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2023年9月15日金曜日

Brigitte Fontaine / Kékéland

 

 女優、歌手、作詞家、詩人、小説家などの様々な顔を持ち、音楽は、ロック、フォーク、ジャズ、ワールドミュージックなど、多くの音楽のスタイルを融合させフランスのカリスマ的アーティスト Brigitte Fontaine。ディスク・ユニオンのジャズ・ボーカルの棚にこれがあったので、たまたま手に取って購入してみたのが、Areski Brigitte Fontaine / Le bonheur 1969 気になっていた一枚を友人が持っていたのを見て貸してもらったのが Brigitte Fontaine / Comme A La Radio 1975 と、このアルバム。Le bonheur はフォーキーな感じ、Comme A La Radio は、演劇でも見ているかのようなに目まぐるしく場面が変わる世界観が不思議でアバンギャルド。そして、これは、また違った一面が感じられる不思議なアルバムです。Virgin France から、2001年発売の進化系です。ロック、タンゴ、シャンソン、ダブ、アラブなど、敢えてジャンルを変えているのか混沌としたつくりにしているのがアバンギャルドな味を出しています。年代は新しいので、1,5曲目では ノイズ・パンクの Sonic Youth がバックで、ノイズギターとストリングスを合わせるなどアイデアも斬新で、売れるアルバムつくりに、Sonic Touth を迎えた訳ではないことがわかり、ここらへんも凄いと感心してしまいます。


 先に聴いてきた2枚目のアルバムは、なんとなく呪術的な感じのある狂気が感じられましたが、このアルバムは呪術系を感じさせるささやき系ボーカルではなく、力強いボーカルでポップな感じがしますので比較的聴きやすいように感じます。
 ということでレビューです。Demie Clocharde は、聴きやすいポップのように始まりますが途中からノイズ系のギターが入ってきます。でも、そんなにストレンジな感覚にはならず、心して聴き始めたのに意外と普通だねとなります。そして Bis Baby Boum Boum については、あれっパンクじゃないの?となり、こういう変化なのかと思いながら聴き進めると、Pipeau では出だしはクラッシュ風のタンゴです。なるほど。Y'A Des Zazous も出だしは歪んだギターがギリギリと鳴りながらポップな曲です。そしてボーカルの力強さと破裂音を強調したボーカルでニナ・ハーゲンっぽいかなと思わせます。しかし主題曲でもある Kékéland では、怪しい感じの曲調になり、ここら辺が、私の Brigitte Fontaine のイメージの曲です。異次元的な雰囲気に何故かホッとして意外とあっさりと終わることに気づきます。全体的に曲の長さは短めで聴きやすいことに気づきます。Je Fume は、ダブですね。普通の人でも違和感なく聴ける非常にポップな曲で何か物足りません。良い曲ですけどね。そして Je T'Aime Encore は、伝統的な歌曲風。狂気は感じられないのがこれも物足りませんが、ああこの人は演劇もやる方なんだなあと再認識。God'S Nightmare は、クラブ風の出だしにフォーク要素を入れたポップ・ロックです。ここらへんで場面がクルクル変わる演劇を見ているような不思議な感覚になり、Guadalquivir で、リュートの響きが中東のヤツになります。ドンドンネタが変わり、ここら辺でも、おそらく脳みそが揺らされています。Les Filles D'Aujourd'Hui でフレンチ・ソフト・ロックですか。Rififi はワールド系でサビが来たら、激しいロックになりそうな曲調で進んでいきますがサビが来ないで終了します。また頭がバグります。ここら辺は天才的ですね。そして Profond は演劇の中の歌曲のような感じとなり Nrv は、クラブ、ソウル、フリー・ジャズ、などをごった煮にした感じで締めくくります。ある意味最後の曲は一番カッコ良いかもしれません。と思っていたら終わらず映画音楽のストリングスが流れるようなエンディングになります。いやいやアルバムを通して聴くとバグります。割と中毒性があるかもしれません🎵

vocals : Brigitte Fontaine
piano : Anna Sigalevitch, Camille Bazbaz, Jean-Claude Vannier, Jean-Eflam Bavouzet, Jean-Philippe Rykiel, Jim O'Rourke, Pierre Comblat
bass : Bobby Jocky
guitar : Oswaldo G. Nieto
lute : Thierry Agne
drums : Patrick Baudin, Philippe Entressangle
horns : Akosh Szelevényi, Didier Malherbe
conductor : Areski "Bokass" Belkacem

written by : Ali Belkacem (13), Areski Belkacem (1 to 3, 5, 6, 9 to 12), Bobby Jocky (8), Brigitte Fontaine (1 to 3, 5 to 13), Georges Moustaki (7)

producer : Areski (1, 5 to 7, 9, 12, 13)

#1, 3 to 13 Recorded & mixed at Studio Gang (Paris).
#2 Recorded & mixed at Studio Ferber (Paris).

