2021年7月29日木曜日

本日のCD Sugar Blue ♪ Absolutely Blue


 若いブルースハープ奏者と思っていたら1949年12月16日、ニューヨーク市ハーレム生まれとのことなので、もはや重鎮のお歳になってきています。ローリングストーンズの「Miss You」でブルース・ハープを吹ていた人と言えばピンとくる人も多いはず。
 10代の頃はスティーヴィー・ワンダーやボブ・ディランを聞いて育ち、シカゴに移住し、70年代中期ごろからはセッションマンとして多くの録音に参加。その後メンフィス・スリムの薦めで1976年にフランスのパリに転居。クラブや路上パフォーマンスをローリング・ストーンズに見出され、1978年のヒット曲「Miss You」の録音に参加して知名度を上げました。
 あのストーンズの曲では演奏ではわかりませんでしたが、このアルバムを聴けば声量があって艶々な音色で伸びやか。正確で緻密な音程と組みたて、そして超(長)ロングトーンうますぎる次世代のブルース・ハープといった印象です。
 このアルバムは1991年の発売ですが、ストーンズの「Miss You」も収録されています。本家ではディスコ調だった衝撃のアレンジも、ここではスラップ・ベースを入れたファンクに仕立ててて、よりカッコいいアレンジにしています。これを機に改めてストーンズを聴いて比較するとストーンズの演奏はダサいアレンジだと当時思っていたのが適度にルーズなディスコサウンドが今となってはカッコよいとも思えます。どちらが良いは関係なく意外と耳に残る名曲なんですね「Miss You」
 現代派のイメージの Sugar Blue ですが、このアルバムではド・ブルースがやはり収録されていて I Just Got To Know やはりブルースはこれだって感じで良いです。きれいな音が特徴と思っていたらこの曲ではしっかりコブシも効かせた腰の強いハーブ。一方でジェイムス・コットンの最盛期ばりのジャンプ・ブルースの One More Mile To Go も正統派でなかなか。アコースティックの弾き語りパターンの That's All Right も良い味。
 3年前のレビューでは「センスも良いけど私の好みではなかった。決してハズレではない」とか、ネガティブなこと書いてますが今回再度聞き直して完全に撤回させていただきます。

vocals, harmonica : Sugar Blue
acoustic guitar : Lurrie Bell
electric guitar : Motoaki Makino, Rico McFarland
keyboards : Roosevelt Purifoy
bass : Charles Hosch
drums : James Knowles
sax : Hank Ford
trombone : Bill McFarland
trumpet : Ken Anderson

1. I Ain't Got You
2. Help Me
3. Miss You
4. I Just Got To Know
5. One More Mile To Go
6. That's All Right
7. Country Blues
8. Back Door Man
9. Just To Be With You
10. Out Till Dawn




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