2021年5月12日水曜日

裏カジノディーラー 田村佳彰

 


 古本屋で常に物色している分野はこのサブカル本。決して我々一般人が踏み入れられない分野の事柄には興味津々であります。普段はカルトやマニアな本が多いのです、今回は「裏カジノディーラー」という直接的なタイトルのサブカルです。

 この本を読んでいるとまるでカジノが合法のように錯覚してきますが裏稼業です。何故裏稼業に入ってしまったのか?という部分では普通に就職するような気分で「かっこいい」職業だなと思って入ったという軽いノリで、以降様々な店の開店や経営に携わりプロとしてのプライドをビジネスマン的にもっておられるのが田村さんの凄いとこで、全く警察のお世話にもなっておられないようで、そこらへんも賢い立ち回りをしておられると感心しますが、決して踏み入れてはならない世界であることはよくわかりました。

 そしてギャンブルは確実に胴元が儲かる構造で、客は絶対に勝てない構造になっていることも学習できました。(当然胴元が儲からない店は直ぐにつぶれてしまうようで、優秀な従業員を集めなければ潰れる店も多いようなことも書いてあり妙に納得してしまいました)

 バカラのルールは良く知りませんが比較的、頭脳戦であるとのことは何かの本で読んだことがありますが毎日やっているディーラーや様々な手口を持っている店にはまず勝てないのはなるほど。

 一般人にも読めるように書いてはありますがルーレットやバカラのルールはさっぱりわからず、何が書いてあるかよくわからない箇所もありますが総じて面白く読めました。

 一方でいつになったら実現するのかわからない日本の合法カジノについて思うところもあります。裏カジノが成り立つのは先に書いたような手口をカジノが持っているからで、日本のように規制の多い社会では射幸性を気にして規制をしそうです。そんなカジノなんか作ったら潰れる店がいっぱいできるか、面白くもないカジノができてしまうような気がしてなりません。まあ私は競馬などもやらずパチスロと麻雀ぐらいなのでこの世界には足を踏み入れることはないとは思いますが余計な詮索でした。

2021年5月11日火曜日

本日のCD Jaco Pastorius / Live In New York City Vol Two


 1992年リリース「Live in New York」シリーズの第二弾で、ブートレグらしく音はチープ。そしてハイラムが目立ちすぎでお調子者すぎないか?と思われる方はいると思いますが、私の大好物はハイラムでもあるので、この共演は単純に楽しいです。
 たぶんハイラムは本音ではロック・スターみたいな存在になりたかったんだけどロック・スターはいっぱいいるから、こちらフュージョンの世界で楽しいことをやってたんだと思ってるんですが、このアルバムでも、そのハイラム節が全開です。
 出だしがWipe Outってのもやってくれます。そんな気分で楽しくやろうぜって気分にさせてくれます。だから少々雑な感じの演奏も勢いで乗り切ってきれています。


 私的には硬質なハイラムのギターとの出だしユニゾンのTeen Townはジャコとの息もぴったりでゾクゾクしますし、そこからのハイラムのリバーブが効いた幻想的なギターのセカンド・テーマも好きですし、歪ませ好きなジャコがドンドン攻撃的に攻めてくるのもホント好きです。Son Of Creeper、Cissy Strut なんかは思い付き程度にやってる感じはしますが、ハイラムとの共演だからこその展開ですし、なによりもやっている本人たちが面白がっているのが凄くよくわかる。そして最後のオルガンをジャコがやってるThree Views of a Secretは出来が良いとは決して言えないんですが好きなんですよね。このアルバム。

electric bass : Jaco Pastorius
electric guitar : Hiram Bullock
drums : Kenwood Dennard

1. Wipe Out
2. Straight Life
3. I Shot The Sheriff
4. Teen Town
5. Dear Prudence
6. Ode To Billie Joe
7. Continuum
8. Son Of Creeper
9. Cissy Strut
10. Three Views Of A Secret





  

2021年5月10日月曜日

本日のCD Lihgtnin' Hopkins ♪ Blues Giant Best Selections 3

 

