2024年12月7日土曜日

O'Donel Levy / Everything I Do Gonna Be Funky

 

 レーベルの Groove Merchant(グルーヴ・マーチャント)が誇るジャズ・ファンク・ギタリスト、O'Donel Levy(オドネル・リーヴィ)の1974年のアルバムです。Groove Merchant は、名プロデューサーの Sonny Lester が Pickwick Records から独立派生したアメリカの Jazz, R&B のレーベルで、Chick Corea, O'Donel Levy, Buddy Rich, Jimmy McGriff, Lonnie Smith, Lionel Hampton などリリースをしていました。このアルバムでもプロデューサーを努めています。
 この盤は一回聴いていた形跡はあるものの、完全に存在を忘れていたアルバムでCD棚を整理していて発見しました。帯に”サンボーン入りのホーンセクション”とのことが書いてあるので、それを見てタワレコかなんかで購入したんだと思いますが、強烈インパクトのお尻ジャケットなので、ジャケ買いして忘れていた可能性もあるかと思います。
 発見してから、いつもの音楽好きの集う「おでんバー」でかけてみたのですが、ジャケットのインパクトからも、ヤジオ達も興味津々で中身も、かなり好評でした。実際、私好みのジャズ・ファンクだったので何故忘れていたのか不思議で、年齢による記憶の劣化も実感も改めて実感します。
 余談ですが、これを聴いていて一番盛り上がったのは、6曲目の Willow Weep For Me で、完全にR&Bのアレンジだったのですが、マスターが、これってあのスタンダードだよね。とボソっと一言。いや違うだろうとトミ・フラの曲をかけて検証してみると、やっぱり、あのジャズ・スタンダードと一緒です。ただ曲の雰囲気があまりにもジャズのトミフラとは違う。他にも改めて聴いてみようとモンク、レッド・ガーランドなどの名演を聴き直し、エラ、ビリー・ホリデイ、ニーナ・シモンなども聴きながら、彼女たちの若いころの歌声に酔いしれました。しかし、やはりこの O'Donel Levy のR&Bバージョンでジャズ・ブルースではないところがいちばん特徴的でした。たまに行う「My Way大会」より個性的な演奏は無かったものの大いに盛り上がりました。今後も「柳大会」は行われるかもしれません。(邦題は「柳よ泣いておくれ」ですから)


 それではレビューしていきます。Everything I Do Gonna Be Funky タイトル曲を頭に持ってきて最初から印象つけるタイプですね。ご本人作曲の、サイケな感じのするファンクでオルガンとホーン部隊で色付けです。曲の最後の方で、サンボーンがあの音でソロを取っていますが、はじまったところでフェイドアウトは短くて残念。Marbles これも1曲目と違った意味でサイケなインスト・ファンクで、キーボードとファズを効かせたギターで延々と単音のリフを繰り返し、シンセ・ソロ、かき鳴らし系の音符詰め込み系のギターソロです。写真から見るにフルアコのギターですから、これだけエフェクトかけるとハウリングなどが凄いはずだなと思いながら拝聴。Will It Go Round in Circles は、速めのソウルナンバーでいかつい男たちのコーラスが入ったボーカルがカッコ良い。ここでも、かき鳴らし系の音符詰め込み系のギターソロが長尺で展開で、なるほど、これがこの人のお家芸かと理解です。Living for the City ガット・ギャングにありそうな展開でスティービー・ワンダーの曲のインスト・ファンクです。ここでも大袈裟なエフェクトのギターが延々と鳴り続けて、中毒性がある音であると認識。Sideshow イントロはキーボードで Three Dog Night の Show Must Go On ですね。Blue Magic もやってたスイート・ソウルのインストです。聴き直したら Blue Magicでもイントロの最後にホルンで Three Dog Night の Show Must Go On が挿入されています。なるほど。聴きどころありますね。Willow Weep for Me ド演歌のようなリズム・アンド・ブルースになっているので気づきませんでした。前述のジャズでもおなじみの曲です。このアルバムの中では異色の曲なっていますが、かなりしっくりと歌いこまれていますので、ライブとかの定番曲っぽいですね。Hey, Love! この時代に、ありがちなB級ソウル曲です。このB級加減はかなり私のツボでもあり、やはりこのアルバムは楽しいです。何故忘れていたんだろう?最後は Are You Foolin Me で、これもオリジナルです。複雑にオジサン達の野太いボーカルが絡み合うソウルで、意外と凝った曲作りを感じます。最後はエフェクトは無しですが、音符詰め込み系のギターソロは健在で適度に「ださい」のが最高でした。
 忘れては、いましたが愛聴盤に昇格が決定です🎶🎸


guitar, vocals : O'Donel Levy
keyboards, synthesizer : Charles Covington
drums : Hugh Walker
vocals, percussion : Judd Watkins

producer : Sonney Lester
photography by (front cover) : Manny Gonzales
photography by (back cover) : Marc Hauser
design (cover) : David Lartaud

