2022年3月9日水曜日

Soulive / Steady Groovin'


 2012年「Spark」からアルバムでの新譜が出ていないようですが solive.com で見ると完全に活動は停止してしまっているようです。erickrasno.com では、2022年2月現在ソロで Always というアルバムを発売しているのは確認しました。PVで見る限りはボーカルいりn軽めのファンクになっているようですね。
 購入してから気づいたのですが、これは私のジャズ・ファンク好きに火が付いたきっかけでもある Soulive のベスト・アルバムになります。つまり入門としては最適であると思います。車を運転するときとかにはベスト・アルバムは使えるので、どうせ購入することに変わりは無いのですがタイトルにBESTと付けるのはダサいとしても、ジャケットのどこかに書いておいて欲しいとは思いましたね。 どのアルバムからセレクトされているのかと言えば Doin' SomethingNext、Soulive、Here To There の4枚から。おっと2枚持っていませんね。そのうち仕入れときます。


 Soulive は基本、ドラム、ギター、キーボードの編成でホーンをイレギュラーで取り入れることもあります。ベースレスなのでハモンドオルガンB-3のペダルが提案部分を請け負っています。オルガン・ジャズにファンク要素が入った進化系ですね。どの曲も良いですが、ホーンが入るとまた違ったノリが出てきて楽しめるなあ🎵 

drums : Alan Evans
guitar : Eric Krasno
organ, keyboards, clavinet : Neal Evans

alto sax : Sam Kininger
tenor sax : Jacques Schwartz-Bart
trombone : Fred Wesley
trumpet : Jeremy Pelt

Tracks 1, 4, 7 and 11 taken from the album "Doin' Something".
Tracks 2, 5 and 8 taken from the album "Next".
Tracks 3, 6 and 9 taken from the album "Soulive".
Track 10 taken from DJ Spinna's album "Here To There".
Track 11 previously unreleased in the US.

1. One In Seven
2. Flurries / alto sax : Sam Kininger
3. El Ron (Live)
4. Solid
5. Clap! / featuring Black Thought
6. Dig (Live)
7. Doin' Something / alto sax : Sam Kininger, tenor sax : Jacques Schwartz-Bart 
 trombone : Fred Wesley, trumpet : Jeremy Pelt
8. Alkime
9. First Street (Live)
10. All Up In It / producer, scratches, drum programming : DJ Spinna
11. Golden Lady





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2022年3月8日火曜日

Mike Stern / Odds Or Evens


 キーボードJim Beardをプロデューサーにしてドラムの Dennis Chambers も一部参加の Atlantic からの1991年リリースの4枚目、通算では5枚目のアルバムです。このユニットは1989年~1992年まで活動しています。マイルスバンドに参加は、1981年~1983年、1985年。1983年から1984年にかけてはジャコ・パストリアスのアルバム Word of Mouth に伴うツアーのバンドに参加しています。関係ないですがマイルスに参加の頃の肥満とは全く別人で瘦せていてカッコいいスターンのジャケ写です。


 アルバムとしては、作曲はほぼスターンで7曲目のみ奥様のレニ・スターンの作曲となっています。で、他は全曲マイク・スターンの作曲。メロディアスな感じが前面に出ている明るめのサウンドの1曲目 Keys から始まり、D.C. はデニ・チェンのイニシャルをとったメカニカルな音の配列の楽曲です。学生の時にコピーしていてわかったんですがスターンのこのメカニカルで不思議な音の配列はギターの指盤上を機械的に移動させているっぽいですね。Common Ground については、優雅なテーマのバラードで、ソロ部分の指グセもいつものスターンですが、構成がものすごく上手くて大好きな曲の一つです。タイトル曲の Odds Or Evens も、いつものスターン節ですが曲として作り込んでいる感じがします。Seven Thirty はやや渋めで Bob Berg のサックスが効果的な楽曲です。If You Say So については、メロディアスで明るく温かなテーマを中心に徐々に盛り上がっていくスターンの伸びやかなギターを気持ちよさそうに弾いています。Sandbox は素朴でシンプルな楽曲となっています。Walkie Talkie で最後もメカニカル路線のテーマに4ビート。全編にわたりスターンのクセがちりばめられていますが飽きはこないアルバムとなっています。スターンのクセはどの曲を聴いてもスターンとわかるもので、これが言葉であれば訛りが強い方言をしゃべっているようなものなんだろうなと、いつも思っています。ベースとドラムが二人参加で起用しているのも、このクセが強い方言に変化を持たせるためにメンバーを変えているんでしょうね🎵

