2025年1月17日金曜日

Three Dog Night / Best Hits


 1968年デビューし1976年の解散までに21枚のシングルを発売。そのうち20曲が全米トップ40入りというスーパーグループです。その後1981年に再結成し、2002年が最後のアルバム発売となりました。バンド名を知らない人も多いと思いますが、この音を耳にしている人は多いはずです。私が小学生の頃までの活動であったため、曲は知っていたんですが、どのようなバンドかは詳しくは知りませんでした。てっきり黒人グループだと思っていましたが、このアルバムで白人系のバンドであると知りました。(唱法はサザン・ソウル系に分類されるらしいです)バンド名は「アボリジニが寒さの厳しい夜に3匹の犬と寝る」という風習にちなんでいるそうです。
 バンドは3人の男性ボーカルと4人の演奏者という構成で、曲によってリード・ボーカルが変わり、ヒット曲はすべて有能なソングライターの隠れた名曲をリメイクする極めて特異な独特のスタイルでした。


 あまりに曲数が多いので、全曲レビューはやめときます。
 Joy to the World はあまりにも有名。彼ら最大のヒットで6週連続全米No. 1 に輝き750万枚ものビッグ・セールス。作者の Hoyt Axton は、Heart Break Hotel をプレスリーと共作した Mae Boren Axton の実息。熱唱の Chuck Negron が非常に熱く、オルガンの響きも心地よいソウル調のロックです。昔聴いた時から忘れない一発で耳に残る名録音。
 Old Fashioned Love Song これは、日本でバカ売れになった曲で、全米では第4位のミリオン・セラーなので、ラジオで聴いて知ってました。 Chuck Negron は、前曲とは違ってしっとりと歌い込んでいます。郷愁を帯びた味のある楽曲の作者は Paul Williams。自身でも71年12月に便乗リリースし、そこそこ売れたらしい。
 Black and White、昔ラジオで聴いて大好きになった曲。彼らにとって5枚目のミリオン・セラーで3曲目の全米No1ヒット。パブリック・スクールにおける人種差別を禁止するというアメリカ最高裁の決定を称えるべく、アール・ロビンスンが55年にディビッド・アーキンと共に書きおろした作品で、Sammy Davis Jr も取り上げたけれどヒットに結びつかず、レゲエにリメイクしてヒットしたものです。
  オムニバスですが、曲順は年代順ではなくプロデューサーが考えられての構成のようで、意図はわかりませんが、ただの羅列でないところに好感の持てるベストになっています。作曲者と発表年にビルボードの最高順位を記載しました🎶

vocals : Chuck Negron , Cory Wells , Danny Hutton , Floyd Sneed 
bass : Joe Schermie
drums : Floyd Sneed
guitar : Mike Allsup
keyboards : Jimmy Greenspoon

1. Joy to the World
 (Hoyt Axton) / 1971年 10thシングル (全米第1位)
2. Easy to Be Hard 
(Galt MacDermot, Gerome Ragni, James Rado) / 1969 4thシングル(全米第4位)
3. Family of Man 
(Jack Conrad, Paul Williams) / 1972 13thシングル(全米第12位)
4. Sure As I'm Sittin' Here 
(John Hiatt) / 1974 20thシングル(全米第16位)
5. Old Fashioned Love Song
 (Paul Williams) / 1971 12thシングル(全米第4位)
6. Mama Told Me (Not to Come)
 (Randy Newman) / 1970 7thシングル (全米第1位)
7. Try a Little Tenderness 
(Harry Woods, James Campbell, Reginald Connelly) / 1968 2ndシングル(全米第29位)
8. Shambala
 (Daniel Moore) / 1973 17thシングル(全米第3位)
9. Let Me Serenade You 
(John Finley) / 1973  18thシングル(全米第17位)
10. Never Been to Spain 
(Hoyt Axton) / 1971 13thシングル(全米第5位)
11. Black and White
 (David Arkin, Earl Robinson) / 1972 15thシングル (全米第1位)
12. Liar 
(Russ Ballard) / 1971年 11thシングル(全米第7位)
13. Out in the Country 
(Paul Williams, Roger Nichols) / 1970 8thシングル(全米第15位)
14. Show Must Go on 
(David Courtney, Leo Sayer) / 1971 19thシングル(全米第4位)
15. Eli's Coming
 (Laura Nyro) / 1969 5thシングル(全米第10位)
16. One Man Band 
(Billy Fox, January Tyme, Tommy Kay) / 1970 9thシングル(全米第19位)
17. One
 (Harry Nilsson) / 1969 3rdシングル(全米第3位)
18. Celebrate 
(Alan Gordon, Garry Bonner) / 1970 6thシングル(全米第15位)





  

2025年1月16日木曜日

Ella Fitzgerald With Count Basie and His Orchestra / Ella and Basie!