1. Everything I Do Gonna Be Funky (O'Donel Levy)
guitar : George Davis
percussion : James H. Madison, Ralph MacDonald
sax : David William Sanborn, Joseph Temperley
trombone : Michael Gibson
trumpet : Lewis M. Soloff
arranged by Dave Matthews
2. Marbles (O'Donel Levy)
3. Will It Go Round In Circles (Billy Preston, Bruce Fisher)
guitar : George Davis
Percussion : James H. Madison, Ralph MacDonald
Saxophone : David William Sanborn, Joseph Temperley
trombone : Michael Gibson
trumpet : Lewis M. Soloff
arranged by Dave Matthews
4. Livin' For The City (Stevie Wonder)
5. Sideshow (Bob Eli, V. Barrett)
6. Willow Weep For Me (Ann Ronell)
7. Hey, Love! (O'Donel Levy)
8. Are You Foolin Me  (O'Donel Levy)





  

2024年12月6日金曜日

Norah Jones / Come Away With Me


 「第45回グラミー賞」8部門に輝いたこともあり、2002年度を代表する作品となった本作は、音楽関係の雑誌では特集だらけだったので気になって新品購入したものです。初聴きではカントリー・ミュージックを強めに感じ、ポップでもあるためジャズでのジャンル分けに違和感がありますが、幅広い音楽的な素養とゆったり感が心地よいし、スモーキーな歌声が魅力的で年季の入ったシンガーのようにも聞こえ、22歳デビュー作にして大物を感じました。
 父はインドで最も有名な音楽家でビートルズにも影響を与えたシタール奏者の Ravi Shankar(ラヴィ・シャンカル)で、異母妹はイギリス人シタール奏者の Anoushka Shankar(アヌーシュカ・シャンカル)と音楽系家族を持つジャズ・シンガー、ピアニストで女優もされているらしい。


 それでは、今やひと昔前の懐かしいアルバムとなってしまった Come Away With Me をレビューしていきます。トップは、まるで昔からのポピュラーソングのような Don’t Know Why で、どこか懐かしい響きを持つ曲です。作曲は、メンバーの Jesse Harris です。ブラシで演奏される細やかなリズムと、アコースティックギター、ウッドベース、ピアノも歌の伴奏に添えるようにガラスのように繊細な響きです。一番心に残る曲かもしれません。このアルバムの発売は2002年2月26日であり、2001年 9・11テロの半年後です。全世界が衝撃と悲しみを未だひきづっているころに、この曲を耳にして涙した人は多いかと思います。またこの曲を聴くとそんなことを思い出してしまう人も多いのではないでしょうか。次の Seven Years は、メンバーの Lee Alexander が作曲の暖かみのある楽曲で、Kevin Breit のアコースティックギターが心地よいです。ノラの小さな曲を手に包み込むように静かな歌もしんみりときます。Cold Cold Heart は カントリー歌手の Hank Williams が1951年にリリースのカバーです。ここではのアレンジではジャズになっていて静かでムーディーなサウンドです。Feelin' the Same Way では、がらりと変えてポップでカントリーになり、しんみり気分から楽しい気分に少し上げてくれます。Come Away with Me は、ノラ本人にによる作詞・作曲のバラードです。Come away with me, in the night Come away with me And I will write you a song Come away with me, on a bus  And I wanna walk with you On a cloudy day In fields where the yellow grass grows knee-high So won't you try to come とかすれ気味にささやきながら歌うノラに、これも心動かされます。Shoot the Moon は1曲目の Don't Know Why を作曲したJesse Harris の2曲目で、優しく流れるようなメロディーラインです。Turn Me On は、3曲目となるカバー曲で、1961年の John D. Loudermilk の楽曲です。ノラはゆったりと力強い歌い方に変えています。なんとなく耳覚えもあるのが嬉しいですね。Lonestar はメンバーの Lee Alexander)が作曲したカントリーナンバーです。こういった曲を聴くとザ・アメリカを感じます。I've Got To See You Again は、これまでとは違うバイオリンを入れた時代を感じさせるサウンドで、また歌い方を変えています。Painter Song はメンバーの Lee Alexander に JC Hopkins が作曲に参加しています。オールド・ラグ調の楽曲で、ライブハウスで椅子に腰かけながら歌いかけてくるような近い感じが魅力です。これも素敵な曲ですね。One Flight Down は、とても暖かいサウンドで、これも親しみやすいキャッチーなメロディーで好みです。Nightingale は、ポップなフォークです。広がりのあるサウンドで、また違う魅力をこのアルバムに与えています。The Long Day Is Over は、このアルバム唯一の Jesse Harris, Norah Jones の共作です。ゆったりしたバラードで、ノラのボーカルの深さを表現できる曲になっています。噛みしめるように歌うノラが居ます。ラストは The Nearness of You で 1940年のHoagy Carmichael, Ned Washington のカバーのジャズ・ブルースです。ノラの弾き語りスタイルでの演奏で、雰囲気がとても良い。
 ノラのファンでは無かったけど、このアルバムは改めて聴き直して素晴らしい出来です。聴きながらオジサンがしんみりするのも、そうそうは有りません。一気に格上げですね。今日これを持って、音楽好きの集う「おでんバー」へ突撃します🎶