guitar : Mike Stern
bass : Anthony Jackson (2, 4, 6), Lincoln Goines (1, 3, 5, 8)
piano, synthesizer : Jim Beard
drums : Ben Perowsky (1, 5, 8), Dennis Chambers ( 2, 3, 4, 6)
percussion : Don Alias
sax : Bob Berg

executive-producer : Christine Martin
producer : Jim Beard

1. Keys
2. D.C.
3. Common Ground
4. Odds Or Evens
5. Seven Thirty
6. If You Say So
7. Sandbox
8. Walkie Talkie

▶ Keys




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2022年3月7日月曜日

Thad Jones / Motor City Scene

 

 デトロイト絡みのハード・バップのアルバムです。他にもデトロイト関係のアルバムと言えば、Kenny Burrell (ケニー・バレル) の Jazzmen Detroit がありました。Jazzmen Detroit に参加したメンバーは、「デトロイト生まれ」「デトロイト育ち」「おそらく関係ない人」でした。このアルバムの場合タイトルは Motor City Scene ですから出身や絡みは関係ないと言えばそうですが気になりますので、また調べて列記してみましょう。
「デトロイト生まれ」Tommy Flanagan「デトロイトに住んだことがある」Paul Chambers、Billy Mitchell「デトロイトで働いたことがある」Thad Jones、 Elvin Jones
「おそらく所縁が無い人」はAl Grey。Al Grey はこの頃 Thad Jones、Billy Mitchell とともにカウント・ベイシー楽団に所属していた縁での参加でしょうか。
 そしてもう一つネタがあります。本作は1959年のサド・ジョーンズの「Motor City Scene」、そして1960年には Donald Byrd, Pepper Adams、Kenny Burrellの共演する「Motor City Scene」が発表されています。Tommy Flanagan、Paul Chambersは両方参加です。レーベルは前者 ユナイテッド・アーティスツ、後者ベツレヘムと異なっています。さて意図があってのことなのか?何なのか?いずれにしろデトロイトのジャズメンによるの結束は強いようですね。


 本作はハード・バップでありますがファンキー度は若干抑えめです。出だしはゆっくり目のブルース Let's Play One です。フラナガンの可愛らしい旋律のピアノのイントロで始まり、これぞブルースと言った感じでとても良いです。Minor On Top も落ち着いた感じで知的な印象を受けます。Like Old Times はテーマの3巻の響きが気持ちよく、ダンサブルなナンバー。No Refill は情緒たっぷりのオールドタイムな優雅さが漂います。全体的に難しいことは抜きで丁寧な仕事です。コーヒー飲みながら、これを聴きながら本を読みウツラウツラしてしまったら気持ちよさそうで、楽な気持ちで聴いて心地よい一枚🎵

cornet, flugelhorn : Thad Jones
piano : Tommy Flanagan
bass : Paul Chambers
drums : Elvin Jones
tenor sax : Billy Mitchell
trombone : Al Grey

1. Let's Play One
2. Minor On Top
3. Like Old Times
4. No Refill





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B'z / Monster


 私らしくない所持品ですが、こんなのも実は持ってます。おそらくこれはカラオケの練習用に曲を覚えるために購入したものだと思われますが、いつどこで購入かは全く記憶にありません。
 ヤジオになってしまった現在はブルース・ロック主体でロックを聴いていて、私の日本のロックの記憶は30年以上前でストップしています。日本人はあまり聴いていないのでB'zなんて極めてレアですね。でも、サンボマスターは持ってます。
 高校生ぐらいの時には44マグナム、ノヴェラ、マリノとかのライブには良く行ってて、ラウドネスはほんの少しかじりました。パンク系だと新宿のライブハウスのロフトに、アナーキー、スターリンなんかを見に行ったりしてました。関西系のバンドが強くて、ロフトでは関西→東京殴り込みギグなんてのも開催されたりしてましたね。懐かしい。B'zについては特に語る思い出はなかったので、日本の昔のロックバンドの話でお茶を濁してしまいました。