 イラストの御大も👍 20曲入りのお得版ですので買っときました♪
 「Lihgtnin'」 は稲妻が由来の黒のサングラスと咥えタバコがトレードマークのブルースマン。1912年生まれ1982年没で、10歳のころに戦前のテキサス・ブルースのパイオニアのブラインド・レモン・ジェファーソン出会い付き人となってギターを教わった。15歳の時にはいとこのブルースマン、テキサス・アレクサンダーとテキサスにあるレインボー・シアター(多分でかい会場なんでしょう)で演奏するまでになり、初レコーディングは34歳と下積みが長い人でした。しかしその後のレコーディングは100枚を超えると言われているまさにレジェンド。
 このアルバムにもアコースティックとエレクトリックの両方の素養があり、このアルバムでも両方の楽曲が収録されています。基本的には弾き語り、小編成のバンドでの演奏が中心で強いビート感。ヘビーで生々しい個性がよく表れています。
 ブルース教則本などにかなりの頻度でライトニン・スタイルとして登場してきますが、昔のブルースマンにしては拍の取り方も現代のブルースマンと同じなので聞きやすいのがうれしい方です。
 ギターは親指にサムピックをはめた2フィンガースタイルで、モノトニックベースが基本的なスタイルで特に難しいテクニックなどは使用しないノリ重視のギターですね。

1. Mary Lou
2. Want To Come Home
3. Devil Is Watching You
4. Rolling And Rolling
5. Please Don't Quit Me
6. Move On Out Part 1
7. Moaning Blues
8. Katie Mae
9. Move On Out Part 2
10. Mr.Charlie
11. Mojo Hand
12. Houston Bound
13. Black Mare Trot
14. Glory Bee
15. Baby I Don't Care
16. Jake Head Boogie
17. Lonesome Dog Blues
18. Give Me Back That Wig
19. Tell Me Pretty Baby
20. Bad Luck And Trouble






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2021年5月9日日曜日

本日のCD Thelonious Monk / Plays Duke Ellington

 


 モンクがPrestigeからRiversideに移籍してから8枚の作品を発売していますが、これはモンクが38歳の時1955年の録音です。この頃はまだキャバレー・カードは没収されたままだったのでレコーディングがメインの活動だった時期です。(1951年にばバド・パウエルの車からヘロインが発見されてモンクは無罪で60日服役でキャバレー・カード没収)
 ビッグバンドが主体のエリントンのおなじみの曲を、ソロや少人数編成のコンボが主体のモンクが演奏するとどうなるのか?と大変興味がわくコンセプトのアルバムですが、なるほどあのメロディーもモンクが弾くと、このタイミングで音をぶつけてくるのかと興味深く聞くことができました。
 エリントンとモンクは演奏スタイルもフレーズもそれほど似ているわけではありません。またエリントンは1899年生まれ、ニューヨークのコットン・クラブの初出演は1927年だそうです。エリントンのアルバム・デビューは1941年なので、1917年生まれのモンクがエリントンのアルバムを聴いて育ったわけではないようですが、エリントンのようになりたいと野望を抱くようになったきっかけであったとしても不思議ではないですが、まず企画はプロデューサーのOrrin Keepnews氏の意図するところなのでしょう。
 ジャケットは元は録音した3人の写真だったのがRemasterを重ねてHenri Rousseauの絵に変更されたらしい。私は絵心はないのですが、このエリントンの曲を弾くモンクの雰囲気とマッチしている心にくい選択です🎶🎹
 
piano : Thelonious Monk
bass : Oscar Pettiford
drums : Kenny Clarke

Recorded Jul. 21 and 27, 1955. in Hackensack, New Jersey

1. It Don't Mean A Thing (If It Ain't Got That Swing)
2. Sophisticated Lady
3. I Got It Bad And That Ain't Good
4. Black And Tan Fantasy
5. Mood Indigo
6. I Let A Song Go Out Of My Heart
7. Solitude
8. Caravan





  

ノルウェイの森 村上春樹

 

 

