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2024年5月17日金曜日

Kenny Burrell / A Night At The Vanguard


 ケニー・バレル28歳の1959年録音の1960年作品で、Argo Records と言う聞きなれないレーベルからの発売です。1955年に Chess Records から暖簾分けのシカゴで設立された会社とのこと。若い時のアルバムではありますが、このアルバムの3年前の25歳1956年が初リーダー作ですからリーダーとしても、もう3年もキャリアを積んでいるのは凄いですね。
 ライブ録音の場所はソニー・ロリンズ、コルトレーン、ビル・エバンスなど数多くの人も、ここでの録音の名盤が残されているニューヨークの名門ジャズ・クラブの Village Vanguard で、オーナーは変わっていますが未だ現役の老舗です。
 トリオ録音なので、メロディーとハーモニーが、バレルのギターだけで担っておりピアノなどに頼らないコードソロが効果的に活用された演奏が私のようなギター・マニアにはとても心地よいアルバムとなっています。


 譜面も数多く出回っていますが、1曲目のAll Night Long はドロップD、5曲目のBroadway は1音下げチューニングだそうです。結構、聴きこんだアルバムですが最近聴いていませんので改めてレビューです。All Night Long これは非常に有名。ドロップDチューニングですから6弦だけEからDに下げています。イントロの低音弦はA使っているようなので、コードソロの時にDが効いているのでしょうか。どこかに譜面があるはずなので今度探しときます。改めてやっぱりギター・ジャズは好みですね。 Will You Still Be Mine では、1曲目のような穏やかな感じではなく、速めのバップでスリリングさを強調しています。改めて気づいたのですが、バースでのドラムの音などは非常に鮮明で素晴らしい録音でもあります。この曲とは書いてありませんが、右と左が途中で入れ替わっているなどと不満を書いている人もいましたが私はそんなことは全く気にしません。I'm A Fool To Want You は、バラードでテーマ部分のメロディーの後にダラーんとコードを弾くとこがエロいですね。あと太めのフルアコの音も好きです。いつか買いたいですが家にギターはもう入りませんので暫くお預けです。Trio そして速いテンポで攻めてきます。コードソロの使い方が上手いのでトリオでも音が厚く感じます。Broadway 一音下げのチューニングとのことですね。低音を意識したギターの使い方です、ここまで聴いてきても少しも飽きませんね。Soft Winds ミドルテンポのブルースでバレルの得意とするところですね。短いですがソロとコードの掛け合いでメンバーが一人多いような演奏が素晴らしい。Just A-Sittin' And A-Rockin カッコ良い曲で、少しポップな感もあります。Well, You Needn't きましたモンクです。スパイ音楽のテーマのようで良い曲ですね。少しづつ楽曲の中で表情が変わるようなところと和音の不安定なところも好きでバレルがこのアルバムでやっているのも忘れてました。いやこれも良いです。
 ちなみにケニーバレルがNYにやってきたウェスにギターと、アンプを貸して翌年ウェスがデビューしたという話も1960年日本ではテレビが普及しカラーの放送が始まった年でもあります🎵

guitar : Kenny Burrell
bass: Richard Davis
drums : Roy Haynes

recorded Sept. 16 and 17, 1959, during actual performance at the Village Vanguard in New York.

1. All Night Long
2. Will You Still Be Mine
3. I'm A Fool To Want You
4. Trio
5. Broadway
6. Soft Winds
7. Just A-Sittin' And A-Rockin
8. Well, You Needn't





  

2024年5月11日土曜日

Hank Jones / 'Bop Redux

 


 ドアップの顔写真が指名手配犯のポスターのように見えてしまうジャケットで、あまり芸術的センスは意識していない感じですが、Charlie Parker、Thelonious Monk の人気曲を収録した「Bop」なアルバム。Redux は日本語で戻ってきたって意味なので「帰ってきたバップ野郎」みたいなネーミングでしょうか。
 Hank、Thad 、Elvin の Jones3兄弟の長男である Hank Jones は落ち着いたピアニストの印象です。3兄弟の演奏は聴きているものの、リーダーアルバムの購入はしていないのでこれが初です。ちなみに所有のものの中で参加アルバムは Zoot Sims and Bob Brookmeyer / Tonite's Music Today + WhooeeeWes Mongomery / Road SongBillie Holiday / Last RecordingCannonball Adderley / Somethin' ElsePaul Chambers / Bass On Top など
 

 それではレビューです。最初は Charlie Parker の Yardbird Suite で、分かりやすいフレーズで正調、品行方正な仕上がり。この曲を聴いていると、裏にA列車 の進行を感じてしまいます。一度思い始めると止まりません。次も Parker の人気ナンバー。Confirmation こちらについても非常に正調でアドリブの起承転結をしっかり構成しながら全体を組み立てていることが良くわかる模範的な演奏かと思います。3曲目は Monk です。Ruby, My Dear。モンクっぽいフレージングなんか全くしないところが、いかにも頑固オヤジな演奏です。Relaxin' with Lee は再び Parker。景気よく機嫌よく演奏されているのかと思われる基本に忠実な進行でベースソロや、4バースは定番のパターン。次いでは Bloomdido B♭のブルースでこれも Parker。Relaxin' with Lee と、この曲は Monk、Jones の両人が参加した Bird and Days で演奏されていた曲とのこと。購入リストに入れておく必要ありますね。そして Round Midnight は、言わずもがなの Monk です。私も大好きなスタンダードでメロディ0が、とてもロマンティックなところが大好きです。Jones は、ここも淡々と弾くのでクラシックみたいな感じさえします。Moose the Mooche は、Parker に戻ります。Parker の曲は盛り上げ役的に使っているのか。ここでは上げてきます。このアルバムで一番スリリングな演奏になるような感じがします。最後は Monk の Monk's Mood となります。原曲とは違った趣の曲にしています。モンクらしさは全く入れていないのが頑固とも思えますが、モンクの中で描いた元曲は本来はこういった感じで Monk が演奏するときに頭の中で変換して、あの演奏にしていたのかと思える美しい曲になっています。
 古臭さは感じるものの、その中に古き良き美しさもあるかと思う一枚でした。正調ピアノ・トリオを聴きたければ、これはお勧め🎵

piano : Hank Jones
bass : George Duvivier
drums : Ben Riley

producer : Fred Seibert

recorded at CI Recording, NYC January 18 & 19, 1977

1. Yardbird Suite
2. Confirmation
3. Ruby, My Dear
4. Relaxin' With Lee
5. Bloomdido
6. 'Round Midnight
7. Moose The Mooche
8. Monk's Mood





