2021年8月22日日曜日

本日のCD Miles davis ♪ My Funny Valentine in Concert

 

 先に聴いた「Four & More」は初めて聞きましたが超高速バップに圧倒されました。そこで知ったのが、このアルバムと実は対であること。「My Funny Valentine」はあまりにも有名なので聞いたことがありますが、アルバム一枚を聴いたことは多分ジャズ喫茶とかであったようなかな無かったような曖昧な記憶です。おさらいしますと、1964年ニューヨークのリンカーン・センターのフィルハーモニック・ホールで行われた2公演の一部で、バラードを「My Funny Valentine」に高速バップは「Four & More」の2枚に収録され「静」と「動」として対をなす傑作とされているということでした。
 最近トランぺッターのアルバムが好きで好んで聴いていますが、演奏はできないのでテクニックについては詳しくは知りませんでが、トランペットにはビブラートを付ける奏法と付けない奏法があることは最近「小川隆夫著のマイルス・デイビスの真実」のマイルスが高校時代に教わったエルウッド・ブキャナンから教わったくだりで知り、なるほど、そう思って聞くとマイルスの音はまっすぐです。改めて聴く「My Funny Valentine」は緊張感のあるイントロから始まる15分で、マイルスのハーフトーン、ノンビブラートはめちゃくちゃかっこ良い響きで、支えるメンバーの演奏もやはり決まっています。その中でもこのアルバムでもマイルスを除く花形はやはりハンコックに聞こえます。ハンコックのピアノは、エレガントなクラシックっぽい響きは瑞々しくこのアルバムではぴか一目立ってます。そして「All of You」はイントロからマイルスのミュート・トランペットの表現力」の豊かさに耳を奪われます。続くGeorge Colemanのテナーは、ゆっくりとよく考えながら心から染み出すような音がマイルスと対比的で、曲としても演奏に説得力があるこれまた好演。「Stella by Starlight」もマイルスのソロは攻撃的で挑発的です。序盤途中で雄叫びを上げる観客がいますが既に序盤で感極まってのこと、それぐらい深く響く。「All Blues」については、リズムセクションの丁寧さとマイルスのミュートプレイの妙から始まり、ミュートを外し解き放たれたマイルスの力強さの対比が良くて迫力ある。「All of You」では思慮深いソロパターンはテナーのコールマンだったが、この曲ではハンコックに引き継がれてからコールマンへと渡される。「I Thought about You」はマイルスの作曲で自身の考える世界が自由に表現され展開する。単調なようで微妙な抑揚が感じられます。
 世に名演と言われるアルバムであるが時代を反映してそれを感じさせるものも多い。最初に聴いた時にはそんなアルバムのようにも感じていたが聴きこむにつれて、発見も多くこの構成やパワーは古くささに色あせるようなものではない深いものを感じました。参りました。「Four & More」と対で、愛聴させていただきます。
 
trumpet : Miles Davis
tenor sax : George Coleman
piano : Herbie Hancock
double bass : Ron Carter
drums : Tony Williams

producer : Teo Macero

recorded at Lincoln Center "Philharmonic Hall", NYC on February 12, 1964.

1. My Funny Valentine
2. All of You
3. Stella by Starlight
4. All Blues
5. I Thought about You





muu music webzine

  

2021年8月21日土曜日

本日のCD Cortijo y su Combo con Ismael Rivera ♪ Quitate De La Via, Perico

 