 

 1920年代から活躍しビッグ・バンド・スウィング・ジャズ時代を代表する一人のカウント・ベイシーとエラのスインギーな最高なコラボ・アルバムで、プロデューサーは Norman Granz アレンジには Quincy Jones が名を連ねています。本録音は1963年ですが、1957 年のアルバム One O'Clock Jump で既に一度一緒にレコーディングしています。また1979年のモントルーフェスでの共演は、A Perfect Match として発売されています。 

 

 声も若々しくノリも良いエラの歌声と、絶好調のベイシー楽団と完璧なアンサンブルで、
当然エラのリラックスしたスキャットも楽しく、ジャズ・スタンダードの定番曲で構成されています。喫茶店、TVなどでこのアルバムのバージョンが再生されていることは多かったのでしょう。既に今まで聴いたことがある演奏であることが聴いたとたんにわかるものも多い教科書のようなアルバムです。
 それでは改めてレビューしてまいります。Honeysuckle Rose 最初の印象はとにかくエラの声が若い。晩年の録音の方が聴いている数が多いので特にそう感じるのかもしれません。切れが良くアップテンポのベイシー楽団に合わせて若い感性でスキャットも気持ち良いです。短くても満足な録音です。Deed I Do ブルージーでグルーブよく歌うエラにクインシーのファンキー・アレンジが素敵です。1926年の歌曲でオールドな雰囲気も好きです。Into Each Life Some Rain Must Fall 1944年にAllan RobertsとDoris Fisherが作詞、作曲してエラがインク・スポッツと共演して当時ベスト・セラーとなった曲で、ソウルっぽく熱いエラも珍しいのではないでしょうか。Them There Eyes ビリー・ホリデイも得意としていた曲で得意のスキャットで前半盛、後半は Joe Newman のトランペットとの掛け合いスキャットが印象的です。ミュージカル映画でも見ているかのような熱演です。Dream A Little Dream Of Me  コンボ編成のアレンジでベイシーがオルガンを弾いています。1931年に出版されたシートミュージック歌曲で、エラはデッカ時代にサッチモとのデュオで録音したことがあります。Tea For Two 1924年のミュージカル No, No, Nanette の主題歌で、ドリス・デイのあたり曲ですがエラのスインギーなこの歌もまた魅力的。Satin Doll 大御所のスタンダードが連続してきます。1953年のエリントンの作品でエラもゆったりと艶のある声で歌い上げていますが、いささか迫力がありすぎてドリス・デイの方が魅力的かも。 I'm Beginning To See The Light 続けてエリントンの1944年作品です。ベイシー楽団で続けての演奏とはこれもまた一興。Shiny Stockings ベイシー楽団でよく演奏される曲でビッグバンドの定番曲ですね。ブレイクのドラムがカッコ良いです。歌詞はエラによるものでクインシーのアレンジもいかしてます。My Last Affair 1936年の Haven Johnson のバラード。エラのボーカルもノビノビとしていています。エンディングのしめかたも好きです。 Ain't Misbehavin' 邦題は「浮気はやめた」です。ゆったりと感情をこめて歌うエラの表情がこれもよく出ています。On The Sunny Side Of The Street ジャズ・スタンダードとしてはこれも有名な1930年の歌ですが、とても明るい曲でハッピーな曲です。
 これも以前聴いた時よりも感動的に良いアルバムで、ヘビロテの棚に入れておいても良いですね🎶

【The Count Basie Orchestra】
piano, organ : Count Basie
clarinet, alto saxophone : Marshal Royal
flute, tenor saxophone : Eric Dixon
flute, alto saxophone, tenor saxophone : Frank Foster, Frank Wess
baritone saxophone : Charlie Fowlkes
trumpet : Sonny Cohn, Al Aarons, Joe Newman, Don Rader
trombone : Benny Powell, Urbie Green, Henry Coker, Grover Mitchell
trombone, trumpet : Flip Ricard
guitar : Freddie Green
double bass : Buddy Catlett
drums : Sonny Payne

arranged by : Quincy Jones, Benny Carter
producer, recording supervisor : Norman Granz
recorded in New York City, July 15th & 16th, 1963.