vocals : Norah Jones
piano : Norah Jones (1, 3, 5 to 7, 9 to 14)
electric piano : Norah Jones (4)
acoustic guitar : Adam Levy ( 8, 10), Jesse Harris (1, 5, 6, 9, 11 to 13), Kevin Breit (2, 4), Tony Scherr ( 8)
electric guitar : Adam Levy (3, 5, 6, 9, 11, 12), Bill Frisell (13), Jesse Harris (1), Kevin Breit ( 4, 13)
guitar : Adam Rogers(7)
resonator guitar : Kevin Breit ( 2)
slide guitar : Tony Scherr ( 8)
organ : Sam Yahel (6, 7, 11)
organ : Rob Burger (8)
bass : Lee Alexander (1 to 13)
drums : Brian Blade (2, 4, 6, 8 to 10, 12), Dan Rieser (1, 5, 7, 11), Kenny Wollesen (13)
percussion : Brian Blade ( 2, 9)
accordion : Rob Burger (10)
violin : Jenny Scheinman (9, 11)

producer : Arif Mardin (1, 3, 5 to 12, 14)
recorded at Sorcerer Sound, New York City and Allaire Studios, Shokan, NY.

1. Don't Know Why (Jesse Harris)
2. Seven Years (Lee Alexander)
3. Cold Cold Heart (Hank Williams)
4. Feeling The Same Way (Lee Alexander)
5. Come Away With Me (Norah Jones)
6. Shoot The Moon (Jesse Harris)
7. Turn Me On (J.D. Loudermilk)
8. Lonesutar (Lee Alexander)
9. I've Got To Se You Again (Jesse Harris)
10. Painter Song (Lee Alexander)
11. One Flight Down (J.C. Hopkins, Lee Alexander)
12. Nightingale (Jesse Harris)
13. The Long Day Is Over (Jesse Harris, Norah Jones)
14. The Nearness Of You (Hoagy Carmichael, Ned Washington)





  

2024年12月1日日曜日

Funkadelic / Free Your Mind And Your Ass Will Follow



 1970年の Funkadelic (ファンカデリック) 名義のセカンド・アルバム。Funkadelic と Parliament の名義の違いはユニットで使い分けているのかと思っていたら、レコード契約の名義の問題が最初にあったようで、The Paliaments で1958年から1969年まで活動。そのバックバンドの Funkadelic は1970年から活動開始、同時に The と s を削除してのPaliament での活動が始まっているようです。ビリー、エディー、ティキ、タル、バーニーで一般的に「オリジナル・ファンカデリック」と呼ばれている黄金の創成期メンバーで、この録音はその録音となっています。

 

 このアルバムは、とにかくEddie Hazel(エディ・ヘイゼル)のギターが主役でサイケでロック色が強くてぶっ飛んでいます。オープニングから10分以上のアルバム・タイトル曲で始まります。サウンドはロックですが、ここら辺はファンクですね。
 ただタイトルが何やらやばそうなので訳を探してみたら、MIND YOUさんと言う方のブログでうまいこと訳してるのがありましたんで紹介します。題名はふざけていますが、中身はん?シリアスだぞ。
「My Beautiful Song Of Universe 瞑想で宇宙へ」
Free your mind and your ass will follow
The kingdom of heaven is within
己の精神を解放しろ、そしたら自ずと後から付いてくるもんさ
天の王国が内包されているのだ
 Friday Night, August 14th これはセッションの日のことなのか?と思ったら
Friday night, August the 14th
Old lady luck smiled down on me
My income tax return came through
I put old 47
I know that I probably should not
Matter of fact I probably could not
Buy all the good times meant for me

But then, Friday night, gonna be a memory
You know that the whole wide world will remember me, yeah
You find a little pussycat to come and see
Then I close my eyes and I'm free?
I know that I probably should not
Matter of fact I probably could not
Buy all the good times meant for me
Friday night, August the 14th
47歳で女性が退職して所得税の還付があった。馬鹿なことをしたもんだ。金曜日の晩に楽しい時間を全てを買うって何を買うんでしょうか。経済批判とも思われますが、いかれた物を買ったらいかんよにも聞こえる。3曲目 Funky Dollar Bill はジミヘンのギター好き人間にとっては聴きなれたリフです。Funky dollar bill, U.S. dollar bill ドルはいかれてる。愛、人生、そしてヤク中がドル紙幣で命を落とす。ドルは戦争を買うと、アメリカ経済の批判ですね。I Wanna Know If It's Good To You サイケなムードです。女性ボーカルですが、いいことかどうかわからないけどお前も気持ちいいだろって今度はエロ系ネタです。Some More はブルースですか。何をしゃべってるか、わからんぐらいにボーカルにエフェクトかかってます。この歌はどうやら人生の苦悩について Eulogy And Light 金のことばっかり考えてるって、ずっと朗読してるんですがスタイルは Gilbert Scott-Heron の朗読ジャズです。


