Columbia Records へ移籍後1作目の1963年作品です。2作目の「Criss-Cross」を先に聴いていて、かなりお気に入り度が高かったんですが、これはそれを更に上回るぐらいの素晴らしい作品でした。カルテットの息がぴったりで演奏が落ち着いていて、何よりモンクのピアノが全て楽譜を見て弾いているかのようなスムーズな流れと動きが魅力です。
これまでの録音では1日~2日で録っていたのを、このアルバムでは十分な予算をとって4日間かけて録音したとのことで、この十分な時間を費やしたレコーディングが、いつもよりも輝いた演奏に影響を与えているようです。またこの十分な予算は音質にも影響を与えているようでこのアルバムと同時購入した Riverside で作成したアルバムを続けて聞いていたら、その臨場感が差が歴然としていてんなにも違うんだと気付くほどで、音質の違いもあるもんだなと。また2作目の「Criss-Cross」ではそこら辺の事情は分からなかったのですが、この2作品の録音は続けて行われたセッションによるもので、その流れからこの2作品生み出されたのかと私が両作品が気に入ったことにも納得がいきます。
ですが、このアルバム曲目的には目新しさはなく、スタンダード3曲とオリジナル5曲が収録されているうち初録音のオリジナルは「Bright Mississippi」のみ。ライナーノーツによるとこの「Bright Mississippi」にはおまけの逸話があります。元のコード構成は「Sweet Georgia Brown」という曲でこのコード進行に簡単な別のメロディラインをのせただけで、この曲は原曲から逸脱しなかったため、著作権料を請求されたと言われている(払ったとは書いてありません)元曲を聴いてみましたがそんなに似ていないし、コード進行が同じでメロディーラインも似ている曲なんて世の中には相当な数があるわけで、このアルバムはセールス的には大成功となったヒット・アルバムなのでこんな事件も起こったんでしょう。
さてモンクの代表作としては、初期作品の Riverside の「Brilliant Corners」「Monk's Music」が取り上げられることが多いようですが、日本では知名度は低いようです。実際これを購入した日にいつも「おでんバー」で聞いて、モンクは好きと言っている常連さんもマスターも聞かれてはいませんでした。ですが、本作は米国で一番売れた作品でもあります。売れた作品が万人にいられるとは限りませんが、やはり売れるだけあっての中々の名作。未試聴のかたは是非どうぞ🎵
piano : Thelonious Monk
tenor sax : Charles Rouse
bass : John Ore
drums : Frankie Dunlop
producer : Teo Macero
recorded October 31, 1962 ( 7, 10, 12 & 5 )
recorded November 1, 1962 ( 2, 3 & 11 )
recorded November 2, 1962 ( 6, 9 & 1 )
recorded November 6, 1962 (8, 4)
1. Monk's Dream (Take 8)
2. Body And Soul (Re-Take 2)
3. Bright Mississippi (Take 1)
4. Blues Five Spot
5. Blue Bolivar Blues (Take 2)
6. Just A Gigolo
7. Bye-Ya
8. Sweet And Lovely
9. Monk's Dream (Take 3)
10. Body And Soul (Take 1)
11. Bright Mississippi (Take 3)
12. Blue Bolivar Blues (Take 1)