2026年8月3日月曜日

Jaco Pastorius & Rashid Ali / Blackbird


 Jaco の没後、1991年に発表の音源で、刺激的なヤツで、Jaco Pastorius と Rashid Ali によるデュオ・ライブ。元々はフランスのラジオ中継から起こされた音源で、1984年12月19日にカリブ海のグアドループで行われたデュオ公演を収めた作品で、日本の Alfa Jazz から発売された“半ブート的”な位置づけの作品で、業界から干されはじめた状態の悪い時期とも言えます。
 1982年にウェザー・リポートを脱退したあと、ドラッグやアルコール依存、そして双極性障害とされる精神面の問題が一気に表面化し、生活が不安定になっていきますが、1984年2月から5月にかけてニューヨークのクラブでレギュラーにライブを行い、6月にプレイボーイ・ジャズ・フェスティバル、7月には「ライヴ・アンダー・ザ・スカイ」で最後の来日をしており、演奏活動自体はまだかなり精力的でした。一方で、1984年のこの時期には既に躁うつ病(双極性障害)と診断されています。
 キャリア的には、すでに大手レーベルとの契約は失い、クラブやフェス、単発ツアーでの出演は続けいて、完全なホームレス状態や暴力事件に巻き込まれるのは1986〜87年のフロリダ移住以降。つまり、1984年末は「まだギリギリ音楽活動でつながっている段階」と見るのが妥当でしょうか。
 Rashid Ali は John Coltrane の晩年期のドラマーで、ポリリズミックで自由度の高いドラミングが特徴。Jaco の状態は良くないのですが、このデュオでは、通常のフレットレス・ベースだけでなく強いディストーションをかけたサウンドを多用し、ハーモニクス、コード、スラップ、ループ的リフを駆使して、ほとんど「二人だけのフリー・ジャズ・バンド」のような世界を作っています。アイディアの鋭さとラフさが同居していて、精神的な揺れをそのまま音にしているような印象。ここでの「Blackbird」は、即興的要素が強く、原曲からかなり遠く離れた解釈で、メロディをそのままなぞるというより、モチーフを断片的に示しつつイメージを膨らませていくようなアプローチです。Jaco の状態が悪いにしては、演奏はチャンとして音が出ているとは言えますが、PAそっちのけで音質無視でアンプの音量をあげてしまったり、サービスな演出なのかもしれませんが怖い感じはします🎶 

bass : Jaco Pastorius
drums : Rashid Ali

recorded at French Radio on the 19th of December, 1984

1. Broadway Blues
2. Slang
3. Purple Haze
4. Fannie Mae
5. Blackbird
6. Donna Lee
7. Continuum
8. Naima


Slang


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2026年8月2日日曜日

Let's Hear It For The Girls


 1995年リリースの、当時の脂がのった女性アーチストのオムニバス。ワゴンセールで衝動買いのパターンです。誰が好きとかよりも当時の雰囲気が楽しめれば良いのです。
 実力派 Sheryl Crow から始まり、Cyndi Lauper、En Vogue、Pointer Sisters、Bangles などなど、知らない人もいっぱいいますが・・こんなのも楽しい、いや楽しい🎶

1.  All I Wanna Do / Sheryl Crow
2. Girls Just Want To Have Fun / Cyndi Lauper
3. Ain't No Man / Dina Carroll
4. Every Day Of The Week / Jade 
5. Just A Step From Heaven / Eternal 
6. Whatta Man / Salt 'N' Pepa, En Vogue
7. Free Your Mind / En Vogue
8. (We Want) The Same Thing / Belinda Carlisle
9. Right Beside You / Sophie B. Hawkins
10. All I Want / Those 2 Girls
11. Little Bird / Annie Lennox
12. Trouble / Shampoo
13. Go Away / Gloria Estefan
14. Jump (For My Love) / Pointer Sisters
15. It's Raining Men / The Weather Girls
16. The Only Way Is Up / Yazz, The Plastic Population
17. I Love Your Smile / Shanice
18. Gotta Get It Right / Lena Fiagbe
19. Walk Like An Egyptian / Bangles
20. Patience Of Angels / Eddi Reader




