2021年7月25日日曜日

本日のCD James Cotton ♪ Cut You Loose!


 マディのバンドには1966年まで在籍、1967年に初のソロアルバムを録音。1968年に2枚目のこの「Cut You Loose!」の発売されました。録音は サン・フランシスコの Coast Recording となっています。音響的には自然なリバーブが効いていて、石の壁があるような大きいホールでのセッションのようで気密性のあるスタジオではないようです。
 コットンのアーティストしての地位を不動のものとしたのは、1974年にブッダ・レコードよりリリースした100% Cottonあたりからです。本アルバムではホーン部隊もいるし後のコットンの原型は聞いて取れますが、後のアップテンポ、ノリノリの軽快で楽しいジャンプ・ブルースではなく、聴かせるスローテンポの曲が多く所謂郷愁漂うブルースです。ピアノ、オルガンがバッキングのメインなのでソウル・ジャズっぽいバックの演奏で、管やピアノのソロが長い曲が多いのもこのアルバムの特徴ですかね。若い頃の録音なので声も潰れていないし張りのある声で脂乗りのよさげな感じもします。いつも感じている元気オジサンではありません。
 さて冒頭3曲はソウル的なブルース River's Invitation はテーマにホーンが気持ちよく Honest I Do はアレサのアルバムで歌われているバージョンも好きな典型的なブルースでGot To Get You Off My Mind もスリム・ゲイラードとかで歌われているような曲。Coast Blues あたりでコットンのハープが活躍してくる所謂ド・ブルースですが歌は無し。Next Time You See Me では現代のロック・ブルースに近い曲ですが、このバンドには演奏面では少し荷が重かった模様。アルバム・タイトルの Cut You Loose は期待していたけどジャズっぽいアレンジにしてあって凝っては要るんだけど。何かが違う。Ain't Nobody's Business で、またソウルっぽいアレンジに変わる。と続いていきます。Negative Ten-Four なんかはもはやブルースではないイージー・リスニングで、コットンはどこへ行ったんだか。
 もしかしたらレコード会社的には、レイ・チャールズ的なソウル方向でコットンを売り出そうとしていたような気がします。
 ジャンプ・ブルースのコットンから遡って聞くとアグレッシブさが足りない感じるんですが、流れの源流はこんな感じであったのかと聞くとコットンの歴史を紐解いていくような気がします。

harmonica vocals: James Cotton
piano, organ, Horns : Wayne Talbert
guitar : James Cook
bass : Eddie Adams
drums : Joe Rodriguez
sax : Martin Fierro
trumpet : Mike Fender

producer : Michael Chechik
recorded April 1968 at Coast Recording, San Francisco.

1. River's Invitation
2. Honest I Do
3. Got To Get You Off My Mind
4. Coast Blues
5. Next Time You See Me
6. Cut You Loose
7. Ain't Nobody's Business
8. Set A Date
9. Slippin' And Slidin'
10. Negative Ten-Four





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