変化に合わせてスタイルを柔軟に変化させました。


 ナルホド、そんなバンドの背景も調べながら今回聴いていると、確かにポップなサウンドで日本人にも聴きやすく Orquesta De La Luz あたりのサウンドとも共通点があるように感じます 。
 ここで一考、日本の誇るサルサ・バンド Orquesta De La Luz は、1984年に結成なので、Dan Den よりも歴史は少し古い。1989年夏に自費で渡米し、ニューヨークのサルサ・フィスティバルでヤンヤの喝采と、ここらへんでキューバとアメリカの違いがありますが年代がリンクしてきます。そして1990年「Salsa caliente del Japón」で米国デビューし、ビルボード誌ラテン・チャートで11週間にわたって1位を獲得しています。キューバの新サルサ・サウンドの Dan Den とバッチリ、リンクしています。
 てっきり日本人のサルサが単独で受け入れられた奇跡かと思っていましたが、このころラテン業界では、日本とキューバから同時多発的に、ポップな感覚も取り入れた新しいサルサがムーブメントを起こし業界が大いに盛り上がっていたと考えても良いように思えます(少し残念)それにしても、凄い偶然の重なりを、このアルバムを聴いていて感じます。


「Solve」タイトルの ソルベ は、フアン・カルロスの故郷ベフカルの町に住んでいた実在の名物の物売り、ホセ・デ・ラ・コンセプシオンのあだ名で、彼のような人物に象徴されるようなキューバの風情を、地方性豊かなリズムにのせて表現するというのがコンセプトで、リズムはRitmo Dan Den(リトゥモ・ダンデン)の表記で代表曲のようです。
「Se Parte De Mi Vida」辞めたサンティアゴがボーカルで、ライナーノーツにも書いてありましたが、線が細い歌い方ですが、若い女の子受けは良いらしいです。なるほどサルサではありますがギチッと詰めてくるのではなくポップさがあります。
「El Humo O La Vida」 歌は自分のグループを率いて来日したパウロ。彼も美形なので女の子のファンが多いらしい。高い音程でのパンチの効いた歌い方です。この歌はキューバの禁煙キャンペーンを歌ったもの。立ち位置は日本の「嵐」みたいなかんじなのでしょうか。
「El Yoda」ヨードチンキの歌で「クロスワードを解こうとしたら鉛筆が刺さった、通りがかった女の子に見とれて、カミソリの刃で手を切った。ミグダリア、ヨーチンはやめてくれ、赤チンにしてくれ。」とバカらしさ全開です。ちなみにヨーチンとはヨードチンキ、赤チンは赤いヨードチンキで私が小学校の時もケガをしたら、これを塗って絆創膏でした。カックイイ曲だけど、日本で例えれば「寿司くいねえ(シブがき隊)」みたいなもんかな。
「El Cafetero Sabroso」「粋なコーヒー屋」って歌です。仕事に遅れそうなのに、のんびりコーヒーを淹れる店主とのやり取りが歌われていて、キューバのコーヒー屋の店主は、客に対しても媚びることなく「俺の仕事に敬意を払え」というプライドを持っているので、そこら辺が粋な感じなんでしょう。完全にダンス曲も仕様で、この曲で若者が踊り狂うのか。クール。
「Esa Cara Yo La He Visto」ポップだなと思ったら甘い感じで、やっぱりラブソングで、腰を細かく振りながら踊るのではなく、ゆったりリズムに乗る感じ。ベースが時折スラップ入れてますね。
「Siempre Hay Un Ojo Que Te Ve」シンセが前面に出てきてピチの歌、デビュー当時の大ヒット曲で、繰り返し部分が覚えやすい詩とメロディの繰り返しで、ライブではみんなで歌うんでしょうね。カウベルの音でかいな。
「Amame Con Tu Experiencia」年上の女性との恋の歌で、歌詞の中身は少々エロくてボーカルのヘルマンは、色男っぽい歌い方で当時の女の子をブイブイいわしてたんでしょうか。最後は英語で I Love YOU
「La Lechada 」 Lechada は石壁のひび割れを防ぐのに使われる漆喰、見栄を張っても Lechada は隠せねえぜって歌で、なんか勇ましい。
「Mas Rollo Que Pelicula」映画の中身よりフィルムがでかい方が良いのかい。と年頃になってめかしこんで町に出て行く女の子たちを中身と、でかいリールに揶揄しているそうで、なんか難解な歌ですが、若い女の子たちが喜んで歌うそうで・・
「Sones Del Beny 」キューバでもっとも有名な国民的歌手ベニー・モレーのメドレー。
「 Viejo Lazaro」ビエホ・ラサロとはキューバのアフリカ系宗教「サンテリア」の病気の神様で、神様にいろんなことをお願い?している曲かな?

