2026年10月28日水曜日

John Coltrane Quartet / Ballads

 

 ギター弾きで大学からジャズ研に入ってジャズに触れてきたのですが、ジャズフュージョン・ファンク路線ばかりでジャズに傾倒することなく卒業してしまいました。周囲は、ラテンバカ、フュージョン路線の管楽器の方が多く、コルトレーン教の方が周囲にいなかったため、人生半分を大きく過ぎてから John Coltrane を聴き始めました。と言っても聴いていないと、周囲のジャズ好き系の友人の話が分からないので、密かに研究のために聴いている側面が大きくて好きになってしまったから、もっと聴いてみたいという感じには未だなっていません。
 ですが、前回に書いたレビューを見直していると「コルトレーン入門をこれにしておけば、もっと色んなアルバムを聴く気になっていたんではないか?と思われるほど響いた」と書いてあります。でもですね、聴きなおすまではどんなアルバムだったのか全く忘れていたので、心の底から感動したよりは一過性のものであったのか、爺になっているので記憶力が乏しくなっているのか。



 原盤は Impulse! レコードから1962年に発表したもので、タイトル通り、全曲バラッド作品です。聴きなおしてみれば、バラードばかりのアルバムは苦手なのに、苦手を意識せずに音の世界に入り込むことができました。またこのアルバムでは、それほど好きではないシーツ・オブ・サウンドもフェイクも控えめな印象で、どちらかと言えばストレートにテーマやメロディを歌いあげているのも好感です。
 原盤の Gene Lees 氏のライナーノーツでは、It's Easy To Remember を除き、このカルテットでは収録されているどの曲も事前に演奏したことがなかったので、彼らは音楽店で買ってきた市販の楽譜を持ってスタジオに現れて、使用するコード進行のメモを書き出し、30分ほど軽くリハーサルをしてから、本番に臨み大半の曲はワンテイク(1回の録音)で完了したと書いてありますので、入念な打ち合わせとコンセプトがある凝ったものではなく、ライトな感覚でのセッションの模様。

Say It (Over And Over Again)  Coltrane の豊かなトーンで吹かれるエモーショナルな演奏です。先にも書いたように吹きすぎないのが、とても心地よい。McCoy Tyner のピアノも分かりやすく極上のタッチで優しく、ロマンティックで温かい雰囲気が魅力的な演奏です。
You Don't Know What Love Is  多くのジャズメンが好んで演奏する Gene DePaul で有名な名曲。大げさなイントロから始まるので、どんな難しい展開になるのかと思いきや、逆にシンプルな展開になるので拍子抜けします。フレーズとテーマを大切にした演奏ですが、1曲目の Say It の演奏が良すぎて印象に残りにくいかもしれない。
Too Young To Go Steady  この曲もメロディーを崩しすぎず旋律の輪郭を丁寧に残していて歌心や余白を前に出していて、Coltrane の音が 柔らかく、近い距離で語りかけるように 聞こえます。これも良きです。
All Or Nothing At All  Frank Sinatra が 1939年8月31日 に Harry James Orchestra と録音した版が大きなヒットになったスタンダード。イントロでも、やっと何か仕掛けてきたなと思わせてくれます。このアルバムでもこの曲だけが例外的に複数テイクや再録音を伴った曲として扱われていて、アルバムの中でも特に完成に時間をかけた1曲ですが以外に短く3分40秒で大きく展開する前に終わってしまいます。
I Wish I Knew  1945年の映画 Diamond Horseshoe のために書かれた楽曲で、アルバムの全体の雰囲気の歌心や余韻を前に出している流れにきれいにはまっています。メロディーを急がず、1つ1つの音を置くように吹いているところに、この曲の良さがあり、もともと歌ものとして成立しているので、Coltrane 版は 旋律の切なさが伝わりやすいし、もっと聴いていたいぐらいです。
 What's New  1939年に登場したスタンダードで、もともともインスト曲として書かれています。バラードにはなっていますが、もともとポップス寄りの曲なので、今までと少し流れが違う雰囲気になっています。
It's Easy To Remember これだけは、1961年に録音された別テイクが採用されています。そう言われて聴いてみると、今までのリラックスした表情とは違うような気がして、多少冷めた温度感になっているように聞こえるが、どうでしょう。
Nancy (With The Laughing Face) 1942年の Jimmy Van Heusen 作曲 / Phil Silvers 作詞 のスタンダード曲で、Frank Sinatra が 1944年 に録音した版で広く知られるようになったスタンダード。原曲の甘さが伝わってくる、やわらかく愛情のこもった雰囲気 が核になっています。これも良いは良いのですが、やはりこのアルバムは1曲目の Say It (Over And Over Again) にカッコよさが集約されている気がします。

「サックスのマウスピースの調子が悪く、速いフレーズを弾けなかったため、苦肉の策としてバラード・アルバムを作った」というエピソードもあるようですが、実際は、プロデューサーの Bob Thiele が、よりファン層を広げるために仕掛けたものらしいのでガセネタっぽい。