 本作は2020年のリマスターの日本語解説付きで、帯からのこの作品の紹介は「絶頂期のコルティーホ楽団&イスマエル・リベーラの、1961年発表のヘマ/ルンバ第4作。全員一丸となって放たれるボンバやプレーナといった黒いリズムは圧巻の一言。荒々しく突進するビートがとにかくすごい。」その通りで、これだけでこの作品の解説は済んでしまいそうな的確なコメント恐れ入ります。ちなみにこのシリーズのレビュー書ききれてませんが、第5弾Danger、第1弾 En New York もあります。
 コルティーホ楽団(Cortijo y su Combo)はパーカッション奏者のラファエル・コルティーホ(1928年生まれ)率いる楽団で、イスマエル・リベーラ(Ismael Rivera)は1931年のプエルトリコのサントルセ生まれの歌手。イスマエルは、幼い頃は靴磨きとして働き家のサポートのために学校へは満足に行けず16歳の時には、レンガ職人として働き始めてラファエル・コルティージョと一緒に歌ったり遊んだりして過ごし1948年ぐらいでは共演していたようです。その後1952年にアメリカ陸軍に入隊しましたが英語力が不足で除隊。サントルセに戻ってからは歌手活動を開始し売れ始め、1954年にはコルティーホのグループに加入。
 この二人の生まれのプエルトリコは通称で正式には、(Estado Libre Asociado de Puerto Rico)プエルトリコ自治連邦区、カリブ海北東に位置するアメリカ合衆国の自治区です。古くはスペイン植民地時代を経て、第二次キューバ独立戦争でプエルトリコでも反乱が起きて1897年にスペイン合意の元自治区となり、同年に起きたアメリカ合衆国とスペイン帝国の間で起きた米西戦争によってアメリカ合衆国の領土となりました。ということでプエルトリコは母国語はスペイン語なわけで、この土地のラテン音楽で、アメリカのニューヨークで一発あてようと進出してサルサが誕生する訳ですね。最後は「はしょり」ましたがなるほど勉強です。学生時代は勉学の「歴史」は暗記物の代名詞として嫌いでしたが、歳をとってから音楽を聴きながらこんなことにも興味を持って聴いています。人間の作る音楽というものは、歴史・戦争との相関は理解した方が深くなるような気がしますな。

1. Perico
2. Bomba Carambomba
3. El Chivo
4. Si Te Contara
5. El Trompo
6. Cortijito
7. Piedras En Mi Camino
8. Caramelo Santo
9. Plena Española
10. Ensillala
11. El Pajaro Chogui
12. El Carnaval
13. Druma Cuyi

▶ Perico




muu music webzine

  

金曜のおつまみはモンクとブレイキー

 


 ブレイキーのバードランドは vol 2 を聴いて良かったんで vol 1 を探して、中古屋CD屋には無かったもんでタワーで正規購入しました。これは封を開けたのは自宅が最初で既に聴いているものを、いつもの「おでん」に持ち込みでした。今日は何?と自然に聴かれて、王道の2枚でございますと、まずは1口飲んでからまずはアートブレイキー。ピーウィー・マーケットが、私にもわかる南部なまりの英語でアナウンスして始まります。これが盛り上がるんですよね。かけつけ2杯いっちゃいましょう。マスターもおそらく持っているはずだけどどこにあるのかわからんので、落とさせてくれとライブラリーに格納します。メッセンジャーズが結成される前の録音ですが、まあ盛り上がることこのうえないライブでした。

 そしてモンクのソロ。ラウンド・ミットナイトの出だしで、この音源は聴いたことがあるような録音だと、マスターと二人とも同意してこの盤をかけ終わった後でYouTube検索してみましたが、どうやら記憶違いのようで悩みながら一杯。1954年作品だったので初期のモンク作品でした。このあと直ぐに1957年の Himself をかけてみたのですが、全く違います。やはり Himself の方がかなり流暢に弾かれています。初期の音数の少ない素朴さはそれはそれで良いのですからモンクに乾杯です🍻

2021年8月20日金曜日

本日のCD Hank Mobley With Donald Byrd And Lee Morgan Blue Note 1540

 