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2026年8月1日土曜日

The Jam / Greatest Hits


  歳をとってくると、たまに昔の音を聞きたくなってきます。若いころに聴いていた曲は、頭の中にこびりついているので、久しぶりに聴いても細かなフレーズまで覚えていて人間の脳って不思議なもんだなと感じます。音楽以外でも、小学校の同窓会を開いて数十年ぶりに顔をみて、あんなに営業の得意先の人の名前を覚えられない私が、するすると友人の名前が出てきて「おお久しぶり」となります。若い時の記憶は音楽、映像、名前などが、脳みその奥深くにきちんと格納されていて、それが整然とした形でポッと出てくるのには驚きます。


 そんなに聴きこんでいたわけではないけど、流行っていたので嫌でも耳に入っていた The Jam を聞きたくなって、中古屋を見ていたらこのベストが目に留まりました(と言っても十年以上前のことですが)
 Sex Pistols  のライブにインスパイアされて、パンクムーブメントに乗ってのデビューですが、Sex Pistols のような造られたバカさ加減が無くてパンクっぽいけどモッズ路線。イケメンの Paul Weller のオッサンみたいな声が、硬派でカッコよかった印象です。
 1977年デビューで1982年10月に解散。Paul Weller はこの後 The Style Council を結成して、さらにポップ路線に踏み出したのも、悪くはなかったけど、やっぱり The Jam の方が硬派で良いです。
 ジャケ写もカッコいいし、19曲と盛りだくさん、私のような人にはちょうど良い。年代順の収録なんで段々とポップ路線になるとこなんかもわかって面白いです🎶

guitar, vocal : Paul Weller
drums : Rick Buckler
bass : Bruce Foxton

1. In The City
2. All Around The World
3. The Modern World
4. News Of The World
5. David Watts
6. Down In The Tube Station At Midnight
7. Strange Town
8. When You're Young
9. The Eton Rifles
10. Going Underground
11. Start!
12. That's Entertainment
13. Funeral Pyre
14. Absolute Beginners
15. Town Called Malice
16.3 Precious
17. Just Who Is The Five O'Clock Hero
18. The Bitterest Pill (I Ever Had To Swallow)
19. Beat Surrender







▶ Start!


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2026年7月31日金曜日

Herbie Hancock / Maiden Voyage

 

 1965年5月、5枚目のリーダー作として制作された、60年代の Herbie Hancock の傑作と言われ邦題は処女航海。Herbie といえば、私の学生時代のイメージは1980年代のヒップ・ホップなどを取り入れたエレクトリック・サウンドで、敬遠しがちなジャンルでした。ジャズをやっていたことは知ってはいたのですが、あまり単体で聴くことはありませんでした。しかしおそばせながら Miles を聴き始めてから Herbie のジャズスタイルを聴くことも増えてきて、やっぱり聴いといたほうが良いんだろうなと Speak Like A Child を入門にして、このアルバムなどを購入しています。


 Herbie は、Miles Davis グループに1963年~1965年まで在籍していました。なのでこの1965年の作品のメンバーもトランペットの Freddie Hubbard を除けば、Milesバンドの録音のメンバーで、その影響をモロに受けています。タイトル通りテーマは海の広大さと威厳・処女航海で海をゆく船の壮麗さ・優雅なイルカの美しさ・小さな海生生物の生・嵐などを盛り込んだモチーフを持って作成されたオリジナル作品が収録されています。もともとは1965年3月11日にドラムだけ Stu Martin で Maiden Voyage、Little One、Dolphin Dance の3曲を録音していたそうですが、そのテープは残っていないようで聴き比べができれば更に楽しめるのに残念な限りです。

Maiden Voyage 航海に乗り出す船の美しい姿や、光る水面などのイメージする風景画的な曲で、曲としてはモードジャズ的な構成でコードチェンジは少なめです。
The Eye Of The Hurricane 「Maiden Voyage」が穏やかで広がりのある“船出”の情景なのに対して、緊張感が高く、リズムもハーモニーも鋭い雰囲気になります。透明感があってキラキラのしたピアノのバランス感もあります。
Little One Milesの E.S.P. (1965) のセッションでも録音されています。メンバーは当然この録音と同じです。テンポは遅く、静かな導入から始まります。和音は柔らかいのに、どこか不安定で、子どもの心の揺れのようにも聞こえ、荒れる海の物語の途中に出てくる、静かな回想シーンや、誰か大切な存在を思い出す場面のようにも感じられます。
Survival Of The Fittest ダーウィンの進化論で有名になった「最も適応した者の生存」という考え方を指す言葉がタイトル。ここでは「生き残りをかけた闘い」や「極限状況での緊張感」が前面に出てきて、荒れ狂う自然の中で、生き延びるために必死で抗う瞬間や、試練の場面を象徴しているようなイメージ。
Dolphin Dance 複雑なコード進行と独特のモーダルな動きで、波のように和音が変化していき、どこかに落ち着きつつも完全には止まらない流れが続き、イルカが流れに身を任せながら自由に泳ぎ回るイメージや、海そのものの大きなうねりに感じます。いや名曲。