1. Demie Clocharde
2. Bis Baby Boum Boum
3. Pipeau
4. Y'A Des Zazous
5. Kekeland
6. Je Fume
7. Je T'Aime Encore
8. God'S Nightmare
9. Guadalquivir
10. Les Filles D'Aujourd'Hui
11. Rififi
12. Profond
13. Nrv



▶ Nrv


  

2023年7月16日日曜日

Journey / Trial By Fire



 Journey と言えば、Steve Perry のボーカルがイメージです。1973年がに結成され初アルバム Journey (宇宙への旅立ち)を発売でこの時のボーカルは Gregg Rolie でした。1977年に、Steve Perry が加入し、これまでのプログレ路線からボーカルを中心としたロックに転転換し 1978年に4作目の Infinity が発売されプラチナ・ディスクを獲得します。このアルバムのジャケットから、ジャーニーを象徴するアートワークとしてスカラベがデザインされるようになりましたが、この Steve Perry が最後となるアルバムジャケットには使われていませんので路線を変更している内情も見て取れます。


 数々のヒット作を生み出した Journey ですが、その後メンバーは各自のソロ活動を主体としたり、メンバーも入れ替わり、1986年の Raised On Radio が黄金期としては最後のアルバムになり、それから10年後の 1996年 に Steve Perry, Neal Schon、 Ross Valory, Steve Smith , Jonathan Cain の Escape、Frontiers のメンバーでの録音となります。
 Message of Love はいかにも Journey で、Separate Ways で聴いたことがある歌いまわし、ギターなどが盛り込まれています。One More は、荘厳なスケールのある楽曲です。When You Love a Woman は、96年グラミー賞ノミネートされた楽曲で、これは聞き覚えがありました。If He Should Break Your Heart はコーラスが重厚な楽曲でニールショーンのお決まりのパターン。Forever in Blue は、少し今までと雰囲気変えてきたのかと思ったらそうでも無い。聴いたことがあるサビの歌メロですね。Castles Burning の方が雰囲気変えてます。このぐらい振り切った方が好みです。Don't Be Down on Me Baby はバラードで、Steve Perry の得意なパターンですね。Still She Cries もバラードで、これも聴きおぼえありますね。メロディーラインがしっかりしていて耳に残ります。Colors of the Spirit は民族楽曲のようなオープニングで、プログレっぽく凝ったバッキングですがやり過ぎ感があるかなあ。When I Think of You もバラードです。多いですねえ。やはりスティーブは、歌って聴かせるボーカリストだなと。Easy to Fall 透明感あるメロディーにコーラスワークが良いですね。キラキラしてます。Can't Tame the Lion アップテンポで、ギター全開です。このアルバムは、ギターの出番少なめですので貴重。ライオンは飼いならせないってタイトルですが、ライオンは誰なのか?脱退する Steve Perry ですかね。やっぱり。It's Just the Rain 雨空に向かって歌い上げるせつなさのようなスローナンバー。そして Trial by Fire はタイトル曲ですが、Steve Perry のソロ・アルバムなのかと思うボーカルもの。最後の Baby I'm a Leavin' You は、ライナーノーツに掲載されていない Hidden Track となっているレゲエ・ナンバーで、これは珍しい。
 Journey は私が高校生ぐらいの時のライブ・アルバムが凄く好きでした。ギターのニール・ショーンの流れるようなフレーズと、フレーズの最後のゴニョ・ゴニョは特徴ありすぎででこれが良いんですよね。ということで私の知っている Journey のアルバムでは無かったけど、やっぱり Journey でした🎵

lead vocals : Steve Perry
guitar : Neal Schon
keyboards : Jonathan Cain
bass guitar : Ross Valory
drums : Steve Smith

producer : Kevin Shirley

1. Message Of Love
2. One More
3. When You Love A Woman
4. If He Should Break Your Heart
5. Forever In Blue
6. Castles Burning
7. Don't Be Down On Me Baby
8. Still She Cries
9. Colors Of The Spirit
10. When I Think Of You
11. Easy To Fall
12. Can't Tame The Lion
13. It's Just The Rain
14. Trial By Fire
15. Baby I'm a Leavin' You (Hidden Track)