1. Honeysuckle Rose (Andy Razaf, Fats Waller)
2. Deed I Do (Walter Hirsch, Fred Rose)
3. Into Each Life Some Rain Must Fall (Doris Fisher, Allan Roberts) 
4. Them There Eyes (Maceo Pinkard, Doris Tauber, William Tracey)
5. Dream A Little Dream Of Me  (Fabian Andre, Gus Kahn, Wilbur Schwandt)
6. Tea For Two (Irving Caesar, Vincent Youmans) 
7. Satin Doll (Duke Ellington, Johnny Mercer, Billy Strayhorn) 
8. I'm Beginning To See The Light (Ellington, Don George, Johnny Hodges, Harry James) 
9. Shiny Stockings (Frank Foster, Ella Fitzgerald) 
10. My Last Affair (Haven Johnson) 
11. Ain't Misbehavin' (Harry Brooks, Razaf, Waller) 
12. On The Sunny Side Of The Street (Dorothy Fields, Jimmy McHugh)





  

2025年1月15日水曜日

James Cotton / 3 Harp Boogie


 長い間、聴いていなかったのですが、アルバム名から James Cotton、Billy Boy Arnold、Paul Butterfield の三人のハーピストが全曲に参加しているアルバムだと思っていましたが、ホーンが入っている曲と、アコギとハープのみの曲があるようで全てに三人が参加ではないようでどうやら違います。マイナーなアルバムのせいか、解説しているサイトも、ほぼ皆無で長い英語のライナーノーツを読んでいくと最後の方に、異なる二つのソースでできていると書いてあり解説ありましたが、どの曲がそれに該当するかは書いてありません。(聴いたらわかるだろってことですね。おそらく)
The tracks that comprise this disc hail from two highly disparate sources. The acoustic material was recorded circa 1962-63 by producer Norman Dayron in a setting that was very informal by any standards—an apartment on Chicago's South Side. It places Cotton smack dab in the sympathetic company of brash youngbloods Paul Butterfield and Elvin Bishop and relative veteran Billy Boy Arnold, whose old Vee-Jay catalog was about to receive a shot in the arm from the Yardbirds.
 この聴きどころは、やはり3人のハープが聴ける acoustic material で、Norman Dayron のシカゴのアパートで録音したとのこと。ここで、この三人が録音とは仲良き事、素晴らしいと言いたいところで、所持音源の検索しましたが、このアルバム以外では Billy Boy Arnold が参加しているものは、ありませんでした。
 調べてみると Arnold は、1935年イリノイ州シカゴ生まれ。Sonny Boy WilliamsonⅠ に大きな影響を受けてクラブでの音楽活動を開始、1953年で初録音し Bo Diddley のバンドにも在籍。代表曲は1955年 I Wish You Would とのこと。James Cotton も1935年生まれ、Paul Butterfield は1942年生まれでこの時代のブルース業界では後輩になります。ちなみにこの音源録音時1963年は、コットン、アーノルドは28歳、バターフィールドは19歳で白人の若いブルースマンが先輩の黒人大御所と演奏していますが自身のバンド Paul Butterfield Blues Band 同年に結成しています。 写真掲載しときます。James Cotton, Billy Boy Arnold, Paul Butterfield の順です。