  

2024年5月10日金曜日

The Dave Brubeck Quartet / Time Out

 

 Take Five は、大学でジャズ研に入った初期段階で知ったジャズの入門曲。Dave Brubeck を深く聴いたことは無いけれど、その存在はあまりに有名です。中古CD屋で見つけた時には、これがあの Take Five の収録アルバムなら、そりゃあ聴いとかないといかんなと購入したはずです。購入したまま、しばらく寝かせておいて最近聴いたアルバムとなります。
 いきつけの音が好きの集う「おでんバー」に持って行くと、懐かしいの声が上がりますが、中身を皆さん覚えているかと言うと、やはり Take Five しか記憶にないようで「あれ、こんなアルバムだったっけ」と新鮮だったようです。メンバーもベースの Eugene Wright は初耳ですが、ドラムは Joe Morrello、サックスは Paul Desmond と私にとっても新鮮です。


 と言うことで、レビューです。Blue Rondo A La Turk 邦題でトルコ風ロンドです。ロンドって何か小学生の音楽の時間とかで聞いたことあるような気がしますが、覚えていませんので調べてみると「異なる旋律を挟みながら、同じ旋律(ロンド主題)を何度も繰り返す形式」とのこと、なるほど出だしは9/8拍子のクラシック風のテーマがトルコ風、アドリブは4拍子のロンド形式なのでトルコ風ロンド。これを書くために改めて気づきました。仕掛けてきてます。Strange Meadow Lark まるでピアノソロ曲だなと思っているとイントロが長かっただけでした。ここでも仕掛けてきてますね。Take Five 作曲は Paul Desmond なんですね。Dave Brubeck かと思っていました。4/5拍子を使っているので Take Five です。何故この曲が出来たのか調べてみると「ブルーベックが、米国務省主催のユーラシア大陸ツアー中に、トルコでブルガリア音楽の影響を受けたストリートミュージシャングループが演奏するトルコの伝統的な民謡が、西洋の音楽には珍しい9/8拍子で演奏されるのを見たときである。地元のオーケストラの音楽家からこの形式を学んだ後、ブルーベックはジャズの4/4の通常のリズムから外れて、海外で経験した、よりエキゾチックなスタイルで実験的アルバムを作成することとなった」なるほど Blue Rondo A La Turk も含めて、トルコ音楽の影響を受けて作成されたわけですか。Three To Get Ready 軽やかなワルツ・ナンバーです。ジャズですが Dave Brubeck はクラシックに造詣が深いような感じがしますね。Kathy's Waltz Dave Brubeck の娘の名前が由来の曲で難しいところは無い。可愛らしい曲になっています。Everybody's Jumpin' ジャンプするようなコードの左手連打が曲の由来なのでしょう。連打ですが上品です。Pick Up Sticks 6/4拍子の曲となっています。アルバムの中で最もグルービーでジャズ・コンボらしく聞こえる曲ですが、さりげなく、これも仕掛けていますね。
 アルバムを真剣に聴き直すまでは、Take Five だけが突出しているのかと思っていましたが、実は様々なリズム的な仕掛けが施されているアルバムでした🎵

piano : Dave Brubeck
bass : Eugene Wright
drums : Joe Morrello
alto sax : Paul Desmond

producer : Teo Macero
written by  D. Brubeck (1, 2, 4 to 7), P. Desmond (3)

artwork : Sheil Fujita

1. Blue Rondo A La Turk
2. Strange Meadow Lark
3. Take Five
4. Three To Get Ready
5. Kathy's Waltz
6. Everybody's Jumpin'
7. Pick Up Sticks





  

2024年5月5日日曜日

Alice Clark

 

 株式会社ウルトラ・ヴァイブの販売している「Solid Jazz Giants」シリーズは、まだ聞いていない往年の名盤が安く販売されているので結構愛用足ています。その値段(980円+税)の価格破壊は大歓迎です。そんなシリーズを見ていたら帯に「最強のフリーソウル名盤」の文字を発見で購入してみました。
 直球の感想は、聴いてビックリ、なんで今まで知らなかったのか?と思うほどの名盤でした。何回か聞き直しながらこれを書いていますが、まず最初に感じるのは「素直で澄んだ歌声」「聞く人に訴えかけてくるボーカル」でしたが何回か聴いているうちに「若くて瑞々しい歌声」と感じ、鍛えられて技巧に発達する手前の原石を感じます。当然いきなり上手くなってのレコーディングはあり得ないので、下積みの経験があってそこで鍛えられていることは間違いないのですが若々しくてストレートな歌に色々なことを思わせてくれます。
 ファースト・インプレッションが強烈すぎたのですが、発売された年を見てみると1972年とあります。レーベルは Mainstream Records でジャズやジャズ・ファンク、クロスオーバー作品を多く輩出しているレーベルとのこと。このボーカルを聴いていると比較したくなるのはアレサ・フランクリンで、アレサのデビューは1967年で1972年には既にスーパーが付くスターになっています。男性ボーカルで Donny Hathaway を見てみると、こちらは1970年がデビューアルバム、1972年にはロバータ・フラッグとのアルバムを発売しています。やはりソウルの全盛期であり、この時期には次の才能を発掘しようと多くの録音が行われた時期。アメリカのソウル界の層の厚さがうかがえるとともに、アレサもデビューはコロンビアでしたが売れなくてアトランティックに移籍してから売れたことを思うと、第2のアレサえを狙いにいってその才能は申し分なかったのにレーベルのプロモーション次第で売れる売れないが分かれるところだったとも思えます。
 これだけ現代で評判が良くて、演奏も素晴らしいアルバムにも関わらず演奏メンバーについては詳細なクレジットが無いのも有名。私の今聴いているCDはジャケット裏面しかないので、 Orchstra arranged and Conducted BY Ernie Wilkins , Produced By Bob Shad しか書いてあるのが確認できませんが、ライナー・ノーツでは、ギターは Ted Dunbar(トニーウィリアムスのライフタイムでも活躍したギタリスト)インタビューにより、ソウル系のセッション・ドラマーの Bernard Purdie、ベースは Bob Bushnell  (ルイ・アームストロングなどの作品に参加)、Cornell Dupuree , Gordon Edwards のスタッフメンバー参加していたとか、このベースは Chuck Rainey だろう(聴いてわからんのか)的な論争まで巻き起こっている模様で、どれがホントかは全くわかりません。Cornell Dupuree はそれっぽくもあるような気もしますが・・