 ライナーノーツの中で1986年に 市川正二氏 がこう書いています。「哀しいムードの曲をいかにも哀しそうに演奏するとセンチメンタリズム(感傷主義)に陥って俗っぽくなるが、甘さをセーブしてしかもエモーションを大事にプレイすると、そこにリリシズム(叙情主義)と呼ぶにふさわしい優美な音楽が生まれる」
 ライナーノーツに書いてある内容は当然アルバムの売り文句ですし、マニアの美辞麗句が書かれていると思われることが多いですが、この市川正二氏の評論には納得がいきます。また時間がたつと忘れてしまうこともあるかもしれませんが、もう少し心に留めておくようにします🎶🎷

tenor sax, soprano sax : John Coltrane
piano : McCoy Tyner
bass : Jimmy Garrison (1 to 6, 8), Reggie Workman (7)
drums : Elvin Jones

producer : Bob Thiele

recorded at the Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey
1-5 : November 13, 1962
6,8 : September 18, 1962
7 : December 21, 1961

1. Say It (Over And Over Again) / Frank Loesser, Jimmy McHugh
2. You Don't Know What Love Is / Don Raye, Gene DePaul
3. Too Young To Go Steady / Harold Adamson, Jimmy McHugh
4. All Or Nothing At All / J. Lawrence, A. Altman
5. I Wish I Knew / Harry Warren, Mack Gordon
6. What's New / Bob Haggart, Johnny Burke
7. It's Easy To Remember / Lorenz Hart, Richard Rodgers
8. Nancy (With The Laughing Face) / Jimmy Van Heusen, Phil Silvers





定年退職して延長をしないことにしたので、音楽以外のことをしばらく「ノージョブ定年 NoJobTeinen」と言う別ブログに書いてみることにしました。


  

2026年10月27日火曜日

Thelonious Monk / The Nonet!

 

 1967年の秋に Monk のカルテットは Jazz Expo'67 というイベントに出演契約を交わし,
従来のカルテットに管五人を加えた9人編成でロンドンのオデオン・ハマースミスでリハーサルを行い、その後のパリでの録音を行った。会場はフランス・パリ8区にあるコンサートホール Salle Pleyel  で、ここはパリ管弦楽団とフランス放送フィルハーモニー管弦楽団のフランチャイズホールとのこと。
 本CDはラジオ放送用音源で、イントロダクション部分がカットされているものの、ラストまでノーカット収録されているいます。発掘音源で発売は1988年、放送用録音なので録音状態は割と良い感じですが、サウンドはモノラルです。
 さて題名の Nonet とは九重奏のことですが、 1人:独奏・Solo(ソロ)、2人:二重奏・Duet(デュエットもしくは、Duo:デュオ)、3人:三重奏・Trio(トリオ)、4人:四重奏・Quartet(カルテット)、5人:五重奏・Quintet(クインテット)、6人:六重奏・Sextet(セクステット)、7人:七重奏・Septet(ゼプテット)、8人:八重奏・Octet(オクテット)、9人:九重奏・Nonet(ノネット)となります。
 今回の録音は、全ての曲でフルメンバーのノネットで演奏しているのではなく、Ruby My Dear はカルテット、We See でトランペットの Ray Copeland が参加のクインテット、Epistrophy でペット Ray Copeland に続き、サックス Johnny Griffin が参加と、エンディングに向けて人数が増えていくような形態です。


 録音されている拍手で相当大きい会場であることがわかります。人数が多い割にはホーン部隊のアンサンブルは薄目で、ビッグバンドのサウンドを目指すというよりは、各人のソロを楽しむ大型ジャムセッションのような感じです。

Ruby My Dear  まずはカルテットで開始の、ゆったりとして落ち着いた Ruby My Dear。情感たっぷりの Phil Woods のアルトが牽引するのも良いことには良いんですが、いつもの小節やフレーズをぶったぎるようなアクセントは無く何か気取っている感じが違和感というか、新鮮な感じがします。
We See   トランペットの Ray Copeland が参加してクインテットになります。あちこちに音階が飛び跳ねて戻ってくるような元気のあるテーマなので、やはりここでトランペットが活躍します。テーマの持っている雰囲気もあって Monk は感じますが、アルトのソロが終わってトランペットと進むにつれ、親分である Monk が存在を消していることに気づきます。トランペットソロが終わると親分が登場し、やっと独特のアクセントや和音を連発してくれますが、あくまで演奏に沿ったリズムの中でやってくれるだけで、全体をストップさせたり発信させたりするようないつもの感じではありません。そしてベースソロですが、何をやっているのか不明なほどの録音レベル低さばかりが気になる。Ben Riley は、Art Brakey がよくやるドンドンドンの煽りをあちこちでやってます。
Epistrophy  モンクの曲の中でも特に推進力が強く、ライブでは熱量が上がりやすい1曲です。ここでやっとテナーサックス、トロンボーンも参加しての重さが加わった演奏になってきます。先ほどの We See での盛り上がりが限界かと思いましたが、各自の熱のこもったソロで会場は湧いています。ここで思いました。大所帯になればスモールコンボでやるようなアクセントはつけにくいものなので、カルテットでも抑えめにして同じようなテンションでの助走をつけて、同じようなスピードを維持しているようなものなのかもしれない。ラストエンディングではバッチリときまりました。
Oska-T  じっくり広がっていくタイプの曲で、編成の厚みが出るほど面白さが増すような感じがします。これまでで一番 Monk イズムが出ているような気がして安心します。アドリブ部分も素晴らしいですが、バンドで一点に集中するバッキングの部分などはロックではないけどロックっぽさも感じてしまいました。Jimmy Cleveland のトロンボーンソロも新鮮だし人数多めの厚いサウンドがカッコよし。
Evidence  リズムの角が立っていて、フレーズの切れ味を楽しむタイプ。これもアンサンブルが入ることによって推進力が増します。段々とあったまってきて色々なものがスムーズに進行してきた気もします。足並みのそろい方がフュージョンのようでもある。面白い。
Blue Monk 代表曲らしい分かりやすさがありつつ少し転びそうで転ばない感じが楽しいです。管の色が乗って一気に華やぎます。力いっぱいの Monk の打鍵も熱がこもって良きかなって感じです。フリューゲル・ホルンのミュート演奏って珍しい?ものも聴けました。
Epistrophy  最後にエンディングで短めに決めて終わりです。