 今更ながら世界的に有名な作品「ノルウェイの森」を読んでみました。きっかけとしては古本屋で買った「ノルウェイの森と10のオマージュ」というCDブックで、ノルウェイの森をオマージュして書籍の形態でプロデュースした作品で、それほど本の中身の曲に感動してもないのですが、作者の兼松 光氏に、こんな情熱を持たせた原作がどれほどの名作なのか読なければなるまいと思ったわけです。

 で読み始めると出だしは青春小説で舞台は昭和の学生紛争の最後のほうでしょうか?淡々とした語り口で、主人公のワタナベトオルくんはドライな現代青年。出だしの直子との思い出は浮遊感のある描写で不思議な雰囲気でありましたが、すぐに昭和でレトロな寮生活の話となり青春小説としてはありかもしれないけど「世界の人がこれに感動するのか?」と上巻の半分以上は疑問を感じながら読み進める。キズキが17歳で自殺したのは主人公の心に残る事件ではあるが彼はドライな感覚なのでそれほど心配はない。しかし直子の入院により何かが変わってきた。ここら辺から話に引き込まれて行き後半の主人公に近い直子と対照的な緑が存在感を強めてきてぐっと引き込まれる。感情はあまり露わにしないワタナベくんが苦悩することにももどかしくも、共感するものがある。

 全体的には小説にありがちなパターンの伏線や仕掛けはなく、淡々と物静かに描かれているが。生きていれば必ず「喪失」はあって自然なことであり受け入れなけば人は生きていけないことを訴えるでもなく淡々と描いている青春、恋愛小説でありました。いきつけの「おでんバー」で常連さんやマスターと音楽や本、芸術の話題は多いので、この本のことも話題にしました。昔読んだことがある人も多かったのですが中身については忘れて思い出せない人が100%だったのは相当昔の作品であったせいか?割と平坦な感じのする作品だからか?印象的には薄い小説ではありますが10年後ぐらいに再読してみたい作品ではあります。私は覚えているんでしょうか?どんな気持ちでこれを読めるのか?気になる作品ではあります。

 作品中にでてくるノルウェイの森も直ぐには頭の中には浮かばないけど聞けば思い出せる曲という私にとっては印象の薄い楽曲


 作品中「ドイツ語の授業が終わると我々は新宿の街に出て、紀伊國屋の裏手の地下にあるDUGに入ってウォッカ・トニックを二杯ずつ飲んだ。」のくだり我々日本人のジャズ・ファンにはこれだけでくすぐるところでもあります。(海外の方にはわからないと思いますが)

CDとレコード

 


 私は音楽好きではありますがレコードプレイヤーは所有しておらずCDをPCのハードディスクに落としながらライブリを作成して、PCをプレイヤーにしてスピーカーはPCとは別にのもので聞くとか、Walk Man に落として聴くなどで楽しんでいます。

 住居環境が借家のマンションであるため、大音量で聞くこともできないので再生や音質にはこだわらずに楽曲を楽しむようにしているのですが、いきつけの「おでんバー」のちゃんとしたオーディオで聴くと同じ曲でも自宅では気づかなかった音が聞き取れたり臨場感が違うことは理解しているのですが、PCに落とした音源でもちゃんとした機器で聴けばそれほど大した差はないだろうと思っていました。

 ノエルカレフの「死刑台のエレベーター」を本で読みながら、マイルスのサントラを家で聴いていたら、マイルスがちっとも面白くなくて Walk Man に落とした音源を「おでんバー」のちゃんとしたオーディオで聴いたら全く違って聞こえて繰り返し聴くほどに印象が変わり、音楽用の録音機器なら良い音で保存できるのはさすが世界の Walk Man と思ったこともありました。一方で私が購入したサルサのCDを「おでんバー」のマスターが気にいって店のPCのハードディスクに録音して後で聴いたらCDの方が音質が良くてPCなどによってはハードディスクのデータでは音質が劣化するのかと気づいたこともあります。

 最近びっくりしたのはジョニ・ミッチェルのアルバム「Shadows and Light」。購入したCDを「おでんバー」で聴いたらマスターが「これはレコードで持ってるよ」とCDをかけ終わった後にレコードを聴いたらレコードの方が臨場感があって全く違って聞こえます。こういった聴き比べはマスターもしたことがなくて驚きだったようです。