  

2023年5月26日金曜日

Stevie Ray Vaughan & Double Trouble / In Step


 Stevie Ray Vaughan(スティービー・レイ・ボーン)は、1990年、8月26日、ウィスコンシン州イースト・トロイのアルパイン・ヴァレイ・ミュージック・シアターで行われたブルース・フェスティバルに出演した。出演者は エリック・クラプトン、バディ・ガイ、ロバート・クレイ、ジミー・ヴォーン。このコンサートの終了後の8月27日にシカゴ行きのヘリコプターに乗り込み、アルパイン・ヴァレイ・リゾートにあるスキー場のゲレンデに濃霧で視界を失ったヘリコプターが墜落、エリック・クラプトンのボディガードを含む乗員全員と共に死去した。
 このアルバムはその亡くなる前の年の1989年に発売されたアルバムです。1985年に麻薬中毒とアルコールの治療に専念するために、ジョージア州アトランタのクリニックに入り4年ぶり5枚目のアルバム発売となり、このアルバムを最後に前述の事故で亡くなりました。


 このアルバムは軽快なロックンロールで幕を開け、Howlin' Wolf のカバーの Love Me Darlin' まで収録されています。またキーボードの Reese Wynans の参加によりロックン・ロール感が増しています。
 さて曲のレビューといきます。The House Is Rockin' は、とにかく明るく始まりロックンロール・ピアノがイントロから印象的な曲です。飲み屋で楽しくやってるから遠慮せずにノックして来いよ。フロアで踊ろうぜという楽しい曲です。これがライブ・ハウスとかでレイボーンの演奏で聴けたら最高でしょう。Crossfire は、少し重めのブルース・ロックでホーンも入った演奏で重厚感あります。Tightrope は、オルガンが軽めに入ったブルース・ロックとなっています。手癖のあるフレーズが最初から連発で、少し歪みが多めのギターの音も好きです。こうやって聴くと一辺倒に聞こえてたギターの音も、少しづつ音色変えてるのがわかりますね。Let Me Love You Baby は、伝統的なスタイルのブルースが激しくなりカッコよく演奏されています。ギターの音色は、少し歪み少な目にしてトレブルを上げた音色です。Leave My Girl Alone はスロー・ブルースです。ギターはクリーンに音色設定してるのが、これまた素晴らしい。途中からズブズブに歪ませるとこもゾクゾクしますね。ロングトーンの音の揺れ具合も素敵です。Travis Walk は、お得意のインスト・スタイルのロックン・ロールです。テクニックも音使いも素晴らし過ぎる。ピアノも効果的で、やっぱりこのアルバムは当たりだ。Wall Of Denial は変則的なギターのイントロが印象的な曲で、伝統的なブルースだけでなく、こんな技も使うとこが作曲にも非凡なところがあるのを感じますよね。と書いたところで、Scratch-N-Sniff でロックン・ロールに戻ってきます。録音のリバーブ感がライブ・ハウスで聴いているかのようなザクザク感が楽しいなあ。そして、ハウリン・ウルフの Love Me Darlin' です。グシャグシャ加減が気持ち良いブルースです。ギターも凄いけどいきって歌ってるレイボーンのボーカルも好きです。Riviera Paradise はクリーンなインスト曲です。この曲は今聴いても好いなあ。今更ながらコピーでもしようかな。ベーシストと二人でやったら渋いですよね。
 ジャケットではドブロ持ってますが、アルバムの中では全く使用してないよくあるパターンのようです。そして最後に、1994年、オースティン市はスティーヴィーのコンサートが数多く行われた市内のリゾート地「タウン・レイク」にスティーヴィーの銅像を設置しています。日本ではドラッグをやると浮かび上がれないですが、残した音楽が素晴らしければ、」後世まで讃えられるのはアメリカって寛容な国なんだなと思いました🎵

guitar, vocals : Stevie Ray Vaughan
bass : Tommy Shannon
drums, percussion : Chris Layton
keyboards : Reese Wynans

producer : Stevie Ray Vaughan And Double Trouble

recorded & mixed at Kiva Studios, Memphis Sound Castle, Los Angeles.