 Free your mind and ass will follow は、相変わらずふざけたネーミングですが、中身はアメリカ経済に対する批判のようで、ふざけてばかりいるのでは無いようです。
 それにしてもいつもの Funkadelic のイラストではなくジャケがカッコ良いですね。とにかく刺激の欲しい人には、ファンカデリックを聴いて耳から精神を開放してもらいたい🎶

vocals : Calvin Simon, Fuzzy Haskins, George Clinton, Grady Thomas, Ray Davis
keyboards : Bernie Worrell
lead guitar : Eddie Hazel
rhythm guitar : Tawl Ross
bass : Billy Nelson
drums : Tiki Fulwood

executive producer : Armen Boladian
producer : George Clinton

1. Free Your Mind And Your Ass Will Follow (E. Hazel, G. Clinton, R. Davis)
2. Friday Night, August 14th (B. Nelson, E. Hazel, G. Clinton)
3. Funky Dollar Bill (E. Hazel, G. Clinton, R. Davis)
4. I Wanna Know If It's Good To You (B. Nelson, E. Hazel, C. Haskins, G. Clinton)
5. Some More (E. Harris, G. Clinton)
6. Eulogy And Light (E. Harris)



  

2024年11月30日土曜日

Miles Davis / Double Image


 1969年のライブなのに何故かジャケットにはデカデカとMONOの印刷、音質は最悪と思っていましたが、ずっと聴いていると気にならなくなります。1969年 10月27日イタリアのミラノ公演の録音と記載があります。MONOの理由は、発売は1998年で2枚組ブート盤からの格上げの一枚とのことですね。もう一枚のほうは Gemini です。Gemini と同様、プロデューサーの名前がクレジットされておらず、Original Recording by Joker Tonverlag Ag とあるので、この人がライブ会場で録音したものと思われます。また、Gemini でもライブ録音は1969年11月3日パリとではなく、1969年10月27日のローマコンサートであるのが真実のようであると書きましたが、このアルバムでも記載はイタリアのミラノとなっていますので、いやはや何がホントなのかよくわかりません。何しろ元はブート・レグなのでしょうがない。ただ1969年のヨーロッパ・ツアーのどこかであるかは間違いない感じです。
 またアルバムのジャケットの写真は Gemini と同じものが使われていて、警官に取り押さえられる若者が写っています。1969年のライブであることからすると1968年のチェコスロバキアの変革運動「プラハの春」とかをオマージュするものなのか、と発売元の NIPPON CROWN Co. Ltd のディレクターの意図も気になります。


 さて中身ですが Gemini と同様に1曲表示のノンストップです。サイド・メンのみのフリーで始まって、'Round About Midnight ~ Masqualero と書いてあるのですが、フリー部分から 'Round About Midnight に到達するまで9分以上かかり、明確なテーマの演奏ではなく派生したテーマのイメージ、そこからフリーのようなインプロ合戦になり、Masqualero も似たような形での演奏となります。私もフリージャズにも最近耐性が出来てはきたので演奏を聴くこと自体にストレスはありませんが、36分21秒を緊張して聴きとおせるほどの集中力はありませんので、何回か聴いた後で、世の中に出ている情報を頼りに変わり目を確認して、ああそうかと曲を認識できる聴き方しかできません。あと、ベッドで横になりながら流していると最後まで到達する前に寝てしまい、最後まで到達できません。
 フリージャズとは、音階を楽しむよりは、音の持つ熱量を感じるものと私は思っているので、私的にはこんな聴き方で十分かと思います。
 ネットで見ていると、曲ごとに分けて発売すれば良かったのにみたいな意見を見ましたが、そもそも曲が分かれている訳でなくインプロの途中の指標的なもの、もしくは裏テーマみたいなものかと思うので曲ごとに分けてって発想はナンセンスかと思います。またライナーノーツで 成田 正 なる方が「単に曲間が無い連続演奏でなく、しっかりと構成されながらも、きわめて柔軟な展開になっているのだから、そのスリルも完成度も抜群だ」と解説されている部分があります。その場は見ていませんが、マイルスは相変わらずメンバーにゼスチャーで指示はしているんでしょうが、私には再現性のある音楽になるようにマイルスが指示をしていると勘違いしているような書きっぷりに、全く理解できないと読みながら思いました。まあ音楽は、聴き手の感性と理解力、その時によって聴こえ方もかわるものでありますから、それも一つのご意見として・・・・理解しようとは思えないですね。
 演奏以外にも色々な角度から楽しめるものであることは間違いない🎶🎺

trimpet : Miles Davis
tenor sax , soprano sax : Wayne Shorter
keyboad : Chick Corea
bass : Dave Holland
drums : Jack DeJohnette

recorded live in Milan, October 27, 1969.