 人数が多いこともあってか Monk のピアノは薄めの印象でしたが、後半は熱がこもってます。でもファンの間でもつまらないといった評も見受けられたのは前半の印象かなと思われます。Monk が参加したジャムセッションとして聴けば、かなり貴重な音源だと思います。マニアな録音のせいか youTube には、残念ながら音源があまり見当たりませんでした(面白いと思うんですけどねえ)🎶🎹

piano : Thelonious Monk
bass : Larry Gales
drums : Ben Riley
alto sax : Phil Woods
tenor sax : Charlie Rouse ( 3 to 7) , Johnny Griffin ( 3 to 7)
trumpet : Clark Terry (6), Ray Copeland (2 to 7)
trombone : Jimmy Cleveland ( 3 to 7)

producer : Joop Visser
recorded on November 3rd, 1967 at Salle Pleyel, Paris.

1. Ruby My Dear / Thelonious Monk
2. We See / Thelonious Monk
3. Epistrophy / Kenny Clarke, Thelonious Monk
4. Oska-T / Thelonious Monk
5. Evidence / Thelonious Monk
6. Blue Monk / Thelonious Monk
7. Epistrophy / Kenny Clarke, Thelonious Monk


▶ Oska-T

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2026年10月26日月曜日

Art Blakey / A Night At Birdland Vol1


 ニューヨーク市マンハッタンにあった往年の名ジャズクラブ「Birdland」の1954年2月21日のライブ録音の第1弾。翌年に Cafe Bohemia でArt BlakeyとHorace Silver 以外のメンバーが異なる At The Cafe Bohemia Volume 1 (1955), At The Cafe Bohemia Volume 2 (1955) もありますが、「Birdland」のほうが勢いがあって楽しいイメージです。わたくしは、最高に楽しくスカッとするライブの  A Night At Birdland Vol2 を先に聴いて、これは「1」も、と中古を探しながらも中古は「2」ばかりで、新宿タワレコで新品を購入しました。
 作風は、第1弾と2弾では若干異なり、第1弾は Horace Silver の作品を中心、第2弾はビ・バップ色が強いものを集めたものです。といっても第1弾では Horace Silver 作は 2, 4, 6 曲目、違うのは3, 5, 7 曲目 半分に見えますが、このCDはリマスターなので、1,6,7曲目はオリジナルに入っていませんので、中心はやや誇張表現ではあるが間違いではないと思います。
 ライナーノーツを見ていたら、この2月21日のライブは日曜日でなんと5セットを演奏したとのことで、客もひっきりなしに入れ替わり、メンバーも演奏しっぱなしのクレイジーな1日だったようです。メンバーのテンション維持と集中力も大変ですね。

 そしてリマスターで拍手を送りたいのは、独特の声質としゃべり方でライブの始まりを告げて盛り上げる Pee Wee Marquette の MC を新たに収録していることで、これでグッとアルバムを聴く高揚感が上がります。集合写真があったので下記に掲載の一番左の背の小さいかたです。オジサンに見えますが、女性説もあるようで、Birdlandでは名司会者として有名な方だったようで、出演するバンド・メンバーにはしつこくチップを請求し、チップを払うのを拒否しようものなら、Marquette はそのミュージシャンの名前をわざと間違えて紹介するなど、かなり個性的な方だったらしいです。Art Blakey はきっちりチップをはずんでいたんでしょう。Art Blakey も Marquette も満面の笑み。でも、その他のメンバーは笑ってはいるものの苦笑いのような愛想笑いのようにも見えなくもない。


