George Duke (ジョージ・デューク)の私のイメージはコンテンポラリーなファンク系フュージョンのキーボードで単体ではアルバムを持っていませんでした。で中古CDで見かけたので聴いてみるかと購入してみたら、昔懐かしいフュージョン・サウンドであったり、松岡直哉とかはここら辺もルーツにあるのかと思うようなラテン・フュージョンが展開されていて中々楽しいアルバムでした。
1946年生まれのデュークは、高校の頃は、彼はマイルス・デイヴィスやソウル・ジャズに影響されていたとのことですが、卒業後はサンフランシスコ音楽院に進みトロンボーンを先行、在学中はアル・ジャロウとクラブで演奏していたとのことです。1970年代に入るとCannonball AdderleyやQuincy Jones、Frank Zappa、Billy Cobhamのグループに参加していたとのことで、これも是非聞いてみたいので後で調べてみようと思います。
本作 Reach for It は、George Dukeのソロ10作目で、もともとはジャズ畑の人ですが、Soul、R&B な色彩が色濃くでていて、キャリアの中では最大のヒット・アルバムとなったとのこと。USアルバム・チャートは25位、同R&Bアルバム・チャートでは4位となり、ゴールド・ディスクも受賞しています。まさに脂がのっている時のようで、ジャケ写も美女に頬を寄せられながら満面の笑みでフュージョン系ピアニストのアルバムでは異色な感じがします。タイトル曲 Reach For It はサンプリングには引っ張りダコの定番ネタでもあるとのこと。
The Beginning は、シンセが不思議なサウンドのイントロでアルバム導入の効果音的な役割、続く Lemme At It は、Charles Johnson のギターがメインのジャズ・ロック的なフィーリングのフュージョンで Leon Chancler のドラミングとチックコリアの曲のようなシンセで、エレクトリック・バンドと間違いそうな曲(どちらが先なのか?)続いては サンタナか?松岡直哉かのラテン・フュージョンは Hot Fire では、ChanclerとManolo Badrena のラテン・パーカッションに乗って、Charles Johnson も Duke も実に良い仕事をしています。そしてタイトルの Reach For It では Parliament のようなリフのファンクで Stanley Clarke がここぞとばかりのベース・ソロが楽しい。Just For You では、Dukeがボーカルを執るメロー・ソウルで、フュージョン・バンドがアルバムに一曲はボーカルものを入れるのが流行っていた70年代を感じます。Omi (Fresh Water)は、トロンボーンがフィーチャーされた6/8拍子のブラジリアン・フュージョン。これは向井滋春に通ずるなあ。Searchin' My Mind は女性ヴォーカル陣によるブラコン的なテイストのポップな曲。さらに Watch Out Baby! は、細かい技が光るファンクでボーカルの入れ方も Parliament ですね。Diamonds は、またもブラジルに戻ります。コーラスのメロディ、ベースラインがカッコよく、Duke のシンセの音色がこのタイプの曲にはぴったり。そして、始まりはThe Beginning なので終わりは The End またもミステリアスなシンセだが、ブラジルからこの曲には多少の強引な感じがありかな。ボーナスには Bring It On Home が追加収録されていますが、これと The End を入れ替えた方がアルバムとしては収まりが良いような気もします。
ソロアルバムは初めてですが、今まで私の聞いてきた作品にどのように参加しているのか調べてみました。やはりソウルあり、フュージョンありですがラテン系の方が強めでしょうか。ナルホド🎵
Roberta Flack / Oasis (Brazil), David Sanborn / As We Speak (Port of Call), Incognito / Adventures (In Black Sunshine Mindin' My Business), The Brecker Brothers / Detente (Don't Get Funny With My Money , Squish, Baffled, I Don't Know Either), George Howard / Attitude Adjustment (Best Friend, One Last Time, Attitude Adjustment, Adjusted Attitude), 渡辺貞夫 / Birds Of Passage (Salvador, Just A Touch, Burung Burung "Birds")
keyboards : Byron Miller (11), George Duke
guitar : Charles Icarus Johnson, Mike Sembello (8)
bass : Byron Miller (11), Stanley Clarke (8)
drums : Leon "Ndugu" Chancler
congas, bongos, percussion (miscellaneous) : Manolo Badrena
rototoms (remo-roto toms) : Leon "Ndugu" Chancler
timbales : Leon "Ndugu" Chancler
trombone : Raul De Souza (曲: 6)
vocals : Charles Icarus Johnson (曲: 4, 9), Deborah Thomas, Dee Henrichs, George Duke, Leon "Ndugu" Chancler (曲: 4, 8), Ms. Brazilplex (曲: 4), Sister Glory Glow Fly (曲: 4), Sybil Thomas
producer : George Duke
1. The Beginnin
2. Lemme At It
3. Hot Fire
4. Reach For It
5. Just For You
6. Omi (Fresh Water)
7. Searchin' My Mind
8. Watch Out Baby!
9. Diamonds
10. The End
【Bonus Track】
11. Bring It On Home