ラテン・ロックの代名詞のような人ですね。そしてこのギターを聴けば Carlos Santana と誰でもわかるクセの強さで似たような人があまりいない唯一の存在でもあります。ギターを弾く人間としてやはりサンタナは凄い人です。
Santana はバンド名で、メキシコ出身の Carlos Santana をリーダーとして1966年サンフランシスコで結成された Santana Blues Band (サンタナ・ブルース・バンド) が前身で、その後 Santanaと改名して1969年にコロムビア・レコードと契約してウッドストック・フェスティバルに出演したことで一躍有名になり同月のデビュー・アルバム Santana が大ヒットした訳です。本作のタイトルであり、代表曲とも言える Black Magic Woman は1970年の2ndアルバム Abraxas (天の守護神)に収録されていました。
さてRelaxin' ですが、他のアルバムにはないスタジオ内の会話が収録された箇所があります。 そこから伝わる“リラックス”した雰囲気が特徴がアルバム名の元となっているとか、噂はありますが本当かどうかは不明とされています。音量を上げないとわかりませんが確かに If I Were A Bell の前でボソボソ言っていて、私には聞き取れませんでしたが「演奏してみて曲名が何かはあとで言うよ」と言っているらしいです。するとイントロは Red Garland がピアノで学校のチャイムのメロディーを弾き、そこから始まります。全てワンテイクでの一発勝負の録音ということですが、テーマも含めたすべてが即興とは思えないので特定のメンバーにだけ言っているんだとは思いますがどうなんでしょう。続いて You're My Everything ではイントロをシングルトーンで弾き始めた Red Garland をMiles がヒュッと口笛を吹いて止める。 Miles が「ブロック・コードで弾いて」と言うと Red Garland がガツンとピアノを弾き始める。 これはかなりクールな瞬間です。 Woody'n Youでは演奏終了後に「OK?」どうやら誰かがダメ出しをしたようで直ぐに「Why?」。 その後で「・・Beer・・」だけ聞こえるのですがビールの栓抜きはどこだ? とコルトレーンが言っているとのこと。 確かに最後までリラックスした録音のようです。
それではレビユーしていきます。Moai's Tihai リズム的には GWO-KA を取り入れて、楽曲としてはフュージョンのような作品です。少しオーバードライブを聞かせた音色で鋭角的なギター。Flowing 波間を漂っているような揺れるサウンドで、これもフュージョンのようでもあります。Terre このアルバムの音の特徴がよく出てきています。ギターと並行してはカラっとして発音がしっかりとペタペタしている Ka が主役であるように主張しています。
The Elements エレピのイントロが美しい曲で、ジャズ的な面が強くだされた楽曲です。小沼氏の指弾きによるギターが特徴的に和音部分などで表れています。Ka Interlude "Ka" によるパーカッション・ソロで、Ti' Punch に続きます。リズムは6拍子でしょうか。ベースはスラップでリズムと合わさってリズミカルではあるがトリッキーな感じ。それに乗っかって小沼氏のギターが様々な展開をしていきます。続いて Duo Ka は、Ka とオープンチューニングでしょうか、シタールっぽい生ギターによるデュオです。おそらく、ほとんどがアドリブと思いますが息の合った展開が素晴らしい。Dlo Pann は、指弾きによるギターの繊細なタッチで、縦横無尽なギターが展開され、後半ではオーバードライブのかかったギターをかぶせてきてます。 Fellows は小沼氏のソロ・ギターに合わせて、まずは Ka が合わせてきて、ハーモニカの Joe Powers が入ってくるセッション的な曲で、終わりなく延々と演奏を続けるのではないかと思わせてくれます。エンディングはどうするのかと思いきやききっちりと終わりました。 Gradation Part 3 : Heartbeat パート3ですから、パート1、2もあるはず。ライブではやっているのでしょうか。グラデーションというタイトル通り、一つの音が様々に変化するノイズ的な曲で、かなり実験的です。Pourquoi は、フランス語の詩の朗読に曲をつけたのでしょうか。フランス語はさっぱりわかりませんので調べてみると Pourquoi は「なぜ」「だから」の接続詞とあります。とにかくこのアルバムいろんな実験をしています。 Beyond The Sea 緊張感ある曲が続きましたが普通の曲がやってきました。ホッとします。Songe Mwen 締めは Ka をフューチャーしたパットメセニーのような楽曲です。アフリカンなスキャットのボーカルが良い感じで、後半は歌詞も入っていると思います。シャンソン的な響きも感じます。
名作が多すぎて何が何やらわからないアーティスト The Isley Brothers の1973年の18枚目のアルバムで、タイトルは3+3。ギター Ernie Isley、ベース Marvin Isley、ピアノ Chris Jasper が正式にメンバーに加わり、オリジナル・メンバーの O'Kelly Isley、Rudolph Isley、Roland Isley のボーカルと合わせて「3+3」体制となり、バンドとしてもターニング・ポイントとなったアルバムです。
