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2023年9月30日土曜日

Buddy Guy Junior Wells & Junior Mance / Buddy And The Juniors


 ポップスの女性歌手のアルバムか?とも思ってしまうジャケットの中の赤ちゃん3人は、Buddy GuyJunior WellsJunior Mance ですね。この可愛らしいジャケットなのに、中身は泥臭いブルースです。シカゴを代表するブルースマン Buddy Guy、Junior Wells は、ありうる組み合わせですが、ジャズピアニストの Junior Mance が参加とは貴重なアコースティック・ブルース・セッションです。随分昔から持っていたアルバムなのですが、今回聴くまであの Junior Mance とは気づいていませんでしたので、聴き直しは心して聴こうと思います。プロデューサーである Michael Cuscuna は、ライナーノーツに、このレコーディングについて興奮気味に記述してある気がします。そりゃあ Buddy Guy、Junior Wells は当然セッションはあるでしょうが Junior Mance との共演なんて凄いことですから当然でしょう。


 さて、レビューです。オープニングは Talkin' 'Bout Women Obviously ギターとブルースハープの弾き語りブルースです。年代物のアコースティック・ブルースは枯れたギターの音がする場合が多いですが、Buddy のアコギはとてもリッチな音がします。Riffin' も古典的なパターンのブルースで、これもピアノレス。Buddy Blues から Mance のピアノが登場ですが特にジャズっぽいフレーズとかはありません。Hoochie Coochie Man では、ピアノの存在感が増します。リズム隊はいないのに、そうとう躍動感ある演奏になっているのは、しっかりとしたピアノのリードがあってこそと思われます。Five Long Years では、メンバーの演奏も随分と打ち解けた感じの演奏になっています。古典的なパターンに合わせて各自のアドリブが生き生きとしています。Rock Me Mama では、Mance はお休みです。ボーカルは、Wells となって迫力あってカッコ良い。Ain't No Need は、Mance 復活でサビの手前のブレイクでは、Mance がギターと合わせてブレイクしていないのですが、3コーラス目だけは同じブレイクをしているので、ここら辺は、ぶっつけ本番のご愛敬といったところでしょうか。
 数年ぶりに聴きましたが、実に張りがあってドスの効いたアコースティック・ブルースは、今までよりも好印象です。素晴らしいアルバムです🎵

harmonica, vocals : Junior Wells
acoustic guitar, vocals : Buddy Guy
piano : Junior Mance

producer : Michael Cuscuna

recorded at Vanguard Studios, New York City on Dec. 18, 1969

1. Talkin' 'Bout Women Obviously
2. Riffin'
3. Buddy Blues
4. Hoochie Coochie Man
5. Five Long Years
6. Rock Me Mama
7. Ain't No Need




  

2022年1月31日月曜日

Junior Mance / Junior

 

 お買い得に簡素化したパッケージで販売している「ジャズ百貨店」で、見かけて購入の一枚。キャノンボール・アダレイ、ディジー・ガレスピなどの共演で知られるピアニストのジュニア・マンスの初リーダー作です。録音は1959年4月9日。
 聴いてみると、パワフルなプレイはほとんど無く、繊細とは違う全体に優しく軽めなタッチでスムース、かなり聴きやすいアルバムでした。丁寧ではありますが感情の移入度は低めのような気がしますが、そこが聴きやすくて個性となっていると思われます。トリオでの演奏で卓越したプレイを聴かせるのはベースのレイ・ブラウンで、この録音時はオスカー・ピーターソン・トリオに在籍です。