Split Kick  曲順が本番でこの通りであったかはわかりませんが、勢いがあって前へ進む力がみなぎるオープニング。Brakey の押し出しの強いドラムにバンド全体を押し上げるアクセントが感じられ、若いメンバーの反応は速く、各自のソロに入ったあとも勢いは落ちない。
Once in a While 落ち着いたテンポになり、メロディの歌わせ方が映える1曲で、Clifford Brown のトランペットが全体をリードします。派手さよりも、ソロの流れやアンサンブルの整理された曲になっています。
Quicksilver Silver が自分の名前を付けた作品で、名前のとおりの動きの速さ、軽さメンバーの切れ味の良い演奏が魅力です。速いだけではなく、リズムの切り替えや合いの手が小気味よく決まっていて個々がスピードに乗りながらの噛み合い方が絶妙。
A Night in Tunisia  Breaky はこの曲を同じ形で繰り返さないタイプだとされていますので検証はいずれやりましょう。まずは Breaky のシンバルから始まり、裏にベースがいます。次いでピアノが入ってきてテーマに突入しますが、よく聞くと複雑なリズムにメロディーが絡みながら入ってくるところが中々カッコよい。Breaky は、各人のソロがいいところで、もっと突っ込んでいけとばかりにドドドンとやって圧をかけて後押しします。派手で大げさなエンディングも嫌いじゃないです。
Mayreh  原盤ではこの曲でアルバムが終了しますので、ライブの熱を持ったまま終わる感覚がある演奏になっているように聞こえます。終盤らしい余韻と推進力のバランスが魅力。
Wee-Dot  テーマが短いぶん、最初の入り方でバンドの緊張感が出ていて、Lou Donaldson は 少し粘るようなフレーズで先にソロをとり、対する Clifford Brown のソロは、音の立ち上がりが速く輪郭の良さが感じやすい展開。そこから低音中心のゴロゴロとした男前のピアノソロとなります。ボーナストラックですがなかなか良い。
Blues  くだけた感じにブルース、好きにやってやるぜのブルースセッション。



 Birdlandは、ニューヨーク市マンハッタンにあったジャズクラブで1949年当時ジャズのメッカであったブロードウェイの52丁目にオープンし、1965年までジャズの黄金時代を牽引した名店。名前は、Charlie Parker のニックネーム「バード」にちなんでいます。1965年に閉店したのですが1986年にブロードウェイの106丁目で同名の店が営業を開始、現在は44丁目に移転し営業しています。
 最高のバンドに思える演奏ですが、グループはこのギグで解散してしまい Clifford Brownは Max Roach とともにクインテットを結成し、1956年6月26日に交通事故で亡くなることなり、映画のようなジャズ戦国時代のようなものを感じます🎶🥁

drums : Art Blakey
bass : Curly Russell
piano : Horace Silver
alto Saxophone : Lou Donaldson
trumpet : Clifford Brown

producer : Alfred Lion
recorded on February 21, 1954 at Birdland, New York City.
recording by Rudy Van Geler
cover design by Reid K. Miles 

1. Announcement By Pee Wee Marquette
2. Split Kick / Horace Silver
3. Once In A While / Bud Green, Michael Edwards
4. Quicksilver / Horace Silver
5. A Night In Tunisia / Dizzy Gillespie
6. Mayreh / Horace Silver
7. Wee-Dot (Alternate Take) / J.J. Johnson, Leo Parker
8. Blues (Improvisation)




▶ Mayreh


▶ Blues

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2026年10月25日日曜日

New York Voices / What's Inside


 伴奏などを楽器なしで歌うボーカルのみで表現される音楽のことを日本では「アカペラ」と言います。このフレーズは、イタリア語由来で、もともとア‐カペラ〖(イタリア)a cappella〗で、もともとは伴奏を伴わない宗教音楽を指すものっだのが、無伴奏で歌う合唱、独唱でも現在は用いられているようです。もしかして日本のみで流通する和製イタリア語の可能性は?と思って調べてみたら、英語でも意味もそのまま使っていて、スペルは「acappella 」「acapella」という風に若干変化しているようです。発音はわかりません。
 わたくしのアカペラ初体験は、もちろん小学校の授業ですが、本格的にしびれたのは、幼いころから通っていた教会です。大学生の時に、クリスマスで歌う讃美歌を、オルガンなどの楽器の伴奏なしで練習していたら、こっちのほうが響きがカッコいいんじゃねえかと目覚めてから。最初は簡単な讃美歌でしたから、最終的にはハレルヤコーラスまで歌っていました。歌詞の意味はさっぱりわからずに歌っていましたが・・・
 社会人になってからは、教会にさっぱり行かない不良信者になってしまっていますが、個人的には、社会人になってからも、カセットテープで4チャンネルぐらいで多重録音で遊んだり、パソコンで多重録音ができるようになってからは多重録音による音質劣化が軽減してからはDoo-wop系の曲を10声ぐらい重ねてもアカペラで録音して楽しんだりしていました。今はやってないんですけど、一人で夜中にヘッドホン付けて歌って録音してたりしましたから、当時のマンションで近所に聞こえていたとしたら、不気味な住人が住んでいるとおおわれていたことでしょう。でもこの時は騒音でのご近所トラブルはありませんでした(札幌時代のマンションでは防音がしっかりしてると思って、夜中にギター弾いてたら警察が来たことあります。東京に戻ってからは壁が薄いので生音楽器は、家ででかい音で練習できないのがストレスです)


 以前に聴いた印象では、アレンジが自然過ぎてアクが全くないので、実力的にはピカ一なのに地味なでマイナーなイメージでした。さて再度聴きなおしてみたらどうなのか?