さて、お買い得シリーズの最後のアルバムのレビューをしていきます。That Lady はオリジナルですが、カーティス意識したんだなという曲です。ただ違うのは Ernie のギターソロが長尺のジミヘンギターを弾きまくるのでここら辺はPーFUNK がですね。大好きなパターンですよ。Don't Let Me Be Lonely Tonight 原曲は、James Taylor です。原曲も R&B的な要素も感じられるのですが、ここではゴリゴリのスイート・ソウルです。始まって2曲でもう大好きを感じます。If You Were There シュガーベイブの「Down Town」の元ネタとしても日本では有名で、クラビのこのパターンの使い方は日本人として Down Town を思い出し、歌メロを聞いては Down Town を思い出してしまいます。外国の方にはわかりずらい感じだと思います。しかし、ひとつ気になるのはドラムのドンドコ、ドンドコ。これはインパクトありますが、センス無いと思うんですが何か?You Walk Your Way は何か懐かしいメロディーのソウルナンバー。歌のメロディーのつなげ方もブツブツと曲の中で途切れないようになっていて変拍子的な響きがあります。そしてあの、Listen To The Music は、誰もが知っている Doobie Brothers のあの曲です。ドゥービーのブラス・ロックも良いですが、このファンク・アレンジも、かなり良いですね。オリジナルと比較して私的には同等レベルに好きかも。What It Comes Down To ああモータウンだと思うリズムですが、少し違いますね。ギターの単音リフの音がぶっとくて奇妙な感じもしますがインパクトあります。そして曲に似つかわしくない激しめに歪ませたギターソロが最後に挿入ですが、早弾きではないので変わった曲としては私的にアリ。Sunshine (Go Away Today) ギラギラした太陽に目がくらみ頭がいかれちまったようなサイケな出だしですが、その後はしっかり普通にファンクしてます。もっとイカレテほしかった。Summer Breeze オリジナルは Seals & Crofts で今回初めて聞きましたが、普通に暗めのアメリカン・ロックですが、Isley 気合を入れて違った曲に変貌させています。これは Isley に私は軍配を上げます。オリジナルでは The Highways Of My Life が最後の曲になります。これもイントロ長めで、インストかと思いきや歌が始まります。ソフトなロック路線ですがこれも良曲。
1972年作のメロー、ポップな路線のアルバム。フォーキー・ソウル路線は前作を継承しつつニューソウル的なアレンジが施されていて、さらにはハイトーンからピンと引き締めるボーカルワーク、メロディ、ハモリのつけ方なども円熟味が増してきています。またファミリー以外のミュージシャンも定着したようでこの面からも、バンドサウンドは変化してきているのかと思い、セールス的にも米チャート[29位(R&B5位)]の成功でした。アルバム自体の楽曲は、カバー4曲、オリジナル5曲で、カバーのうち3曲が Carole King 作品となっていてというのがアルバム全体の色合いを大きく左右しているとも思われ、ここら辺になってくると私的にも楽しく聞ける感じです。
それではレビューしていきましょう。Brother, Brother 1曲目は、Carole King のカバーでオリジナルはこのアルバムの前年の1971年に発売。もともとのオリジナルもエレピとパーカッションのソウルで清々しい感じで心地よいですが、Isleys のカバーではインプレッションズのような黒さがにじみ出てきてます。Put a Little Love in Your Heart は、Randy Myers、Jackie DeShannon作の Jackie DeShannon の1968年のヒットのカバー。オリジナルの白人系ソウルよりも、1曲目と違った意味で黒くなってて心地よい。Chicago っぽくもあるかな。Sweet Season は再び Carole King のカバー。Carole King のオリジナルは、ソウルだけどカントリー風に軽く流しているのに対し、Isleys のカバーは熱い。Keep On Walkin'は前曲の続きとしてメドレーとして足されています。Work to Do は Isley のオリジナル。3rdシングルとして全米R&Bチャート第11位となっていて、キャッチーなピアノ・リフでノリとしては Steely Dan への布石のような感じの曲です。フリーソウルの人気曲として多くの人にカバーされたりサンプリングされています。Pop That Thang は、SLY 的なファンクとなり、やっと来たかねって感じの2ndシングル、全米R&Bチャート第3位です。リズム部隊も Ronald のボーカルも良い感じです。Lay Away は1stシングル、全米R&Bチャート第6位と売れた曲ですね。モータウン的なリズムの使い方が当時の流行りだったのかなあと想像します。Ernie のギターがジミヘンとお友達であったことがわかるソロも好感ですが、短くてもったいない。It's Too Late スローテンポのブルースですね。Carole King のカバーとのことで、チェックしてみます。オリジナルのほうがソウルっぽいですが、あっさりとした曲調がとても好印象です。これは Carole King の方が好みです。でも10分31秒の長さでカバーするところをみるとBrothers も、かなりのお気に入りだったに違いありません。Love Put Me on the Corner は、メロー・ソウル風バラードでイントロ長めなのでインスト?と思った頃に Ronald のロー・ボイスが入ってきますが、これまた聞く人の心を打つ名作かな。