 本作はサックス奏者の Hank Mobley がリーダーとなって、1957 年にBlue Noteレーベルから BLP 1540 としてリリースしたアルバムです。モブレーはこのセッションのリーダーであり、全てモブレー作曲ですがソロなどの出番が多いわけではありません。自分は脇役に徹して皆さん自由にやりなはれといった感じです。
 改めてメンバーはHank Mobley(ts), Donald Byrd, Lee Morgan(tp), Horace Silver(p), Paul Chambers(b), Charlie Pership(ds) とトランぺッターを2人配置しています。サックスの調子は基本テナーとソプラノはB♭、トランペットも同じくB♭です。通常は管楽器は調子の違う楽器でバンドを編成することによってアンサンブルを構成するのですが、あえて同じB♭3管編成は珍しい発想です。ライナー・ノーツでは「そのような音域の制限から、クローズド・ボイシングと、ユニゾンのメロディライン、3度を使った3声のボイシングを取り入れた」と書いてあります。楽器をやらない人には何のこっちゃで、楽器をやる人はフーンと思っていただけるのかと思います。
 収録曲は、なんと4曲という割と1曲が長めのアルバムです。1曲目の Touch And Go は騒がしいファンファーレ風のイントロとブレイクがウルトラQみたいな怪獣が出てきそうな感じで始まります。テーマには簡潔な3音のラテン風味のフレーズが使われていて、Horace Silver の切り込み隊長からエキサイティングなソロ、続いては Lee Morgan 18歳にしては早熟な演奏は相変わらず。続いてはモブレーのソロはアダルトに控えめに始めて段々と饒舌になり、Donald Byrd の鋭きソロに引き継いで、Paul Chambers のよくあるアルコ・ソロ、Charlie Persipドラム・ソロは簡潔にまとめてます。そこからはトランぺッター二人の乱れうちです。続いて Double Whammy も明るいテーマの曲ですが少しアダルト。ソロ回しはMobley→Morgan→Byrd→Silver→テーマ→Persip、 そしてまたもや Byrd⇔Morgan の合戦で、うん楽しい。Barrel Of Funk はミディアムテンポのスイング。今度のソロ回しは、Byrd→Mobley→Morgan。Silver のピアノソロは管のソロの後の良い休息になっていて好感。 Mobleymania は曲名に自己愛を感じる明るめのテーマの楽曲。Mobley のこのアルバムでの作曲はこの雰囲気での一貫性を感じます。ここでは Morgan のソロから始まり、今までの演奏で体がほぐれてきたかのように全体的に流れるように流暢なプレイが繰り広げられる熱気あふれる演奏です。
 リーダーそっちのけで競り合うトランぺッターのプレイにばかり思わず耳が行ってしまうが、ナイスな作品でした。

tenor sax : Hank Mobley
trumpet : Donald Byrd, Lee Morgan
piano : Horace Silver
bass : Paul Chambers
drums : Charlie Persip

producer : Alfred Lion

recorded on November 25, 1956.
 
1. Touch And Go
2. Double Whammy
3. Barrel Of Funk
4. Mobleymania





muu music webzine

  

2021年8月19日木曜日

本日のCD Guitar Slim ♪ The Things That I Used To Do

 

 まず最初に聴いたときに「なるほど昔のブルースね」と思いながら聞き流していましたがおそらく興行的(ライブエンターテイメント)なところを意識してる人だなあと興味がわいてきました。
 「曲は古臭いけどギターの音は適度にギラギラしてフレーズも現代的なとこもあるなあ」となり「余裕でギター弾いて、わざとたどたどしく弾いたりフレーズとか遊んでるしサービス精神旺盛ですな」そして「このノリは、ピアノのあの人に似てるんじゃね?」などと思い始める。 ピアニストのあの人はニューオリンズのブルース・ピアニストの「Professor Longhair」です。と思って調べてみるとやはりこの人もニューオリンズを拠点に活動していたギタリスト、音楽キャリアとしては1951年~1958年の短い間で肺炎で死去しています。Professor Longhair は1949年初レコーディングで1964年ぐらいまでが最盛期で、1975年のポール・マッカートニーが彼をクイーン・メアリー号船上のプライベート・パーティーの演奏「Live On The Queen Mary」あたりで復活の人。やはり活動の盛期は被っています。
 もともとはゴスペル・シンガーで1950年のデビューから後にブルース・シンガーに移行して、ギターとアンプを100メートル以上のコードで繋ぎで、観客の間を演奏して歩くなどのパフォーマンスで人気だったようで、このアルバムには収録されていませんが 「Feeling Sad」を発表、そして1953年に Ray Charles がピアニストして参加し、タイトル曲の「Things That I Used To Do」がリリースされR&Bチャートで14週連続1位の記録の大ヒットとなります。 がカバーするこれを機に大躍進と言いたいところですが、ヒットが出ずにレコード会社の移籍や契約解除が続いたとのことです。でもこの大ヒットしたタイトル曲は、ブルース旧大御所にもカバーされブルース・スタンダードのひとつとなっています。
 と、勉強が終わったところでもう一回タイトル曲を聴くと、これについては「ニューオリンズ」の感じがしないド・ブルース。再度ライナーノーツを見ながら聞き直すとこのアルバムは1953年~1955年の5回の録音の21曲です。