 TVでは見ることもありますが、普段はあまり聞かない B'z ですが、さすが日本の誇るスーパー・ビッグ・ロック・バンドです。聴いてみれば楽曲もロックばかりでなくバラエティ豊かで、職人によって作られた何か貫禄を感じます。ファンではありませんが、松本孝弘のギターは完璧なタイミングと緻密な音作りですね。スキが無い。ボーカルの稲葉浩志は、知ってはいましたが、何をやっても全てが稲場節で、知らない人が聞いてもこの人が歌っているとわかる。これが一流なんですね。
 でもカラオケのレパートリーにはきついかなあ。それにしてもコロナ以降カラオケを歌う機会は皆無になってしまい、スナック、ラウンジにも全く足を運ぶことはなくなりました。いつになったら気にせずに遊びに行ける日が来るのか?早く終わってほしいものです。

1. All-Out Attack
2. Splash!
3. ゆるぎないものひとつ
4. 恋のサマーセッション
5. ケムリの世界
6. 衝動 〜Monster Mix〜
7. 無言のPromise
8. Monster
9. ネテモサメテモ
10. Happy Birthday
11. ピエロ
12. 雨だれぶるーず
13. 明日また陽が昇るなら
14. Ocean 〜2006 Mix〜


▶ Monster



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2022年3月6日日曜日

George Benson / Breezin’


 タイトル曲の Breezin' の作曲は Bobby Womack (ボビー・ウーマック)、リズムギターは Donny Hathaway (ダニー・ハサウェイ) の Live にも参加していた Phil Upchurch (フィル・アップチャーチ) のブルージーなフレーズ満載。
 当時はこのようなジャンルを横断したタイプの音楽は クロスオーバー と呼ばれていて、まさにベンソンのギターはジャンルをクロスオーバー(交差)したサウンドであったといえます。テクニック面ではすでに完成していただけに、これまでとそう変わることはないですが、ハーヴィー・メイソン(ドラム)とフィル・アップチャーチとスタンリー・バンクス(ベース)によるグルーブ感にあふれるタイトなリズムセクションをバックにしているだけに、ギターが気持ち良く歌っています。
 This Masquerade は、かなり流行っていてラジオでもかかりまくっていた記憶あり、ベンソンは最優秀インストゥルメンタル・パフォーマンス賞を、アル・シュミットは最優秀アルバム技術賞を受賞し、また、ベンソンとトミー・リピューマは、最優秀アルバム賞と最優秀男性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス賞にもノミネートされています。このアルバムでも何気なく凄いフレーズの連発なんだけど、無理がないのでギターを聴いた人に凄いと思わせないのがこの人のまた凄いところでしょうか🎵

これでお買い得5枚目の終了


guitar, vocals:George Benson 
piano, clavinet : Jorge Dalto
electric piano, Moog synthesizer : Ronnie Foster
rhythm guitar : Phil Upchurch  
percussion : Ralph MacDonald
bass : Stanley Banks
drum: : Harvey Mason

producer : Tommy Lipuma
recorded by, mixed by – Al Schmitt

1. Breezin'
2. This Masquerade
3. Six to four
4. Affirmation
5. So This is Love?
6. Lady



▶ Lady


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2022年3月5日土曜日

Wes Montgomery / Echoes Of Indiana Avenue


 2012年に発表された未表発掘の大物音源。発売はお馴染みの Rezonande Records です。世に出ていなかった未発表音源なのでレアさだけで寄せ集めの音源かと思っていたら、こんなに生き生きしたウェスを収録した演奏はあまり聞けないんじゃないかと思われる演奏に非常に満足したアルバムです。
 ウェスは1923年のインディアナポリス生まれで、1948年から1950年までライオネル・ハンプトンの楽団に参加し、その後インディアナポリスに戻り昼の仕事をしながら夜は演奏という生活を1959年にリバーサイド・レコードと契約するまで続けたとのこと。本作は1957から1958年にかけて録音されたリバーサイド・レコードと契約する前、つまりメジャーデビュー前のインディアナポリス時代の驚きの初期音源とのこと。ライブとスタジオの半々で
スタンダードの心地良い演奏が楽しめます。
 のちに本人が「インディアナポリスで演っていた頃はもっと巧く弾けたんだ」とインタビューで発言していますが、確かにギタリストとしてもっとも脂がのっていた時期は実はこの時期だったのか?と思える演奏です。
 