All  Blues   Milesの All Blues に、Kim Nazarian, Peter Eldridge が歌詞をつけています。ジャズの土台を残しつつ声で厚みを出し、完璧なハーモニーが聴けます。流れるような美しさを感じます。でも確かこれが一番熱かったような記憶がありますので、聴き進めます。
Do You Wanna Know What I Want? ジャジーではありますがポップさ強め。All Blues 意外覚えていなかったような気がしていましたが大丈夫。これも覚えています。リズムのノリと、声の受け渡しが絶妙なところが、さすがボーカルグループ。楽器に負けていません。
Ain't No Sunshine 3日前に Bill Wither のベストを聴いていたのは偶然。切なさ満載の原曲を、ボーカル・アンサンブルで表情をつけて歌い上げています。でも I know, I know のフレーズだけは、コーラスを入れずに、もっと切なくやっていただけたら、この曲が活きるんじゃないかなあなんて思ったり。最後にかぶさるように皆さんが重ねてくるとこなんかは良き。
Oh, Lady Be Good これはカッコよさ全開です。Ella Fitzgeraldへのトリビュート要素があり、スキャットが素敵です。良きです。大変よきです。
Skin 6分15秒で長めにしているのは、グループとしては聴かせどころのポイントの意味があるんでしょう。プログラミングや、DJ的なアレンジも入って凝ったアレンジではあります。でもですね。実験的で良いんですが私的にはこれじゃない。かな。
Silence of Time シンプルに楽器なしのアカペラで、短い中で雰囲気を整える役割があります。こんな讃美歌っぽい響きは、懐かしさを感じてしまいやっぱりいいだなあ。
Traffic Jam  James Taylor 曲で、歌いなれた感じの力が抜けた歌い回しとアレンジの相性もよく、自然体のグルーヴ感が良いです
Open Invitation きれいなメロディ、流れが美しい。声のレイヤーも感じやすい。地味だけど、こんなやつもアルバムの中には必要だと思います。
Forever Workin' It Out メンバーの Peter Eldridge の持込み曲です。タイトル通り、動きのある作りが感じられます。もっと嫌味なほどボーカルグループのテクをぶち込んでくれても良かったんですけどね。
The Sultan Fainted 古臭いフュージョンタイプの響きに、ジャズボーカルっぽい組み合わせは好みですし、ラテンにチェンジするのもガッツリとカッコよい。こんな曲が他のバンドで、もっとあっても良さそうなのに、あんまり私は聴いたことがないです。ジャパンジャズっぽいノリも感じてスキ。こんなに良い曲を覚えてなかった。新発見みたいな感じです。
Prelude/Interlude アルバム全体の余韻を整えるラスト。すがすがしい。



正直つまらなかった記憶もあり、あんまり聴きなおしてこなかったアルバムですが、結果は好感度アップでした。実力ある一流は、やっぱりちゃんと聞けば一味違うものがある。1993 GRP Records からの発売🎶🎼

【vocals】 
Caprice Fox
Darmon Meader
Kim Nazarian
Lauren Kinhan
Peter Eldridge

produced by Jeffrey Lester
recorded at RPM studio  

1. All Blues / Miles Davis, Kim Nazarian, Peter Eldridge
piano : Andy Ezrin
bass : Will Lee
drums : Tommy Igoe
alto sax, tenor sax : Darmon Meader
trombone : Jay Ashby
trumpet : Jim Hynes
trumpet, soloist : Claudio Roditi
2. Do You Wanna Know What I Want? / Eve Nelson, Lauren Kinhan
lead vocals : Lauren Kinhan
keyboards : Andy Ezrin, Eve Nelson
bass : James Genus
drum programming : Eve Nelson
drum programming, cymbal : Tommy Igoe
tenor sax : Darmon Meader
3. Ain't No Sunshine / Bill Withers
lead vocals : Caprice Fox
keyboards, strings : Andy Ezrin
guitar : Peter Calo
bass : Randy Landau
drums : Tommy Igoe
percussion : Jay Ashby
tenor sax : Darmon Meader
4. Oh, Lady Be Good / George Gershwin, Ira Gershwin, New York Voices
Scat, Soloist : Darmon Meader, Ella Fitzgerald
piano : Andy Ezrin
acoustic bass : Randy Landau
drums : Tommy Igoe
5. Skin / Andy Ezrin, Caprice Fox, Jody Gray, Mark Cobrin
guitar : Mitch Stein
bass : Randy Landau
cymbal, drum machine : Tommy Igoe
drum programming : Jean Baptiste Boclé
6. Silence Of Time / Caprice Fox
7. Traffic Jam / James Taylor
lead vocals : Peter Eldridge
keyboards : Andy Ezrin
lead vocals : Darmon Meader
bass : Randy Landau
drums : Tommy Igoe
8. Open Invitation / Darmon Meader, Lauren Kinhan
lead vocals : Kim Nazarian
piano : Bill O'Connell
guitar : Romero Lubambo
bass : Leo Traversa
drms : Duduka DaFonseca
trombone, percussion : Jay Ashby
9. Forever Workin' It Out / Peter Eldridge
lead vocals, keyboards : Peter Eldridge
keyboards : Katreese Barnes
guitar : Mike Campbell
bass, drum programming, guitar : Jerry Barnes
percussion : Steve Kroon
tenor sax : Darmon Meader
10. The Sultan Fainted / Darmon Meader
lead vocals : Kim Nazarian
piano : Andy Ezrin
electronic wind instrument : Darmon Meader
programmed : John Tendy
bass : Leo Traversa
drums : Tommy Igoe
percussion : Jay Ashby
11. Prelude / Interlude / Peter Eldridge, Caprice Fox
piano : Peter Eldridge
soprano sax : Darmon Meader
synthesizer : Andy Ezrin