1965年にしては、現代的な音のセンスの和音とビートのジャズを展開しているのだから、当時のこのアルバムを聴いたジャズ・ファンは新たな時代を感じたに違いありません。この後にエレクトリック・キーボードを取り入れてファンク、ヒップホップ、ジャズ回帰などの活動をする人だけに、アルバム全体を通して聴くとしみじみするものがあります🎶

piano : Herbie Hancock
bass : Ron Carter
drums : Anthony Williams
tenor sax : George Coleman
trumpet : Freddie Hubbard

producer : Alfred Lion

recorded on March 17, 1965.
recorded at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey

1. Maiden Voyage / Herbie Hancock
2. The Eye Of The Hurricane / Herbie Hancock
3. Little One / Herbie Hancock
4. Survival Of The Fittest / Herbie Hancock
5. Dolphin Dance / Herbie Hancock



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2026年7月30日木曜日

The Robert Cray Band / False Accusations


 この作品と前作「Bad Influence」によって、米国とヨーロッパで注目され始め、翌年の「Strong Persuader」が、国際的スターの地位を確立したと言われています。ソウルフルなボーカルと、抑制の効いたパキパキのエコノミカルなギターで、ド・ブルースというよりは、モダンでポップ寄りのアレンジです。
 購入は、学生時代か、社会人になりたての頃で、歪んだギターの音でグイグイくるギタープレイが好きすぎたことで、洗練された成熟したプレーの良さは、正直理解できていませんでした。この音はジャズクラブで静かに流れ出るような音で、さわやかなブルースの演奏はソウルフルで繊細でギターよりはボーカルを評価すべきかと思われます。


 今回掘り下げて初めて知りましたが、収録曲は、プロデューサーでもある Dennis Walker を中心に作曲されています。1970年代初頭からベースプレイヤーとして活動してきて、プレイヤーよりも、Robert Cray、B.B. Kingなどのプロデュース、楽曲制作のほうが有名なようです。と思えば、B.B. King も歪んだ音ではなくクリーン系の音ですからプロデューサーとしては、この手のクリアな音の良さを引き出す名手なのかと思われます。
 特徴としては、伝統的なブルースのテーマである「貧困」「社会への不満」「酒」ではなく、「浮気」「不倫の罪悪感」「不信感」といったビターな大人の恋愛ドラマが現代的に描かれていることで、アーバンブルースの Keb Mo よりは少々泥臭い感じです。

Porch Light 浮気相手の家に向かう際の、罪悪感と快楽が入り混じった心理。
Change Of Heart, Change Of Mind (S.O.F.T.) 「心変わり(Change of Heart)、考え直し(Change of Mind)」別れたはずの恋人と再びズルズルと関係を戻してしまったり、また同じ理由で揉めたりする「男女の終わらないループ」で「どうせまた同じ結果になるんだ」
She's Gone 朝起きたら、彼女が荷物をまとめて本当に出ていってしまっていた、って歌で、しんみりではあるんですが、何か牧歌的であっけらかんとした世界観もあるギャップ。
Playin' In The Dirt 不実な関係や危険な遊びに手を染めた結果、破滅していく、手痛いしっぺ返しを食らう男の因果応報。サスペンス・・です。
I've Slipped Her Mind  別れてから1ヶ月が経ち、すでに相手の記憶から自分が消え去っていることに気づく男の哀愁。
False Accusations False Accusations=濡れ衣。身に覚えのない浮気の疑いをかけられ破滅していく関係性。なんだかなあ。
The Last Time  「こんなひどい目(Burned)に遭うのは二度とゴメンだ」と心に誓いながらも、裏切られた痛みがまだ生々しく残っている男の葛藤。
Payin' For It Now  自分の不誠実な行動によって、愛する人は去り、信頼も失い、一人残された部屋で「あの時あんなことをしなければ……」と激しい後悔。浮気のスリルに溺れていた過去と、今まさに支払わされている「孤独」というあまりにも高いツケの対比。
Sonny  最も身近で信頼していた友人が、自分の妻や恋人と密かに関係を持っていた。「疑いは決して嘘ではなかった、最も身近な人間に裏切られていた」のが、他ならぬそのソニーであったことが発覚(あるいは強く確信)される、という皮肉な現実。ええっ。曲はムチャクチャカッコよし。

