このアルバムを聴いた時にはとんでもない才能が現れたと思ってましたし、これだけの音楽性がありながら、まさかの一発屋になってしまうとは思いませんでした。この手のシンセサウンドのロックは当時ニューウェイブって呼ばれてて、私は全く聴いてなかったんですけどこのアルバムは大爆発のヒットだったのでさすがにかなり耳にしていましたので、中古CD屋で見つけたときにあまりの懐かしさに思わず購入してしまいました。
アート・オブ・ノイズやバグルズ、イエスといったプログレ・バンドをプロデュースしたTrevor Horn(トレバー・ホーン)が、ダンス音楽の世代に向けてプログラミングを取り入れて作った作品です。コンピューターの発達した現代では楽器のできないミュージシャンも多数存在しますが、このアルバム発売当時の1984年はアップルがMacintoshを発表NECはPC9801でMS-DOS、5インチのフロッピーでグラフィックがやっと8色になった時代でした。当然ディスプレイはブラウン管でした。
音楽界ではサンプラーが発達しはじめた頃で1983年にはイエスが、フェアライトCMIというサンプラーでオーケストラ・ヒットを使用した楽曲「ロンリー・ハート」を発表、1981年にはイエロー・マジック・オーケストラがサンプラーLMD-649を使用したアルバム「テクノデリック」を発売しています。ここらへん調べていると楽しい。
そんな時代に、テクノロジーの進歩によってサンプリング、打ち込みでここまでの見事な「擬似プログレ」を作れたわけです。その技術的、芸術的に高度なアルバムで、歌詞にSM行為が描写されたり排尿音などが入っているが問題ともなり多くの国で放送禁止となりました。Two Tribes は米ソ冷戦と核戦争の危機について歌われていたりします。このアルバムでは扱われているところがパンク的。ニューウェイブですがプログレ的要素、思想的にはパンクなどが入り混じり革新的でありながら退廃的。、ゲイであることをカミングアウトしたり、話題性が先行したショー的な要素が強かったような気もします。ちなみにスティーブハウなんかも参加してたりします。リラックスのドラムはジョン・ボーナムのサンプリング。
lead vocals : Holly Johnson
backing vocals : Paul Rutherford
guitar : Brian Nash
bass guitar : Mark O'Toole
drums : Peter Gill
additional personnel
keyboards, programming, software : J. J. Jeczalik
keyboards : Andy Richards
percussion : Luís Jardim
keyboards, string arrangement on "The Power of Love" : Anne Dudley
guitar : Stephen Lipson
acoustic guitar (on "Welcome to the Pleasuredome") : Steve Howe
backing vocals, bass guitar : Trevor Horn
producer : Trevor Horn
1. The World Is My Oyster (Including Well, Snatch Of Fury)
2. Welcome To The Pleasuredome
3. Relax
4. War
5. Two Tribes
6. Including The Last Voice
7. Born To Run
8. Happy Hi
9. Wish(The Lads Were Here)
10. Including The Ballad Of 32
11. Krisco Kisses
12. Black Night White Light
13. The Only Star In Heaven
14. The Power Of Love
15. Bang
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