▶ Skin






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2026年10月24日土曜日

渡辺貞夫 / Birds Of Passage


 キャスターの無い昔のでっかい旅行鞄を携えているのに象徴される旅をテーマとしたナベサダの音楽性が一杯詰まった1987年のアルバムです。渡辺貞夫というとブラジル音楽、これもまたその雰囲気を残しつつ、時代を反映したな明るいライトなフュージョンとなっています。
 昔は「世界へ飛び出した日本人ミュージシャン」みたいな特集がTVでもよく組まれるので、ジャズファン以外にも広く知られる方だったと思われます。渡辺貞夫=ナベサダ で、当時は誰でも知っていたのに、最近は「ナベサダって誰ですか?」「渡辺貞夫を知らんか・・そうだよね、ワタナベ・サダオを知らんのか」「いえ、ワタナベ・サダオなら知ってます」そうか「世界のナベサダ」と言っていたのは、我々の世代で終了。多分そこで世界のナベサダって言ったら「世界のナベアツ」って以前にギャグのつもりで言ったら「それも、わかりません」と、まあそうなるか。
 

Round Trip 1970年にも同名のタイトルで Chick Corea、Miroslav Vitous、Jack DeJohnette の当時の最前線メンバーとの気合の入ったソプラノを吹きまくるフリージャズ的セッション作がありますが、テーマはどちらもシンプルですが、まったく違う旋律なので異なる作品のようです。こちらは Weather Report 的な響きも感じる旅の幕開けを連想させてくれます。
Pastral こちらも Round Trip と同様にシンプルなテーマの旋律ですが、がっちりと心に残るメロディーが印象的。穏やかで自然の風景を思わせますが、音の中身は単にのどかなだけではなく、都会的な感触や新しい編成感。ボサノバ感はわずかに残しつつ現代的フュージョンに移ってしまっています。
Salvador 都市名がそのまま曲名ですから当然ですが、旧ナベサダファンは「ああ良かった。ナベサダはブラジル魂を売ってはいなかったんだ」と安心したでしょう。ギターの Paul Jackson Jr. の、オクターブ奏法を使った最後のソロもブラジル感出てて良い感じ。
Just A Touch かなり久しぶりに聴いたので、このアルバムはナベサダのブラジルからフュージョンへの脱却アルバムのイメージが頭に残っていたんですが、このボサノバ・フュージョンを聴いて、そんなことは無いのだと改めて思いました。わたくし的にはガチのボサノバより、このぐらいかみ砕いてくれると親しみやすい。
Burung Burung "Birds" アルバムコンセプトと曲名からも “飛ぶ”“移る” という感覚で聴きとれます。地に足のついた感じより浮遊感を強く持ち、リズムが、歩くより飛ぶ印象に近く、景色が切り替わる瞬間を飛びながら下界を見ているような感じで、1977年の Burung Burung  からイメージをこのアルバム用に焼き直し。George Duke がシンセですね。フリューゲルホルンで Fredie hubbard ですか。
Birds Of Passage さあテーマです。鳥が飛び回るかのようにフュージョンサウンドに乗せてナベサダが気持ちよいメロディーを吹いていますが、基本はボサのリズム。忘れてました。
Chaser メロディが追いかけるように前へ出る、リズムが落ち着くより先に進む感じで獲物を追いかけるかのようなイメージ。猫系の猛獣が獲物を追いかけるイメージに聞こえるが、テーマを考えると猛禽類か?いや空を飛ぶ鳥たちが、追いかけ追い越されなのか。やっぱり昔のアルバムは曲の羅列であるより、テーマと音が練られた構成が多いので味わい深い。
Tanza Night アフリカ系のリズムから始まり、ジャズ系サウンドになり最後はアフリカ系コーラスで旅の終着はアフリカで大団円。LAフュージョンのサウンドにブラジルをミックスしてワールドにと、きっちりとナベサダ・サウンドで。


私が実際に見たことがあるのは、北海道勤務時代の札幌シティジャズフェスの芸術の森ステージです。渡辺貞夫ビッグバンドで登場し指揮だけして吹かなかったのは残念でしたが・・🎶🎷

producer : Akira Yada (1, 2, 7, 8), George Duke (3 to 6), Sadao Watanabe (1, 2, 7, 8)