 いつもの音楽好きの集う「おでんバー」でも評判が良かったこのアルバムのレビューです。1曲目の I Keep It Hid は Supremes, Linda Ronstadt もカバーの名曲。ソウルなシンプルなイントロから、歌い始める歌声にドキッとします。若い声でありながら丁寧な歌いっぷりです。Looking At Life は、John Kander, Fred Ebb の作曲で、イギリスのボーカリスト Petula Clar のカバーのスロー目のソウル・ナンバー。曲も良いが一生懸命に歌い上げる少女っぽい声に迫力のシャウトが魅力。Don't Wonder Why は、Stevie Wonder の 1970年のNo.1 R&Bヒット Signed, Sealed, Delivered I’m Yours への収録曲。いかにもモータウンの曲ですが、これも歌声に非常にマッチしています。と同時にバックの演奏の厚みも心地よい。カバーで、ここまでボーカリストの印象をクッキリつけてくるのは選曲の良さも感じます。Maybe This Time (From The Motion Picture "Cabaret") は John Kander, Fred Ebb の作曲で、Liza Minnelliの持ち歌で、映画「Cabaret" キャバレー」でも有名な曲です。歌いこんでいますね。少し哀愁のあるメロディーを繰り返しながら少しづつ畳みかけてくる名曲。Never Did I Stop Loving You は Juanita Fleming によるオリジナルと書いてありますが、Charms Of The Arms Of Love、3曲目の Don't Wonder Why の3曲が Sunny のヒットで知られる Bobby Hebb の作曲でもあるらしい。なんかごちゃごちゃしてます。It Takes Too Long To Learn To Live Alone は、Eydie Gormé、Peggy Lee などにも歌われている。Hard Hard Promises は、Bobby Hebb の作曲であるが本人の録音は無いとのことでこのアルバムが初録音。Hey Girl は言わずもがなの選曲( これも含めてDonny Hathaway バージョンが私は一番好きは変わりませんが )
 いやいや改めて楽しすぎる。すっかり愛聴盤になってしまいました。改めて、このアルバムだけしか録音が無いのはもったいない🎵

1. I Keep It Hid
2. Looking At Life
3. Don't Wonder Why
4. Maybe This Time (From The Motion Picture "Cabaret")
5. Never Did I Stop Loving You
6. Charms Of The Arms Of Love
7. Don't You Care
8. It Takes Too Long To Learn To Live Alone
9. Hard Hard Promises
10. Hey Girl


  

2024年5月4日土曜日

Eric Johnson & Mike Stern / Eclectic


 Eric Johnson (エリック・ジョンソン)はビッグネームということだけ知っていて、ほぼ聞いたことが無いのでビッグネームを私が語るのもおかしいですが、ロック界とフュージョン界のビッグネームの二人が共演するとこんな感じになる。
 新譜で購入したものでMike Stern (マイク・スターン)も私の好きなギタリストの一人。手癖の塊りのような人なので、何をやっても、ああスターンが弾いてると素人が聞いてもわかるぐらいの同一のチョーキング・フレーズと必殺のクロマチック・フレーズは頑固オヤジみたいな感じで好きです。
 今回の共演のきっかけは、2009年のスターンのアルバムの Big Neighborhood にエリックが参加したことにより意気投合してアルバム録音に発展したとのことで、プロデュースはエリックでオースチンにある彼の Saucer Sound Recording Studio でレコーディングされています。楽曲は 1,2,4,7,9,11 がスターン、3,6,10 がエリックの曲です。Red House は Jimi Hendrix のカバーとなっています。ゲストにはChristopher Cross (クリスト・ファークロス)が Wishing Well に、スターンの嫁さん Leni Stern (レニ・スターン)なんかも参加してます。Leni Stern はドイツ出身のギタリストですがポール・モチアン、ビル・フリゼルとバンドを組むほどの方で ngoni ンゴニというアフリカのマリの伝統弦楽器とボーカルで Big Foot、Wherever You Go の2曲に参加。
 発売にあたってマイク・スターンのインタビューが、タワーレコードのミュージック・レビュー・サイト「Mikiki」に掲載されています。スターンはジャズ系のギタリストですが、ロック、ブルース、モータウン系などがもともとのルーツ、ジョンソンはジャズがルーツではないけれど Wes Montgomery が一番好きなギタリストとのことでお互いの共通点も多かったとのことです。

 
 
