1969年のライブなのに、何故かジャケットにはデカデカとMONOの印刷。恥ずかしながら、このレビューを書くまで気づいていませんでした。プロデューサーの名前がクレジットされておらず、Original Recording by Joker Tonverlag Ag とあるので、この人がライブ会場で録音したものか?と、どうやらブートものらしいです。しかし発売元は NIPPON CROWN Co. Ltd なのでブートが正式盤に昇格したものっぽい。ググってみると実はこのライブ録音は1969年11月3日パリではなく、1969年10月27日のローマコンサートであるとかも発見しました。ブート・レグなので、そこらへんは盤への印刷が間違っていることは十分にありうることかと想像はできます。
そして購入して、しばらく家で温めてから、いつもの「おでんバー」で初聴きとなります。Bitches Brew、Agharta なんかは、時折爆音でかける店なので遠慮なしにかけさせて頂きました。何しろ1曲表示45分なので、どんなものか興味津々です。ファンクものかと思っていたら、フリージャズ的な感じで自由な音の流れの中をマイルスや他のメンバーが徘徊しながらその場に応じて演奏していき、フリージャズ、4ビート、8ビートなど多彩な変化を魅せます。この手の音楽は、聴き手の体調や聴くタイミングで印象が変わることが多いとは思いますが、この時には音のエネルギーの発散具合が微妙にかみ合わず、不完全燃焼のような気持ちになってしまいました。マスターは、聴き終わると「なんだろうな、少し暗めだね」とのシンプルな表現でした。すると横で黙って聴いていた常連さんの一人が「いやこれは気に入ったな。貸してくだせえ」とのこと。快く貸出です。返却時もベタ褒めでした。なので再度聴き直してみると、初回に聴いた時よりも中盤の盛り上がりがなど初回の印象よりもエネルギッシュで悪くない感じがするので人間の感性は不思議なものです。
アルバムタイトルの Gemini とはふたご座のこと、またアルバムのジャケットの中には警官に取り押さえられる若者が写っています。1969年のライブであることからすると1968年のチェコスロバキアの変革運動「プラハの春」とかをオマージュするものなのだろうか?ジャケットは数種あるようで、ブートなのでマイルスの意図はここにはないはずですが、制作者の意図も気になります。ライナー・ノーツは一応日本語でついているものの、マイルスの音楽史感についてしか書かれていないのでよくわからないので、どこかで見つけたらこのレビューに書き足そうと思います🎵
trumpet : Miles Davis
tenor/soprano sax : Wayne Shorter
electric piano : Chick Corea
bass : Dave Holland
drums : Jack Dejohnette
recorded live in Paris, Novenber 3, 1969
1. Gemini
Bitches Brew ~ Miles Runs The Voodoo Down ~ Agitation ~ I Fall In Love Too Easil ~ Sanctuary
▶ Gemini
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