オルガン、ギター、ドラムのトリオ編成です。トニー・モナコは、8歳からアコーディオンを始め、ジミー・スミスの演奏を見てジャズオルガンを目指します。10代で地元オハイオ州コロンバスのジャズクラブで演奏を始めましたが、15歳で神経性筋委縮症で入院。退院後に両親からはハモンド・オルガンをプレゼント7された。そしてジミー・スミスのオフィスにデモテープを送付し16歳からジミースミスに師事して20歳で師匠と初共演。しかし1980年~2006年までは父親からの願いと早くに結婚し子供もできたことにより音楽ではない仕事についていた。2000年に友人のジョーイ・デフランセスコのプロデュースでアルバムをリリースし、ジャズウィークのTOP10入りし2枚目の作成を目指す。それからオルガン一本で生計を立てている。
そんなジミー・スミスの愛弟子トニー・モナコと、2011年5月のコットンクラブ公演を機に結成されたオルガン・トリオで、2012年6月29日のコットンクラブ公演の2ndセット全曲が演奏順に収録された生音源で、収録は実は2日間4セット行われているとのこと。つまりは数十年後にコンプリート版が出る可能性もあるということですね。
それではレビューです。Answering Service オープニングはブルース・セッションでお出迎えです。軽めのお気軽セッションで肩慣らしといったところでしょうか。Nice To Be With You モコモコ・サウンドから突き刺すようなサウンドまで変幻自在なオルガンサウンドで始まり小沼氏のオーソドックスなスタイルのギターが非常に気持ち良いオルガン・ジャズ・サウンド。Happy Play Ground は小沼氏のギターから始まるアシッド・ジャズ風のファンク・ジャズです。息もピッタリのご機嫌なナンバーです。主役は小沼氏になり樹生無尽の弾きっぷりはさすが。Aglio E Olio は、パスタ料理のアーリオ・オーリオが楽曲名になっています。どなたの曲かは不明ですがテーマの進行具合からしても即興セッションではない?のでしょう。高速で進行します。Happy Sergio もどなたの曲かはわかりませんでした。ボサノバであることからして Sergio Mendes を祝う曲であることは確かでしょう。Called Love は、ボーカルものです。歌は Tony Monaco です。ファンサービスのようなものですね。アットホームな雰囲気がとても良いです。I`ll Remember Jimmy これはトニーモナコの曲でしょう。師匠のジミースミスの賛歌ですね。Slow Down Sagg でライブは終了します。これは師匠 Jimmy Smith の曲です。耳覚えもありますが本家の演奏を聴いたのか?誰かのカバーかは覚えていませんがメンバーも最後はノリ良く演奏しています。小沼氏も珍しく荒々しくギターをかき鳴らしています。オルガンでベンドのような芸当も飛び出して客も大喜び。
ハモンドオルガンという楽器は、刺激的で味があります。濁っていて音に揺れがあって肉声的であるのに、機械的な音伸びがありますし、私は細かいリズムのバッキングよりも、ロングトーンで、ビブラート効かせたキメの時にグッときます。小沼ようすけ氏の、指弾きならではの絡みつくようなギターフレーズも相性良くオルガンと絡んでいます🎵
organ : Tony Monaco
guitar : Yousuke Onuma
drum : GeneJackson
1. Answering Service
2. Nice To Be With You
3. Happy Play Ground
4. Aglio E Olio
5. Happy Sergio
6. Called Love
7. I`ll Remember Jimmy
8. Slow Down Sagg