よく歌詞を見ながら聴けば、昼メロのようなドロドロした内容ばかりが連続する曲ばかりでした。どんな力でピッキングしてんだってバチバチのギターもしっかり健在🎶

vocals, guitar : Robert Cray
bass : Richard Cousins
drums : David Olson
keyboards : Peter Boe
tenor sax : David Li
trumpet : Nolan Smith

Dave Wilson : second guitar on "Sonny"
Dennis Walker : second bass on "Sonny"

produced by Bruce Bromberg & Dennis Walker
recorded at Sage & Sound, Los Angeles; Music Lab, Los Angeles; Haywood's, Los Angeles

1. Porch Light / Dennis Walker
2. Change Of Heart, Change Of Mind (S.O.F.T.) / Robert Cray, Richard Cousins
3. She's Gone / David Amy, Robert Cray, Ozall Washington, Peter Boe
4. Playin' In The Dirt / David Amy, Robert Cray
5. I've Slipped Her Mind / Dennis Walker
6. False Accusations / Dennis Walker, Robert Cray, Richard Cousins
7. The Last Time (I Get Burned Like This) / Robert Cray
8. Payin' For It Now / David Amy, Robert Cray
9. Sonny / David Amy, Dennis Walker




 Sonny

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2026年7月29日水曜日

The Kinsey Report / Midnight Drive


 シカゴ系ブルースにファンキーなノリが加わりながらも軽め。タイトでファンキーなリズム隊で、社会性のある歌詞も含んだブルースロックバンドです。
 バンド名の Kinsey Report は、アメリカの性科学者・昆虫学者である Alfred Kinsey が発表した、人間の性についての報告書(1948年、1953年)にも由来していて、この報告書「同性愛」「自慰」「既婚者の性交」「性的虐待」「不倫」「サド・マゾ」などの統計的な報告がなされているようです。(報告書自体は読んでいないですが、その統計数字を斜めで見た感じでは、現代の日本人には信じられない高い経験数値が並んでいます)
 さて学術的な Kinsey Report とは別に存在するのが、ギタリスト Donald Kinsey の率いる The Kinsey Report で、おそらく学者の Alfred Kinsey とは関係がないはず。Donald Kinseyの父は、Lester "Big Daddy" Kinsey*として知られたブルースマンですが、なぜか彼は Bob Marey の バンドに参加し、その後 Big Daddy Kinsey & the Kinsey Report を1984年にスタートさせます。ベースには弟の Kenneth、サイド・ギターには Ron( Ronald) Prince、ドラムは兄の Ralphです。


 数十年ぶりに聴き直したような気がしますが、ほのかに ZZ TOP っぽさもあるような気もします。ヘビロテには、どうしてもならない中途半端でダサめなアレンジな感じなのですが、そこが良いところでもある気がします。私にも、とにかく新しいブルースロックを求めてさまよっていた時代があったようです🎶

Guitar, Vocals : Donald Kinsey
Bass : Kenneth Kinsey
Drums, Percussion : Ralph Kinsey
Guitar : Ron Price

produced by Bruce Iglauer, Donald Kinsey And The Kinsey Report
recordedat Streetrville Studios, Chicago IL

1. Midnight Drive / Donald Kinsey
2. Big Time / Donald Kinsey
3. Nowhere To Go, Nothing To Lose / Donald Kinsey
4. See Her Again / Donald Kinsey
5. Can't Stop Thinking About You / Billy Kemp, Geoffrey Himes
6. Love's Overdue / Donald Kinsey, Margaret Sampson
7. Hit Woman / Donald Kinsey
8. River's Invitation / Curtis Mayfield
9. Get Outta Here / Donald Kinsey
10. Free South Africa / Donald Kinsey