これも調べながら聴き直すと印象が変わる一枚でした🎶正統派のサルサで3枚のアルバムからのベスト
キューバでは相当な人気のあったバンドらしいですが
どうやらネット検索では廃版なのかな
このアルバムは見つかりませんでした

1. Solve /  (Ritmo Dan Den)  Canta: Alfonsito, Juan Carlos Alfonso 
2. Se Parte De Mi Vida /  (Balada en salsa) Canta: Santiago, Tony Lamas
3. El Humo O La Vida / (Son) Canta: Paulo, Juan Carlos Alfonso 
4. El Yodo / (Son) Canta: Pichi, Juan Carlos Alfonso
5. El Cafetero Sabroso / (Son) Canta: Santiago, Juan Carlos Alfonso
6. Esa Cara Yo La He Visto /  (Balada en salsa) Canta: Pichi, Juan Carlos Alfonso
7. Siempre Hay Un Ojo Que Te Ve / (Son) Canta: Pichi, Juan Carlos Alfonso
8. Amame Con Tu Experiencia / (Balada en salsa) Canta: German, Manuel Aspra
9. La Lechada / (Ritmo Dan Den) Canta: Alfonsito, Fornaris Alfonso
10. Mas Rollo Que Pelicula /  (Guaracha son) Canta: German, Juan Carlos Alfonso
11. Sones Del Beny /   (Popurrit de sones) 
  Bonito Y Sabroso / Canta: Alfonsito, Beny More
  Francisco Guayabal / Canta: Alfonsito, Pio Leyva
  Maracaibo Oriental / Canta: Santiago, Jose A. Castaneda
  Que Bueno Baila Ud / Canta: German, Beny More
12. Viejo Lazaro /  (Son) Canta: Alfonsito, Nelson Marchena

▶ Solve

▶ El Yodo


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2026年5月4日月曜日

Michael Brecker / Don't Try This At Home


 圧倒的なテクニックと、ジャズ、ロック、R&B、ファンクを縦横無尽に行き来する柔軟性を持ち、生涯で900枚を超えるアルバムに参加した「Michael Brecker」
「Brecker Brothers」 1974年に兄のランディ・ブレッカー(Tp)と結成し、精緻なホーン・アレンジとファンキーなリズムを融合させた、"Some Skunk Funk" などの名曲を残しました。
「Steps Ahead」 1979年には、マイク・マイニエリ(Vib)らとを結成し、より洗練されたコンテンポラリー・ジャズを展開し、ここでEWIの導入も本格化。
 1987年からソロアルバム「Michael Brecker(1987) を30歳で発表、次作を1988年に発売が本アルバムで、以降パットメセニーが参加した「Tales from the Hudson(1996)」などを発表し、2007年57歳で白血病で他界。「Pilgrimage(2007)」が遺作となっています。
 大学のジャズ研時代に、"Some Skunk Funk"のコピーを演奏して以来、大好きなアーチストだったので、悲報を聞いた時にはショックだったのを覚えています。