 ちなみにこの時普通に音楽を聴くけどそれほどこだわりの無い常連さんが同席されていてマスターと私のはしゃぎっぷりに不思議な顔をされています。違いは歴然としているとマスターと私は聴き分けていたのですが彼にとっては同じ音で、この違いが全く聴き分けられないようでした。人間による感性の違いにも、また驚きでした。この世界深いですね。

2021年5月8日土曜日

本日のCD Aretha Franklin / Aretha Now

 

 アトランティック移籍から「I Never Loved a Man the Way I Love You」「Aretha Arrives」1967年「Lady Soul」1968年に続くAtlantic第四弾です。このアルバムも発売は1968年ですから1年に2枚ペースのアルバム制作で、この時代はジャズ界に限らず量産型の音楽ビジネスですね。これだけレコーディングしても才能とアイデアが消費されてしまっているように見えないところはアーティスト、プロデューサーに感心してしまいます。
 このシリーズは5枚組の廉価版で古い順に聞いており2作目「Aretha Arrives」は飛んでしまっているので聞いておりませんが、「Lady Soul」と比べるとぐっとサウンドは明るくポップになって大きな変化を感じます。
 ライナーノーツは安売り紙ジャケなので入っていなくてジャケット裏面に印刷されているものには録音年月日は書かれていませんでしたが、You're A Sweet Sweet Man、Hello Sunshine、 A Change は前作の「Lady Soul」のレコーディング・セッションで録音されていたものらしいです。と思って聞いてみると参加ミュージシャンのクレジットにギターのBobby Womackは無いし、女性のコーラスは入っているのに妹Carolyn Franklin、コーラスグループ The Sweet Inspirations も書かれていませんでしたので、Wikiを信用してミュージシャンは手持ちのライナーノーツとは異なるものに書き換えておきます。
 このアルバムもシングルで「Think」が先行発売されています。この楽曲は当時の夫テッド・ホワイトとの共作で歌詞は自由をテーマとなっていてサビはFreedomと何回も繰り返し力強く歌い上げています。ブルース・ブラザーズのPVでもアレサ本人が出演しているものが印象的で最近ではローラさん出演のウイスキーのCM曲にも使用されています。この曲がリリースされたのは1968年5月2日です。黒人の人権運動のリーダーであったキング牧師が暗殺されたのは4月4日の1か月前。キング牧師の「Free at last! Free at last! Thank God almighty, we are free at last!」の演説にリンクしていると書かれているものも見受けられますが作曲が完成してコンセプトをレーベルと打ち合わせレコーディング、プレスで1か月は、あまりにスピーディであるので、そこは神話のような気もします。しかしタイミング的には、この歌も当時の人権権運動の原動力となったのは間違いないのでしょう。
 政治的にも音楽的にも激動の時代に多くの人々に愛された一枚は力強い。

vocals, piano : Aretha Franklin
backing Vocals : Aretha Franklin, Carolyn Franklin (6, 8, 9) , The Sweet Inspirations
electric piano, organ : Spooner Oldham (exept 2, 9)
guitar : Jimmy Johnson (exept 2, 7), Tom Cog bill (1, 3, 10),  Boby Womac (6, 8, 9)
bass : Jerry Jammot (1-5, 7, 10), Tom Cog bill (6, 8, 9)
drums : Roger Hawkins
tenor sax :  King Curtis, Andrew Love, Charles Chalmers, Seldon Powell
tenor sax, flute : Frank Wess
baritone sax : Floyd Newman, Willie Bridges (1, 3-5, 7, 10), Haywood Henry (6, 8)
trumpet : Wayne Jackson, Mel Lastie, Joe Newman
bass trombone : Tony Studd

producer : Jerry Wexler

1. Think (Aretha Franklin, Ted White)
2. I Say A Little Prayer (Burt Bacharach - Hal David)
3. See Saw (Don Covay, Steve Cropper)
4. Night Time Is The Right Time (Lew Herman)
5. You Send Me (Sam Cooke)
6. You're A Sweet Sweet Man (Ronnie Shannon)
7. I Take What I Want (David Porter, Isaac Hayes, Mabon Hodges)
8. Hello Sunshine (King Curtis, Ronald Miller)
9. A Change (Clyde Otis, Dorian Burton)
10. I Can't See Myself Leaving You (Ronnie Shannon)