 それでは、改めて聴いてレビューです。Jelly Jelly ブルース・ピアノのイントロから始まる典型的なブルースで、コード進行と歌メロは Stormy Monday 等で使われているものと同じですね。ブルースとはそう言うもんです。ジャケットが古臭いですが、録音は結構良いです。エレクトリック・マテリアルと書かれているホーンも入った気持ち良いブルースですが、気になるのは、後半4分ぐらいのところから入ってくるホーンはトランペットのようなんですが、ミュージシャンのクレジットはトロンボーンのお二人。トランペットのような発音をしているのか、楽器を持ち換えているのか、違うミュージシャンが参加しているのか。 South Side Boogie 2、3曲目はアコースティック・マテリアルです。シカゴのサウス・サイドのアパートでの録音と書いてあるので、それがこのセッションの名前になっています。Elvin Bishop のアコースティックでのブギーなギターのノリが素晴らしい。やっぱり名手です。それに合わせて3人がハープを被せてきて最高のセッションです。So Glad You're Mine 先のブギーは楽器のみですが、これは歌ものになります。ボーカルは御大 James Cotton です。年齢を重ねたかのような28歳に聞こえない声質は、この時点から。Good Time Charly ここでエレクトリック・マテリアルに戻ってきますが、一気ににぎやかな音になるので、音量を上げて聴いていたらビックリするかと思いますので気を付けて。Diggin' My Potatoes コットンの他のアルバムでもよく聞いているナンバーですが、アコースティックのみの演奏もオツなものがあります。テンポはバンドでやっている時と余り変わりない早めです。短くて残念。There's Something On Your Mind そしてエレクトリック・マテリアルです。やはりビックリします。スタジオ録音ですが語り部分が長くて気持ち入ってるのがビンビンきます。V-Ford Blues  車のフォードがテーマのブルースですね。Mose Allison のバージョンを聴いたことがありますが全く印象が違います。コットン氏にかかると曲が似通ってくるのかもしれません。Turn On Your Love Light またもやフル・ボリュームのソウル・タイプの演奏にビックリします。こういったノリの演奏は珍しいかもしれません。Dolly Put The Kettle On 最後はアコースティック・マテリアルからの録音で、延々と続くセッションを連想させるよう1分46分でフェイドアウトの終わり方が余韻を残します。
 アコースティックとエレクトリックの落差がありすぎて、聴きながらビックリするアルバムでした。三人のハーピストのアパートでのセッションが素晴らしいので世に出したかったけど、尺が足りなかった結果この構成?のような気がします🎶

① Acoustic Material Recorded in Chicago 1963, Produced by Norman Dayron
2, 3, 5, 7, 9 (determined by listening)
harmonica, vocals: James Cotton 
harmonica: Paul Butterfield 
harmonica: Billy Boy Arnold
guitar: Elvin Bishop

② Electric Material Recorded in Chicago 1967, Produced by Barry Goldberg, Michael Bloomfield and Norman Dayron
1, 4, 6, 8 (determined by listening)
harmonica, vocals: James Cotton 
guitar: Luther Tucker 
piano: Alberto Gianquinto 
bass, vocal: Robert Anderson 
drums: Sam Lay Tenor 
sax: Delbert L. Hill Baritone 
sax: McKinley Easton 
trombone: Louis E. Satterfield 
trombone: John M. Watson

producer : Michael Bloomfield

1. Jelly Jelly
2. South Side Boogie
3. So Glad You're Mine
4. Good Time Charly
5. Diggin' My Potatoes
6. There's Something On Your Mind
7. V-Ford Blues
8. Turn On Your Love Light
9. Dolly Put The Kettle On





  

2025年1月14日火曜日

東京パノラマ マンボ ボーイズ / マンボ天国


 デザインに昭和の匂いがする 「東京パノラマ マンボ ボーイズ」ですが、サルサを集めていた時期はあるけれどマンボに興味は無かったので、このバンドの存在を知る由もなく、おそらく20年以上前の衝動買いでした。
 でも知らなかったというのは勘違いでした。聴いてわかったのですが「ア~ ウッ!」という掛け声は「マンボのビート」でフジテレビの『ライオンのごきげんよう』のテーマソングでしたし、パチンコなんて曲も、どこで聴いたのか?知っていました。


 基本DJとパーカッション2人というスタイルで昭和のキャバレーの和風マンボ専門で活動していて、ラテン音楽にDJを導入は斬新なクラブ・ミュージックとしても注目を集めていたようです。曲のテーマがふざけているのにマンボしか演奏しないコミックバンド風ですが、演奏は本気度の高いガチで素晴らしいバンドです。
 1993年 惜しまれつつ解散も、2006年何故かフジロックフェスティバルにて14年ぶりに復活し、2007年にライブ活動、2008年にはマンボインペリアル、マンボデコの2枚のアルバムを出しています。