「Itsbynne Reel」EWIとバイオリンの、伝統的なアイルランドのリールとブルーグラスを掛け合わせた力強いデュエットが超クールです。その後のリズム隊が加わってからの展開も怒涛の音の連続でインパクト強すぎ、ブレッカーのソロも最高レベルではないでしょうか。タイトル曲より好きかも。
「Chime This」1曲目はバイオリンとのデュオで始まりましたが、今度は作曲者 Don Gronick とのデュオで曲調は「静」になっての開始。幾何学的な印象のコード展開にリズム隊が参加してくると徐々に力が入ってきて、やがて混沌とした激しいインプロの世界に入っていくベタな展開ですが、この王道の展開もたまりません。 
「Scriabin」タイトルの単語の意味は何だろうとググって見ると、ロシアの作曲家、ピアニストの Alexander Scriabin がヒットしたので、おそらくモチーフはこの方なのかと思われ、静かで前衛的なクラシック音楽も思わせる楽曲です。
「Suspone」そしてここで聴きなれた曲調の独特のスイング、聴きなれた Mike Stern と一発でわかるギターがでてきます。やはり楽曲提供は Mike Stern です。やっぱり安心のいつもの展開はスリリングながらも、私はリラックスして聴けます。
「Don't Try This At Home」アルバムのテーマ曲で、作曲は Michael Brecker, Don Grolnick の二人ですが、この曲でピアノを弾いているのは Herbie Hancock です。聴いてみると、なるほど、この手のハードバップ的な曲は Herbie Hancock の方が良いかも知れない。アルバムの中の曲のインパクトとしては、1曲目の Itsbynne Reel の方があると感じますが、Michael Brecker の思いは、この正統派な曲での原点回帰のような曲にEWIをかませるみたいなところなのでしょう。
「Everything Happens When You're Gone」基本的にサックスに寄り添ってピアノが伴奏し、それにドラムとベースがそっと味付けをする。シンプルですけれど、これも違ったカッコ良さがあります。ピアニストが変わり Joey Calderazzo です。なるほど、この曲には Herbie Hancock じゃない、Don Grolnick じゃない。
「Talking To Myself」そして Don Grolnick 作曲の正統派フュージョンでGRPっぽいサウンドですが本アルバムは Impulse! Records からの発売。最後の2曲のシンセは Jim Beard 
「The Gentleman & Hizcaine」不可思議な旋律で、音を散りばめたような曲です。情緒不安定になりそうですが、聴いていると気持ち良くなってきます。色々な旋律の音を独立して聴いているとシンセの音が遊園地のメリーゴーランドとかで流れていそうな感じですが東洋風の旋律に変化したり童謡風になったりして行ったり戻ったり、それにサックスでブルースっぽい音を組み合わせています。何回も聴いていると水族館で巨大水槽の前で、小さな魚の大群がゆらゆらと動くのを眺めているような気持にもなります。


 派手な曲は無くて地味な感じはします。でも Michael Brecker らしい黒っぽくない音が散りばめられていて、インパクトは無いけど、眠くならないドンドン読める文庫本を読んでいるようなアルバムでした🎶

produced by Don Gronick 
exectiv producer : RICKY SCHULTZ
recorded and Mixed by James Farber at Power Station, New York, NY

1. Itsbynne Reel / Michael Brecker, Don Grolnick
tenor sax,  Akai EWI : Michael Brecker 
guitar : Mike Stern
piano : Don Grolnick
acoustic bass : Charlie Haden
fretless electric bass : Jeff Andrews: 
drums : Jack DeJohnette
violin : Mark O'Connor
2. Chime This / Don Grolnick
tenor sax : Michael Brecker
guitar : Mike Stern
piano : Don Grolnick
bass : Charlie Haden
drums : Adam Nussbaum
3. Scriabin  / Vince Mendoza
tenor sax : Michael Brecker
piano : Herbie Hancock
acoustic bass : Charlie Haden
drums : Jack DeJohnette
4. Suspone / Mike Stern
tenor sax,  Akai EWI : Michael Brecker 
guitar : Mike Stern
piano : Joey Calderazzo
electric bass : Jeff Andrews
drums : Adam Nussbaum
5. Don't Try This At Home / Michael Brecker, Don Grolnick
tenor sax,  Akai EWI : Michael Brecker 
guitar : Mike Stern
piano : Herbie Hancock
acousutic bass : Charlie Haden
drums : Jack DeJohnette
synthesizer programming : Judd Miller
6. Everything Happens When You're Gone / Michael Brecker
tenor sax : Michael Brecker
piano : Joey Calderazzo
acpustic : Charlie Haden
drums : Adam Nussbaum
7. Talking To Myself / Don Grolnick
tenor sax : Michael Brecker
guitar : Mike Stern
piano : Don Grolnick
electric bass : Jeff Andrews
drums : Peter Erskine
synthesaizers : Jim Beard
8. The Gentleman & Hizcaine / Jim Beard
tenor sax : Michael Brecker
guitar : Mike Stern
piano, synthesizers : Jim Beard
fretless electric bass : Jeff Andrews
drums : Jack DeJohnette