1. Double Image
Free Improvisation ~ 'Round About Midnight ~ Masqualero



  

2024年11月29日金曜日

秋吉敏子 / DIG

 

 
 いつもの「おでんバー」に行くと、NHKのラジオ番組がジャズ・トゥナイトがかかっていることがあります。番組の案内役は、音楽家の大友良英氏でホントにほれ込んでいるアーチストの音楽をかけている時は、明らかに言葉の勢いと量が違ってまた熱量が半端なく面白く聞かせていただいております。
 その「おでんバー」である日かけていたジャズ・トゥナイト。2021年4月24日放送分では日本人のジャズ・ピアニスト秋吉敏子の特集でした。秋吉敏子は名前は聞いたことがありましたが、大友良英氏の推薦版だけあって中々の濃い内容でありました。1929年の満州生まれのピアニストで、小学校からピアノを習い始め1950年代から活躍されていたピアニストとかの解説はマスターから聞き、かかっていた曲は非常にモダンで繊細なタッチのピアノでスイング感がありながらも随所にクラシックっぽい素養がある知的な演奏であることがインプットされて、後半は日本の民謡とのコラボ作品では日曜の「題名のない音楽会」でよくこういうのあるよねとか言いながら聴いておりました。
 そして、いつも「おでんバー」に行く前に、ジャズの品揃えはほぼ壊滅状態の中古ショップで秋吉敏子を発見してしまいました。先週初めて聞いたところでこれは「縁」であると買わせていただいたのが本アルバム。


 パッケージを開けて聴き始めると、録音は1993年なので晩年の作品にも関わらず流れるような手さばきのピアノで、バンドアンサンブルは正統派を聴いてとれるトランペット、テナーの2本のフロントラインに3リズムの典型的な編成コンボによるビ・バップです。かっこ良いのは素晴らしいのですが、1993年での録音ということは、1923年生まれの彼女が、お幾つであるのかを考えると「時が止まっているんじゃないか」などと、マスターと談笑しながら楽しく聞かせていただきました。しかし2018年のライブを収録したアルバムで、2019年時点で90歳でなお現役活動を続けられていることを知り更に驚きです。このアルバムの1993年なんて驚くに値するものでもなかった訳です。
 タイトル曲のマイルスの DIG は、こなれたピアノソロ以降はトランペットとテナー、ドラムのフォーバースです。スリリングですがどこに飛んで行ってしまうかのようなことはなく安定感抜群。その他、JJジョンソンのバラード Lament 。Lazy Day、Haliquin、Uptown Stroll は秋吉敏子のオリジナルです。インターネット・ラジオで知ってからのご縁ですがこうやって知って感じることができるのも、また楽しいものです。
 Wiki では本名の表記は「龝吉 敏子」と難しい漢字のほうでした。それとライナーノーツには、あえて御年は記載されていなかったですね。娘さんもミュージシャンの「Monday満ちる」も忘れてはいかんです🎶🎹



piano : Toshiko Akiyoshi
bass : Peter Washington
drums : Kenny Washington
tenor sax : Walt Weiskopf
trumpet : Conte Candoli

producer : Tetsuya Iwasaki
recorded at Sound On Sound Recording Inc. on March 22nd, 23rd & 24th 1993.

1. Dig (M.Davis)
2. Lament (J.J.Johnson)
3. Lazy Day (T.Akiyoshi)
4. Haliquin Tears (T.Akiyoshi)
5. Uptown Stroll (T.Akiyoshi)
6. Morning Of The Carnival (L.Bonfa)
7. La Mucura (Cuban Traditional)


2024年11月24日日曜日

Blind Boy Fuller / East Coast Piedmont Style

 

