2023年12月3日日曜日

Kurt Rosenwinkel / Deep Song


 Kurt Rosenwinkel の私の入門は intuit だったんで正統派バップ系ジャズ・ギタリストだと思っていました。しかし実はこのアルバムやScott Kinsey との実験作品みたいなものもあります。Do It 1992 では抽象的な不思議系のフレーズのギタリストでした。
 過去の私ではあまり好んで聞かないタイプのギター・ジャズでしたが今の私では余裕でこのサウンドが楽しめます。知らない音楽を聴くのは楽しいことですが聴くにいたるまでに時間はかかります。聴かないことには良さはわからないのでジャズ誌とかで絶賛されていて気になるものは購入することが多いのは私の良いクセだと思っております。
 最近はフリージャズでもノイズでも受け入れられるように耐性がついてきたので、久しぶりにこのアルバムを聴いても、この程度の抽象的なタイプの音楽では以前の私が感じていたほどの違和感はありません。他にも今まで聞いてこなかったメセニーとかのギター音楽も最近は興味を持って聴けるようになってきたり全く聴いている自分の感性が変わってきていることに改めて自分でも驚きます。


 と思って曲の印象はと言えば、1、2曲目のThe Cloister、Brooklyn Sometimesは不思議系、3、4曲目のThe Cross、If I Should Lose Youは不思議な感じはするものの意外と正統派のジャズ。5曲目の Synthetics 7曲目 Cake はサックスが前面に出たブレッカー風のテーマのアップテンポな楽曲、6曲目の Use Of Light や8曲目の Deep Song などはバラード風で聞かせてくれます。パーツとしては各楽器はジャズしてて、全体的には組み合わせると異次元からやって来たかのようなサウンドに変わるという構造が楽しめる内容。不思議世界ではあるものの、いかにもジャズギターらしい濃密な音色で幅広いスケールの使い方をしています。
 ユニークなフレーズのクセ者ギタリストであることは間違いなく、このアルバムのクォリティーは高いかもしれなく世の中ではこれを傑作というのかもしれません。何回か聴いて耳になれてくるとじっくりと味が出てきます。
 ライナーノーツによるとこの不思議さはアメリカ人であるが、ノルウェー人の血が流れていることに関係があるのでは?とか、小学校の頃にAC/DC、ラッシュにあこがれてギターを始めたとか、やはり最初の入り口はこんな人でもハードロック!だった。

guitar : Kurt Rosenwinkel
bass : Larry Grenadier
drums : Ali Jackson 
piano : Brad Mehldau
tenor Sax : Joshua Redman

producer : Kurt Rosenwinkel

1. The Cloister
2. Brooklyn Sometimes
3. The Cross
4. If I Should Lose You
5. Synthetics
6. Use Of Light
7. Cake
8. Deep Song
9. Gesture [Lester]
10. The Next Step




  

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