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2026年7月28日火曜日

Double Orange / たんぽぽ~笑顔の花~


 十年以上前ですが、仕事の販売が好調すぎて途方もない仕事量になり心がガサガサしていました。幼なじみのやっていた「しょんべん横町」のホルモン屋で、ひとり呑みして、フラフラと歩いていると「手作りの詩集を立って売っている女性」がいます。わたくし、あまり詩を嗜む感性は持ち合わせていないのですが、応援したくなる気持ちでした。人ごみの中、誰を見るわけでもなく、ひたすら前を見ながら無表情で立ち続けているのですが、手を挙げながら近づくと覚えてくれていることが何か誇らしかった気がします。前に買ってもらった時から未だ改版していないとか、新作出来たんですよ、などと短い会話をしながら、手刷りの詩集を買って帰ります。電車の中で読んでも、さっぱり良さはわかりませんでしたが、あれもひとつのアートの形なんだよなあと思いながら、そのアートに触れられたことに対してのほっこりとした満足感がありました。


 そんなころに、たまたま聞いた新宿の路上演奏のコンビの手売りのCDです。この方たちにも、何かその時に心に感じたものがあり、その場で買わせていただきました。最近は、カラオケを大音量でならして歌っていたり、バキバキに割れた音のアンプでギターをかき鳴らすだけの若者が多くて、度胸は良いのは評価しますが、人に音楽を聴かせたいのであれば、もう少し努力の跡がわかる段階になってから音を出してもらいたいもんだと思い、足を止めて聴くに値する方が、ほぼ無くなってしまったのは嘆かわしい限りです。


 音楽のジャンル的には好みではないのですが、今聞き直してもサビの優しい歌詞に少しホロっとします。今はどうされているのか検索してみたら音楽活動からキッチンカーでピザの販売をしておられ、2027年には栃木県那須町でレストランを開業されるとのこと。
 那須といえば、わたくしが小学校から高校生ぐらいまで知り合いの別荘に毎年遊びに行って、牧場にいったりキャンプファイアーをしたり、木の枝に縄をつけてブランコを作ったりしていた懐かしの土地です。ここにも何かご縁があるような。頑張ってください🎶

vocal  : ちづる
drum : たかマスター

1. たんぽぽ~笑顔の花~
2. 涙に映す可能性


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2026年7月27日月曜日

Miles Davis / Sketches Of Spain


 Joaquín Rodrigo の「Concierto De Aranjuez(アランフェス協奏曲)」から始まりますが、私的には Chick Corea の Spain が始まるようなイメージです。
 Nat Hentoff 氏の書いたライナーノーツには Miles Davis, Gil Evans が、このアルバムの製作のきっかけが書いてあり、綿密に計画し試行錯誤しながら制作された過程が、興奮した感じで書かれていますが、長すぎてそこを読むだけで疲れてしまいました。要は Miles が、友人から聴かされた「アランフェス協奏曲」に強い衝撃を受けたことが制作のきっかけで、週末はシダ植物の収集が趣味の Gil Evans に編曲を依頼して始まった。録音は何度も録りなおされ各楽器の録音レベルなどにも細心の注意が払われたことが書かれています。
 確かにこのアルバム、スペイン音楽だけでなく、アラブやアフリカ由来の音階も意識されたサウンドで、アルバム全体が静かな緊張感とドラマ性で貫かれています。


Concierto de Aranjuez おそらく原曲をかなり尊重し、和声やオーケストレーションを書き換えた、Miles のソロを中心に再構成されています。ジャズとクラシックの融合例として、いまも最も有名なトラックのひとつとされますが、アドリブはあるものの、流れはほぼクラシック。
Will O’ The Wisp 原曲はスペインの作曲家 Manuel de Fall のバレエ音楽「恋は魔術師」で、もともとは歌付きの楽曲。1曲目に続き、クラシック作品をベースにしつつ、リズムやハーモニーにジャズの語法を織り込んでます。
The Pan Piper ここから以降は Gil Evans による“スペイン風オリジナル”になります。この曲の元ネタはスペイン北西部ガリシア地方の民謡で、民族音楽研究者 Alan Lomax の現地録音とのこと。タイトルの“Pan Piper”は、民俗的な笛吹きのイメージで、旋律やリズムに土着色を強く残したアレンジ。
Saeta スペイン・セビリアの聖週間で、行列の前で歌われる宗教的な吟唱“サエタ”が題材で、もともとは素朴なア・カペラの叫びのような歌をブラス・バンド風にしています。Miles のトランペットは、広場で歌う一人の歌い手の役を担っているように吹かれています。
Solea フラメンコの主要形式のひとつ“ソレア”をもとにした、アルバムを締めくくる大曲で、原曲そのものではなく、フラメンコ特有の旋法やリズム、情感を抽象化して作り上げています。Miles は「ソレアの感じはブルースに近い」と語っていて、スペイン音楽とアフリカ系アメリカ音楽の“感覚のつながり”を体現した曲として位置付けられているそうです。