 最初のころは、本格的なブルースで段々とエンターテイメント性が増してきて、泥臭さが抜けてきてバックがニュー・オリンズ・サウンドに変化してきています。わずか2年間の間にかなりの変貌です。時に歪ませたギターで攻めまくったり、ラフに弾き崩したりするスタイルは独自のモノで、酒と女性が大好きそうなオジサンのようなジャケットも良かった。
 「Bad Luck Blues」「Well, I Done Got Over It」「Something To Remember You By」、イントロを失敗したんで、やり直しまで全部録音してしまった「I Got Sumpin' For You」なんかが良かったかな

1. The Things I Used To Do
2. Well I Done Got Over It
3. The Story Of My Life
4. A Letter To My Girlfriend
5. Later For You Baby
6. Trouble Don't Last
7. Bad Luck Blues
8. Sufferin' Mind
9. Twenty Fine Lies
10. Our Only Child
11. Stand By Me
12. Guitar Slim
13. Reap What You Sow
14. I Got Sumpin' For You
15. You're Gonna Miss Me
16. Quicksand
17. Think It Over
18. Something To Remember You By
19. You Give Me Nothin' But The Blues
20. Sufferin' Mind (Alt. Take)
21. Reap What You Sow (Alt. Take)





muu music webzine

  

2021年8月18日水曜日

本日のCD Iron Maiden ♪ Killers


 私が高校生時代のロック小僧だった時に聴いていました。衝撃的にかっこよかったアルバムですね。亡くなった私の母はクリスチャンで英語の先生でした。英語はバリバリに話せた方だったので、バンド名は見えないようにしていましたがどこかで目にはしていたはず。ピストルズ、メイデンと下品な子ね、とでも思われていたのでしょうか?今さらながら気になります。
 さてデビューアルバムに続き、2作目も名作という懐かしのアイアン・メイデンです。バンド・コピーは1曲目のマーチ、ラスチャイルドをやったような記憶があります。私には珍しく譜面を買ってギター・コピーを真面目にした記憶もあり、いや懐かしい。ツイン・ギターもかっこ良い。このアルバムが流行った時代にはヘビーメタルといった言葉はあったのか?まだハード・ロックしかなかったのか、記憶にもありませんが数百回は繰り返し聴いた青春のアルバムです。
 このアルバムからギターにエイドリアン・スミスが加入して前作以上にハードでヘヴィなサウンド。インストナンバーのオープニング The Ides Of March はマーチのリズムでヘビーメタルは斬新でした。続くWrathchild の開放弦を利用したベースリフは最高です。Murders In The Rue Morgue は「エルム街の悪夢」と訳されていたが何故ここで婉曲な表現の必要であるのか? Another Life の曲展開は天才的、Genghis Khan はハードロックのお手本のようで、 Innocent Exile は ボーカル Paul Di'Anno 吠え方が最高で、Killers のドラマチックな展開、Prodigal Son でハードだけが売りではないセンスを見せつけ、Purgatory でツインギターならではのカッコよさ、Drifter のギターのみイントロから曲に入ってのパンク的な激しいリズムは思わず頭が動く。などと捨て曲がなくて、これほどまでに全ての曲に思い入れがあるアルバムはそうはありません。
 改めて聴いて思いました。私の頭の中に、音が一音づつバッチリと刷り込まれ記憶されています。つまりは私には、過去洗脳されていのです。
 
vocals : Paul Di'Anno
bass : Steve Harris
drums : Clive Burr
guitar : Adrian Smith , Dave Murray

1. The Ides Of March
2. Wrathchild
3. Murders In The Rue Morgue
4. Another Life
5. Genghis Khan
6. Innocent Exile
7. Killers
8. Prodigal Son
9. Purgatory
10. Drifter



▶ Drifter


muu music webzine

  