 1991年に Columbia から発売されたアルバムで、1935年にBlind Boy Fuller が Reverend Gary Davis とニューヨークに録音旅行に行った時に4日間で12曲録音したもののうち11曲と、その後4年間で録音したセッション9曲で構成されたアルバムです。
 なので、Blind Gary Davis 名義でありますが、Reverend Gary Davis との共演アルバムでもあり勉強用の音源でもあります。Blind Boy Fuller は、内田十紀夫のブルース教則本で知ったブルースマンで、曲はさんざん聴いてギターでも弾いていましたが、原曲を聴いたのはに出会ったのは、このアルバムが実は初めてです。
 戦前ブルースの多くは、独特の小節構成のため、ストレートに理解しにくい曲が多いので Reverend Gary Davis なんかも、ずっと聴いていると正直かなり飽きがきます。しかしReverend Gary Davis からギターの手ほどきを受けたとのことでなるほどその影響を感じますが、師匠よりもはるかに聴きやすいです。
 人物紹介が前後しますが、ブラインド・ボーイ・フラーは本名はフルトン・アレンで、1907年の生まれ。1925年に14歳の女性と知り合い結婚し、その後に目が悪くなりだして
1929年に視力が失われ失業して生活のために歌い始めたとのこと。
 ギターの音は安っぽくはないけど、普通のアコースティックと音が違います。昔のブルースアルバムによくある、安っぽい鉄弦の使用のせいか?と思っていたら、ジャケット写真にもあるナショナルのスチール・ボディのギターを使用しているとのことでした。
 アルバム・タイトルの「East Coast Piedmont Style」で Piedmont とは、アメリカの南東部バージニア州からノースカロライナ州、ジョージア州にまたがる地域を指しています。
産業は農業が主体で赤土の土壌で割と貧乏な土地柄とのことですが、お国柄(地域柄)のせいか、明るい曲調ではなんか幸せそうな感じがするのが、 East Coast Piedmont Style のようです。デルタ・ブルースと比較して軽く明るいノリの曲が多いようですね。
 気になったのは Rag, Mama, Rag で、The Band に同名の曲が2曲目にあるのですがRobbie Robertson のオリジナルとされていたので、ホントか?と思いながら両方を聴き直してみました。ほぼ同じ名前の違う曲であるもので間違いないようです。あとは10曲目の Sweet Honey Hole は子供の教育に悪いオジサン向けですね。昔のブルースにはよくあるパターンですが、かなり直接的です。あと Big Leg Woman Gets My Pay の My hook's in the water and my cork's on top がよくわかりません。おそらく下品なヤツかとはおみますが、脈絡としては〇春宿でボッタクられた的な感じなのかとは思いますが気になります。
 勉強用のアルバムでもあり20曲は収録曲は、聞き飽きるタイプのCDですので、全曲レビューはやめときます🎶🎸

vocals, guitar : Blind Boy Fuller

1. Rag, Mama, Rag
guitar : Blind Gary Davis
washboard : Bull City Red
2. Baby You Gotta Change Your Mind
guitar: Blind Gary Davis
washboard : Bull City Red
3. My Brown Skin Sugar Plum
4. I'm A Rattlesnakin' Daddy
guitar : unknown
5. I'm Climbin' On Top Of The Hill
guitar : Unknown Artist
6. Baby, I Don't Have To Worry ('Cause That Stuff Is Here)
7. Looking For My Woman
8. Ain't It A Cryin' Shame?
9. Walking My Troubles Away
10. Sweet Honey Hole
washboard : Bull City Red
11. Somebody's Been Playing With That Thing
12. Log Cabin Blues
13. Keep Away From My Woman
14. Cat Man Blues
15. Untrue Blues
washboard : Bull City Red
16. Black And Tan
17. Big Leg Woman Gets My Pay
washboard : Oh Red
18. You've Got Something There
washboard : Oh Red
19. I'm A Stranger Here
harmonica : Sonny Terry
20. Evil Hearted Woman





  

2024年11月23日土曜日

Erroll Garner / Plays Misty

 

 今や世界中の人に愛されるスタンダード Misty の初演が収録されているアルバムです。この曲は Erroll Garner(エロル・ガーナー)によって1954年に作曲されました。飛行機で移動中に唐突に魅力的なメロディが浮かんで、楽譜が書けなかったために、忘れないように反復してホテルにタクシーで急行し、テープ・レコーダーに録音した曲と言われています。曲名は本人ではなく友人から「霧のようにぼんやりとしている」と名付けられたそうで、確かに強力なメロディーでは無いのですが、なんとなく頭に残るのがこの曲の良いところかもしれないです。
 このアルバムの初演では最初の8小節はオクターブでテーマが弾かれ、左手は4拍刻みのコード伴奏。続く8小節では合間にごく簡単なフェイクが挿入され、サビの前でやっとアルペジオが挿入される。サビの後半も基本的にはテーマの演奏でストップ・タイムを使用しながらエンディングとなりアドリブの部分はありません。名演というよりはエロル・ガーナーの記憶に留めるための小作品のような録音ですが、アルバムタイトルであり1曲目に冠されています。
 藤本史昭氏の、ライナーノーツによると、彼は「芸術家としてのジャズピアノ」の評価は眼中になく「ジャズはエンターテイメントである」という信念であったとのことが書いてあり、聞く人が楽しければ良いという観点からすれば Misty は楽曲の素晴らしさだけ伝えられれば曲の形式や評論家に評価されるアドリブなんかはなくても別に構わなかったのかと考えましたが、他の曲もこの時代の録音だけにほぼ全曲が約3分にまとめられております。つまりは Misty はテーマがスローテンポのバラードで長かったのでアドリブを入れる時間がなかった方が正解のような気もします。


