札幌の中古レコード屋で、店主の書いた帯のおすすめ文句につられて買って、大当たりでした。フィラデルフィア出身でギタリスト/ヴォーカリストとして活躍したCarl Sherlock Holmesが、Curtis R. Statenのレーベル名門シグマ・サウンドで録音したアルバムで、レア・グルーブの復刻版としてCD化された作品とのこと。まあマイナー・レーベルからの発売なので爆発ヒットでもあるはずもなく、発売は1974年だから私は当時9歳ですので、その頃にラジオなんてのも聞いているはずもない。
ですが、このクオリティは恐るべきアメリカの70年代。一枚しかアルバムを出していないが最高のグループは星の数ほどあります。お金はナンボあっても足りませぬ。
それでは久しぶりに聴きながらレビューしてみましょう。Investigation 意外と少ないパターンのタイトル曲が先頭ですね。良くできたインスト・ファンク・ナンバーですが、売れ線風のサウンドの中に FUNK. INC っぽい初期の三流アシッド・ジャズ風のギターリフとブラスがとても良いです。Close to You そしてコーラスにリバーブがガンガンにかかったメロー・ソウルですが少しセールスを意識したんでしょうか?元曲はカーペンターズです。三流だけど演奏は一流ですね。よく研究されています。Black Bag も、1曲目と同様のインスト・ファンクです。これは Eddie Roberts' West Coast Sounds / It's About Time でもカバーされているナンバーで、ギラギラのギター・リフが印象的です。Think It Over そして交互にきます。メロー・ソウルのリバーブがガンガンのコーラス。フィラデルフィアのソウルは確かにこのパターンが多いですね。Modesa フルートで始まるラテン・ソウルも適度にマイナーで悪くない。Your Game これは正統派のソウルかと思いきや、聴いたことがあるコード使い。ライナーノーツを見れば、マービン・ゲイの「What's Goin On」を引用したとあるが、引用した面影は少々でした。Get Down Philly Town フィラデルフィアの町はフィリー・タウンと言うんですね。でもフィリー・ソウルよりは、ディスコチックなスライのサウンド。It Ain't Right は、ミドルテンポのファンクで、良い意味で古臭くて好感。ここら辺がこのバンドの良い持ち味っぽいですね。The Pot's Hot これも前曲の流れを汲むファンク・ナンバーだがインストです。エフェクトでファズを過剰にかけてしまったギターも少し前の音のレトロサウンド。
久しぶりに聴いたので、頭に残っていた印象より、三流ジャズ・ファンクに近いサウンドは私の好物です🎵
lead vocals, lead guitar : Carl "Sherlock" Holmes
backing vocals : Jimmy Reynolds
organ : Sly
piano : John Hammond
guitar : Chubby Brown
bass : Chico Green
bass, backing vocals : Jimmy Towns
congas : Peachie, Cupit
drums, backing vocals : Charles "Hoppy" Harris
alto sax : Ray Wright
flute, baritone sax : John Daves
tenor sax : Art Grant, Middy Middleton
vibraphone : Dicke
producer, liner notes : Curtis R. State
recorded at Sigma Sound Studio Philadelphia, PA.
1. Investigation
2. Close to You
3. Black Bag
4. Think It Over
5. Modesa
6. Your Game
7. Get Down Philly Town