1. The House Is Rockin'
2. Crossfire
3. Tightrope
4. Let Me Love You Baby
5. Leave My Girl Alone
6. Travis Walk
7. Wall Of Denial
8. Scratch-N-Sniff
9. Love Me Darlin'
10. Riviera Paradise





  

2023年5月13日土曜日

Dire Straits / You And Your Friend


 Dire Straits を中古CD屋で発見!懐かしいと思って買ったらシングルでした。私が昔聴いてギターのコピーをしたのは、ブルースが少し変形したような曲で、改めて探したら Lady Writer という曲でしたが、この曲のイメージとは本CDはかなり違います。アメリカのブルース・ロック・バンドだと思っていたら、イギリスでした。(しかもブルース・ロックではない)購入したはいいが過去の記憶とは何かが微妙にずれていて奇妙な気持ちになるCDです。
 そもそもが、Dire Straitsというバンドの記憶が曖昧であるのでしょうがないかとおさらいしてみます。1970年代末から90年代初頭に掛けて、ポップシーンにありながらも流行とは一線を画した音楽で世界的な人気を誇ったグループで、結成は1976年でイギリスで、オリジナル・メンバーは、リードギター&ボーカルの Mark Knopfler (マーク・ノップラー)、リズムギターの David Knopfler (デヴィッド・ノップラー)、ベースのJohn Illsley(ジョン・イルズリー)、ドラムの Pick Withers (ピック・ウィザース)などで、バンド名の「dire」は「ひどい、無残な、差し迫った」、「strait」は「断崖、苦境、困窮」
 ヒット曲は、Sultans of Swing (悲しきサルタン)、Private Investigations (哀しみのダイアリー)などなど。そして1988年9月に解散、1991年には再結集するが1995年には、また解散となる。理由は、世界的グループとして大規模な公演を行うことに疲れたとナルホド🎵


1. You And Your Friend
2. Ticket To Heaven
3. Badges, Posters, Stickers, T-Shirts





  

2023年4月29日土曜日

Judas Priest / Priest Live


 昔はロック小僧だったのでこんなんも久しぶりに聴いてみようかと、歳とったヤジオが久しぶりに購入したアルバムです。1986年ワールドツアー「Fuel For Life Tour」のダラス公演とアトランタ公演の音源王道のHM (ヘビメタ)?です。
 今の若いメタル・ファンには物足りないかもしれないけど、適度に早くてヘビーです。HR (ハード・ロック)からHM (ヘビメタ)へ業界が変わっていった頃の良い雰囲気があります。HRとHMの違いについては、ブルース・ロックから少しブルース色を抜いたディストーションを激しくかけたロックがを HR (ハード・ロック)、そこから進化した全くブルースを感じさせないロックを HM (ヘビメタ) と私は認識しています。この言葉はどうやって生まれたのかと言えば、レコード会社、音楽評論家が進化し始めたロックをジャンル的に差別化して売上げを伸ばしたいと考えての造語に違いないですが、そこを掘り下げたい人は、体系的に・辞書的な定義・リズム、ギター、歌詞テーマから掘り下げて論じている METALGATE というサイトが参考になりました。


 今では超メジャーとなっている彼らですが、今とは全く違うメンバーで1969年に結成し、イギリスでデビュー。しかし1980年ごろまでは契約上違う仕事をしなければ食べられないほど財政状態が悪かったらしいです。本アルバムの演奏と上の写真のメンバーはおそらく違うはずですが、ボーカルの Rob Halford だけは変わっていないのはわかります、2016年のBABYMETALとの共演はしっかりチェックしてましたから・・
 レジェンドになったんだねえ🎵


lead vocals : Rob Halford
lead guitar : Glenn Tipton, K. K. Downing
bass guitar : Ian Hill
drums : Dave Holland

recorded during the Judas Priest World Tour 1986.