 それではレビューです。Roll With It は、Mike Stern のいつものフレーズがイントロ、ボーカルは、ブルース、ゴスペル系のシンガー・ソング・ライターの Malford Milligan です。ロックですが楽曲は Mike Stern の提供。Remember は、フュージョン系の楽曲でボーカル無し。もちろん楽曲は Mike Stern によるものですが、曲のベースはコルトレーンのImpressions で、Mike Stern は弾きまくりが目立ち Eric Johnson がどこで参加しているのかはよくわかりませんでした。Benny Man's Blues は、楽曲が Eric Johnson となっているので、このギターは最初は Eric Johnson から始まります。ジャズっぽいフレーズですがアクは少な目で後半からクロマッチックなフレーズで Mike Stern が参加してきます。「アップテンポのブルースを必要としている時に古き良きベニーグッドマンの雰囲気を持っていこの作風を思いついた。そんなこともあってこのタイトルになった」そうです。Wishing Well は、ライナーノーツを見なくても Mike Stern の楽曲とわかります。テーマのフレーズは確実に Mike Stern のアルバムで聴いたことがあるヤツですが、同じ曲名では見つけられなかったのでどの曲が元かは今回は探しません。曲の進行は似ていますが、アレンジは変わっています。Big Foot (With Intro) の ngoni, vocals は Leni Stern でシタールは Eric Johnson のイントロ、そこからベースの Chris Maresh の楽曲の Big Foot へ移行していきます。楽曲は ひとつのフレーズを繰り返しながら発展させていく、Bitches Brew的手法です。Tidal はジャズの流儀に従った Eric Johnson の楽曲でスローなジャズロック。3分半過ぎたあたりから、Eric Johnson のモンゴメリー的なフレーズがあり少しサービス感を感じますが、Mike Stern に、そんなサービスは微塵も感じません。You Never Know は、またしてもMike Stern の楽曲で、この曲のリフモどこかで聴いたことあります。探しません。Dry Ice は、Bill Maddox の作曲となっています。元曲は探しきれませんでしたがBill Maddox は2010年に亡くなっているドラマーでした。ここらへんで、他人の曲を入れるのは良い感じです。楽曲も激しめのフュージョンなので雰囲気変わりますしメンバーも暴れまっくて楽しそうです。Sometimes では Mike Stern の楽曲に戻りますが、やっとどこかで聴いた風ではなくなったのにホッとします。Hullabaloo はロック・フュージョンでギターのギラギラする音が快い楽曲、作は勿論 Eric Johnson でライブで絶対盛り上がるタイプですね。Wherever You Go (With Intro)  またもや ngoni, vocals は Leni Stern でシタールは Eric Johnson のイントロ、曲に入ると安定の Mike Stern のフレーズ。最後まで頑固おやじのようなギターですね。最後は Red House でJiimi Hendrix のギタリストであれば共通言語のブルースで締めくくりです。両人がボーカルをとっています

guitar, synthesizer, piano, vocals : Eric Johnson
guitar, vocals : Mike Stern
electric bass, acoustic Bass : Chris Maresh
drums, percussion : Anton Fig

produced by : Eric Johnson

recorded at Saucer Sound Recording Studio, Austin, Texas

1. Roll With It
vocals : Malford Milligan
2. Remember
percussion : Wayne Salzmann II
3. Benny Man's Blues
4. Wishing Well
percussion : James Fenner
vocal bridge : Christopher Cross
vocal verse : Mike Stern
5. Big Foot (With Intro)
ngoni, vocals : Leni Stern
6. Tidal
7. You Never Know
8. Dry Ice
9. Sometimes
10. Hullabaloo
sax : John Mills
trombone : Mike Mordecai
trumpet : Andrew Johnson
11. Wherever You Go (With Intro)
ngoni, vocals : Leni Stern
12. Red House
harmonica : Guy Forsyth
vocals : Eric Johnson, Mike Stern


▶ Dry Ice



  

2024年4月28日日曜日

Mal Waldron / No More Tears (For Lady Day)

 

 最近聴き始めた Mal Waldron の1988年の録音です。Mal Waldronは、32歳の1957年から Billie Holiday(ビリー・ホリデイ)の伴奏者となり、1959年7月に彼女が他界するまでその役を務め、その Billie Holiday の死去の5か月前に制作した Left Alone は、ビリーが作詞し、マルが作曲しています。(ボーカル曲ですがビリー自身の歌は残っていません)Mal Waldron 自身は彼女への追悼として Left Alone を1959年に録音しています。そんなLeft  Alone のイメージからの脱却を図ろうという意図も見られる88年の作品と解説されています。タイトルの “Lady Day” とはホリデイのこと。


 この録音は1988年マルが62歳の録音で、この時、西ドイツのミュンヘン在住、世界中でイベントやフェスへの出演依頼が舞い込み多忙の時期であったとのこと。レビューしていきます。Yesterdays 作曲はJerome Kern のスタンダード。イントロは Paulo Cardoso のベースに、ドラムの John Betsch が加わって1コーラスしてから Mal Waldron が加わってきますが、こんな弾き方だっけの、思いっきり叩きつけるようなピアノにビックリの出だしです。この曲もこんなドラマチックっだったけ?の迫力の演奏。No More Tears マルの今は無きビリーに捧げるオリジナル。哀愁を帯びたメロディーのワルツです。ここでも強弱の中では強が多く感じます。ボタっとしたベースラインも、このアクが強いピアノに負けじと低音で支えます。Melancholy Waltz これもマルの新しい書き下ろし作品。ワルツが2曲続きます。哀愁のある音をはっきりと発音しながらの男っぽい演奏です。Solitude は1934年エリントンの作品です。やはり曲調は変わって少しポップさが加わります。Love Me or Leave Me は、1928年のポピュラーミュージックの作曲家 Walter Donaldson 作品。やや早めの4ビートです。低音で半音が行ったり来たりする進行が面白い曲です。愛するか別れてくれのタイトルの曲で、非常に情熱的ですが、弾く人によって、もっとエレガントになる曲だとは予想できます。All Night Through は、バラードで、これもマルによる新曲です。ビリーの死に接して夜を明かした曲とのことで虚無感に駆られながら思い出に浸っている心境が表現されているのでしょう。As Time Goes By 1931年 Herman Hupfeld 作曲のブロードウェイ・ミュージカル「Everybody's Welcome」のために作詞・作曲した曲ですが、映画「カサブランカ」のテーマ曲で取り上げられ有名になった曲です。マルにかかればこれも重厚なバラードになります。Smoke Gets in Your Eyes 後半はスタンダード目白押しです。マル独特のピアノタッチと原曲と変えた和声の響きが新しいです。シンプルでありながら情熱がこもった作品になっています。Alone Together これもジャズ・メンが好んで取り上げるスタンダード。重厚な感じの出だしですが、これも後半になると和声の響きが曲に重要な意味を持たせてきているような気がします。
 非常に力強くて、わかりやすいのが魅力的な作品です🎵

piano : Mal Waldron
bass : Paulo Cardoso
drums : John Betsch

producer : Makoto Kimata
recorded in München, West Germany on November 1, 2 & 3, 1988.