 改めて聴いても少し物足りない感じがしますが、興味深い試みであることは確か。わたくし行きつけの音楽好きの集う「おでんバー」の住人は、クラシックにも造詣が深い方も多いので好きそうな感じがします。皆さん聴いているとは思いますが、今度持って行ってみます🎶🎺

Solos & Direction  
Miles Davis : trumpet, flugelhorn  
Gil Evans : arranger, conductor
  
Paul Chambers : bass  
Jimmy Cobb : drums 
Elvin Jones : percussion  
José Mangual : percussion 
trumpets  : Ernie Royal,  Bernie Glow,  Louis Mucci,  Taft Jordan,  Johnny Coles  
trombones : Dick Hixson,  Frank Rehak
french Horns  : Jimmy Buffington, John Barrows,  Earl Chapin,  Joe Singer,  Tony Miranda
tubas : Bill Barber,  Jimmy McAllister
flutes, Oboes & Clarinets : Albert Block
flute :  Eddie Caine 
flute :  Romeo Penque 
oboe  Harold Feldman
clarinet, flute, oboe : Danny Bank
bass clarinet : Jack Knitzer
bassoon  Harp : Janet Putnam  

arranged by, conductor : Gil Evans
liner notes : Nat Hentoff
producer : Teo Macero
recorded 11/20/59 and 03/10-11/60 in New York City.

1. Concierto De Aranjuez / Joaquín Rodrigo
2. Will O' The Wisp / Manuel De Falla
3. The Pan Piper / Gil Evans
4. Saeta / Gil Evans
5. Solea / Gil Evans




▶ Saeta

▶ Solea

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2026年7月26日日曜日

Gregory Porter / Take Me To The Alley


 Motéma Music から、Water (2010), Be Good (2012)、 Blue Note に移籍して Liquid Spirit (2014) そして今作通算4枚目のアルバムです。ジャズボーカルは、コーラスグループとか、女性ボーカルは好んで聴くものの、あまり男性ボーカルには魅かれないのですがこの人は別格です。聴き始めは Liquid Spirit からで、No Love Dying にガツンと心を奪われてから、アルバムを集めさせていただいています。どのアルバムも、浸みわたるバリトン・ボイスが素敵なのですが、私の中では Liquid Spirit が頭一つ抜けた名作に感じ、そのうち、また名作が誕生するものと期待しながらレコード店で定期的にチェックしております。
 週末には、行きつけの音楽好きの集う「おでんバー」に音源持ち込みで、周囲に私好みの音楽を洗脳しているのですが、音楽が趣味ではないご年配女性にも Gregory Porter は「あら素敵な歌ね」と好評をいただいており、自分のセレクトが褒められると何かうれしくなってきてしまいます。特に技巧に優れているように感じさせないのですが、奥のほうからこみあげてくる心に浸みるボイスはやはり素晴らしい。