 このアルバムを購入してから、初めて封を開けて聴いたのは、やはりいつもの「おでんバー」です。今日はこれを聴こうと思って持っていったら、あまり見慣れないお客さんが4人ほど、おられました。近くのライブ・ハウスでのライブ終了後の打ち上げを終わったメンバーさんたちが盛り上がって、店の曲のリクエストはチャーリー・パーカー大会となっていました。それなりに、こちらも楽しんで聞いていましたが、かなり長い間チャーリー・パーカーだったので、こちらもソロソロ飽きてきたなと思い、持ってきた、このアルバムをかけると静かになって皆さん退散されました。ただ単に購入してきた「Misty」の原曲を聴きたかっただけなんで、実は他意はなかったのですが、他の常連さんには「やり手の撃退手法でしたね」と褒められてしまいました。皆さん飽きてたけどメンバーさんに遠慮して言えなかったようです。
 しかしその後の「おでんバー」常連さんのエロル・ガーナーの評価も、大げさな装飾音の多い表現でアドリブに面白みがないなどの評価で散々ではありました。その時にはジャズを聴きこんだ人の評価はそんなもんかなあと軽く受け止めながら何回か聴きなおしてこれを書いています。ライナーノーツにもあるように、改めて聴くと先ほど書いた3分にまとめらている楽曲が中心なのですから、起承転結のある長いアドリブが入れられるわけもなく、楽曲のテーマを効果的に客に印象付ける要素として、ビハインド・ザ・ビートや、装飾の多用やトレモロ、タイミングをずらす奏法などは基本的にわかりやすくて効果的な手法だったと思っています。したがって常連さんの言われることも納得。あとは好みの問題です。
 さてMistyにばかり光が当てられて、その他の曲はおそらく忘れ去られていることも多いかと思われるこのアルバムを再度聴き直してレビューしてみます。が、Misty さんざんレビューを書きましたが一点。とても録音状態が悪いです。Exactly Like You ブロードウェイ・ミュージカル Lew Leslie's International Revue の曲で、ベニー・グッドマンのRCAの録音で有名になった曲で、同ミュージカルでは On the Sunny Side of the Steet の方が有名なジャズ・スタンダードになっています。Erroll Garner はソツなく3分16秒にまとめていて目立ちませんが悪くない。You Are My Sunshine 中学生の頃に音楽か英語の時間に、この曲を歌って歌詞を暗記した思い出がありますので、思い出のメロディーです。暴力的ではありますがとても明るく饒舌な演奏になっています。What Is This Thing Called Love これも非常にアタックが強い音色です。ギターが入っているのかと思いきやピアノで、4ツを強力に刻んでいます。なるほど特徴的です。Frantonality このアルバムで2曲入っている Erroll Garner のオリジナルのうちの2曲目です。スリム・ゲイラードの演奏で Flat Food Floogie という曲名で聴いたものと同じメロディのテーマです。The Groove Juice Special と言うアルバムやビデオ memphis slim with Paul Jones + Slim Gaillard にも収録されています。歌詞を付け直して、違う曲名にしたのか?当時の大道芸的なミュージシャンでは、こんなコメディ的メロディも受けていたのかとか想像しています。うーんどちらが先なのか?Again バラードで Lionel Newman1948年に20世紀Fox映画の Road House の主題歌として作曲したものです。大袈裟にコードをビロビロとつけているので、うるさい人には下品と言われそうな弾き方ではありますが、わかりやすくて良いのではとも思えます。とにかく左手のコードのつけ方が直線的な人のようです。Where Or When これもピアノのタッチが直線的でゴツゴツとしてわかりやすいですね。コードの4ツ刻みは相変わらずギター的です。Love In Bloom 1934年のコメディ映画 She Loves Me Not の挿入歌とのことですが、非常に楽しい曲です。Erroll Garner のピアノ・タッチにぴったりです。Through A Long And Sleepless Night 繊細な曲は、この人には似合わないかと思いきや、男性的に弾かれても心動かす女性は当時多かったのかと思わせる、このアルバムの流れではジゴロ的に思える曲です。That Old Feeling 一風変わった楽曲で、力強すぎの強力タッチで大満足の〆です。
 他人の評価は気にせず、私的には Misty に満足しています。Through A Long And Sleepless Night 以外は3分以内の昔のレコードの楽曲形式です。でもガレスピの3分連続攻撃の20曲オムニバスは飽きますが、こちらは飽きないよなあとか、結構楽しみながら聴けて再度聴いたら好感度アップです🎶🎹

piano : Erroll Garner
bass : Wyatt Ruther
drums : Eugene ‘Fats’ Smith

recorded 1954

1. Misty (Erroll Garner)
2. Exactly Like You (Jimmy McHugh & Dorothy Fields)
3. You Are My Sunshine (Charles Mitchell, Jimmie Davis)
4. What Is This Thing Called Love (Cole Porter)
5. Frantonality (Erroll Garner)
6. Again (Dorcas Cochran, Lionel Newman)
7. Where Or When (Richard Rodgers & Lorenz Hart)
8. Love In Bloom (Leo Robin, Ralph Rainger)
9. Through A Long And Sleepless Night (Alfred Newman, Mack Gordon)
10. That Old Feeling (Lew Brown, Sammy Fain)

