唯一のシングルカットは It's A Lonesome Road で勢いのある1970年代にデビューした当時のフレッシュさがにじみ出る。続く If I Could Give You The World もミドル・テンポの爽やか系ソウル・ナンバー。ストリングスに乗せたコーラス」が楽しい What Does It Take、サイケな雰囲気漂う "Thank You" Falettinme Be Mice Elf Agin なんかも素晴らしい。そして哀愁あふれるモータウンの名曲 You’ve Made Me So Very Happy なんかも収録されています。Blood,Sweat&Tears でもヒットしていましたねえ。
さてレビューしていきます。Jodi 派手なドラムソロから始まり、Jean Toussaint のソロも強力なアクの強いブロー、Donald Harrison のフリーな感じのソロで爆発です。で素晴らしい。Blues March 1958年のマーチを取り入れた勇ましいブルースです。大人しめの録音を聴くと、まさに軍隊の更新のような曲ですが、しっかりとハードバップ。Mr. Babe, Moanin'
drums : Art Blakey
piano : Mulgrew Miller
bass : Lonnie Plaxico
alto sax : Donald Harrison
tenor sax : Jean Toussaint
trumpet : Terence Blanchard
producer : Horst Liepolt, Shigeyuki Kawashima
recorded March 24th, 1985 at Sweet Basil, Greenwich Village, N.Y.
ドナルド・バードが率いていたレギュラー・バンドによる1967年録音で、このグループは66年暮れからファイブ・スポットに出演していました。メンバーのアルト・サックスのソニー・レッドとは同じデトロイト出身で、歳も同じということもあり、バードも信頼を寄せていた関係で、このアルバムでは West Of The Pecos、Loki、Eldorado 3曲がソニー・レッドの作曲した作品となっていて、レッドのフリーキーなプレイが気持ち良い。ちなみに作曲者は Sylvester Kyner = Sonny Red の本名とのこと。
アルバム全体からはハード・バップから一歩抜け出すアーシーな感じです。いつもの行きつけ「おでんバー」で初試聴しました。この「おでんバー」アート系のコアな趣味の人とかプロが常連に多い店です。しかしこのアルバム試聴の時は他の常連は音楽系には疎い写真系の人だったのでマニアックに楽しんだのはマスターと私の二人だけでした。結果マニアなマスターも楽しんでいただける内容で、まずそこが大満足の中身でした。タイトル曲の Blackjack はロックビートが強くオトボケ・ファンキーな感じです。Sonny Red がブチ切れたソロをとるとバードやモブレーまでもが、俺も俺もとかましてきたエキセントリックな仕上がりです。ここらへんが最初から私とマスターのマニアな心をつかんでくれます。
一歩進んで2曲目の West Of The Pecos ではアップテンポの正調モード系ハード・バップとなり、流れとしては1曲目でかまされたのに少し落ち着いてくれと言われている感じです。続く Loki でも正調ハード・バップではありますが切り込み隊長レッドからバード、モブレーに続きなるほど。Eldorado も正調なバップとなり、襟を正して聴く感じです。メンバーも余り乱れたり、目立つ行為は少なく流れとしては、ここでまた押さえておいて、どこかで爆発するんだろうなと思ったりしてワクワク感があります。
そんな中 Beale Street が始まるとなんか聞いたことがある?と聴きながらモヤモヤします。するとマスターが💡 Herbie Hancock の Watermelon Man 1962 なるほどそうだなとYouTubeで交互に聴いてみると、コード進行とバッキングパターンがやはりマンマです。テーマが少しだけ違う感じで音階の順番を少し変えただけのように酷似しています。Watermelon Man の方が1962年作なので先に発売ですから、Beale Street のほうがWatermelon Man をオマージュしている感じですね。ジャズ界ではこの手のコードだけ変えるとか、メロディーだけ変えるとかの手法は多くみられ元曲を公言されているものも多いですが、ポップやロックでヒット曲だったりすると著作権でよくもめてますよね。まあ何回聴いてもパクリでした。最後の Pentatonic は、早めのバップとなります。Sonny Red のレンジが狭い音使いではじめるソロは面白い。続いてリーダーのバードはきっちりとピロピロと吹いてくれます。やっぱりトランペットソロは、これが気持ちよい。Hank Mobley のソロは、大人な感じで余り外さない、、と思っていたら少しアウトしてくれました。そして Cedar Walton もリズムに乗ったソロです。見せ場は全員短めですが好演でした。