 さてこのアルバムの曲紹介です。A Smooth One は軽いノリの小曲といった感じでまさにアルバムの導入曲のような役割です。続く Miss Jackie's Delight もライトなブルースで、小難しい技は無しでスイングのリズムが楽しめます。バーとかでかかってたら楽しく飲めるヤツです。スタンダードのベニー・ゴルゾンの Whisper Not は、ウェス、マイルス、ロイ・ハーグローブなど色々な方の演奏も聴いてきましたが、こちらマンスはピアノがメインではありますが控えめに奥ゆかしく弾いておられるのが、ジャケットの貫録のある姿とはギャップのあるイメージ。と続きますが、そのほかのお勧め曲としては、バラードの Lilacs In The Rain は、まさに雨の中を散歩していると濡れた花がしっとりと美しく咲いている様のロマンあふれる表現力、つまらなくなりがちな曲と思いますが丁寧なタッチが良く合っています。
ゴスペルライクな Jubilation は自作曲のせいか少し毛色を変えてきていて楽し気に今までより自己主張している感じ。Birk's Works は Ray Brown がブンブンと鳴り、マンスも段々と熱気を帯びてきています。そしてJunior's Tune は、最後にふさわしくきめ細かいキメが楽しい。親しみやすいメロディラインに、気持ち良くスウィングとブルース・フィーリングがうまくブレンドされています。
 昨年エレピを購入して練習を始めたので練習用に動画などを見ることも多いのですが、運指の練習もさることながら、「こんなタッチで弾くことを心掛けるとこんな素晴らしい表現ができる」という指導に出来わすことが多く、ピアノという楽器は叩けば音がでると思っていたんですが多才な表現ができるもんだと改めて認識しています。大御所のピアニストは別として、ピアノという楽器の個性や表現性を、今まではあまり気にすることは無かったんですが、このエレピの購入でピアノのサウンドに対しての聴き方が私もだいぶ変わってきたと思います。こういった個性に出会えるとまたジャズ・ピアノを聴くのも違った楽しみ方ができます。ジャズが演奏できるまでにはほど遠い道のりで、できるようになるのかはわかりませんが何しろ買って良かったです🎵

piano : Junior Mance
bass : Ray Brown
drums : Lex Humphries

1. A Smooth One
2. Miss Jackie's Delight
3. Whisper Not
4. Love For Sale
5. Lilacs In The Rain
6. Small Fry
7. Jubilation
8. Birk's Works
9. Blues For Beverlee
10. Junior's Tune




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2023年4月30日日曜日

Junior Mance / Softly as in a Morning Sunrise

 

 「限定生産」enja Real Jazz Classics シリーズの一枚。1994年にミュンヘンでベテラン・リズム隊との録音とのことで、御歳66歳の晩年の作品です。リーダー作として所有しているのは1959年の初リーダー作 Junior でした。最初の作品は全体に優しく軽めなタッチの印象でしたが、この晩年の作品ではファンキー・タイプのグルービィなピアノとタッチは結構変わっています。マンスは、このあと2015年まで作品を発表し続け引退し、2021年の1月17日に92歳でアルツハイマー病を患い転倒した時に脳出血を起こし翌月にマンハッタンの自宅で亡くなられています。
 1928年にイリノイ州生まれで、ピアノは10歳でプロとしてブルースを演奏していて、キャリアの本格的スタートは1951年に入隊してからのこと。駐在先のケンタッキー州の基地のクラブでキャノンボール・アダレイと出会ってバンドでピアノを演奏したことがきっかけとのこと。1953年に除隊してクラブで演奏し、ディジー・ガレスピーのバンドに参加したほか、バディ・ガイやチャーリー・パーカー、デクスター・ゴードンらと共演。その後はダイナ・ワシントンとレコーディングやツアーを行い、1956年にはサム・ジョーンズやジミー・コブとキャノンボール・アダレイのバンドに参加。1959年に初リーダー作の Junior をリリース。1990年から2009年にかけて、1年おきに日本で開催された「100 Gold Fingers Piano Playhouse」という秋吉敏子やモンティ・アレキサンダー、ケニー・バロンらが参加するオールスター・ジャズ・ピアニスト10人によるコンサートに出演。80年代後半から2011年まで、The New Schoolで教鞭を執り、ジャズを教えていたとのこと。


