2024年11月30日土曜日

Miles Davis / Double Image


 1969年のライブなのに何故かジャケットにはデカデカとMONOの印刷、音質は最悪と思っていましたが、ずっと聴いていると気にならなくなります。1969年 10月27日イタリアのミラノ公演の録音と記載があります。MONOの理由は、発売は1998年で2枚組ブート盤からの格上げの一枚とのことですね。もう一枚のほうは Gemini です。Gemini と同様、プロデューサーの名前がクレジットされておらず、Original Recording by Joker Tonverlag Ag とあるので、この人がライブ会場で録音したものと思われます。また、Gemini でもライブ録音は1969年11月3日パリとではなく、1969年10月27日のローマコンサートであるのが真実のようであると書きましたが、このアルバムでも記載はイタリアのミラノとなっていますので、いやはや何がホントなのかよくわかりません。何しろ元はブート・レグなのでしょうがない。ただ1969年のヨーロッパ・ツアーのどこかであるかは間違いない感じです。
 またアルバムのジャケットの写真は Gemini と同じものが使われていて、警官に取り押さえられる若者が写っています。1969年のライブであることからすると1968年のチェコスロバキアの変革運動「プラハの春」とかをオマージュするものなのか、と発売元の NIPPON CROWN Co. Ltd のディレクターの意図も気になります。


 さて中身ですが Gemini と同様に1曲表示のノンストップです。サイド・メンのみのフリーで始まって、'Round About Midnight ~ Masqualero と書いてあるのですが、フリー部分から 'Round About Midnight に到達するまで9分以上かかり、明確なテーマの演奏ではなく派生したテーマのイメージ、そこからフリーのようなインプロ合戦になり、Masqualero も似たような形での演奏となります。私もフリージャズにも最近耐性が出来てはきたので演奏を聴くこと自体にストレスはありませんが、36分21秒を緊張して聴きとおせるほどの集中力はありませんので、何回か聴いた後で、世の中に出ている情報を頼りに変わり目を確認して、ああそうかと曲を認識できる聴き方しかできません。あと、ベッドで横になりながら流していると最後まで到達する前に寝てしまい、最後まで到達できません。
 フリージャズとは、音階を楽しむよりは、音の持つ熱量を感じるものと私は思っているので、私的にはこんな聴き方で十分かと思います。
 ネットで見ていると、曲ごとに分けて発売すれば良かったのにみたいな意見を見ましたが、そもそも曲が分かれている訳でなくインプロの途中の指標的なもの、もしくは裏テーマみたいなものかと思うので曲ごとに分けてって発想はナンセンスかと思います。またライナーノーツで 成田 正 なる方が「単に曲間が無い連続演奏でなく、しっかりと構成されながらも、きわめて柔軟な展開になっているのだから、そのスリルも完成度も抜群だ」と解説されている部分があります。その場は見ていませんが、マイルスは相変わらずメンバーにゼスチャーで指示はしているんでしょうが、私には再現性のある音楽になるようにマイルスが指示をしていると勘違いしているような書きっぷりに、全く理解できないと読みながら思いました。まあ音楽は、聴き手の感性と理解力、その時によって聴こえ方もかわるものでありますから、それも一つのご意見として・・・・理解しようとは思えないですね。
 演奏以外にも色々な角度から楽しめるものであることは間違いない🎶🎺

trimpet : Miles Davis
tenor sax , soprano sax : Wayne Shorter
keyboad : Chick Corea
bass : Dave Holland
drums : Jack DeJohnette

recorded live in Milan, October 27, 1969.

1. Double Image
Free Improvisation ~ 'Round About Midnight ~ Masqualero



  

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