 

 テイチクさんのプロフィールは、おそらく2008年ぐらいから更新無し。東京パノラママンボボーイズ 公式ブログ (2011年を最後に消息不明と思っていたら、東京パノラママンボボーイズ 2022 パーレスクでの乱痴気ライブ活動を確認です🎶👏

 

 

 ジャケットも、昭和薫るアート作品。楽曲については、youtube より掲載しておりますので、私のレビューより現物を聴いて楽しんでいただけた方が、その素晴らしいエンターテイメントをご理解いただけると思いますので、あしからず🎶

DJ : コモエスタ八重樫 DJ
percussion : パラダイス山元 
oercussion : ゴンザレス鈴木
vocals : Pablo Minami
voice (cuttie voice) : Lily Fukaura (21)
chorus : Kazuko Kawashima, Miwa Sugai, Risa Ohki
piano : Naoki Kitajima, Shinichi Shiokawa (3, 4, 18)
guitar : Hisamasa Kojima
bass : Tohru Kase
drums : Koichi Suzaki
alto sax : Shigeo Nukita
tenor sax : Masamiki Takano
baritone sax : Etsuo Yamada
trumpet : Eric Miyashiro, Hitoshi Yokoyama, Kenji Yoshida, Mitsukuni Kohata
trombone : Michio Kagiwada, Shizue Hirano

producer : Comoesta Yaegashi, Gonzarez Suzuki, Paradise Yamamoto, Tokyo Panorama Mambo Boys
recorded at Avaco Creative Studios

1. マンボ・ボンド
2. マンボのビート
3. スピーク・アップ・マンボ
4. マンボ・マニア
5. ワン・レイニー・ナイト・イン・東京
6. グリーン・オニオン
7. ヒット・ザ・ボンゴ
8. チャ・チャ・チック
9. パチンコ
10. 赤坂の夜は更けて
11. ピーター・ガン
12. ザ・グース
13. 夏の夜のサンバ
14. コーヒー・ルンバ
15. メドレー (マンボ・メドレィー)
a.マンボ / b.エル・マンボ / c.マンボ第8番 / 
d.南京豆売り / e.セレソ・ローサ / f.ティコ・ティコ
16. コセ・コセ・コセ
17. 大学マンボ
18. パトリシア
19. ネグラ・ミ・チャチャチャ
20. タブー
21. キー・ハンター(非情のライセンス)
22. サーフ・バード
23. 太陽の彼方に
24. ボンゴ天国
25. ティン・ティン・ディオ





▶ ザ・ガードマン&カサショフ PV



  

2025年1月13日月曜日

Stan Getz & João Gilberto Feat. Antônio Carlos Jobim / Getz / Gilberto

 

 誰もが耳にしたことのあると思われる「イパネマの娘」で、おそらくこのオリジナルもかなりの人が耳にしているはず。もちろん私も知ってはいたのですがアルバムは持っていなかったので、中古屋で見つけての購入です。
 1964年に発表したアルバムで、終始ささやくようなボサノバで刺激的な音楽ばかり聴いていると抑揚がないように感じるかもしれないと感じてしまいながらも、聴き終わると満足していました。この世界感でアルバムを作って聴く人を満足させるのは恐るべしボサノバの名盤です。このようなアルバムが世界的にヒットする1964年って不思議な時代とも感じますが、余計なメディアが無かった分、純粋に音楽を聴いて楽しめる時代だったんですね。
 このアルバムの名義はStan Getz (スタン・ゲッツ) とJoão Gilberto (ジョアン・ジルベルト) ですが、スタン・ゲッツはベニーグッドマンの楽団などで活躍してから1962年にボサ・ノバを取り入れたアルバムを制作し翌年にこのアルバムを制作しています。


