私が、Oz Noy を聴き始めたのは Twisted Blues シリーズをリリースした時からで、それ以降少しづつ買い揃えてきましたが、発表アルバムを調べて見たところ少しづつ抜けているようです。Ha! (2005), Oz Live (2006), Fuzzy (2007), Schizophrenic (2009), Twisted Blues Vol1 (2010), Twisted Blues Vol2 (2013), Who Gives a Funk (2016), Ozone Squeeze (2017), Booga Looga loo (2019), Snapdragon (2020), Riverside mit Ugonna Okegwo, Roy Marchia (2022) しばらく棚を見てない間に新譜も出てました。
知ってる人も多いと思いますが、Oz Noy のおさらいです。イスラエル出身で、10歳からクラシック・ギターのレッスンを始め翌年にはエレクトリックに転向し、13歳頃からプロ活動、15歳にはレコーディングまで経験しています。その後、学校に通いながらセッション・ギタリストとして活躍し、20歳を過ぎ世界を目指し1999年ニューヨークに渡ります。デビューアルバムは、2003年のニューヨーク The Bitter End で録音された Oz Live (2006) で、スタジオ盤では、これがメジャーデビューアルバムとなります。
Oz Noyイメージは、変態的でアウトなフレーズ、そしてポップさも兼ね備えたギターです。本アルバムでも、アウトなフレーズと不可思議なニュアンスの曲で構成されていますが、ポップな感覚は未だ薄くロック・フュージョンに近いアルバムとなります。
ギターの音は原音で弾くことは、ほぼ無くエフェクターをガンガン使っているのですが、ラック系のエフェクターは使わず、コンパクト・エフェクターを、つなぎ合わせて、この音を作ってしまうと言うマニアさが漂うギタリストです。
さて、前置きはこれぐらいでアルバムを久しぶりに聴きながら全曲レビューです。「Chillin'」メンバーは、acoustic bass : James Genus、bass : Will Lee、drums : Anton Fig, Keith Carlock で、ベースドラムは各2名となっています。おそらく完全にリズム・トラックを2名で演奏しているのではなく、テーマ部分とソロ部分で分けているのではないかと、推測します。テーマ部分は、エレクトリック、ソロ部分はアコースティックのベースだと思います。ドラムは、どれがどっちだかは解りませんが、ベースだけ選手交代でドラムはダブるドラムでしょうか。イントロは牧歌的、テーマは少しだけポップさが入ってます。ソロに入ると、いきなりブオンブオンと、おそらくアコースティック言い始めてドラムとベースがこれでもかと複雑な響き、そこからエレクトリック部分になるとシンプルなリズムになります。1曲目から気持ち良いです。タイトル名の Chillin' は、リラックスしている、とか、何もせずに過ごしているで使われるらしいです。「Sit Tight」テーマ部分の変拍子の仕掛けが、普通ではない違和感があり、その違和感が聴いてるうちに気持ち良くなり、更に横揺れっぽくグルーブしていくのが天才的な楽曲です。曲の系統としてはTwisted Blues Volume ① の Cissy Strut のファンク・フレーズのリズムのアクセントを変える手法の原型かと思います。変形ファンク・ロックって感じです。「Haa!」さすがタイトル曲です。ゆったりとした8ビートのリズムのロックを違和感の塊りのアクセントとフレーズにして、様々なエフェクトをギンギンに効かせた不可思議な音の塊りにして、好きな人には、かなり中毒性の高い曲に仕上げています。曲名は、James Brown の “ハッ!” っと発するブレスをタイトルにしたそうです。ちなみに、アルバム名の「ha」は「a」が1個しかありませんが、曲名は「a」が2個 となっています。あら不思議。「Say What?!」曲の頭のSay What の声は誰かと言えば、ボーカル Will Lee と書いてあります。あの方は、その手のノリの方ですよね。楽しんでこの録音に参加しておられるようで、何より。楽曲はオクターバーとファズを効かせたカッティングがメインのフュージョンで基本のメロディーラインに違和感は余り取り入れてはいません。ベースが T.O.P. タイプの16ビート・ファンクで、楽曲のビート感を増加させています。ダブル・ドラムの効果も絶大。「What Love Is」幻想的な曲調のバラードで、ギターは金属的なタッチの音を使っています。エフェクターはなんでしょう。