Think




  

2021年5月7日金曜日

本日のCD Aretha Franklin ♪ Lady Soul

 

 アトランティック・レコード移籍3作目1968年作品。本作ではギターに Bobby Womackさらにクレジットには「The guitar obbligato on Good To Me As I Am To You is by Eric Clapton of  “Cream”」と書いてあるようにクリームで売れっ子だったクラプトンが参加しています。リズム隊で参加ではなくオブリガードで参加なので別トラックで被せた録音なのでしょうか?いずれにしろアトランティックもお金をかけて本気で売り出しにきた様子がうかがえます。
 まずはシングルで稼いでアルバムは後で作るのがこの時代の特徴で「A Natural Woman」は、先行で全年9月にシングル発売されBillboard Hot 100で8位、R&Bシングル・チャートで2位の好記録となり、その2か月後に「Chain Of Fools」はHot 100で2位、R&Bチャートで1位と大ヒットとなります。この曲は Don Covay の書下ろしで当初はオーティス・レディングに提供しようと考えていたがデモを聴いてアレサに変更となったとのことです。同年12月に残りの曲はレコーディングされ Bobby Womack, Eric Clapton が参加となるわけです。なるほど
 また、アレサの妹Carolyn 姉 Erma もレコーディングに参加しておられるはずですが、なぜかライナーノーツに姉の名前は記載なしです。Whitney Houston の母の Cissy Houston が在籍していたThe Sweet Inspirations は記載されています。

vocals, piano : Aretha Franklin
backing Vocals : Aretha Franklin (1, 5, 6), Carolyn Franklin (except 7), The Sweet Inspirations (except 7)
electric piano, organ : Spooner Oldham
vibraphone : Warren Smith (10)
guitar :  Bobby Womack(2, 4, 6, 8, 9), Jimmy Johnson (1, 2, 4, 6, 8, 9), Joe South(1, 2, 4, 9)
guitar : Eric Clapton (7)
bass : Tom Cogbill
drums : Roger Hawkins (except5) gene christian(5)
tenor sax : King Curtis (2, 4, 6, 8, 10)
tenor sax, flute : Frank Wess ( 2 - 4, 6 - 10)、Seldon Powell(2, 4, 6, 8, 9, 10)
baritone sax : Haywood Henry (2, 4, 6, 8, 10)
trumpet : Bernie Glow (2, 4, 6, 8, 10), Joe Newman (2, 4, 6, 8, 10), Mel Lastie (2, 4, 6, 8, 10)
bass trombone : Tony Studd (2, 4, 6, 8, 10)

1. Chain Of Fools
2. Money Won't Change You
3.  People Get Ready
4. Niki Hoeky
5. (You Make Me Feel Like) A Natural Woman
6. Since You've Been Gone (Sweet Sweet Baby)
7. Good To Me As I Am To You / guitar(obbligato) : Eric Clapton
8. Come Back Baby
9. Groovin
10. Ain't No Way