1. Out In The Cold
2. Heading Out To The Highway
3. Metal Gods
4. Breaking The Law
5. Love Bites
6. Some Heads Are Gonna Roll
7. The Sentinel
8. Private Property
9. Rock You All Around The World
10. Electric Eye
11. Turbo Lover
12. Freewheel Burning
13. Parental Guidance
14. Living After Midnight
15. You've Got Another Thing Comin'





  

2023年4月22日土曜日

Eagles / Best Selection



 ホテル・カリフォルニアが流行ったのは1976年。私が未だ小学生の時で、流行っていた瞬間にリアルタイムで聴いていることはなく、中学生になってからFMラジオでのオンエアやなどでカセットテープに録音して聴いていた記憶があります。その頃はFMでイーグルス特集が頻繁にあったので、イーグルスのみでテープが何巻になっていました。


 中学に上がりたての頃なんて洋ロックに初めて触れたので、ホテル・カリフォルニア以外はヘビーなロックのような記憶があったのですが、改めて聴くとカントリー・ロックの要素が強かったので人間の記憶は経年で変わるものと改めて感じます。これは社会人になりたてぐらいの時に改めてイーグルスを聴きたいと思ったので、全部アルバムを買わんでも良いかととりあえずベストを購入したものです。
 しかし、このベストには私が好きだった曲が入っていなかったので、どの曲だったかずっとモヤモヤしていて、アルバムを6枚組そのままライナーノーツ無しでパックした廉価版パックを購入して探し出したのが、The Long Run に収録の Heartache Tonight でした。その廉価版のパックに入っていたアルバムも列記しておきます。

1. Take It Easy
2. Peaceful, Easy Feeling
3. Desperado
4. Already Gone
5. On The Border
6. One Of These Nights
7. Lyin' Eyes
8. Hotel California
9. Life In The Fast Lane
10. Wasted Time
11. Victim Of Love
12. Pretty Maids All In A Row
13. Try And Love Again
14. Is It True
15. Good Day In Hell
16. After The Thrill Is Gone





  

2023年3月17日金曜日

Quincy Jones / Q's Jook Joint


 ミュージシャンとしてはトランぺッターしてジャズ界で活躍し1960年代からはプロデューサーとして、ブラックミュージック界、アメリカのポピュラー音楽界の重鎮としてしたQuincy Jones。クインシー・ジョーンズを聴くといつも思うのは、ヒットする音楽をつくる方程式を持っている人ってイメージです。同時に思い浮かぶのが Incognito の Bluey で、同じような方程式を持っている人のイメージ(ブルーイはプレーヤーなので同じではないですか)
 それにしても久しぶりに、このアルバムを聴きます。発売されたのは1995年ですが、発売を待っていてのリアル・タイムで購入ではないはず。いつどこで購入したのかは思い出せないですね。可能性が高いのは札幌在住時代の、ソウル・ファンク系が充実していた中古レコード屋かなあと思ったりしながら聴いております。だとすると2015年ごろだから発売から20年以上経ってからの購入で、私的には新しめの音ですが実際は新しくはないですね。クインシーと言えば「愛のコリーダ」マイケル・ジャクソンの「スリラー」が思い浮かびますがマイケルの若い時との2ショット写真を発見しました。アルバムのジャケ写はマフィア感漂いますが、この写真はお若いですね。懐かしい。