Holding On Gregory Porter が楽曲提供したイギリスのエレクトロニック・デュオ Disclosure が、このアルバムと同年の2015年に発表した曲で、ダンス・トラックだった原曲をスロウでソウルフルなジャズにしています。アルバムテーマの「人間の弱さと、それでも前向きに生きようとする強さ」つなげる役割。
Don't Lose Your Steam ブルージーでアップテンポ。当時3歳だった息子デミヤンに向けて書いた曲で、「Your engine rolls hot, If the bridges fall down, don't lose your head of steamどんな困難があっても自分の目標や情熱を失うな」というメッセージを込めた応援歌
Take Me To The Alley 柔らかなピアノとコーラスにのせて静かに語りかけるように祈りに近いトーンの曲。協会の牧師であった母親がホームレスや困窮した人たちに食事や寝る場所を提供していたこと、母親から学んだ“弱い立場の人にこそ目を向ける”という教えのが描かれています。「Alley=路地裏)」は、母親が足を運んでいた街の外れや“スラムに近い一角”のイメージ。
Daydream 軽やかなピアノとテナーサックスで、息子がほうきを車や剣に見立てながら、想像の世界で遊んでいる様子を見つめた歌で、これも彼の息子のために書かれた曲。
Consequence Of Love ジャズとソウルを滑らかにブレンドしたアレンジの静かなミディアムテンポ曲。愛によって自分がどれだけ振り回されても、その人を愛する権利のために戦うラブソング。
In Fashion ちょっと毒のある恋愛ソングで、ファッションにこだわり、自分に酔っている恋人とそれに振り回され、なお惹かれてしまう自分がテーマで、独特のリズム感とピアノのリフがレトロでポップな雰囲気を出して、ファッションショーのような浮ついたムード。
More Than A Woman 亡き母ルース・ポーターの、信じがたいほどの愛情と導きに捧げた、晴れやかなバラードで、母として信仰の手本として人生の導き手としてどれほど大きな存在だったかをたたえる歌
In Heaven 作曲者はいとこの Darlene Andrews で、もともとポーター家が、身近な人を見送るときに歌ってきた“家族の歌”とのこと。
Insanity 愛ゆえに理性を失いかけるような心情を描いた、かなりディープなラブソングで、まだ好きなのにうまくいかず、離れた方がいいと頭では分かっていると歌われています。
Don't Be A Fool 直訳すれば「愚か者になるな」ですが、恋に溺れて自分を見失うな、傷つくと分かっている相手に、何度も同じように向かっていくのはやめようといったメッセージ。落ち着いたテンポながら、内側に感情の熱を抱えたアレンジ。
Fan The Flames 「社会的怒り」を表現したハード・バップ寄りのナンバー。Fan the flames  は「炎をあおる」「感情や状況をさらに激しくする」というイディオムで、理不尽な暴力や差別に対する怒りの炎を、あえて消さずに、しかし暴力ではなく強い抗議へと向けよ のニュアンス。2014年のアメリカ・ミズーリ州ファーガソンで起きた黒人青年マイケル・ブラウン射殺事件が背景にあるとのこと。
French African Queen フランス在住のアフリカ系女性に恋する語り手が、彼女に自分の音楽と贈り物を届けたいと願うと同時に、「自分たちは同じ木から生まれた枝だ」と語りかけます。少しおどけたフラーティーな曲調。
Holding On  1曲目の別バージョン
Insanity  Danny Hathaway の娘 Lalah Hathaway を迎えた9曲目の別バージョン

 ラブソング、家族への思い、社会へのメッセージなどさまざまな愛が今作のテーマで、改めて真剣に聴くと濃かったです🎶

voice : Alicia Olatuja, Gregory Porter
organ : Ondrej Pivec
piano : Chip Crawford
bass : Aaron James
drums : Emanuel Harrold
alto sax : Yosuke Sato
tenor sax : Tivon Pennicott
trumpet : Keyon Harrold

producer : Gregory Porter, Kamau Kenyatta
recorded at Sear Sound, New York, NY, September 28 - October 1, 2015.
recorded at Capitol Studio B, Hollywood, CA, October 26 & 27, 2015.
recorded at Wyman Studios, Burbank, CA (13, 14).
recorded at Studio A, Dearborn Heights, CA (13).
recorded at Unit 2 Studio, N. Hollywood, CA.

1. Holding On / Gregory Porter, James John Napier
2. Don't Lose Your Steam / Gregory Porter
3. Take Me To The Alley / Gregory Porter
4. Daydream / Craig Dawson, Gregory Porter
5. Consequence Of Love / Gregory Porter
6. In Fashion / Gregory Porter
7. More Than A Woman / Gregory Porter
8. In Heaven / Darlene Andrews
9. Insanity / Gregory Porter
10. Don't Be A Fool / Gregory Porter
11. Fan The Flames / Gregory Porter
12. French African Queen / Gregory Porter
13. Holding On  Featuring – Kem  / Gregory Porter, Guy Williams Lawrence*, Howard John Lawrence, James John Napier
14. Insanity  Featuring – Lalah Hathaway / Gregory Porter

▶ Holding On





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