 ジョアン・ジルベルトは、ブラジルの歌手でありギタリストでボサノバを創成したと言われる巨匠。1959年にAstrud Gilberto (アストラッド・ジルベルト) と結婚。アストラッド歌う「The Girl From Ipanema (イパネマの娘)」がこのアルバムではポルトガル語で歌っていますが、シングルでは英語で発売されボサノヴァの有名曲となっています。しかしアストラッドとはほどなく離婚してしっているようです。この曲の作曲はピアノで参加の Antonio Carlos Jobim です。ちなみに映画「黒いオルフェ」の音楽を書いたブラジルの作曲家であることは今回のこのレビューで調べていてわかりました。

 

 それにしてもこのアルバム、下手な人が演れば退屈になってしまうような曲調ですがこのクールなボサのサウンドにウィスパーボイス、ゲッツのサックスが見事にはまり、ボサ・ノバを全世界に広めた功績のある素晴らしいアルバム。それほど好んでボサ・ノバはを聴くことは無いのですがこのアルバムは、たまに清涼剤として聴いてみたいと思います。いや名盤🎶🎸🎷

tenor sax : Stan Getz
guitar, vocals : João Gilberto
bass : Tommy Williams
piano : Antonio Carlos Jobim
drums : Milton Banana

producer : Creed Taylor

recorded March 18 & 19, 1963 in New York City.

1. The Girl From Ipanema / vocals : Astrud Gilberto
2. Doralice
3. P'ra Machuchar Meu Coração
4. Desafinado
5. Corcovado / vocals : Astrud Gilberto
6. Só Danço Samba
7. O Grande Amor
8. Vivo Sonhando





  

2025年1月12日日曜日

Stevie Ray Vaughan And Double Trouble / Texas Flood

 

 このアルバムは1983年に Epic Records から発売された Stevie Ray Vaughan and Double Trouble のデビューアルバムです。タイトル曲の Texas Flood は、ブルース・マンの Larry Davis の1958年の曲のカバーとなっており、カバー曲は4曲、オリジナルは5曲が収録されています。デビューは1873年ですが、1975年前身となるバンド「トリプル・スレット・レヴュー」を結成し、Double Trouble として活動を始めたのは1978年なので、下積み8年の活動歴ですから実力は聴いての通りで、既に完成されたバンド形態となっています。
 このアルバムからのシングルカットは「Love Struck Baby」「Pride and Joy」の2枚で、「Love Struck Baby」のミュージック・ビデオは、MTV の1983年のレギュラーローテーションとなる人気でした。デビューのきっかけは、アルバム発売の前の年1982年に、Vaughan and Double Trouble は Montreux Jazz Festival で演奏したのがきっかけで、2日の録音でオーバーダブ無しでこのアルバムは録音されています。


 それでは久しぶりに聴いて懐かしみながらレビューしていきます。Pride And Joy こちらは、イメージそのままでSRVが右手を回しながらかき鳴らしているのが想像できます。ジャズでいえばスイング感に当たるものが非常によく出ています。Texas Flood 大好きなテキサス・フラッドはイントロ長めが最高なブルースです。ギターの音は硬質に設定してジャキジャキさせながらも粘っこい。Tell Me バッキングのリフの跳ね方が大袈裟でなのが、天才的です。Testify 機関銃のようなリフでジミヘンコード、曲芸のような低音から高音までなめるように弾かれる全編ソロのインスト・ブルース・ロックです。Rude Mood さらに煽るように軽めの音のギターでトレモロのようなブルース・ギターが途切れないこれもインスト。機関車のように、走り続けるのもSRVの特徴でしたね。Mary Had A Little Lamb ミドル・テンポに戻ると、すごくゆっくり感じます。アルバムの最後に持ってきても良い落ち着いた曲です。Dirty Pool ミドルから更にスローなブルースになります。スローでもマンドリンのような手法で常に音符の数が多く、ロングトーンでの泣きのギターは似合いません。I'm Cryin' 粘っこいギターに戻ってきました。古き良き古典ブルースのようですがSRVのオリジナル。Lenny ブルースだけではなく器用にギターを操る名手です。これもインストですがフュージョン・ギターのようです。
 とにかくグイグイと迫ってくる手クセがバリバリのギターが魅力の Stevie Ray Vaughan And Double Trouble のデビューアルバム、これも久しぶりに聴いてレビューしていきます。Love Struck Baby 久しぶりに聴いたらギターの音はイメージより軽めでした。ライブはもっと重め? Jhonny B Good を現代風のギターにした感じです。


guitar, vocals : Stevie Ray Vaughan
bass : Tommy Shannon
drums : Chris "Whipper" Layton

executive-producer : John Hammond
producer : Double Trouble, Richard Mullen, Stevie Ray Vaughan
recorded at: Down Town Studio, Los Angeles, CA; Riverside Sound, Austin, Texas.

