私的には硬質なハイラムのギターとの出だしユニゾンのTeen Townはジャコとの息もぴったりでゾクゾクしますし、そこからのハイラムのリバーブが効いた幻想的なギターのセカンド・テーマも好きですし、歪ませ好きなジャコがドンドン攻撃的に攻めてくるのもホント好きです。Son Of Creeper、Cissy Strut なんかは思い付き程度にやってる感じはしますが、ハイラムとの共演だからこその展開ですし、なによりもやっている本人たちが面白がっているのが凄くよくわかる。そして最後のオルガンをジャコがやってるThree Views of a Secretは出来が良いとは決して言えないんですが好きなんですよね。このアルバム。
ノエルカレフの「死刑台のエレベーター」を本で読みながら、マイルスのサントラを家で聴いていたら、マイルスがちっとも面白くなくて Walk Man に落とした音源を「おでんバー」のちゃんとしたオーディオで聴いたら全く違って聞こえて繰り返し聴くほどに印象が変わり、音楽用の録音機器なら良い音で保存できるのはさすが世界の Walk Man と思ったこともありました。一方で私が購入したサルサのCDを「おでんバー」のマスターが気にいって店のPCのハードディスクに録音して後で聴いたらCDの方が音質が良くてPCなどによってはハードディスクのデータでは音質が劣化するのかと気づいたこともあります。
最近びっくりしたのはジョニ・ミッチェルのアルバム「Shadows and Light」。購入したCDを「おでんバー」で聴いたらマスターが「これはレコードで持ってるよ」とCDをかけ終わった後にレコードを聴いたらレコードの方が臨場感があって全く違って聞こえます。こういった聴き比べはマスターもしたことがなくて驚きだったようです。
アトランティック移籍から「I Never Loved a Man the Way I Love You」「Aretha Arrives」1967年「Lady Soul」1968年に続くAtlantic第四弾です。このアルバムも発売は1968年ですから1年に2枚ペースのアルバム制作で、この時代はジャズ界に限らず量産型の音楽ビジネスですね。これだけレコーディングしても才能とアイデアが消費されてしまっているように見えないところはアーティスト、プロデューサーに感心してしまいます。
ライナーノーツは安売り紙ジャケなので入っていなくてジャケット裏面に印刷されているものには録音年月日は書かれていませんでしたが、You're A Sweet Sweet Man、Hello Sunshine、 A Change は前作の「Lady Soul」のレコーディング・セッションで録音されていたものらしいです。と思って聞いてみると参加ミュージシャンのクレジットにギターのBobby Womackは無いし、女性のコーラスは入っているのに妹Carolyn Franklin、コーラスグループ The Sweet Inspirations も書かれていませんでしたので、Wikiを信用してミュージシャンは手持ちのライナーノーツとは異なるものに書き換えておきます。
このアルバムもシングルで「Think」が先行発売されています。この楽曲は当時の夫テッド・ホワイトとの共作で歌詞は自由をテーマとなっていてサビはFreedomと何回も繰り返し力強く歌い上げています。ブルース・ブラザーズのPVでもアレサ本人が出演しているものが印象的で最近ではローラさん出演のウイスキーのCM曲にも使用されています。この曲がリリースされたのは1968年5月2日です。黒人の人権運動のリーダーであったキング牧師が暗殺されたのは4月4日の1か月前。キング牧師の「Free at last! Free at last! Thank God almighty, we are free at last!」の演説にリンクしていると書かれているものも見受けられますが作曲が完成してコンセプトをレーベルと打ち合わせレコーディング、プレスで1か月は、あまりにスピーディであるので、そこは神話のような気もします。しかしタイミング的には、この歌も当時の人権権運動の原動力となったのは間違いないのでしょう。
政治的にも音楽的にも激動の時代に多くの人々に愛された一枚は力強い。
vocals, piano : Aretha Franklin
backing Vocals : Aretha Franklin, Carolyn Franklin (6, 8, 9) , The Sweet Inspirations
electric piano, organ : Spooner Oldham (exept 2, 9)
guitar : Jimmy Johnson (exept 2, 7), Tom Cog bill (1, 3, 10), Boby Womac (6, 8, 9)
bass : Jerry Jammot (1-5, 7, 10), Tom Cog bill (6, 8, 9)
drums : Roger Hawkins
tenor sax : King Curtis, Andrew Love, Charles Chalmers, Seldon Powell
アトランティック・レコード移籍3作目1968年作品。本作ではギターに Bobby Womackさらにクレジットには「The guitar obbligato on Good To Me As I Am To You is by Eric Clapton of “Cream”」と書いてあるようにクリームで売れっ子だったクラプトンが参加しています。リズム隊で参加ではなくオブリガードで参加なので別トラックで被せた録音なのでしょうか?いずれにしろアトランティックもお金をかけて本気で売り出しにきた様子がうかがえます。
まずはシングルで稼いでアルバムは後で作るのがこの時代の特徴で「A Natural Woman」は、先行で全年9月にシングル発売されBillboard Hot 100で8位、R&Bシングル・チャートで2位の好記録となり、その2か月後に「Chain Of Fools」はHot 100で2位、R&Bチャートで1位と大ヒットとなります。この曲は Don Covay の書下ろしで当初はオーティス・レディングに提供しようと考えていたがデモを聴いてアレサに変更となったとのことです。同年12月に残りの曲はレコーディングされ Bobby Womack, Eric Clapton が参加となるわけです。なるほど
クレジットを見直していたらプロデューサーがCreed Taylorという方、イージーリスニング系の方らしくなるほど。同じギタリストのウェスとかでも現代の私たちからしたらなんでこんなイージーリスニングやってるんだ?と思ってしまう音源もあり、これは良し悪しとかプロデューサーの技量とかではなく時代の流れ、流行りなんですね。またアルバムのタイトル下に書いてあるGil Evansは、Lotus Land、Moon And Sand、Loie、Last Night When We Were Youngにアレンジとコンダクターで参加しています。このアルバムを聴く限りではケニーバレルとの相性はあまりよくないかな。
guitar : Kenny Burrell
(1, 3, 9)
piano : Roger Kellaway
bass : Joe Benjamin
drums : Grady Tate
congas : Willie Rodriguez
(2, 5, 6 to 8)
arranged by, conductor : Gil Evans
bass : Ron Carter
drums : Charlie Persip, Elvin Jones
soprano sax : Steve Lacy
alto sax : Lee Konitz
alto flute, flute, bass clarinet : Ray Beckenstein
1曲目のGiant Swingはプロレスの技「giant swing」とジャズを掛け合わせたネーミングだとか、ベースのリフの上下運動がかなり気持ち良くて私の音楽のツボにピッタリはまってしまいます。かと思えばSnowの透明感のあるアレンジが出てきて、ラテンのTeardrop、しっとりメローなThe Empty Screen.と、グイグイいくのがイメージですが、色々な表情を持つ全てがindigo jam unit