 
 Diablo's Dance はブルージーにピアノとのユニゾンでダイナミックなスイング、Round Midnight はオルガンとともにアーシーな曲になっていて、編集が良いのだろうがフルアコのギターの音と弦の響きが良い、Straight No Chaser はテンポ早めのドラムレスでの演奏でかえってスリリングにリズミカルに聞こえます。Nica's Dreamはホレス・シルバー作の名曲で実にリラックスした演奏で、何よりもわかりやすい演奏なのが良い。Darn That Dream でまたオルガンの Melvin Rhyne との共演となるが、あまり黒さを感じないオルガンとの演奏がしみじみときます。おなじみ Take The A Train はライブ感あふれる演奏で跳ねるリズムがノリよく客を盛り上げようと煽るような演奏で遠くで客が盛り上がっているのも録音されています。そしてMisty、Body And Soul と不滅のスタンダードが続き Misty はギター控えめにピアノメインで、締めは After Hours Blues ですからライブが終わった後の自由なセッションなのでしょう。リズム&ブルースのセッションで好き勝手な演奏でギターアンプの音量を上げて少し歪ませてみたりゲラゲラ笑いながらの実に楽し気な演奏は延々と続くようなフェイドアウトでした。ジャズ・ミュージシャンも、やっぱり好きなのねって親近感でホッコリ。
 ライナーノーツもたっぷり24頁、これはゆっくりと読みたいと以前に書きつつゆっくりと読むことも無く持ったままで満足しています🎵

guitar : Wes Montgomery
piano : Buddy Montgomery (3), Earl Van Riper (6 to 9), Melvin Rhyne (1, 4)
organ : Melvin Rhyne (2, 5)
bass : Mingo Jones (6 to 9), Monk Montgomery (3)
bass : Larry Ridley (1, 4)
drums : Paul Parker (1, 2, 4, 5), Sonny Johnson (6 to 8)

producer : Zev Feldman

Recorded 1957-58.
Tracks 1, 2, 4 & 5: Possibly recorded in Indianapolis (studio unknown).
Tracks 6-9: Recorded live, possibly at the Hub Bub, Indianapolis.
Track 3: Recorded live, possibly Indianapolis.

1. Diablo's Dance
2. Round Midnight
3. Straight No Chaser
4. Nica's Dream
5. Darn That Dream
6. Take The A Train
7. Misty
8. Body And Soul
9. After Hours Blues (Improvisation)






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2022年3月4日金曜日

Thelonious Monk / It's Monk's Time

 

 米国雑誌「TIME」表紙に1964年2月28日号の表紙となったことを記念に制作されたアルバムです。なのでタイトルは It's Monk's Time となっています。「TIME」表紙になったジャズミュージシャンは最初は Dave Brubeck 1954年11月8日号 で、この時も Brubeck Time というアルバムが発売されています。モンクは2人目のミュージシャンです。この掲載ですが元々は、マイルス・デイビスを表紙にする依頼があったがマイルスは「TIME」を白人に偏りすぎている雑誌だとして拒否したため、レコード会社の窓口だった Teo Macero がモンクを推挙したとのこと。1964年と言えばアメリカは人種差別を禁止する公民権法が可決された時であったことからして、この号は黒人のミュージシャンである必要性があったんですかね。


 そのような経緯があって制作されたアルバムなので、軽めの内容にする必要があったのか、60年代のモンクは明るく活快な方向へ転じていたのでそうなのかは、前後聴き比べてみる必要があるとは思いますが、非常に明るくモンク節が楽しめると同時に親しみの持てるポップ感も感じる内容になっています。またソロ・ピアノとカルテットの曲が収録されているので、その点でも楽しめる内容ですが初期のモンクが好きな人にはポップ過ぎて物足りないかもしれません。最初にモンクを聴いて少しづつ理解するよりも最初にこれを聴いていれば一発で好きになったかもしれないです。
  一曲目の Lulu's Back in Town はピアノ・ソロで、ほのぼのするラグタイム調の明るい曲でこれをモンク節を入れてコミカルにインパクトある演奏に仕上がています。途中からモンクもノッてきて唸ってます。そしてソロが長いイントロのようになってカルテットの安定した息の合った演奏が始まります。テーマ部分のベースが不安定に落ちていくようなところがたまりません。Memories Of You は、しっとりとしたタメのあるモンクのソロ・ピアノから始まり、これは終始モンクのみ。最後のピアノのトリルがシャレオツです。その他 いつものBrake's Sake なんかは聴いてて安心感あり。Nice Work If You Can Get It は、またもやラグタイムのようなピアノ・ソロ演奏で唸ってます。モンクノッてます。Shuffle Boil で、またモンクらしい演奏は良いですな。ラグタイム調のスライドピアノのようなものが入っているのもこのアルバムの特徴ですね。
 明るくて聴いてて気持ち良いんですが、この間夜寝るときに、このアルバムを睡眠剤代わりに小さな音でかけていたら夜中に何か恐ろしい夢を見てうなされて起きてしまいました。睡眠誘導には向かないようですね🎵

piano : Thelonious Monk
bass : Butch Warren
drums : Ben Riley
tenor sax : Charlie Rouse

producer : Teo Macero

recorded 1964 in New York City on:
January 29th (5, 8), 30th (3, 7), February 10th (1, 4), March 9th (2, 6, 9).