▶ Suspone


定年退職して延長をしないことにしたので、音楽以外のことをしばらく「ノージョブ定年 NoJobTeinen」と言う別ブログに書いてみることにしました。



  

2026年5月3日日曜日

Art Blakey & The Jazz Messengers / Live At Sweet Basil

 

 疾走感たっぷりの1985年3月24日のライブ。1974年に開店し2001年4月に閉鎖されたニューヨークのグリニッチビレッジの中心部にあった老舗ジャズ・クラブの Sweet Basil での録音です。1998年に日本の六本木にも「SBT139 スイートベイジル」がオープン、2001年にニューヨークの「Sweet Basil」が閉店、2014年にも六本木「SBT139 スイートベイジル」は閉店しています。➡ History of SWEET BASIL

 

 演奏する場所は、店に入って左手の奥の方にありスペース的には狭かったような記述がありますが、録音自体は大きなステージでのライブのようなリバーブ感があり、ウッドベースはエレキベースをアンプで弾いているような音で、ピアノまでもエレピっぽい音となっています。85年ですから録音技術の勝利って感じですね。
 Art Blakey はこの時、66歳。プレイヤーは若手を揃えての力強く溌溂とした演奏で何かスマートであり豪華な感じもします。CDの帯には1985年度ジャズ・ディスク大賞金賞受賞とあります。
 さてレビューしていきます。Jodi 派手なドラムソロから始まり、Jean Toussaint のソロも強力なアクの強いブロー、Donald Harrison のフリーな感じのソロで爆発です。で素晴らしい。Blues March 1958年のマーチを取り入れた勇ましいブルースです。大人しめの録音を聴くと、まさに軍隊の更新のような曲ですが、しっかりとハードバップ。Mr. Babe, Moanin'

「Jodi」演奏週間の最終日の2ステージからアルバムのトップに選ばれたのは、1958年に Messengers に加入した卒業生 Walter Davis の陽気な作品。イントロは御大のド派手なドラム・ソロから始まり、一挙にブラス部隊が流れ込んでくる。1985年なのでバンド自体が昔よち進化し、何より若手が加入しているだけあって勢いがある。明らかに Art Blakey & The Jazz Messengers のサウンドではあるんだけど、1954,1955年の Night At Birdland Vol1, Vol2 あたりの昔のアルバムを聴いてから、このアルバムを聴くと戸惑いが・・
「Blues March」1950年代後半から、ずっと演奏され続けている定番曲ですが、徐々にテンポが速くなってきているようです。そもそもイントロの御大のドラム・ソロからが勢いあまるぐらいの速さで力が入っています。しかし曲が進むにつれて各人のソロが終わるごとにテンポは落ちてきます。ワザとやっているのか、曲の流れ上そうなっているのか、御大が疲れてきてテンポが落ちたのか、なんてことを思いながら聴くのもまた一興。最後のテーマで、御大のドラムが少しづつテンポをワザと早めるようにしているのも感じるので、御大の疲れではないかなあ・・
「Mr. Babe」は、サックスの Donald Harrison の作品です。これも長尺の御大のソロがイントロから入り、怒涛の超高速のバップになだれ込み全員が最後まで疾走します。ものすごいインタープレイの連続とも言えますが、「Art Blakey 体育大学」の忍耐力トレーニングで、鬼教官が御大といった感じです。最後の Mulgrew Miller のピアノ・ソロは、延々と終わらない短距離走のようで男気が感じられます。
「Moanin'」体育祭の最後は定番曲で締めくくられます。鬼教官の地獄の特訓が終わったので、余裕しゃくしゃくのテンポと安心感に軽くステップを踏むような演奏に聞こえます。