 昨日、いつもの「おでんバー」で飲んでいたら Enja レーベルの話になったので、少し記述しておきます。設立者はマティアス・ヴィンケルマンとホルスト・ウェーバー。マル・ウォルドロンの大ファンで、そのリリースをしたいと誕生した経緯があります。(最近レビューした「プラハの春」のマル・ウォルドロンです)ヨーロッパ独特の選曲のクセがあるレーベルですね。またレーベル運営当初から、山下洋輔、日野皓正などの日本人アーチストも多くリリースしています。
 さてレビューです。タイトル曲 Softly As In A Morning Sunrise は、ゴージャスな感じのピアノ・イントロからスローに始まるテーマ。アーシーなピアノソロ、ベース・ソロでエンドテーマとなります。タイトで跳ねるようなベースのリズムがカッコイイ。エンディングの大袈裟な感じも良いです。The Man From Potters Crossing ミディアム・テンポのブルースですが、これもまたベースがカッコ良し。Jimmy Woode って良いですね。ベースとピアノがユニゾンで最初と最後にテーマ。Sunset And The Mocking Bird も非常にアーシーさが出ているピアノがわかりやすくカッコ良く拡大展開も、また良くて小粋です。Broadway では、原曲のハッピーな雰囲気を活かしてテンポよく進行。熟練されたトリオの演奏は安心・安定ですね。Blues For Blackey は、ブルースマーチを意識したようなテーマで50~60年代のファンキー・ジャズ風が手練れのミュージシャンを感じさせます。そして私の大好きな曲 Gee Baby, Ain't I Good To You です。スローにブルージーにピアノがリードする仕上がり。また私の Gee Baby, Ain't I Good To You リストに良い演奏が加わりました。Lady Bird はタッド・ダメロン作のバップ・ナンバー。ドラムとの交換小節がトラディショナルな感じですね。Wee も、バップ・ナンバーで、マンスのバップ魂が小気味よくエンディングがまた良しのマンス作。Sunday Go To Meetin' は、ゴスペル調でノリの良いピアノで、アメリカの日曜の教会って、こんな感じなんだろうなあ。Inside Out はベースのウッディが楽曲提供で、バンドの自由な演奏に、このトリオの為に書いたんだろうなと思えます。C.C. Rider は、ライブのアフター・アワーズ的な曲で締めくくりの感じが出ています。こういうアルバムの作り方好きです。
 リズム隊が非常に優秀で、ベースのしなやかさ、堅実なドラムがとてつもない安定感を生み出しています。選曲も小粋なスタンダード曲が中心で趣味が良しマンスのピアノも小気味よく、まとまっていてクセも無く冒険も無いものの、安定の素敵なピアノ・トリオを感じます🎵

piano : Junior Mance
bass : Jimmy Woode
drums : Bob Durham

producer : Horst Weber

recorded July 21st 1994 at Trixi Studio, Munich

1. Softly As In A Morning Sunrise
2. The Man From Potters Crossing
3. Sunset And The Mocking Bird
4. Broadway
5. Blues For Blackey
6. Gee Baby, Ain't I Good To You
7. Lady Bird
8. Wee
9. Sunday Go To Meetin'
10. Inside Out
11. C.C. Rider





  

2021年6月3日木曜日

本日のCD Aretha Franklin ♪ Soul'69

 
 
 1969年アトランティックから発売の14枚目のスタジオアルバム。タイトルが「ソウル’69」なんで、バリバリのソウル路線かと思いきやソウルよりの曲もあるが、ほぼジャズボーカルのようなアルバム。
 レコーディングに参加したミュージシャンは当時でも売れっ子のジャズミュージシャンを揃えてきています。大御所でいえばJunior Mance, Joe Zawinul, Kenny Burrell, Ron Carter と、そりゃこれだけの人集めればジャズになります。
 仕掛け人はおそらくプロデューサーの Jerry Wexler氏でしょうか?Aretha Arrivesでも書きましたが、アトランティックのアレサに欠ける情熱とJerry Wexler氏の次から次へと仕掛ける戦略は素晴らしいし、その仕掛けと要求にすべて応えられるアレサの実力がうかがい知れ、アレサのスケールアップっぷりにも感心してしまいます。
 もともとはコロンビアからゴスペル、ジャズ路線でデビューしてた人だったんで不思議でも何でもないですが、鳴かず飛ばずだったコロンビアのイメージを完全にを乗り越えたんではないでしょうか。
 