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2021年5月6日木曜日

本日のCD Wendell Harrison ♪ An Evening With The Day Devil


 改めて聞き直しているこのアルバムの存在を全く忘れていました。カルト宗教を連想させるジャケットそしてタイトルは「悪魔との夜」オリジナル発売年は1972年で Wendell Harrison はテナー奏者のクレジットですが覚えていません。
 どんなアルバムだったのか聞き始めると1、2曲目はフリージャズです。あれ全部フリージャズのアルバムだったっけか?と聞き進めると3曲目以降はフリーではないのですがモードでもない異次元のようなジャズであったり、怪しい雰囲気で悪魔のささやきのごとき朗読があったりします。そして現代音楽のようなマーチングになり最後の曲はなんと現代ファンクになります。
 確実に私の趣味ではなく、スピリチュアルで異様なエネルギーが発散され、なかなかのカオスで一人で飲みながら聞いていたら悪酔いしそうな感じです。好きな人はローソクの明かりで聞いてるんでしょうか?でもこの手のアルバムは、はまる人はズブっとはまるんだろうとは予想できます。
 聞き終わったところでWendell Harrisonを深堀してみると、このスピリチュアル・ジャズという分野の方でこのアルバムのレーベルTribeをトロンボーンのPhil Ranelinとともに1972年に創設した人でした。この手のスピリチュアル・ジャズはブラック・ジャズとも呼ばれているようです。ちなみに他の演奏動画ではWendell Harrisonは普通のジャズの演奏もやっていらっしゃいます。
 たまに行きつけのバーでフリージャズが延々とかかるので、最近はフリージャズを聞いても違和感はありません。しかしこのアルバムの最初のレビューを書いた2018年8月では私の音楽の趣向にはフリージャズの選択肢はなく、どうやってこのアルバムにたどり着いたのかは全く覚えていません。呪術にでもはまったのでしょうか?私の感覚にはないヤバい世界

tenor sax : Wendell Harrison
electric piano : Charles Eubanks
bass : William Austin
drums : Ike Daney
trumpet :Charles Moore
trombone : Phil Ranelin
flugelhorn : Marcus Belgrave
vocals (poetry) : Black Messengers, Oba, Vajava

1. Mary Had An Abortion
2. Where Am I
3. Vol II Angry Young Men - Part I
4. Vol II Angry Young Men - Part II
5. Consciousness
6. Rebirth
7. Farewell To The Welfare





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2021年5月5日水曜日

本日のCD Kenny Burrell ♪ Guitar Forms


 邦題は「ケニーバレルの全貌」1965年の作品です。トラディショナル・ブルース、フラメンコ、モダン・ブルース、クラシック、ボサノバ、モダン・ジャズとバラエティ豊かな内容で、イージー・リスニング的でバラエティ豊かで楽しめるんですが、若干チグハグなところに時代を感じて思わずニヤついてしまうアルバムです。原題は様々なギターワークで「Guitar Forms」だったのが訳者によって「ケニーバレルの全貌」はわかりやすいですが何かの本のようなタイトルですな。
 わかりやすい正統派のギターなので私のようなギター演奏愛好家にとっては、ケニー・バレルは聞くだけだけではなく先生のような存在でもあります。このアルバムのグリーン・スリーブスはソロギターで静かに始まり、その後でバンドが加わってスイングする王道のような展開であるせいか雑誌や教則のなかでもスコアでもよく目にします。聞きなれたメロディにジャズアレンジが効いているせいもあるんでしょう。ただ改めて聞きなおすと少し時代が古いベタな感じが少しイモっぽいかもしれないですね。(良いとか悪いとかは超越してですが)
 クレジットを見直していたらプロデューサーがCreed Taylorという方、イージーリスニング系の方らしくなるほど。同じギタリストのウェスとかでも現代の私たちからしたらなんでこんなイージーリスニングやってるんだ?と思ってしまう音源もあり、これは良し悪しとかプロデューサーの技量とかではなく時代の流れ、流行りなんですね。またアルバムのタイトル下に書いてあるGil Evansは、Lotus Land、Moon And Sand、Loie、Last Night When We Were Youngにアレンジとコンダクターで参加しています。このアルバムを聴く限りではケニーバレルとの相性はあまりよくないかな。

guitar : Kenny Burrell
 (1, 3, 9)
piano : Roger Kellaway
bass : Joe Benjamin  
drums : Grady Tate
congas : Willie Rodriguez
 (2, 5, 6 to 8)
arranged by, conductor : Gil Evans
bass : Ron Carter
drums : Charlie Persip, Elvin Jones
soprano sax : Steve Lacy
alto sax : Lee Konitz
alto flute, flute, bass clarinet : Ray Beckenstein
tenor sax, bassoon, flute : Bob Tricarico
tenor sax, oboe : Richie Kamuca
trombone : Jimmy Cleveland, Jimmy Knepper
trumpet : Johnny Coles, Louis Mucci
english horn, flute : George Marge
flute, english horn : Andy Fitzgerald
french horn : Julius Watkins, Ray Alonge
tuba : John Barber