Misty




  

2024年11月22日金曜日

Larkin Poe / Peach

 

 私がこのバンドを知ったのは youTube の動画が最初で、2020年のはじめの頃でした。特に気にいたのは Preachin' Blues で、繰り返し聴いていたところ、12月に新宿タワレコを訪れたところ、なんと Larkin Poe のコーナーが出来ていたので購入となりました。
 この二人は、ジョージア州アトランタ出身で、現在はナッシュビルを活動拠点とする姉妹のブルース・ロック・バンドで、姉妹の名前は
 【Rebecca Lovell】lead vocals, electric guitar, acoustic guitar, mandolin, banjo, violin, piano; drum programming, bass and arrangements

 【Megan Lovell】 harmony vocals, lap steel, Dobro

 いとこの祖父である Edgar Allan Poe に、ちなんでの Larkin Poe のバンド名で、アルバム名の Peach は出身がジョージアの名産のピーチであることからで、アトランタは古くはStanding Peach Tree と呼ばれネイティブ・アメリカンの村もあったそうです。この姉妹の活動履歴は長く、2005年にはブルーグラス系バンド The Lovell Sisters を3姉妹で結成し、いったん解散し、2010年に Larkin Poe として活動再開し、その後5枚のEPと2枚の共同制作盤を出し2013年に RH Music と契約し、初アルバム「KIN」を発表。そして2016年Reskinned、2017年で、この Peach の発売となった訳で、堂々たる演奏からも既にベテランの域を感じます。


 購入したのは日曜で、その帰りには行きつけの音楽好きの集う「おでんバー」で直ぐに聴きました。ファンの前で酷評はしにくいと思われますが、それなりに評判は良かったハズです。それでは Larkin Poe / Peach を再度聴きながらのレビューです。Come On In My Kitchen トラディショナル・ブルースで作者不明なヤツですね。メーガンのスチールギターが最高ですし、レベッカの迫力ボーカルは最初から心わしづかみにされます。Freedom オリジナル・ナンバーで、アレンジは少しデジタルな部分を入れてます。映画とかで使われそうなドラマチックな曲です。Black Betty そしてトラディショナル・ブルースに戻ります。このリズムは大好きなヤツです。いかつくて惚れてしまカッコ良さ以外に何もありません。Look Away スローでダークなブルース・ロックです。オリジナルでこれも少しデジタルなアレンジで、ここら辺はブルースマンでありながら現代のポップスも聴きながら育った世代なんだなあと思います。Preachin' Blues そして惚れ込んだサン・ハウスのブルースです。ブルース好きのオジサンにも十分響くカッコ良さで、ライブハウスで聴いたらどうにかなっちゃいそうです。Cast 'Em Out ブルーグラスもやってたので、ここら辺のルーツ・ミュージックのような楽曲もすんなりです。録音とミキシングでボーカルの近さが感じられるのも良いですね。Pink & Red これもオリジナルで、現代的なロックのアレンジになっています。なるほどトラディショナルとオリジナルで意識的にアレンジを変えているのですね。今更わかりました。John The Revelator ジョンは預言者というトラディショナルです。ドロドロした呪術的なイメージが沸く曲ですね。Wanted Woman / AC/DC やはりオリジナルでデジタルなアレンジも入れてます。パンクっぽくもありますね。Tom Devil やはり最後はトラディショナル・ブルースでアルバムは締めくくりです。
 新世代のブルースを感じて、ワクワクと心が躍ります。きっと私のようなひと昔世代のことも理解しつつ、感性に合う曲を彼女たちの表現があり僅かな差でありながら同じようなルーツ・ミュージックのバンドを引き離している感があります。youTube で自分たちをセルフプロモしながらの活動も現代的ですね。オジサンの心も動かされました🎶🎸

Rebecca Lovell
vocals, electric guitar, acoustic guitar, baritone guitar, banjo, keyboards, drums : 
Megan Lovell
vocals, lap steel guitar, slide guitar, keyboards

producer : Megan Lovell, Rebecca Lovell

1. Come On In My Kitchen (Traditional)
2. Freedom (Megan Lovell, Rebecca Lovell)
3. Black Betty (Traditional)
4. Look Away (Megan Lovell, Rebecca Lovell)
5. Preachin' Blues (Son House)
6. Cast 'Em Out (Megan Lovell, Rebecca Lovell)
7. Pink & Red (Megan Lovell, Rebecca Lovell)
8. John The Revelator  (Traditional)
9. Wanted Woman AC/DC (Megan Lovell, Rebecca Lovell)
10. Tom Devil  (Traditional)