1. Yesterdays
2. No More Tears
3. Melancholy Waltz
4. Solitude
5. Love Me or Leave Me
6. All Night Through
7. As Time Goes By
8. Smoke Gets in Your Eyes
9. Alone Together





  

2024年4月27日土曜日

Bill Evans Jim Hall / Undercurrent


 私の Bill Evans(ビル・エバンス)入門は、このアルバムでした。オリジナルは United Artists と言うレーベルから発売の、リマスター版で2曲 (Alternate Take)が入っています。若い頃はギター・アルバムしか聴かないような偏食なリスナーだったのですが、音楽好きの集う「おでんバー」に Bill Evans 贔屓の方が良くいらっしゃっていた時にお店でかなり聴いたのでソロソロ、ピアニストのアルバムも購入して聴 いてみようか?とCD屋の Bill Evans の棚の前に行って迷っていたら水死体が浮いているようなインパクトのあるジャケット、Jim Hall がギターのデュオとのことで手にした記憶があります。おそらく「おでんバー」でも聴いていたのでしょうが、記憶にはありませんでした。後に知ったのは「おでんバー」の住人には相対的に Bill Evans の評判が悪いこと。私は、それほど選り好みをする人でもないので、鞄に Bill Evans作品を忍ばせておいて客が少なければ、マスターにたまにはいいんじゃないかと言いながらかけています。
 ちなみに水死体のように見えるジャケ写ですが、水中ダンスの写真で、女流写真家のトニー・フリッセル(1907〜1988)。1947年の『Weeki Wachee Springs, Florida』という作品です。この Undercurrent の為の撮りおろしではなく、写真作品をジャケットに使ったものとのことで、実はロック、クラシック、アンビエントなどの他の音楽アルバムにも使われているとのことです。オリジナル作品そのままではなく、 Undercurrent では、腕輪が消されているなどの情報もあり、詳しくは 小学館のサライ.JP


 最初に聴い頃から結構立っていますので、この Jim Hall と Bill Evans の両人名義の傑作をじっくりと聴きながらのレビューです。My Funny Valentine 名演は数多くあるスタンダードですが、この作品では両巨頭のコラボレートによるに美しい演奏となっています。Bill Evans の 前置きから Jim Hall がじっくり音を選ぶようにギターを弾きます。デュオ演奏なので静かな演奏のイメージありましたが曲が進むにつれて煽るような展開となっていてじっくりと聴き直せば結構熱い演奏でした。I Hear a Rhapsody は、Jim Hall の主導によるイントロ。一音々に重みがあります。ギターとピアノの静かな対話のようで、これがこのアルバムの印象だったかなと思いだします。Dream Gypsy も聴けば思い出しました。こちらは Bill Evans 主導によるクラシックのようなイントロです。いかにも「らしい」演奏ですね。静かにダンスの伴奏をするような Bill Evans のピアノにフワフワとした Jim Hall のギターが印象的です。Romain は、また Bill Evans らしい静寂の演奏。Jim Hall が、しっかりと曲に表情をつけていき、複雑に絡み合う深い音に惹きつけられ途中からは曲に合わせた軽いアドリブ、後半の Jim Hall のストローク、最後に力強い強いピッキングでの締め。これも良いですね。Skating In Central Park 軽い出だしで何か可愛らしい曲です。曲名もセントラルパークでのスケートですから、イメージとしては子供を連れて冬のスケートを滑りながらの家族の団欒のような感じですかね。落ち着いた温かみのある楽曲は、これもまた味わいがあります。Darn That Dream そしてまた静の世界に戻ります。両者のソロによるイントロから、お互いの音を確かめながらソロリソロリとデュオに入っていくところに少し緊張感あり、お互いの音を確かめたら後はじっくりと絡み合う。実に気持ちが良い。Stairway To The Stars 曲名のごとく、ゆっくりと手を取りながら階段を上がっていくイメージ。手を取っているのは大事な彼女でしょうか?年老いた両親でしょうか?いずれにしろ、ゆっくりと手を取りながら急がずにゆっくりと動いているような優雅な曲でした。I'm Getting Sentimental Over You ここで、少しテンポ・アップです。それほど早い訳ではありませんが、これだけ静かな曲が続くと少しリズミカルな動きのある曲になると、とてもリズミカルに聴こえてしまうのが不思議です。途中でドラムのブラッシングの音がしているような気もしたぐらいの感覚になりました。そして最後2曲は My Funny Valentine, Romain のalternate Take となります。丁寧なリハーサルがあったと、どこかで見ましたが、確かに採用となったテイクとのテンポなどの違いが分かりやすく明らかに違いました。この2曲の追加は、お得感がありますね🎵

piano : Bill Evans
guitar : Jim Hall

producer : Alan Douglas

recorded at Sound Makers, NYC, May 14, 1962.