1. Round Trip
sax : Sadao Watanabe
keyboards : Russell Ferrante
bass : Abraham Laboriel
guitar : Dan Huff
drums : Vinnie Colaiuta
percussion : Alex Acuna
2. Pastral
sax : Sadao Watanabe
keyboards : Russell Ferrante
bass : Abraham Laboriel
guitar : Dan Huff
drums : Vinnie Colaiuta
percussion : Alex Acuna
3. Salvador
backing vocals : Alexandria Brown, Carl Carwell, Lynn Davis, Maria Leporace
sax : Sadao Watanabe
synthesizer : George Duke
keyboards : Russell Ferrante
bass : Abraham Laboriel
guitar : Paul Jackson Jr.
drums : Carlos Vega
percussion, backing vocals : Paulinho Da Costa
4. Just A Touch
sax : Sadao Watanabe
synthesizer : George Duke
keyboards : Russell Ferrante
bass : Abraham Laboriel
guitar : Paul Jackson Jr.
drums : Carlos Vega
percussion : Paulinho Da Costa
flute : Hubert Law
5. Burung Burung "Birds"
sax : Sadao Watanabe
synthesizer : George Duke
keyboards : Russell Ferrante
bass : Abraham Laboriel
guitar : Paul Jackson Jr.
drums : Carlos Vega
percussion : Paulinho Da Costa
flugel horn : Fredie hubbard
6. Birds Of Passage
sax : Sadao Watanabe
keyboards : Russell Ferrante
guitar : Paul Jackson Jr.
drums : Carlos Vega
percussion : Paulinho Da Costa
7. Chaser
sax : Sadao Watanabe
keyboards : Russell Ferrante
bass : Abraham Laboriel
drums :  John Robinson
percussion : Alex Acuna
8. Tanza Night
backing vocals : Daniel Acuna, Diana Acuna, Jimmy Haslip, Petsye Powell, Regina Acuna
sax : Sadao Watanabe
keyboards : Russell Ferrante
bass : Abraham Laboriel
drums :  John Robinson
percussion : Alex Acuna
sax : Sadao Watanabe
flute : Hubert Law


▶ Chaser

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2026年10月23日金曜日

Roy Hargrove Mulgrew Miller / In Harmony

 

 2018年に49歳で他界したトランペッター Roy Hargrove (RH)と2013年に57歳で他界したピアノニスト Mulgrew Miller (MM)の2人が残したライヴ音源。録音は2006年と2007年のニューヨークとペンシルバニアのホールでの公演。リリースは2021年です。
 私が RHを知ったのは  Habana (1997) からで、キューバンなノリでいながら知的な感じが強烈で脳にこびりついてしまい、それをきっかけに聴き始めました。追いかけていくと、ジャズ・トランぺッターが最終的に到着しやすいファンク系のRHファクターの活動を知り、Hard Groove (2003) を聴きますが、求めていたものと少し違う。あのキューバンなノリが聴きたいと With The Tenors Of Our Time (1994)  を聴いて正統派のジャズに聞き惚れますが、これも探していたのではない。出会いを求めて探し続けているうちに、だいぶ増えてしまいしたがなかなか出会いません。近いニュアンスは Nothing Serious (2006),  Grande-Terre (1998) あたりでした。
 一方 Mulgrew Miller (MM) については、現在の手持ちは Solo In Barcelona (2004) のソロピアノ作品です。たしかこのアルバムを聴いて深堀りしてみようかと購入した気がします。音源で MM の参加アルバムはないのか探してみると耳にしたことが無いと思って調べてみたら、私の手持ちでは  David Saborn / Another Hand (1991) でタイトル曲と Dukes & Counts に参加、Art Blakey & The Jazz Messengers / Live At Sweet Basil (1985)。1955年米ミシシッピー州グリーンウッド生まれで、R&Bからジャズに転じ77~80年まで Duke Ellington、 80年からは Betty Carter や Woody Shaw の楽団、84~86年から The Jazz Messengers に在籍、その後 Tony Williams のクインテットや自身のトリオなどのセッションで活躍しています。


 先にも書いたように、もっとHabana (1997) っっぽいものはないかと、色々と揃えていく中で目に留まったので購入して、確かその日に行きつけの音楽好きの集う「おでんバー」に持っていって聴いたのですが、ウイスキーをあおっているうちに眠くなってしまったことを覚えているほど刺激に乏しくて眠気を誘ってくるのが最初の印象でした。
 ですが、次に聴いたのは家で余裕を持った気持ちで何かの作業をしていた時。この時も聞き流していたのですが、印象的には眠気を誘うほどつまらなくはない感じです。ホールでの録音なので、ピアノの響きが少しオフ気味なので長く聴くにはちょうど良いのかもしれないがもう少し前に出てくれればうれしいというような感想でした。そして今回で多分4~5回目ぐらいになるのですが、ぐっと印象が変わりました。
 二人のプレイは、格式ある緊張感のある形式ではなく、ゆったりとした温かな音楽的な語らいや、リラックスした中に躍動感が感じられて心地よく響きます。以前は面白みに欠けるかなと思っていた MM のピアノが、腰を据えた感じの伸び伸びと真っ向勝負にリズミカルでシンプルでわかりやすく頭に入ってきます。特に今回のようなデュオでの時には相方がやり易いだろうなと想像できます。以前感じたピアノの響きが少しオフ気味であるとは、今回は思いませんでした。
 おそらくピアノの練習を始めたことで脳みその中でピアノに対する響き方が変わっていることや、途中で MM の Solo In Barcelona (2004) を聴いたりしているうちに、経年で音楽の聴こえ方が、またもや変化しているようです。


 本アルバムには日本語版43ページ、英語版45ページの分厚いブックレットが同梱されています。中には様々なミュージシャンや、プロデューサーの言葉が寄せられていて、かなりの読み応えですので、珈琲でも飲んでゆっくり聴きながらこの分厚いブックレットを読めばほっこりできること間違いなしです。と書きつつ、あまりに長すぎて、まだ私も斜め読み🎺🎶🎹

trumpet, flugelhorn : Roy Hargrove
piano : Mulgrew Miller

producer : Zev Feldman,  Larry Clothier
Recorded at Merkin Hall, Kaufman Music Center, New York, NY on January 15, 2006 and the Williams Center for the Arts, Lafayette College, Easton, PA on November 9, 2007.