プロデューサーは Alfred Lion。アルバムとしてもエキセントリックさが楽しいアルバムですが、Herbie Hancock と続けて聴くとまた楽しさ倍増かもしれません🎶🎺
Beautiful Love は、Bill Evans の Explorations などでも聞いたことのあるラブ・ソングで、絡み合うギターに土岐さんのサックスが合います。オープニングのつかみとしてインパクト十分。 The Guitar Man カントリーロックの David Gates の曲ではなく、二人のギタリストとのセッションに、この曲名がつけられたようです。Wyeth もオリジナルで、画家の Andrew Wyeth のことでしょうか?The Man with a Little Boy's Eyes アルバムのテーマ曲です。浮遊感のあるテーマから始まるオリジナルで、テンポよくスリリングな展開の曲です。リハは無しとのことですが息はぴったり。Smoke Gets in Your Eyes は、大好きなスタンダードの煙が目にしみる。ここは先輩の土岐氏のサックスがメインで、ギタリストも丁寧なバッキングで支えます。Sunny ソウルの名曲のカバーです。ギタリストが気持ちよくブルージーに弾ける曲でもあり、明るい中に物悲しい響きのあるテーマが素敵な曲であります。C Minor は土岐氏作曲で、色々なアルバムでセッションに使われているブルース。キーは確かめていませんが、当然 Cm ですかね。My Foolish Heart も名曲です。ギターの独演から入ります。イントロのつけ方がまた良いですね。サックスが入ってくるとドキッとします。最後は You’d Be So Nice to Come Home to でセッションの定番曲。アルバムの構成などを考えて作ったものではなく、その時の気持ちで曲を選んで演じてから、ギタリストを聴かせる曲の配置でアルバムにしたんでしょう。ベタな曲が多いのも大歓迎のアルバムです。
これは1994年に出た Bill Withers (ビル・ウィザーズ) のベストです。Bill Withers、Donny Hathaway は、私にとってニューソウルの代表格なんですが Bill Withers は私の周りでそこそこの音楽好き(ジャズ好きが多いのではありますが)にも意外と知られていない人で日本人にはあまり人気がないのかもしれません。何回かアルバムを聴かせているんですが歳をとると皆さん物覚えが悪くなるのかなかなか覚えていただけませんので、根気よく普及を続けることにします。
この方音楽エリートではなくフォードモーターに努めていて33歳で1971年にSussex Records よりデビュー。1985年を最後にアルバム制作もなくプロとしてのおそらく言葉が上手く話せなくなる吃音症で音楽活動は休止。割と最近の2020年に80歳で亡くなっています。
Donny Hathaway はピアノ弾き語りで音楽エリート、Bill Withers は生ギターで独学系と私は認識しています。代表曲としては表題の Lean On Me 、Ain't No Sunshine、Use Me、Just The Two Of Us などでここら辺は何となく聞いたことがあるけど歌っている人は知らないという方が私の友人には多いです。既に持っているアルバムや曲と被ってはしますが、ベスト盤ならではの選曲と曲順でこれはこれで満足の一枚であります。
1968年10月23日のニューヨークのライブ・ハウス Village Gate (ビレッジゲイト)2階でライブのセットリスト通りに収録した完全未発表音源で1枚目は First Set、2枚目は Second Set なので曲順もそのままに収録されていて Emily、 Yesterdays、 'Round Midnight は両ステージでのセットリストに入っているのでその演奏を聴き比べもできるマニアにはなんとも嬉しい音源です。さらに最近の未発表音源では定番のメンバーやトップ・オブ・ザ・ゲイトの写真、当時のポスターが収録された28 頁のブックレットもついています。Art D'Lugoff は Village Gate のオーナーで1958年に160 BleeckerStreet の1階と地下にクラブをオープンし、全盛期には2階が Top Of The Gate と呼ばれるパフォーマンス・スペースになっていたのことで、Village Gate の録音での私の所有音源は現在他では B B King / Live & Well があり、ジャズが主体のようではありますがジミヘンなどの公演も行われていたようです。
音源は、当時コロンビア大学の学生だった Resonance Records の社長 George Klabin (ジョージ・クラビン) が、カレッジFM局のために収録したものだそうです。各楽器のバランスも良く録れていて客席との距離感も適度にあり少し鮮明さに欠けるようには思えるが、発掘ライブ音源としてはかなり状態は良いと思います。