vocals, piano (2,7,9): Aretha Franklin
backing vocals : Aretha Franklin, Evelyn Greene, Wyline Ivy
piano : Junior Mance (1、3-6、8-11)
organ : Spooner Oldham (2,7)Joe Zawinul (5)
piano : Joe Zawinul  (6,12)
guitar : Kenny Burrell(1、3-6、8-11)
rhythm guitar : Jimmy Johnson(2, 5)
lead guitar : Tommy Cogbill (2,7)
bass : Ron Carter (1、3-6、8-12)
bass : Jerry Jemmott(2,7)Thomas Clark Cogbill(2,7)
drums : Bruno Carr  (1、3-6、8、9、12), Roger Hawkins  (2,7), Grady Tate (10, 11)
vibraphone : Jack Jennings (5,7,9,12)
percussion : Louie Goicdecha、Manuel Gonzales (5,7,12)
alto sax : Frank Wess, George Dorsey
flute sokist: David Newman
sax, soloist : David Newman (1-3, 5-7), King Curtis (4)
tenor sax : David Newman, King Curtis, Seldon Powell
baritone sax : Pepper Adams
trumpet : Bernie Glow, Ernie Royal, Snookie Young, Joe Newman, Richard Williams
trumpet, soloist : Joe Newman
trombone : Benny Powell, Jimmy Cleveland, Thomas Mitchell, Urbie Greene
producer : Jerry Wexler, Tom Dowd

1. Ramblin'
2. Today I Sing The Blues
3. River's Invitation
4. Pitiful
5. Crazy He Calls Me
6. Bring It On Home To Me
7. Tracks Of My Tears
8. If You Gotta Make A Fool Of Somebody
9. Gentle On My Mind
10. So Long
11. I'll Never Be Free
12. Elusive Butterfly




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2021年12月29日水曜日

Dexter Gordon Quartet / Live At The Amsterdam Paradiso

 

 1969年オランダの Amsterdam にあるライブ・ハウス Paradiso (パラディソ) でのライブ録音。このライブハウスは元々はプロテスタントの教会で1968年にコンサートホールに改修されたものです。この場所での演奏は初めてでヨーロッパのミュージシャンをバックにしてのピアノトリオの演奏も初であったとのこと。
 Dexter Gordon (デクスター・ゴードン)は、1923年生まれでスイング時代のジャズシンガーの Billy Eckstine のバンドに在籍し、1945年からニューヨークに進出した。バド・パウエル、マックス・ローチ、アート・ブレイキーなどとの共演し、1950年代は薬物中毒のため活動が低迷していました。そして1960年代初頭から1976年にかけて渡欧し、フランスやデンマークを拠点に活動した時期の録音です。


 この夜のライブには1000人の観客が詰めかけたとのことだがオープニング、ゴードンの挨拶に観客の反応が無いのは録音状態からなのか、寒すぎたのか?とも勘ぐってしまいますが貫録たっぷりのテナーを聴かせてくれる Fried Bananas が始まります。ずっしりとした音色でこれぞジャズと黙々としたテナーを感じます。続く What's New はスロー・バラードで歌心のあるサックスで、語り掛けるようなサックスの音色が気持ち良いです。Good Bait はゆったりとしたテンポの曲で、今までかしこまって聴いていたこちら側の気持ちにも少し余裕を与えてくれます。ここで1枚目は終わります。この晩の演奏は3セットだったのことで、続く2枚目はまた違うセットの録音となるとのこと。実は最初にこのアルバムをかけたのは、ちゃんとしたオーディオセットで聴けるいつもの「おでんバー」だったのですが、かしこまって聴いていたら1枚目の途中で少し窮屈な気持ちになってしまい、このまま2枚はきついかな?と思ってしまい2枚目はほぼ聴いていなかったんですが、1セット目よりエンジンがかかってきて演奏は熱くなってきていること Willow Weep For Me、Scrapple From The Apple などの耳覚えのあるスタンダードの演奏に拍手や騒ぎ出す客も出てきて、はるかに楽しく聴くことができました。
 正直最初はのっぺりしすぎていて、聴くのがつらいかなと思っていたのが印象良く聴けた1枚です。これぞジャズの一つの形かと思います。
 ちなみのにプロデューサーの Hans Dulfer はキャンディ・ダルファーのお父さん。

tenor sax : Dexter Gordon
bass : Jacques Schols
drums : Han Bennink
piano : Cees Slinger

producer : Hans Dulfer, Joop Visser

recorded at Paradiso, Amsterdam, February 5, 1969.

【Disc1】
1. Introduction By Dexter Gordon
2. Fried Bananas
3. What's New
4. Good Bait

【Disc2】
1. Rhythm-A-Ning
2. Willow Weep For Me
3. Junior
4. Scrapple From The Apple
5. Closing Announcement





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