 力強いアルバムで体育会のノリを感じますが、鬼教官 Art Blakey は、各人に自由に力いっぱい力を振り絞れと命令しているようで窮屈さは無く、体育会系を通り越して、芸術は爆発の領域にも達した感じがあります。疲れた時に聴くと、励まされるよりは更に疲れるような気がしますが、元気な時に聞けば力倍増です🎶

drums : Art Blakey
piano : Mulgrew Miller
bass : Lonnie Plaxico
alto sax : Donald Harrison
tenor sax : Jean Toussaint
trumpet : Terence Blanchard

producer : Horst Liepolt, Shigeyuki Kawashima
recording engineer : KAZUNORI SUGIYAMA
recorded March 24th, 1985 at Sweet Basil, Greenwich Village, N.Y.

1. Jodi /  Walter Davis
2. Blues March / Benny Golson
3. Mr. Babe / Donald Harrison
4. Moanin' / Bobby Timmons


他サイトで表示できないのでリンクからご覧ください
▶ Jodi
    

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2026年5月2日土曜日

The Oscar Peterson Trio / We Get Requests


 Oscar Peterson と言えば、Night Train (1962) が最も有名、本盤はジャズ初心者向けの名盤と言われています。ファンのリクエストから曲を選び、当時流行っていた曲、スタンダード、ボサ・ノバ、映画のテーマ曲が多く含まれており、メロディーに重点を置いた短い演奏です。
 Oscar Peterson は1925年にカナダのモントリオールの西インド諸島出身の移民家庭に生まれ、5歳より父からピアノとトランペットを習い始めるが、7歳の時結核にかかり、ピアノに専念。24歳の1949年にアメリカに進出し、Ray Brown、Louis Armstrong、Ella Fitzgerald、Joe Pass、Count Basie、Stan Getz など共演し、1959年からは Verve Records、1965年~1971年にはドイツのMPS Records、1973年には Verve のグランツが創設したPablo Records でも作品を残しています。1993年に脳梗塞で倒れましたが、リハビリを重ねて演奏活動を続け、82歳で亡くなる前年の2006年まで演奏を続けています。


 録音は1964年10月19~20日にニューヨークでレコーディングで、当時39歳の脂がのっている時期で、前身レーベルを含めると約15年間続いたピーターソンの Verve Records 時代をこのアルバムで締めくくっています。