 1989年に同じように多数のミュージシャン、それも大御所ばかりを集めた Back on The Block の時はグラミー賞などでプロデューサー・オブ・ザイヤーを受賞、それほど当時は勢いがあり、脂ののっていた時期だったと思いますが、それから5年、さすがにあれほどの勢いは感じられませんが、著名ミュージシャンの参加数の多さ、若手の起用もありながら、これだけのアーティストが集えるのは大御所クインシーにしか成し得ないことですし、これも充実の1枚で、甘くて、かっこよい。
 さてアルバムを再度聴き直して参りましょう。ヒット作のリメイクで Jook Joint Intro オープニングはショーに駆け付けるメンバーの慌ただしい様子を演出しているようで、その流れで次の曲 Let the Good Times Roll ビッグ・バンドによるショーの幕開けの演出。挨拶のようにボーカルが変わっていき、Stevie Wonder、U2のBono,、Ray Charlesなどなど。Cool Joe, Mean Joe (Killer Joe) インスト曲で、Keyboard ソロだけで Herbie Hancock 参加。耳覚えがある曲ですが調べてもよくわかりませんでした。同名の映画があるようで常識破りにエロ映画っぽいです。クインシーとはおそらく関係ない?You Put A Move On My Heart もともとイギリスのソウル・シンガー、マイカ・パリによってレコーディングされたもの。ボーカルは当時名前が未だ知られていなかったのカナダ人 Tamia が起用の透明感ある歌声が素晴らしい。Rock With You は Michael Jackson のヒット曲ですね。Brandy が可愛らしく色っぽく歌い、ラップでHeavy D。懐かしい~けど新しくなっちまった。Moody's Mood For Love では、James Moody と Take 6 のしっかりTake6サウンドの甘いハーモニー。Stomp はブラザース・ジョンソンへの提供曲。デッキブラシなどでリズム、サウンドを奏でるグループ Stomp が「Stomp」Chaka Khanがバックでシャウト。Jook Joint Reprise ここで Ray Charles が Funkmaster Flex と共にビッグ・バンドで再度登場と思ったら56秒。Do Nothin' Til You Hear From Me はJazzyな楽曲を Phil Collins が歌い Jerry Hey がトランペット。ヂューク・エリントンの作曲でした。Is It Love That We're Missin' は、現代的なネオ・ソウルで、セクシーな Gloria Estefan と これぞブラックの甘い歌声の Warren Wiebe で間違いなく誰が聴いてもカッコイイヤツです。Heaven's Girl は R.Kelly、Ronald Isley、Aaron Hall に Charlie Wilson のバラードっぽい曲です。楽曲的にはよくあるパターンだけど参加者の実力で極上に引き上げられている感じ。Stuff Like That はファンキー・ビートに Charlie Wilson、Brandy、Chaka Khan が登場。Ray Charles、Charlie Wilson、Brandy、Ashford & Simpson が豪華に花を添えていて、チャラい曲だけど良い曲なんですよね。Slow Jams は SWV、Babyface、Barry White、Portrait でBabyface から始まるバラード。曲の展開の仕方が上手すぎ。At The End Of The Day (Grace) は トーツ・シールマンのハーモニカが美しい。グッときます。Jook Joint Outro で、Barry White、Tamia がエンディング。
 売れ筋の曲に、これぞ売れるブラック・フレイバーを振りかけて、極上のミュージシャンがこぞって参加の、いくら金がかかってるんだかわからない超大作です。

producer : Quincy Jones

1. Jook Joint Intro
featuring : Funkmaster Flex, Queen Latifah, Shaquille O'Neal, Tone Loc
vocals : Barry White, Bono, Brandy, Chaka Khan, Charlie Wilson, Gloria Estefan, James Moody, Patti Austin, Ray Charles, Siedah Garrett, Stevie Wonder
2. Let The Good Times Roll
vocals : Bono, Ray Charles, Stevie Wonder
3. Cool Joe, Mean Joe (Killer Joe)
featuring : Queen Latifah, Tone Loc
vocals : Nancy Wilson
4. You Put A Move On My Heart
vocals : Tamia
5. Rock With You
featuring : Heavy D
vocals : Brandy
6. Moody's Mood For Love
vocals : James Moody, Take 6
7. Stomp
featuring : Coolio, Luniz, Melle Mel, Shaquille O'Neal, Yo-Yo
vocals : Chaka Khan, Charlie Wilson
8. Jook Joint Reprise
featuring : Funkmaster Flex
vocals : Ray Charles
9. Do Nothin' Till You Hear From Me
vocals : Phil Collins
10. Is It Love That We're Missing
vocals : Gloria Estefan, Warren Wiebe
11. Heaven's Girl
producer : R. Kelly
vocals : Aaron Hall, Naomi Campbell, R. Kelly, Ronald Isley
12. Stuff Like That
vocals : Ashford & Simpson, Brandy, Chaka Khan, Charlie Wilson, Ray Charles
13. Slow Jams
vocals : Barry White, Portrait, SWV, babyface
14. At The End Of The Day (Grace)
vocals : Barry White
15. Jook Joint Outro
vocals : Barry White, Tamia





  

2023年2月10日金曜日

Derek And Dominos / Layla And Other Assorted Love Songs


 クリーム解散後、ブラインド・フェイスを経て結成したデレク・アンド・ドミノスの唯一のスタジオ録音アルバム1970年の「Layla」+ライブ録音。エリック・クラプトンの最高傑作とも言われ、ロック小僧に限らず世界中のギタリストが最も持っているあるいは聞いたことがあるアルバムの一枚ですね。ビルボードのポップアルバム・チャートで最高16位を記録し、RIAAのゴールドアルバムを獲得し、1972年と1977年にはBillboard 200でチャートインした。2011年にはイギリスのアルバムチャートで68位を記録、2000年はグラミー栄誉の殿堂入りしています。本作のスーパーデラックス・エディションは2011年に発売され翌年にはグラミー賞最優秀サラウンドサウンド・アルバム獲得の超ロングセラーです。
 クラプトン使用ギターは、前作のソロ・アルバム Eric Clapton(エリック・クラプトン・ソロ)から使用された1956年製フェンダー・ストラトキャスター、通称ブラウニーです。