中間部のギター・ソロはシタールっぽい音にしたりしていますが楽曲に違和感のアクセントは使っていません。「Hey You」これは Oz Noy ならではの違和感を取り入れた仕掛けが楽しい曲です。以降のアルバムに続くポップさも入ったファンクなグルーブが気持ち良い曲です。最初のレコードのノイズ音は、ミックス時のトラブル隠しのために使ったそうです。「Downside Up」きました、Mike Stern 登場で、曲名は当然 Upside Downside から来ているんでしょうが、テーマそのものは使っていないようですが、随所に同様のコード進行と思われる箇所はありますし、Mike Stern は、いつもの手癖フレーズをそのまま使っていて、アウトなフレーズも彼の得意なところなので親和性は抜群です。Oz Noy がNYに来ての師匠は Mike Stern であったらしいです。「Blue Monk」雑誌のジャズ・ライフに、Oz Noy はモンクの研究家でもあると書いてあったのを記憶しています。モンクっぽい違和感の和音は使っていないですが、モンクの使う作曲手法を Oz Noy に感じるところを再認識し、モンクをさらに進化させた曲全体でのアクセントを使って更にアウトなフレーズを組み合わせていると思い起こしますが、この曲に関しては普通にブルースにすることにより Oz Noy のモンクに対する敬意を感じます。「Hit Me」テンポ早めのブルース・ロックで、Stevie Ray Vaughan へのオマージュが曲に入ってる、ハズです。最後の Hit Me! は、やはり Will Lee。「I Can't Make You Love Me」最後は、しっとり系のバラードで、5曲目の What Love Is より、フレーズにアウトなトコを使ってますが、遊びは少なくしてますね。
やっぱり、Oz Noy は良いなあ、と、つくづく感じる一枚です。他のアルバムも含めて、ハズレがないのと色々なコンセプトがアルバム全体でも曲でも楽しめるのが、この人の素晴らしいところを再認識です🎶🎸
producer : Oz Noy
1. Chillin' / Oz Noy
guitar : Oz Noy
organ : George Whitty
acoustic bass : James Genus
bass : Will Lee
drums : Anton Fig, Keith Carlock
2. Sit Tight / Oz Noy
guitar : Oz Noy
organ : George Whitty
bass : Will Lee
drums : Anton Fig
3. Haa! / Oz Noy
guitar : Oz Noy
synth : Shai Bahar
bass : Will Lee
drums : Anton Fig, Keith Carlock
4. Say What?! / Oz Noy
guitar : Oz Noy
keyboards : George Whitty
bass, vocals : Will Lee
drums : Anton Fig, Keith Carlock
5. What Love Is / Oz Noy
guitar : Oz Noy
synth, keyboards : George Whitty
acoustic Bass : James Genus
bass : Will Lee
drums : Anton Fig, Keith Carlock
6. Hey You / Oz Noy
guitar : Oz Noy
keyboards : George Whitty
bass : James Genus
drums : Keith Carlock
7. Downside Up / Oz Noy
guitar : Mike Stern, Oz Noy
bass : James Genus
drums : Anton Fig, Keith Carlock
8. Blue Monk / Thelonious Monk
guitar : Oz Noy
bass : James Genus
drums : Anton Fig
9. Hit Me / Oz Noy
guitar : Oz Noy
organ : George Whitty
acoustic bass : James Genus
drums : Keith Carlock
vocals : Will Lee
10. I Cant Make You Love Me / Allen Shamblin
guitar : Oz Noy
bass : Will Lee
drums : Keith Carlock
▶ Chillin
▶ Haa!
▶ Hit Me