久しぶりに聴いて思いだしました。これは、1961年録音の Waltz For Debby と 1959年録音の The Ivory Hunters を合わせた2枚組です。単体CDでは Waltz For Debby は altered take が入っている盤が出ているのと、The Ivory Hunters では、オリジナルに加えて Lee Konitz のバンドの2曲、Don Elliott のニューポート・ジャズ・フェスの2曲がボーナス・トラックとして追加されている盤があるようなので、単体で購入するのも「有り」かと思います。
Waitz For Debby のオリジナルは1961年の Village Vanguard でのライブを収録したアルバムで、演奏の合間に、人の声、グラスの音が聞こえる臨場感があります。このライブから11日後の7月6日に、ベースの Scott La Faro(スコット・ラファロ)が交通事故で他界しています。リバーサイドのライブ録音は、スコット・ラファロの生涯で最後の公式な録音となった。リバーサイド・レコードは、この日の演奏のうち、スコットのベース・プレイが目立っているものを Sunday at the Village Vanguard の追悼盤として先行発売し、残りのテイクを本作に収録したとされていますので、これも併せて聴いておきたいところです。The Ivory Hunters のオリジナルは1959年で、同じピアニストの Bob Brookmeyer(ボブ・ブルックマイヤー) との共演です。ブルックマイヤーは、トロンボーンの名手でもあるようですが、このアルバムではピアノを全曲弾いています。
そして2枚目は、ダブル・ピアノの The Ivory Hunters で曲は Honeysuckle Rose から始まります。ピアノが重なるようにコロコロした感じで始まり中々印象的な出だしです。いつものエバンスとは少し違うようで Bob Brookmeyer の味の方が強く出ているのでしょう。きっちりと右左の音が聴き分けられるオーディオで聴くと更に楽しそうです。次いで As Time Goes By です。イントロはメロディーはエバンスで伴奏はブルックマイヤーでしょうか。静かに進行しながらお互いのことをフォローしながら絡んでいくピアノも良いものです。1曲目よりバンド感があります。The Way You Look Tonight は、きっちりとスイングします。たまに割れ気味になるピアノの音の録音レベルが少し気になりますがリズム楽器でもあるピアノって感じで楽しい演奏です。It Could Happen To You 良い曲ですね。イントロから Pacy Heath のベースが頑張ってて、どんな展開になるのかと思ったらいつものフレーズでホッとする展開です。The Man I Love は少し重い感じで始まり、ピアノで何かを語りかけられているかのようなイントロ、そして舞台の場面が変わるかのようにクルクルと展開される曲がトリッキーで面白い。最後は I Got Rhythm で締めです。好きなようにセッションしている感じが良いですね。
1枚目は正座して心して聴く感じで、2枚目は酒でも飲みながら楽しく聴く感じでしょうか。この2枚がカップリングされた意図はよくわかりませんが対比としては面白いかったですね🎵
【Disc1 / Waitz For Debby】
piano : Bill Evans
bass : Scott La Faro
drum : Paul Motian
1. My Foolish Heart
2. Waltz For Debby
3. Detour Ahead
4. My Romance
5. Some Other Time
6. Milestones
【Disc2 / The Ivory Hunters】
piano : Bill Evans
piano : Bob Brookmeyer
bass : Pacy Heath
drum : Connie Kay
1. Honeysuckle Rose
2. As Time Goes By
3. The Way You Look Tonight
4. It Could Happen To You
5. The Man I Love
6. I Got Rhythm
▶ Waltz For Debby
▶ My Romance
▶ As Time Goes By