きっちり大物感の存在を誇示するアルバムで聴きなおして評価ひとつアップです🎶
シリーズ4枚目
lead and background vocals : Ronald Isley (except 9)
background vocals, lead vocal : O'Kelly Isley, Jr. (9)
background vocals : Rudolph Isley
piano, keyboards : Chris Jasper
organ : Truman Thomas
guitars : Ernie Isley
bass : Marvin Isley
drums, percussion : George Moreland
congs : Karl Potter
1. Brother, Brother (Carole King)
2.Put a Little Love in Your Heart (Randy Myers, Jackie DeShannon)
3. Sweet Seasons (Carole King, Toni Stern)
4.Keep on Walkin' (The Isley Brothers)
5.Work to Do (The Isley Brothers)
6. Pop That Thang (Herman Kelly, Clyde Otis, Ronald Isley, O'Kelly Isley, Rudolph Isley)
全曲カバー曲でまとめられたアルバムで、ピーター・バラカン氏によれば、このアルバムはソウル/ファンクのグループとしてのアイズレー・ブラザーズが、ロック畑に「お返しする」という趣旨のもの。確かにアルバムタイトルの Givin' It Back は曲としてはアルバムに入っていません。ジャケ写も The Brothers Isley では、新興宗教のような赤い服でしたがアコギを抱えてフォーク・グループ風になっているのは、また何かイメージが違うような気がしますが(まだこっちのほうが良い)
Ohio/Machine Gun は、ジミヘンを意識したアーニーのギターとロナルドの力の入ったボーカルが印象的。Fire And Rain はアーシーなソウルでありながら、途中からフォーキーになる意外性の展開が凄い。ボブ・ディラン Lay Lady Lay は力を抜いてカントリー・ソウル。Spill The Wine ではラテンを取り入れながらも、しっかりアイズレー・サウンドに昇華しているラテン・ソウル。そしてこのアルバムでは一番アイズレーらしいファンクナンバー Nothing To Do But Today になって、このアルバムのコンセプトっぽくない曲調なのですが、何か安心感があります。そして私も大好きなビル・ウィザーズの Cold Bologna は、歌い方アレンジはマンマですね。このパターンのギターも歌いまわしも大好きと思って聞いていて参加アーチスト書いてたら Bill Withers 本人の参加でした(もう一回聴こう)ラストは2曲目のスティーヴン・スティルスのカバー Love The One You're With で、アレサ、ミーターズもカバーしている名曲で締めくくりです。異色作ではありますが良かったです。聴き直して満足🎵
お買い得5枚組ですが
時代を追って一気にアーティストの変化が聞き比べられるので面白い
lead and backing vocals : Ronald Isley
backing vocals : O'Kelly Isley Jr. and Rudolph Isley
lead guitar rhythm guitar, drums : Ernie Isley (1-5, 7)
bass guitar : Marvin Isley
piano : Chris Jasper
lead guitar, rhythm guitar : Chester Woodard (1-5, 7)
さてこのアルバム、ボーカル・グループからファンク路線に完全に踏み切っています。Get Into Something は激しくファンクしていて、このアルバムの象徴のような曲でギター、ピアノ、ベース、ドラムとインスト・パートが一体となった激しいグルーブです。続く Freedom はシャッフル調のリズムでグルーヴするソウル的な曲。Take Inventory はミドルテンポの落ち着いたファンクでコーラスが曲を盛り上げています。Keep On Doin' はJB's の The Grunt と同じですがレコーディングはこちらの方が先のようです。Girls Will Be Girls はエンターテイメント色が濃いコミック的な感じがしますが、しっかりとした歌いまわしは本物。I Need You So はスローなバラードでアレンジがピアノとストリングスのアレンジで聴かせてくれます。If He Can You Can でサイケなファズギターのファンクに戻り、またもやバラード I Got To Find Me One です。ここら辺がアルバムとして凄く考えられているなと感じます。Beautiful はファルセットが美しい牧歌的な曲となり、ラストの Bless Your Heart は、大好きなパターンの粘っこいファンクナンバーで締めくくりです。アーニーのジミヘン風、ファズ・ギターや、メロー・ソウル的なところも取り入れたジャケットの見た目よりホント良質なファンクが詰まったアルバムです🎵