1.My Funny Valentine
2.I Hear a Rhapsody
3.Dream Gypsy
4.Romain
5.Skating In Central Park
6.Darn That Dream
7.Stairway To The Stars
8.I'm Getting Sentimental Over You
9.My Funny Valentine - (Alternate Take)
10.Romain - (Alternate Take)


▶ Romain



  

2024年4月26日金曜日

David Sanborn / Hideaway


 タイトルの「Hideaway」は日本語で「隠れ家」の意。私が最も好きなライブ・アルバム Straight to the Heart でも演奏されていて学生の時にライブの方を先に聴きこんでいます。社会人になってからこのアルバムを購入してよりソウル的であり、短いリバーブのエフェクト処理されていたオリジナルは不思議な感覚でした。
 改めてメンバーを見てみましたが主題曲だけ、私の大好きなギタリスト Hiram Bullock が参加していますが未だロック小僧の自己主張は少な目で、アルバム全体では David Spinozza がギターを弾いています。またベースの Marcus Miller は2曲目のバラードにだけ参加、全体では Neil Jason が起用されています。パーカッションは、この後もサウンドの核となる Ralph MacDonald、ドラムは Steve Gadd、キーボードは Don Grolnick で、プロデューサーも務めています。この後のフュージョン時代のサンボーンの核となるメンバーが、チラホラしていること、マーカスばかりが印象にありますが、実はキーボードの Don Grolnick がサンボーンサウンドに重要な役割を果たしてくることがわかります。


 長い間愛聴してきましたが、参加ミュージシャンなどを、じっくり見て聴いてくることも無かったです。レビューです。Hideaway 少しレトロで野暮ったいアレンジが魅力です。サンボーンがキーボードを弾いて Don Grolnick がクラビを担当してました。時代を感じますが歴史的名作と言われたのは、この曲があったからでしょう。ハイラムのギターは全く目立たないのにも感動。Carly's Song の Carly's はCarly Siom(カーリー・サイモン)のことで、楽曲にバックグラウンドボーカルで参加している James Taylor(ジェームス・テイラー)の当時の奥様とのこと。調べてみると結婚は1973年~1983年だったので、このアルバムのリリースの1980年当時は未だご夫婦の時代。作曲はサンボーンで James Taylor は参加していませんでした。今まで聴いてきたけど、そんな謂れがある曲とは理解していませんでした。とても美しい曲でストリングスの入ったサウンドです。レトロなアレンジとは思いますが時代を感じる古さは無いですね。Anything You Want これは昔のフュージョン風ですね。サックスに、かかった深めのリバーブと David Spinozza のチャカポコ・ギター、クラビ・サウンドが古臭さを醸し出しています。The Seduction (Love Theme) いかにもサンボーンらしい楽曲の広がり、ギターの Jeff Mironov はロック系の人かと思ったら1970年代に活躍したセッション・ギタリストとのことでビッグバンドなどにも参加しているジャズ系ミュージシャンでした。Lisa サンボーンの InsideStraight to the Heart にも収録されている派手さは無いがお馴染みの曲です。少しづつ印象が違います。このアルバムが一番野暮ったい印象だったのですが改めて聴き直すと、そうでも無い。でも個人的には Inside が一番良いかもしれないです。If You Would Be Mine ポップス的な楽曲ですがこれは昔風の時代を感じる音ですかね。サンボーン特有の煽りがいっぱい出てきて楽しいです。Creeper 怪しい感じのベースラインとテーマが独特の多重録のサックスのテーマが魅力。アーシーな雰囲気があって、このアルバムの中でも印象的な曲で、これが出てくると Hideaway だってなります。インパクトは一番あります。Again An Again 締めの曲はソウル要素の入ったこの曲です。なんとなく The Gadd Gang あたりの匂いも感じる曲で、Steve Gadd が叩いているんだなあと主張がある曲ですね。
 全体的にメロディアスな曲が多く、レトロ感溢れるサウンドが、この時代のフュージョン・ファンにはたまらんです。やっぱりサンボーン🎵

producer : Michael Colina

recorded at Celebration Recording Studio, Inc., NYC & Minot Sound, White Plains, N.Y.

1. Hideaway
alto sax, soprano sax, tenor sax,  electric piano, fender rhodes : David Sanborn
clavinet : Don Grolnick
synthesizer : Michael Colina
guitar : Hiram Bullock
bass : Neil Jason
drums : Steve Gadd
congas, percussion : Ralph MacDonald
percussion : Ray Bardani

2. Carly's Song
alto sax : David Sanborn
backing vocals : Arnold McCuller, David Lasley, James Taylor
fender rhodes : Don Grolnick
bass : Marcus Miller
drums : Rick Marotta
percussion : Ralph MacDonald
vibraphone , marimba : Michael Manieri
cello : Julian Fifer
Violin : Benjamin Hudson, Carol Zeavin, Guillermo Figueroa , How Liang-Ping , Joanna Jenner, Ronnie Bauch, Ruth Waterman, William Henry

3. Anything You Want
alto sax : David Sanborn
clavinet : Don Grolnick
synthesizer : Michael Colina
congas : Jody Linscott
guitar : David Spinozza
Bass : Neil Jason
Drums : Steve Gadd
cowbell, tambourine : Ray Bardani


4. The Seduction (Love Theme)
alto sax : David Sanborn
backing vocals : Bette Sussman, Naimy Hackett
piano : Michael Colina
electric piano : Paul Shaffer
guitar : Jeff Mironov
electric guitar : David Spinozza
Bass : Neil Jason
drums : Buddy Williams, Steve Gadd
tambourine : Ray Bardani
congas : Jody Linscott
cello : Julian Fifer
Violin : Benjamin Hudson, Carol Zeavin, Guillermo Figueroa , How Liang-Ping , Joanna Jenner, Ronnie Bauch, Ruth Waterman, William Henry

5. Lisa
alto sax, electric piano: David Sanborn
synthesizer : Michael Colina
acoustic guitar : David Spinozza
bass : Neil Jason
drums : Steve Gadd
cowbell : Jody Linscott
cymbal, Triangle : Ralph MacDonald
cello : Julian Fifer
Violin : Benjamin Hudson, Carol Zeavin, Guillermo Figueroa , How Liang-Ping , Joanna Jenner, Ronnie Bauch, Ruth Waterman, William Henry


6. If You Would Be Mine
alto sax : David Sanborn
electric piano : Michael Colina, Rob Mounsey
acoustic guitar : David Spinozza
bass : Neil Jason
drums : Steve Gadd
congas : Ralph MacDonald
percussion : Ray Bardani