2021年8月17日火曜日

本日のCD Bob Marley ‎♪ Volume One - Stir It Up


 ボブマーレイのベスト盤シリーズの一枚目で、このシリーズで4枚出ていたものを購入しています。シリーズでは「Volume One - Stir It Up」「Volume Two - Riding High」「Volume 3 - Soul Shakedown Party」「Volume four - Stir It Up」と識別しています。何故識別と書いたかと言うと、どこかのレーベルがかなり適当につくっていると思われるからで、名前や表記がバラバラでかなり面白いことなっているのでに識別という言葉を使いました。
 まず、このシリーズの中身ですが、CD裏に曲が書いてあるだけのペラペラの紙が入っているだけの、あっさりとした作り。ジャケ写にはこの盤ではよくジャケットを見ると「Volume One」の表記ですが 「Stir It Up」 の記載はありません。シリーズ全部見てみると3枚目だけ Volume 3 のアルファベットではない「数字」表記となっています。何故 「Stir It Up」と識別しているかと言えば、ハードディスクに落とす際に、ジャケットに書いていない Stir It Up というディスク名が現れたからです。Volume four ではディスク名が Stir It Up と1枚目と同じ名前になっているのも、かなり愛嬌があります。
 ネット検索でも Bob Marley ‎ Volume One、Bob Marley Collection ではヒットせず、Bob Marley Stir It Up で検索ヒットしました。しかし検索では、亜種が数種類存在していてジャケット写真が異なっているものがあり収録曲も異なっているものがあったり実に多種多様です。
 つまり Unofficial であることは間違いないわけで、このいい加減なつくりからすると所謂 Bootleg と呼ばれるものになるのでしょうか(私は Unofficial と Bootleg の違いは、いまいちよくわかっていません)Bob Marleyが亡くなったのは 1981年5月11日。このCDが作成されたのは1990年ぐらいで、作成時の販権がどこにあったのかはよくわからないですが違法ではないことを願います。

1. Stop The Train
2. Soul Rebel
3. Kaya
4. African Herbman
5. Stand Alone
6. Sun Is Shining
7. Brain Washing
8. Mr Brown
9. Rebels Hop
10. 400 Years
11. Memphis
12. Rainbow Country
13. Lively Up Yourself
14. Trench Town Rock




muu music webzine

  

2021年8月16日月曜日

本日のCD Parliament Live ♪ P Funk Earth Tour


 前回レビューしたこのアルバムの印象は「盛りがって皆が楽しんでいる」「P.FUNKというドラッグに酔っている」「新興宗教の集会のようだ」「是非、洗脳&扇動されてください」でしたが、その通りPファンク関係のアルバムの中でも最高傑作と言われるアルバム。
 とにかく、Pファンクのメンバーが盛り上がっていた1977年のツアーの録音で、ライブコンセプトはスペースオペラSFで、リーダー、ジョージ・クリントンがスペースシップから1曲目で登場、途中で観客総動員でマザーシップを召還。こちらはそんなライブを見ることもできなくて聴くしかないのですが、観客の熱狂が伝わってきて会場で死人でも出ているのではないか?失神者は何人だ?と思わせるほど大いに盛り上がるライブだが、このアルバムの演奏者にいる Eddie Hazel、Bootsy Collins は実際にはライブに参加していなくてオーバーダブとスタジオ収録での参加であるらしい・・とのことだが、噂ばかりでどれがどうなっているのかは実際は不明。
 さて話がとびとびになったので収録曲に戻りますが、ハイライトは「Mothership Connection」でマザーシップを呼び込む大合唱、そして「Swing Down,Sweet Chariot」ではグレンがゴスペル丸出しで会場を教会に変える。バック・ヴォーカルもグレンを盛り立てる。曲の最後にマザーシップの轟音は着陸です。Dr. Funkensteinではクリントンがマザーシップのステップを降りてきて観客はまたも盛り上がる。後半は熱いソロ合戦で Gamin' On Ya! のドラムは手数が多すぎて字余りになってしまったり演奏者も大興奮。ラストの Night Of The Thumpasorus People でマザーシップを見送る「ガガクガっ」のバックコーラスと掛け声で最高潮になり録音レベルは振り切れています。
 ジョージ・クリントンは、まるで偉大な教祖のようにこの音楽集団を操り、聴く人を惹きつける。中毒性が高いんで要注意です。