lead vocals and backing vocals : Ronald Isley
backing vocals : O'Kelly Isley Jr. and Rudolph Isley
bass guitar : Ernie Isley
guitars : Charles "Skip" Pitts
organ : Truman Thomas
keyboards : Everett Collins
drums : George Moreland
written by : O'Kelly Isley (1 to 6, 8 to 10), Ronald Isley (1 to 6, 8 to 10), Rudolph Isley (1 to 6, 8 to 10)
producer : O'Kelly Isley, Ronald Isley, Rudolph Isley
The Isley brothers はオハイオ州シンシナティ出身のソウル・グループで、50年代前半に結成したゴスペル・グループが母体。デビューは1957年で O'Kelly(長男)バッキングボーカル、 Ronald (3男)バッキングボーカル, Rudolph (次男) リード・ボーカル を中心に Ernie Isley (5男) ギター、Marvin Isley (6男)ベース、Vernon Isley (4男)リード・ボーカル、Isley姓でないキーボードの Chris Jasper は Rudolph の妻の弟。デビュー当初はドゥーワップも歌っていてアイズレーは、1959年にゴスペル・ソウル「Shout」をヒットさせています。
さて1969年制作のこのアルバム、新興宗教のような服装で日本庭園のようなバックのジャケットが印象的。この年はレコード会社のT-Neckへの移籍の関係もありライブ盤含めてDoin' Their Thing、It's Our Thing、Live at Yankee Stadium、The Brothers: Isley と大量4枚のアルバムを制作しています。
これで12作目なのですが、全盛期へ向かう段階で自身のファンク・サウンドを完成に近づけていた頃。この時代のファンクは、Sly & The Family Stone を筆頭としたサウンドが流行だと思いますが、Isley は、その路線+ロック+ソウルの要素が強いサウンドです。
I Turned You On はシングルでも発売され全米R&Bチャート第6位、全米チャート第23位となったヘビー&荒削りで、ワンコードで押し切るファンクの醍醐味が詰まった曲で、その後DJからサンプリングネタとして重宝されているらしい。またカーティスっぽくもあります。続く Vacuum Cleaner はイントロからずっと鳴っている単純なギターのフレーズが、もダークでカッコよくて良いですね。そしてメロー・ソウルな I Got to Get Myself Together となり、ここら辺がゴスペルを基本としたボーカル・グループとしての魅力が発揮される曲。Was It Good to You? ではグッとダイナミックなサウンドで The Blacker the Berrie は無理やりグイグイと引っ張って行くようなロックなファンク。そして My Little Girl はオールドなスタイルのソウル・ファンクで懐かしい雰囲気。Get Down off of the Train は、正統派なソウル・チューンで、Ronald のボーカルの魅力、Holding On も別の意味で正統派なソウルで、ラスト Feels Like the World はバラードで締めくくりです。元々ボーカルグループだけあって歌にハズレはないですね🎶
このCDは5枚組お買い得シリーズの一枚
piano, percussion : Chris Jasper
organ : Truman Thomas
guitar, twelve-string guitar, electric guitar, percussion : Ernie Isley
bass, percussion : Marvin Isley
drums, percussion : George Moreland
percussion : George Patterson
executive-producer : Tony Martell
written by, arranged by, producer : O'Kelly Isley, Ronald Isley, Rudolph Isley
producer (Legacy'S Rhythm & Soul Series Director) : Adam Block
1. I Turned You On
2. Vacuum Cleaner
3. I Got To Get Myself Together (George Patterson)