1. Downstairs
2. Lotus Land
3. Terrace Theme
4. Excerpt From ”Prelude#2"
5. Moon And Sand
6. Loie
7. Greensleeves
8. Last Night When We Were Young
9. Breadwinner





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ワード・オブ・マウス ジャコ・パストリアスの最後に言葉 松下佳男

 
 
 好きな音楽をかけられるので主としては音楽好きが常連の「おでんバー」で言われた。別に何をかけても自由なんだけど「ジャコの説明にあまり熱を込められてもねえ。実は私それほどジャコは好きではないんですよ」とマスターに打ち明けられた。
 したがって私は一人でジャコの音楽を聴き、本を読みその短い生涯で残したものを追うのであります。音楽は音なんだから自分の感性に合うものだけ聞いてればよいと思っていたんですが、歳をとってきてからは、その背景にあるものや考えなども理解して聞いたり、ジャズミュージシャンの多い音楽性の時代による変遷を時間軸で追ってみることもしています。
 断片的に雑誌やCDのライナーノーツで読んでいて、ジャコという人はジャンキーで破滅したベーシストぐらいしか知識はありませんでした。しかしもともとは酒もタバコもやらない子煩悩な人間があっと言うまに破滅していくのは本などを読んでから知り、強烈なインパクトがあります。
 そんなジャコの状態を書き留めた本はビル・ミルコウスキー著「ジャコパストリアスの肖像」で読んで少し悲しくなってください。この本は「ADRIB」やベースマガジン系の雑誌でのジャコへのインタビューを中心とした内容が掲載してあるので、ジャコの音楽に対する考えかたなどが書かれています。同じようなインタビューで若干違う答えだったり、論理が依然とは違ったりするのは普通の人でもあること、ましてや目まぐるしく価値観の変わる音楽業界にいて、ドラッグや精神疾患に病んでいた人なんですからそれは致し方ない。インタビューなので湿っぽい話もなく前向きなジャコに会えて良かったです。お風呂に入りながらゆっくりと読み進めました。

2021年5月4日火曜日

本日のCD indigo jam unit ♪ Demonstration


 indigo jam unit結成の2005年のデビューアルバムで、レコーディングは全て一発録音の快作はクラブ・ジャズ好きにはとってもお勧めです。
 クラシック、ジャズ、ファンク、ラテンのミックスされたインストで、ぶっといウッドベースとヒップなドラムにジャズなピアノが基本のラウドなジャズ・サウンド。
 メンバーは関西在住で、ピアノ樽栄嘉哉、ウッドベース笹井克彦、パーカッション・ドラム和佐野功、ドラム清水勇博で、このアルバムでは、ドラムが2人が交代します。清水氏は手数も多く盛り上がるところでは、ものすごい煽りを入れるタイプで、和佐野氏はタイト&パワフルなドラムでグイグイ行くタイプでこの違いでアルバムの楽曲の気持ちよさが増しますが2016年夏で活動を休止。
 1曲目のGiant Swingはプロレスの技「giant swing」とジャズを掛け合わせたネーミングだとか、ベースのリフの上下運動がかなり気持ち良くて私の音楽のツボにピッタリはまってしまいます。かと思えばSnowの透明感のあるアレンジが出てきて、ラテンのTeardrop、しっとりメローなThe Empty Screen.と、グイグイいくのがイメージですが、色々な表情を持つ全てがindigo jam unit

Piano : Yoshichika Tarue
Double Bass : Katsuhiko Sasai
Drums : Takehiro Shimizu
Drums, Percussion : Isao Wasano

1. Giant Swing
2. Scene-Cartaincall
3. Ka I Ka
4. Palette
5. Snow
6. Back Shot
7. 7th Feeling
8. Teardrop
9. The Empty Screen.
10. Throb
11. Hopes Of Yesterday





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