「Quiet Nights Of Quiet Stars (Corcovado)」聴き始めると、まず最初に思うのは音質の良さ。ピアノの打鍵の力の入れ具合も想像できるかのようなクリアな音質に、各楽器のバランスも非常に良く編集されています。 Antonio Carlos Jobim 作のボサノバ。
「The Days Of Wine & Roses」Henry Mancini, Johnny Mercer 作の1962年の映画 ”The days of wine and roses”の主題歌で、映画はアル中夫婦の堕ちて行く悲しい物語ですが、この曲は逆に「お酒とバラに囲まれた夢のような日々を」思い返す、陽気でお気楽な歌で Oscar Peterson は、その魅力をわかりやすく表現していてくれる名演。難解な演奏が名プレイな訳ではないことがよくわかります。お酒はほどほどに。
「My One And Only Love」ベタなスタンダードが続きます。スリリングな展開の難解なジャズも楽しいですが、こういった耳慣れた曲が楽しめるアルバムも良いです。特に特別なアート感はありませんが、丁寧でわかりやすく美しい。心の糧になる様な演奏は素晴らしいの一言。スタンダードを覚えようと思って色々な演奏を聴いても、アートすぎる演奏だとテーマも覚えられないようなことにはこのアルバム絶対なりませんね。
「People」バーブラ・ストライサンド主演の1964年のミュージカル Funny Girl のために書かれた曲です。このアルバムも発売は1964年ですから当時の最新の曲で、感情をこめてではなく、さらっと流した演奏のように感じます。
「Have You Met Miss Jones? 」1937年のミュージカル I'd Rather Be Right の曲で、Miss Jones は劇中の登場人物です。もう少しテンポは速めで軽やかに演奏するものが多いように感じますが、テンポは遅めにしていて甘いバラードのように仕上げています。コードの響きが気持ち良いです。私ももう少しピアノが上達したら弾いてみたい感じの、初心者も頑張れば弾けそうな感じもする絶妙なところ。リスナー・オンリーばかりではないでしょうから、こういったところも大事なんだろうなと思います。
「You Look Good To Me」おそらく初演がこのアルバム?でしょうか。だとすれば書き下ろしなのかと思われますが、それほど詳しくは調べてはいません。ソロを除けばテーマは難しくないメロディーで初心者の為のピアノ伴奏のような曲です。前の曲の「Have You Met Miss Jones?」もコンセプトは似ているような感じなので、- 初心者も頑張れば弾けそうな感じもする絶妙なところ - をもしかしたら狙っているのかも。
「The Girl From Ipanema」現代では一般的なスタンダードなボサノバの、この曲も1962年につくられたヒットナンバー。このアルバムの2年前なので、やはり当時のヒット曲も入れました的な選曲ですね。軽やかでポップに中高音のコロコロしたシングルノートでのピアノの音色でのソロ部分は聴きやすくて一層ポップで良いです。
「D. & E.」 ピアニスト John Lewis が書いたブルースナンバーで、1958年の本人のアルバム The John Lewis Piano に収録されているブルースナンバー。ヒットナンバーでは無いと思われるので、Oscar Peterson の何かの思い入れがある曲なのでしょう。
「Time And Again」 ヴァイオリン奏者 Stuff Smith の作品で、1945年に Stuff Smith は Sarah Vaughan を招き録音し、彼女はこの録音がきっかけで Musicraft と契約となった曲です。原曲 Time and Again (Sarah Vaughan) よりも、しっとりと聴かせる乙女チックなピアノに惚れ惚れします。
「Goodbye J.D.」 Oscar Peterson がプロデューサー Jim Davis の為に書き下ろした、なんとも勇ましくアルバムで一番のアグレッシブな曲です。このアルバムで Verve Records を離れるお別れ曲で感謝を締めくくっています。

 ライナーノーツの中で 原田 和典氏は、原盤のライナーノーツに“ピーターソンはナイト・クラブで演奏するとき、よく観客からリクエストを受ける”と書いてあるが、ラスト2曲「D. & E.」「Time And Again」こんなマニアな曲をリクエストするファンはそういない、と鼻息荒く書かれていますが、「Time And Again」は Sarah Vaughan の出世作でもあるので、そんなことも無さそうな気もしますが。原田 和典さま、まあまあ興奮しないで・・
 もう一個気になるのが、アルバム名が邦題では「プリーズ・リクエスト」になっています。”WE Get” を ”Please”にしたか。まあカタカナで「ウイ・ゲット・リクエスト」は無いとは思います。わざわざ邦題つけないでもいいんじゃない?と、このアルバムでも思っちゃいました。どーでもいいことですが・・
 聴きながら、これを書いてて、このアルバムの深みが増しました🎶

piano : Oscar Peterson
bass : Ray Brown
drums : Ed Thigpen

producer : Jim Davis
recorded by : Bob Simpson

1. Quiet Nights Of Quiet Stars (Corcovado) / Antonio Carlos Jobim)
2. The Days Of Wine & Roses / Henry Mancini, Johnny Mercer)
3. My One And Only Love / Robert Mellin, Guy Wood
4. People / Bob Merrill, Jule Styne
5. Have You Met Miss Jones? / Lorenz Hart, Richard Rodgers
6. You Look Good To Me / Seymour Lefco, Clement Wells
7. The Girl From Ipanema / Jobim, Vinicius de Moraes, Norman Gimbel)
8. D. & E. / John Lewis
9. Time And Again / Stuff Smith
10. Goodbye J.D. / Oscar Peterson




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