7. Creeper
alto sax, soprano sax, organ: David Sanborn
electric piano : Don Grolnick
synthesizer : Michael Colina
bass : John Evans, Michael Colina
guitar : Danny Kortchmar, Waddy Wachtel
drums : Rick Marotta
congas : Jody Linscott
cymbal : Ray Bardani

8. Again An Again
alto sax : David Sanborn
synthesizer : Michael Colina
electric guitar : David Spinozza
bass : Neil Jason
drums : Steve Gadd
percussion, tambourine : Ray Bardani
congas : Jody Linscott
piano : Don Grolnick
cello : Julian Fifer
Violin : Benjamin Hudson, Carol Zeavin, Guillermo Figueroa , How Liang-Ping , Joanna Jenner, Ronnie Bauch, Ruth Waterman, William Henry

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2024年4月21日日曜日

Billie Holiday / Lady Sings The Blues

 

 女性ジャズ・ボーカルを聴き始めたのは、結構オジサンになってからで若い頃は、あまり興味がありませんでした。きっかけは Ella Fitzgerald の特集のジャズ・ブックの購入で人間の声の表現力に改めて気づいたことから始まったような気がします。それで女性ジャズ・ボーカルも聴くようになったんですが Billie Holiday に辿りつくまでは長かったような気がします。イメージ的にはジャズだけど Louis Armstrong 的な節回しもあるなと聴いていると「美空ひばり」を連想してしまうこともあります。美空ひばりは好んで聴きはしませんが素晴らしい歌い手であることは理解しています。言うことで中古レコード屋で恐らく持っていないジャケットを見かけたので買ってきたのですが、どうやらベスト・アルバムのようで Lady Sings The Blues と言うアルバムでは無いようです。


 それではレビューです。Herbie Nichols は、1956年の代表作と言われているアルバムLady Sings The Bluesで可愛らしい声とは言い難い、味のあるサッチモ張りの節回しが特徴的なブルース。ケニーバレルがギターを弾いております。Come Rain or Shine 1955年録音でMussic For Torching に収録。語り掛けるようにビブラートをかけながら感情豊かに歌い上げる曲となっています。Blue Moon 1952年の録音。Barney Kessel がギターです。かなりの人が聴いたことがある名曲ですね。これぞジャズって感じが小気味よい。Good Morning Heartache 1956年録音で、イントロはクラシックのボレロっぽいメロディのトランペット。ここでも歌い上げるパターンと言葉を置きに行くような歌い方です。ビブラートの余韻が短めになってます。 God Bless the Child は1956年録音、ギターはまたもケニーバレル。Lady Sings The Blues からの楽曲で改めて名曲が多いアルバム。ムーディなバックで豊かに歌い上げます。Baby Won't You Please Come Home 1959年の録音です。リッチな感じのバックで幸せそうに歌うビリーが思い浮かぶような幸せで充実した演奏です。ただお年を召したような歌声ではあります。Ill Wind は、1956年録音で All Or Nothing At All kからの作品。Barney Kessel がギターです。テナーの Ben Webster のエロいソロも良い感じで、どこかのサロンでリラックスして聴いているかのようなサウンド。Autumn in New York 1952年の Clef Records からの発売。これは、とてもチャーミングな歌い方で曲も良いです。Don't Worry Bout Me 1959年の録音で、オケがバックに入ったゆったりとした演奏で少し今までとイメージを変えた曲になります。幸せそうに歌うビリーが、とても良いんだけど何かはかない。I Don't Want to Cry Anymore 1955年の録音です。失恋の歌ですね。生ギターのケッセルのイントロ。語り掛けるような歌い口。Willow Weep for Me 
少人数でのコンボ録音。1954年です。リッチな大人数のbハンド編成より歌いやすそうな印象を受けます。It's Not for Me to Say  1959年録音で、とても気持ちよく歌われているのですが、やはり危うさとはかなさを感じてしまいます。My Man 1952年の録音で、しっかりと歌われているのがわかります。これだけ沢山聞いてくると何かその時の精神状態がわかるような気がします。Stormy Weather 1952年録音のブルースで、Oscar Peterson がピアノ、 Freddy Green がギターです。安定の伴奏で納得の演奏。1952年良いですね。When Your Love Has Gone 1955年の録音で、Barney Kessel のギター。静かに流れるブルースです。ここまで来て激しめの曲は Billie Holiday は無いことに気づきます。若干盛り上がりに欠けるような気もします。I Must Have That Man 1959年録音。ここにきてずっしりとした感じです。ご満悦な感じの伸びやかな歌になります。One for My Baby (And One More for the Road) このアルバム初めての1957年録音。ミュート・トランペット Harry 'Sweets' Edison がピリッと曲を締めます。I'll Never Smile Again 1959年のオケをバックの録音です。リバーブ掛け過ぎのような感じもしますが最後の締めくくりとしては妥当でしょうか。
 18曲録音の、ベスト盤コンピでした。アルバムとしては抑揚があまりないため、正直レビューは書きづらかったです。じっくり聴きこむより仕事をしながらBGMに良い一枚ですね🎵

This compilation: 47 2006 Universal Music Classics & Jazz 47 2006 Universal Music Classics & Jazz, a Division of Universal Music GmbH 

