1996年、4作目のストレートなアコースティック・ジャズで、ウインド・シンセも使わず生テナーでの取り組みです。但し3曲目でギター・シンセを Pat Metheny が使っています。全体的には、ハードバップ全盛期のジャズが熱かった50年代から60年代のストレートな作風でハードバップの進化系として Michael の魂のこもったブロウに満足の一枚です。ただ違うのは96年録音のクリアで現代的な録音の音質で聴きやすく入りやすい。
イメージ的には無機質な感情を押し殺したサックスのイメージが彼にはあるがこのアルバムに関してはさにあらず。熱い演奏が楽しめます。
かなり売れたアルバムで、アメリカの ビルボード では、ジャズ・アルバム・チャートで 2位、第39回グラミー賞では、最優秀ジャズ・インストゥルメンタル・パフォーマンス賞を受賞し、収録曲 Cabin Fever は最優秀ジャズ・インストゥルメンタル・ソロ賞を受賞です。
そんなアルバムをレビューです。Slings And Arrows アップテンポで全開の迫力。Jack DeJohnette のドラムの音のリアル感が凄いですね。Midnight Voyage ピアノの Joey Calderazzo作の哀愁路線の渋いミディアムの4ビート。Michael Brecker のサックスも無機質どころか有機的に他のメンバーと絡み合い渋みのある演奏。Song For Bilbao は、Pat Metheny 作のラテンノリで McCoy Tyner の重厚なピアノと良くマッチしています。ギター・シンセが入っているのと楽曲の作りこみにより、この曲はフュージョンテイスト。Beau Rivage は、Michael Brecker の作ではありますが、曲調は Pat Metheny っぽい大地を感じる大きなものを感じます。African Skies は曲名のとおりアフリカを感じるリズムと力強いテーマが魅力。Introduction To Naked Soul スローで短い1分13秒の不思議な音の世界の次の曲の序章。Naked Soul は、で厳かに静かにジャズの世界に突入しますが浮遊感のある曲と主張の強い Michael Brecker のテナーの音色でグッと引きしまります。Willie T. では、渋めのミディアムな4ビートとなり、不思議の世界から現実に戻ってくる感じで安定感のある演奏が心地よい。Cabin Fever は最後に最も熱い演奏を持ってきたようで心憎い。一番良かったかなあ。
ハドソン川の物語のネーミングは、レコーディング・スタジオの Power Station がハドソン川の近くに立っていたのでしょうか? とにかくコンテンポラリー・ジャズの巨匠「Michael Brecker」が真剣にジャズ・フォーマットを追求したアルバムとして、これは聴きごたえのある名作でしょう🎵
tenor sax : Michael Brecker
piano : Joey Calderazzo (1, 2, 4, 6 to 9), McCoy Tyner ( 3, 5)
guitar : Pat Metheny
guitar synthesizer : Pat Metheny (3)
bass : Dave Holland
drums : Jack DeJohnette
percussion : Don Alias (3, 5)
producer : George Whitty, Michael Brecker
recorded and mixed at the Power Station, NYC.
1. Slings And Arrows
2. Midnight Voyage
3. Song For Bilbao
4. Beau Rivage
5. African Skies
6. Introduction To Naked Soul
7. Naked Soul
8. Willie T.
9. Cabin Fever
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