1. Love Struck Baby (S. R. Vaughan)
2. Pride And Joy (S. R. Vaughan)
3. Texas Flood (J. W. Scott, L. C. Davis)
4. Tell Me (C. Burnett)
5. Testify (D. Taylor, G. Clinton)
6. Rude Mood (S. R. Vaughan)
7. Mary Had A Little Lamb (B. Guy)
8. Dirty Pool (D. Bramhall, S. R. Vaughan)
9. I'm Cryin' (S. R. Vaughan)
10. Lenny (S. R. Vaughan)



▶ Lenny


  

2025年1月11日土曜日

Tommy Flanagan / Confirmation

 

 こちら気合や思いを込めて作ったわけではないんだろうなってのは、最初に聴いたときの印象です。かといって手を抜いているわけではなく、丁寧な仕事をされているのがトミフラなんですね。不思議な感じがするアルバムです。ほんと気負いがないながら、テンポ、タイミングの良さ、フレーズの端々にはセンスが溢れています。


 何故このようなアルバムに聞こえるのでしょう。聴きながらライナー・ノーツを読んでいると、同レーベルからフラナガンのリーダー作として出た 収録曲中4曲が「Eclypso」(1977年2月4日録音)と同じセッションからで、あとの2曲は「Ballads and Blue」(78年11月15日録音)と同じセッションからなので、各録音がアルバムに使われなかったテイクで1982年の発売です。なるほど、二つのセッションからの未発表曲を寄せたからボンヤリなのかも知れません。


 ということで再度アルバムを聴きながらのレビューです。Maybe September 映画 The  Oscar の Percy Faith 作曲の悲しげなメロディーの美しい曲です。ドラマチックな盛り上がりはです。Confirmation 有名な Charles Parker のスタンダードでタイトル曲となっています。やはり一番の盛り上がりを見せています。気負いなく気持ちのままにピアノを弾いている印象です。George Mraz のベースソロはグルーブ感があって音に粘りがあります。Elvin Jones のブラシ・ワークも絶妙です。How High The Moon は、アップテンポで演奏されることが多いと思いますが、なんと出だしはバラード扱い。途中でミドルテンポに変わりますのがおしゃれです。ベースソロではサンタクロースがやってくるも挟み込んでご機嫌です。ん。聴き直していると以前の印象よりつまらなくないかもしれません。It Never Entered My Mind スタンダードで取り上げられる曲が圧倒的に多い Rodgers & Hart の楽曲でテーマのメロディーと展開のバランスが良い曲です。George Mraz はやりすぎなくらいのベースの弾きっぷりで、触発されるようにトミフラも盛り上げてくるマニアックでそそられる演奏です。うん。つまらなくない。Cup Bearers アップテンポで、曲の表情がわかりやすく単純に楽しい曲です。トリオの各人の音の表情が鮮明に前に出てくる録音もかなり良いです。50 - 21 トミフラと所縁のある Thad Jones の曲で、アルバムの最後にふさわしい曲です。寄せ集めにしては考えられてるかもしれません。
 再度、細かいところを聴きながらレビューしていたら楽しくなってしまいました。聴き直しは再発見がありますので良い気分です🎶🎹

piano : Tommy Flanagan
bass : George Mraz
drums : Elvin Jones (1, 2, 5, 6)

producer : Horst Weber, Matthias Winckelmann
recorded Penthouse Studio, NYC,  Nov. 15, 1978 (3, 4) , Sound Ideas Studios, NYC,  Feb. 4, 1977 (1, 2, 5, 6)

1. Maybe September (Percy Faith)
2. Confirmation (Charles Parker)
3. How High The Moon (Morgan Lewis)
4. It Never Entered My Mind (Rodgers & Hart)
5. Cup Bearers (Tom McIntosh)
6. 50 - 21 (Thad Jones)