1. Lulu's Back In Town
2. Memories Of You
3. Stuffy Turkey
4. Brake's Sake
5. Nice Work If You Can Get It (Take 3)
6. Shuffle Boil (Retake)
【Bonus Tracks】
7. Epistrophy (Take 1)
8. Nice Work If You Can Get It (Take 2)
9. Shuffle Boil (Take 5)





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2022年3月3日木曜日

Sonny Clark Trio Blue Note ST-1579

 

 最近になって、モンク、エバンス以外のピアニストにも着目して聴いていった方が面白いんだろうと思いながらコレクションを増やしています。そこで名前は見たことがあるものの着目してこなかった Sonny Clark を聴いてみることにしました。(例によって中古CDの購入ですが)
 Sonny Clarkは、1931年生まれのピアニストで作品は、ほぼ Blue Note からリリース。1963年に亡くなっています。しかし本国アメリカでは全く売れず知名度がないのに日本では人気のピアニストとのことです(へえ)本作を聴く限りそれほど地味であるとも思えないですが、アメリカ人には、地味な演奏スタイルが合わず日本人に向いていたのではないかとのこと言われているようです。また他の説では、麻薬常習者のためキャバレーカードが発行されずジャズ・クラブでの演奏が出来なかったためというものもあります。
 Bill Evans でさえも、最初はアルバムが売れた訳ではありませんし、良い音楽が演奏出来てその録音がレコードとなれば必ず売れるというものでもありません。時代の流れ(流行り)やプロモーションなどにより、もっと売れても良いのにと思われる作品も多い訳で。それが日本人の好みとマッチして、日本でのみセールスプロモーションが上手くいったということもあるのではないでしょうか。
 想像するにそれよりも日本のジャズ文化を醸成したジャズ喫茶のオーナーに口コミで広がったものが、じっくり珈琲を飲みながら静かにジャズを聴くという日本のリスナーに受けた。アメリカでは酒を飲みながら音楽を聴く方が当時の流行り?だったんでしょうから、その背景には日本独特の文化も背景にあるに違いないとも思います。
 さてリーダー・アルバムは、これが初ではありますが、サイド・マンとしては数多くの作品に参加しています。私所有のアルバムを検索してみると、Lee Morgan/CandyBillie Holiday/Lady LoveGrant Green/Born To Be Blue など、ソロでは人気はいまいちでも、その録音を聴いていた人はアメリカでも多いはず。


 さて、先にも書きました私には地味な演奏とはとは思えない本アルバム、ガレスピーのファンクな Be-Bop から I Didn't Know What Time It Was、Two Bass Hit、 Tadd's Delight までアップ・テンポな曲が続きます。ピアノ・ソロも饒舌的で独特の打鍵のタイミングと粘りっこい節回しは外交的なピアニストに聞こえます。そして残り2曲の Softly As In A Morning Sunrise、 I'll Remember April はバラード。聴きどころは Softly As In A Morning Sunrise と巷では名演と言われています。なるほどハードなアップテンポのピアノの打鍵の連発から、倦怠、憂鬱さが入ったメロディっくな演奏は当時のジャズ喫茶では、シチュエーションとしてはばっちりなような気がします。
 何回か聴き直しながら、このレビューを書いていますが書いているうちに色々な情報が入ってきて、色々なことを思いながら想像して聴いているとただ単に聴いているのとはまた異なった印象になってきているような気がします🎵

piano : Sonny Clark
bass : Paul Chambers
drums : "Philly" Joe Jones

producer : Alfred Lion
recorded by : Rudy Van Gelder

1. Be-Bop
2. I Didn't Know What Time It Was
3. Two Bass Hit
4. Tadd's Delight
5. Softly As In A Morning Sunrise
6. I'll Remember April
【Bonus】
7. I Didn't Know What Time It Was (alternate take)
8. Two Bass Hit (alternate take)
9. Tadd's Delight (alternate take)

▶ Be-Bop