 改めて久しぶりに聞いてみても難解聴いても飽きない素晴らしい内容で売れ続ける理由がわかります。買った当時から数十年聞いてない人も多いでしょうから、たまにもう一回聞いてみると良いのではないでしょうか。本作には、オリジナルではないセッションやライブなどが多数収録されているので、また新たに購入されても十分楽しめる内容となっています。
 さてアルバムの内容です。I Looked Away Eric クラプトンとウィットロックの共作でライトなサザン・ロック。地味な曲ですがアルバムの冒頭にこの地味な曲をもってくるってことは本当は、これがやりたい音楽の一つの形だからわかってくれというような強い自己主張を感じます。Bell Bottom Blues クラプトンによる作曲で、単純なブルースの進行ではなくメロディックなコードな流れがクラプトンらしい曲で売れ筋の要素満載の曲で、やはり良いです。Keep On Growing これもクラプトンとウィットロックの共作で、私的にはこのバンドのイメージをよく体現している曲と思います。Nobody Knows You When You're Down And Out ジミー・コックのカバーで、後のアルバムのMTVアンプラグドのバージョンの方がわかりやすいアレンジで印象にある人ものではないでしょうか。こっちの方が泣きのブルースって感じですね。I Am Yours はニザーミの詩にクラプトンが曲をつけたもので静かな曲ですが耳に残ります。Anyday は再びクラプトンとウィットロックの共作で方向性は Keep On Growing と同じタイプ。ギターソロに入る流れがとても好みです。 Key To The Highway はチャールズ・シーガー、ウィリー・ブルーンジーのブルースの古典曲です。スタジオ・ジャムを録音していたのを出来が良かったから入れたような体裁です。従ってクラプトンとオールマンのギターソロもわかりやすく自己主張のフレーズ満載でクラプトン・ファンのギター小僧は絶対好きなパターンで、中盤のグシャグシャ感もサービスの演奏です。Tell The Truth もクラプトンとウィットロックの共作。フェイセス当たりのブギー的なロック・サウンドな感じ。ライブとかで演ったら受けそうでコマーシャルな感じとボーカルの気合の入り方も好きです。Why Does Love Got To Be So Sad 中盤はクラプトンとウィットロックの共作が続きます。激しめの曲ですが、この作風はシカゴとかの流れかな。どっちが元祖だろう?Have You Ever Loved A Woman は、ビリーマイルスの古典ブルース。オールマン・ブラザースのバージョンにも名演ありますよね。悪かろう訳もなくここら辺の古典的名曲をアルバムに入れてくるのもやはりクラプトン流。Little Wing このアルバムにジミヘンが入っていたことは忘れてましたが再度聴き直して、そうそうこれこれと思い出しました。リバーブ深めの録音もジミヘンのサイケなイメージを出そうとしているのだなと再認識。It's Too Late はチャック・ウィリスのドゥーワップ・バラードをテンポ・アップさせたもので、やはりクラプトンのリメイクはうまい。そしてテーマ曲の Layla です。多くのギタリストに愛されコピーされ続ける名曲ですが私はリフぐらいしか弾けません。クラプトンだけの作曲と思っていたら、ピアノコーダ部分はジム・ゴードンとのことでした。全く違う曲を合体させたような、この流れも確かにこの曲を印象付ける重大な要素で改めて聴きながらこのアイデアも天才的と思います。Thorn Tree In The Garden は、ウィット・ロックの曲で、ウィットロック、クラプトン、オールマン、レイドル、ゴードンはスタジオで輪になって座り、マイクがその中央に置かれて録音が行われたとのこと。これも地味ですがバンドとしてのチームワークを表現しているようで、冒頭とラストにこのような曲の配置もアルバムとしてメッセージ性があるアルバムなのだと再認識しました。
 このアルバムはデラックス・エディションなので、2枚目のディスクはオリジナルには無いライブ音源などが収録されています。印象的なのは、サイケな雰囲気と凝ったアレンジですがビートルズっぽいとも感じる Roll It Over。 はじっけプリが楽しい Tell The Truth。ギター小僧としては、クラプトンのギターがたっぷり堪能できる Snake Lake Blues。単純にとがっていてカッコ良い Evil。曲のアレンジ力が見せつけられる Got To Get Better In A Little While Jam のバージョン違いの収録。
 おそらく多くの人が所有はしているが、ずっと聴いていない名アルバム。聴き直す価値あり。持っていなくて新規購入を考える人には、やはりこのデラックスの方がお勧めです。

guitar, vocals : Eric Clapton
bass, ercussion : Carl Radle
drums, percussion : Jim Gordon
organ, vocals : Bobby Whitlock (exept 1)
guitar : Duane Allman(except 1,2,3)
piano : Albhy Galuten(4)