1. Lady Sings the Blues
Billie Holiday - vocals / Charlie Shavers - trumpet / Tony Scott - clarinet / Paul Ouinichette - tenor sax / Wynton Kelly - piano! Kenny Burrell - guitar / Aaron Bell - bass / Lennie McBrowne - drums / Recorded June 6, 1956, New York City / Original: Clef MGC-721 
2. Come Rain or Shine
Billie Holiday - vocals / Harry 'Sweets' Edison - trumpet / Benny Carter - alto sax / Jimmy Rowles - piano / Barney Kessel - guitar / John Simmons - bass / Larry Bunker - drums! Recorded August 25, 1955, Hollywood / Original: Clef MGC-669 
3. Blue Moon
Billie Holiday - vocals! Charlie Shavers - trumpet / Flip Phillips - tenor sax / Oscar Peterson - piano / Barney Kessel - guitar / Ray Brown - bass / Alvin Stotler - drums Recorded spring 1952, Los Angeles / Original: Clef 89004 
4. Good Morning Heartache
Billie Holiday - vocals / Charlie Shavers - trumpet! Tony Scott - clarinet / Paul Ouinichette - tenor sax / Wynton Kelly - piano / Kenny Burrell - guitar / Aaron Bell - bass / Lennie McBrowne - drums / Recorded June 7, 1956, New York City! Original: Clef MGC-721 
5. God Bless the Child
Billie Holiday - vocals / Charlie Shavers - trumpet / Tony Scott - clarinet / Paul Ouinichette - tenor sax / Wynton Kelly - piano / Kenny Burrell - guitar! Aaron Bell - bass / Lennie McBrowne - drums / Recorded June 7, 1956, New York City / Original: Clef MGC-721
6. Baby Won't You Please Come Home
Billie Holiday - vocals / Harry 'Sweets Edison, Joe Wilder - trumpet / Billy Byers - trombone! Al Cohn - tenor sax / Danny Bank - baritone sax / Hank Jones - piano / Barry Galbraith - guitar / Milt Hinton - bass / Osie Johnson - drums / Arranged & conducted by Ray Ellis / Recorded March 11, 1959, New York City / Original: Verve MGM SE3764 
7. Ill Wind
Billie Holiday - vocals / Harry 'Sweets' Edison - trumpet / Ben Webster - tenor sax / Jimmy Rowles - piano / Barney Kessel - guitar / Joe Mondragon - bass / Alvin Stoller - drums / Recorded August 14, 1956, Hollywood / Original: Verve MGV-8329
8. Autumn in New York
Billie Holiday - vocals / Charlie Shavers - trumpet / Flip Phillips - tenor sax / Oscar Peterson - piano / Barney Kessel - guitar / Ray Brown - bass / Alvin Stoller - drums / Recorded spring 1952, Los Angeles / Original: Billie Holiday - vocals / Charlie Shavers - trumpet / Flip Phillips - tenor sax / Oscar Peterson - piano / Barney Kessel - guitar / Ray Brown - bass / Alvin Stoller - drums / Recorded spring 1952, Los Angeles / Original: Clef 89108 
9. Don't Worry Bout Me
Billie Holiday - vocals! Harry 'Sweets' Edison - trumpet / Jimmy Cleveland - trombone / Gene Quill - alto sax / Hank Jones - piano / Barry Galbraith - guitar / Milt Hinton - bass / Osie Johnson - drums! unknown harpist / Strings / Arranged & conducted by Ray Ellis / Recorded March 4, 1959. New York City / Original: Verve MGM SE3764 
10. I Don't Want to Cry Anymore
Billie Holiday - vocals! Harry 'Sweets' Edison - trumpet / Benny Carter - alto sax / Jimmy Rowles - piano / Barney Kessel - guitar / John Simmons - bass! Larry Bunker - drums / Recorded August 23, 1955, Hollywood / Original: Clef MGC-669 
11. Willow Weep for Me
Billie Holiday - vocals / Harry 'Sweets' Edison - trumpet / Willie Smith - alto sax / Bobby Tucker - piano! Barney Kessel - guitar / Red Callender - bass / Chico Hamilton - drums! Recorded September 3, 1954, Hollywood / Original: Clef 89141 
12. It's Not for Me to Say
Billie Holiday - vocals! Jimmy Cleveland - trombone! Romeo Penque - alto & tenor sax, bass clarinet / Hank Jones - piano / Kenny Burrell - guitar / Joe Benjamin - bass / Osie Johnson - drums / Janet Putnam - harp! Strings / Arranged & conducted by Ray Ellis / Recorded March 3, 1959, New York City / Original: Verve MGM 5E3764 
13. My Man
Billie Holiday - vocals / Joe Newman - trumpet / Paul Quinichette - tenor sax / Oscar Peterson - piano! Freddy Green - guitar / Ray Brown - bass! Gus Johnson - drums! Recorded July 27, 1952, New York City / Original: Clef 89089 
14. Stormy Weather
Billie Holiday - vocals / Joe Newman - trumpet / Paul Ouinichette - tenor sax / Oscar Peterson - piano / Freddy Green - guitar / Ray Brown - bass / Gus Johnson - drums / Recorded July 27, 1952, New York City! Original: Clef 89064
15. When Your Love Has Gone
Billie Holiday - vocals / Harry 'Sweets' Edison - trumpet / Benny Carter - alto sax /Jimmy Rowles - piano / Barney Kessel - guitar / John Simmons - bass / Larry Bunker - drums! Recorded August 23, 1955, Hollywood / Original: Clef MGC-713 
16. I Must Have That Man
Billie Holiday - vocals / Charlie Shavers - trumpet! Tony Scott - clarinet / Paul Ouinichette - tenor sax! Wynton Kelly - piano / Kenny Burrell - guitar / Aaron Bell - bass / Lennie McBrowne - drums / Recorded June 6, 1956, New York City! Original: Clef MGC-721 
17. One for My Baby (And One More for the Road)
Billie Holiday - vocals! Harry 'Sweets' Edison - trumpet / Ben Webster - tenor sax! Jimmy Rowles - piano / Barney Kessel - guitar / Red Mitchell - bass / Alvin Stoller - drums / Recorded January 8, 1957, Hollywood / Original: Verve MGVS-6021
18. I'll Never Smile Again
Billie Holiday - vocals / Jimmy Cleveland - trombone / Romeo Penque - alto & tenor sax, bass clarinet! Hank Jones - piano / Kenny Burrell - guitar / Joe Benjamin - bass! Osie Johnson - drums / Janet Putnam - harp / Strings / Arranged & conducted by Ray Ellis / Recorded March 3, 1959, New York City / Original: Verve MGM 5E3764