【Disc1】
1. What Is This Thing Called Love? / Cole Porter
2. This Is Always / Harry Warren, Mack Gordon
3. I Remember Clifford / Benny Golson
4. Tristeza / Antonio Carlos Jobim
5. Invitation / Bronislaw Kaper, Paul Francis Webster
6. Con Alma / Dizzy Gillespie

【Disc2】
1. Never Let Me Go / Livingston & Evans
2. Just In Time / Betty Comden And Adolph Green, Jule Styne
3. Fungii Mama / Blue Mitchell
4. Monk's Dream / Thelonious Monk
5. Ruby, My Dear / Thelonious Monk
6. Blues For Mr. Hill / Roy Hargrove
7. Ow! (Encore) / Dizzy Gillespie














ョブ定年 NoJobTeinen」と言う別ブログに書いてみることにしました。


  

2026年10月22日木曜日

Bill Withers / The Best Of Bill Withers Lean On Me


 1994年発売の Bill Withers のベストです。ニューソウルと言われる分野で Donny Hathaway と並ぶ代表選手の Bill Withers ですが、私の周りの音楽好きでも存在を知らない人が意外と多いのには、少々不満です。なので私たまに、行きつけの音楽好きの集う「おでんバー」に Bill Withers の音源を持参し、普及啓蒙活動は続けていますが、歳をとると皆さん覚えが悪くなるのか、「ん-これ聴いたことはあるね」とは言われるのですが、なかなか名前を覚えていただけない。根気よく普及を続けています。


 普及活動で「あるある」なのは Bill Withers, Donny Hathaway がゴッチャになって、二人いるのは覚えたが、どれがどちらだっけ?ですが、まず覚えてもらいたいのは、Donny Hathaway はピアノ弾き語り系で、ゴスペル感もありながらのアカデミックな雰囲気、それに対して Bill Withers は、生ギター・フォーク系で、シンプルで素朴。まずこれが基本です。
 音楽性の違いの多いな要因は、音楽的背景で、Donny Hathaway は、ハワード大学音楽学科でクラシック・ゴスペルの英才教育を受けています。対して Bill Withers は、独学のたたき上げで、もともとフォードモーターに努めていて、33歳で1971年にSussex Records よりデビュー。労働者としての生活経験がそのまま音楽の血肉となっています。しかし言葉が上手く話せなくなる吃音症で音楽活動は休止してしまい、1985年を最後にアルバム制作もなくなり、割と最近の2020年に80歳で亡くなっています。
 一方、Donny Hathaway は、1973年に妄想型統合失調症と診断されて音楽活動が縮小し、1977年 Roberta Flack のアルバムに参加して復帰したが、1979年にニューヨークのエセックス・ハウス・ホテルから転落死ですが、自殺ではなく事故死とのことではあります。娘さんの Lalah Hathaway は、歌手となって活動されていて、私所有の音源でもたまに登場します。

 

 Bill Withers の代表曲としては、このベストアルバムの表題の Lean On Me 、Ain't No Sunshine、Use Me、Just The Two Of Us など。ここら辺は何となく聞いたことがあるけど歌手名を覚えていない人が多いような気がします。

 Just The Two Of Us は、マイナーなカバーでも良いクオリティのものが多いと思うので好きなヤツを少し紹介しときます。

ムジカ・ピッコリーノ / Just The Two Of Us NHK Eテレの番組の中で、プロの大人と子供たちがバンドを組んじゃうんですが、良い演奏動画が多かったりします。NHKはリアルで見るのは0時間、youTube だけなんで受信料には不満があるのですが、これは許しときます。


Seiji Igusa / Just the Two of Us ソロ・ギターの動画で練習でお世話になってます。井草聖二(SEIJI IGUSA)氏のギターマガジン連動のフィンガーピッキングスタイルの動画ですが、雰囲気とアレンジが良いんです。


Pomplamoose / Just the Two of Us 以前からフランスっぽいと思ってたんだけど、今回確認したらアメリカの夫婦音楽デュオでした。短い動画であっさりしてますが空気感が最高です。


 今回は思いっきりアルバムから離れたとこに行ってしましたが、ベスト盤なので解説するより、Bill Withers について思うところを書き連ねました。


さすが大御所です。亡くなってはいますが、いまだ独自ドメインでの公式ページも存在します🎶🎸

project Director : Joy Gilbert

1. Lovely Day
2. I Want To Spend The Night
3. Let Me Be The One You Need
4. Hello Like Before
5. Tender Things
6. I Wish You Well
7. Ain't No Sunshine
8. Grandma's Hands
9. The Same Love That Made Me Laugh
10. Lean On Me
11. Harlem
12. Use Me
13. Who Is He (And What Is He To You)?
14. You Just Can't Smile It Away
15. Just The Two Of Us
16. Steppin' Right Along
17. You Try To Find A Love
18. My Imagination

▶ Use Me






定年退職して延長をしないことにしたので、音楽以外のことをしばらく「ノージョブ定年 NoJobTeinen」と言う別ブログに書いてみることにしました。