【Disc1】
1. I Looked Away
2. Bell Bottom Blues
3 Keep On Growing
4. Nobody Knows You When You're Down And Out
5. I Am Yours
6. Anyday
7. Key To The Highway
8. Tell The Truth
9. Why Does Love Got To Be So Sad
10. Have You Ever Loved A Woman
11. Little Wing
12. It's Too Late
13. Layla
14. Thorn Tree In The Garden

【Disc2】
1. Mean Old World 
(Layla Session Out-Take)
2. Roll It Over 
(Phil Spector Produced Single B-Side)
3. Tell The Truth 
(Phil Spector Produced Single A-Side)
4.It’s Too Late 
(Live On The Johnny Cash Show, 5 November, 1970)
5. Got To Get Better In A Little While 
(Live On The Johnny Cash Show, 5 November, 1970)
6. Matchbox 
(With Johnny Cash & Carl Perkins) 
(Live On The Johnny Cash Show, 5 November, 1970)
7. Blues Power 
(Live On The Johnny Cash Show, 5 November,1970)
8. Snake Lake Blues 
(From April/May 1971 Sessions For The Dominos Second Album)
9. Evil 
(From April/May 1971 Sessions For The Dominos Second Album)
10. Mean Old Frisco 
(From April/May 1971 Sessions For The Dominos Second Album)
11. One More Chance 
(From April/May 1971 Sessions For The Dominos Second Album)
12. Got To Get Better In A Little While Jam 
(From April/May 1971 Sessions For The Dominos Second Album)
13. Got To Get Better In A Little While 
(From April/May 1971 Sessions For The Dominos Second Album)



▶ Layla


  

2023年1月4日水曜日

Johnny Winter ONN55


 ジョニー・ウインターは、デビュー当時のCBSとの契約金が100万ドルだったので「100万ドルのギタリスト」と呼ばれていること。ブルースをやり続けていたためマディ・ウォーターズが「義理の息子」と呼んでいたことなどが知られています。
 ジョニーウィンターはこの一枚しか保持していませんが、YouTubeなどではとてもよく拝見する人で、色々なミュージシャンとの共演が多い人でした。キャリアは長いのですが来日は長い間実現していなかった人で、御年67歳にして2011年に初来日、2012年5月、2014年4月と来日公演され、2014年7月に亡くなっています。1990年に来日の機会はあったようですが当時所有が禁止されていた薬を持ち込み入国できなかったそうです。麻薬とは書いてありませんが、睡眠薬とかではないでしょうから、どんなドラッグだったのでしょうか。


 最後の来日時には、雑誌には椅子に座ってギターを弾いている姿が掲載され、普通のギターは多分重すぎるのか確かギターはヘッドレスのギターを使用されていました。てっきりスタインバーガーと思っていたら、アールワインというメーカーが製造した LASER というギターとのこと。
 さてこのアルバム、おそらく激安ワゴンセールなどありがちなライナーノーツ無しのぺラペラな紙一枚の廉価版。おそらく一枚ぐらいは購入しとこうかなと見つけて購入の一枚でしょう。発売元は Object Enterprises で品番はONN55 以外はよくわかりませんでした。写真で検索してみると内容は About Blues という名前で販売されているアルバムと同じですが、こちら Compilation コンピアルバムのようで、コンピですが写真を変えて色々な国でコピー販売されているようです。


 アルバムを聴いてみると Livin' In The Blues みたいなジミヘン意識の曲もあったり、ソウル系の Out Of Sight なんてのもあったりしてブルース一辺倒でもないのは意外ですね。でもイメージは Leavin' Blues、Going Down Slow のバリバリのブルース・ロックです。

1. Parchman Farm
2. Livin' In The Blues 
3. Leavin' Blues
4. 38, 32, 20
5. Bad News
6. Kind Hearted Woman
7. Out Of Sight
8. Low Down Gal Of Mine
9. Going Down Slow
10. Avacado Green