vocals :  Calvin Simon, Debbie Wright, Fuzzy Haskins, Garry Shider, George Clinton, Glen Goins, Grady Thomas, Jeanette Washington, Ray Davis
backing vocals : Dawn Silva, Gary Mudbone Cooper, Lynn Mabry
bass : Bootsy Collins, Cordell Mosson
drums, percussion : Jerome Brailey
guitar : Eddie Hazel, Garry Shider, Glen Goins, Michael Hampton
horns : Fred Wesley, Maceo Parker, Richard Griffith, Rick Gardner
keyboards, synthesizer : Bernie Worrell

producer : George Clinton

recorded live at the Los Angeles Forum, January 19 1977 & The Oakland Coliseum, January 21 1977 except 4, 9 recorded at Hollywood Sound (Los Angeles) & United Sound (Detroit) studios.

1. P-Funk (Wants To Get Funked Up)
2. Dr. Funkentstein's Supergroovalisticprosifunkstication Medley
3. Do That Stuff
4. The Landing (Of The Holy Mothership)
5. The Undisco Kid (This Girl Is Bad!)
6. Children Of Production
7. Mothership Connection (Star Child)
8. Swing Down, Sweet Chariot
9. This Is The Way We Funk With You
10. Dr. Funkenstein
11. Gamin' On Ya!
12. Tear The Roof Off The Sucker Medley
13. Night Of The Thumpasorus People





muu music webzine

  

2021年8月15日日曜日

本日のCD 小曽根真 ♪ Oz Meets Jazz


 ジャズ系雑誌などでよく見かけるんだけど、なんとなく食わず嫌いで聴いていないジャズ・ピアニストの小曽根真のセレクト・オムニバスアルバムです。
 最初に聴いた時には、小曽根真監修とは知らずに何かのオムニバスかと思っていて中身を見たら小曽根真が出てきたんで??となりました。どこで購入かは全く記憶になく、この人とは永遠に縁がないのかと思っていただけに、なんで小曽根真のアルバムを持ってるんだ?とビックリはしました。
 小曽根真は「Oz Meets Jazz」J-WAVE系のFM番組で1999年2月~2012年3月まで続いていた音楽番組のパーソナリティをつとめていて、その放送局から選んだものがこのアルバムという訳です。
  小曽根真のトリオ演奏もきちんと聴くことは無かったんですが、No Strings Attached なんかはセンスの良いジャズブルースで結構良いかもしれません。また Dear Oscar はその曲名通りの Oscar Peterson への思いを込めた曲なのでしょう。流れるような繊細なアドリブが気持ち良い曲で、本物の演奏も2曲が選曲されていますが、バラード1曲ビッグバンドの歌物1曲。またピアニストの選曲らしく、ビル・エバンスもしっとりとした2曲を入れて小曽根真の好きなビル・エバンスはこれなのかと理解。Elis Regina は良く聴く可愛らしいボサノバなのですが曲名は知りませんでした。Michael Brecker では、かなり人とは違うことを意識した選曲なのではないでしょうか。
 いずれも、一流プロが選んで人に買わせる一枚ですので、誰でも選ぶような一番のポピュラー曲はあえて外し、センス、かっこよさを感じさせるものが選曲されています。
 食わず嫌いの私ですが、まあご本人のアルバムも1枚ぐらいは持っていても良いのかなと感じてはいます。

1. No Strings Attached / 小曽根真 THE TRIO
2. Aquarela Do Brazil - Nega Do Cabelo Duro / Elis Regina
3. Luiza / Antônio Carlos Jobim
4. A Time For Love / Bill Evans
5. In A Mellow Tone / Jimmy Smith
6. Words Can't Describe / Sarah Vaughan
7. Madame Toulouse / Michael Brecker
8. Love Castle / Chick Corea
9. P'ra Machucar Meu Coracao / Stan Getz & João Gilberto
10. Borzeguim / Antônio Carlos Jobim
11. Vakse / Bill Evans
12. It's Impossible / Oscar Peterson
13. Unforgettable / Oscar Peterson
14. Midnight Mood / Wes Montgomery
15. Dear Oscar / 小曽根真 THE TRIO





muu music webzine