2021年11月11日木曜日

本日のCD Art Blakey / A Night At Birdland Vol1


  A Night At Birdland Vol2 を先に聴いてしまい最高に楽しくスカッとするライブであったため、これは「1」を聴いていないのはもったいない。と中古を探してはいたのですが、忘れそうなんで新品をタワレコで購入しました。
 さてバードランドの1954年2月21日のライブ録音の第1弾。少し抑え気味であった Cafe Bohemia のライブとはブレイキーとシルバー以外メンバーが全て違うのもありますが、少し抑え気味であったけど、こちらも第2弾同様派手に爆発しています。とは言え第2弾はビ・バップ色が強いものを集め、こちらの第1弾はシルバーの作品を中心にしているので第1弾と2弾では作風は若干異なります。本作ではピアノのホレス・シルバーの曲が 2,4,6 と3曲収録されています。
 全体的に躍動感に溢れて跳ねるような突っ込み気味の演奏が気持ちアルバムですが、特に冒頭曲の Split Kick の各人のソロのキレぐあいも素晴らしいのですが、ピアノが中盤あたりから跳ねるように、ギターのバッキングのようにバンドをどんどんドライブさせてくるのが気持ちよいですね。そのほか、Quicksilver も中々かっこいい。Silverが自分の名前を付けた作品で、Silverのピアノと Donaldson とでブラウニーもクイックに煽ってくれます。ライナーノーツを見ていたら、この2月21日のライブは日曜日でなんと5セットだったようで当時の売れっ子っぷりがわかります。幾つめのステージかはわかりませんがテンションの維持も大変だったことでしょう。そして独特の声質としゃべり方でライブの始まりを告げて盛り上げる Pee Wee Marquette のMCはアルバムの冒頭に収録されていますが、VOL1,2では異なります。気になって調べてみたら、集合写真がありました。下の写真の一番左の背の小さいかた。


 オジサンに見えますが、女性説もあるようです。バードランドでは名司会者として有名な方だったようですが出演するバンド・メンバーにはしつこくチップを請求しチップを払うのを拒否しようものなら、マーケットはそのミュージシャンの名前をわざと間違えて紹介するなど、かなり個性的な方だったらしいです。ブレイキーはきっちりチップをはずんでいたんでしょう。ブレイキーもピー・ウィー・マーケットも満面の笑みで、その他のメンバーは笑ってはいるものの愛想笑いのようにも見えます。
 Birdlandは、ニューヨーク市マンハッタンにあったジャズクラブで1949年当時ジャズのメッカであったブロードウェイの52丁目にオープンし、1965年までジャズの黄金時代を牽引した名店。名前は、チャーリー・パーカーのニックネーム「バード」にちなんでいます。1965年に閉店したのですが1986年にブロードウェイの106丁目で同名の店が営業を開始、現在は44丁目に移転し営業しているようです。
 最高のバンドに思える演奏ですが、グループはこのギグで解散してしまい、クリフォードブラウンはマックス・ローチとともにクインテットを結成することとなります。なんとももったいない🎶🥁

drums : Art Blakey
bass : Curly Russell
piano : Horace Silver
alto Saxophone : Lou Donaldson
trumpet : Clifford Brown

Producer : Alfred Lion
Recorded on February 21, 1954 at Birdland, New York City.

1. Announcement By Pee Wee Marquette
2. Split Kick
3. Once In A While
4. Quicksilver
5. A Night In Tunisia
6. Mayreh
7. Wee-Dot (Alternate Take)
8. Blues (Improvisation)



Mayreh


  

2021年11月9日火曜日

本日のCD Thelonious Monk / The Nonet!

 

 Nonet とは九重奏のことで、1967年の秋にモンクのカルテットは Jazz Expo'67 というイベントに出演契約を交わした。そして従来のカルテットに管五人を加えた9人編成でロンドンのオデオン・ハマースミスでリハーサルを行いその後のパリでの録音。会場はパリの Salle Pleyel (サル・プレイエル) でフランス・パリ8区にあるコンサートホールで、パリ管弦楽団とフランス放送フィルハーモニー管弦楽団のフランチャイズホールとのこと。
 ラジオ放送用音源で、本CDでは、イントロダクションがカットされているもののラストまでノーカット収録されている音源です。発売は1988年なので発掘音源ですね。放送用録音なので録音状態は割と良い感じですが、サウンドはモノラル。


 録音されている拍手で相当大きい会場であることがわかります。編成は先に書いたように9人編成なのでビッグバンドではなく、ビッグ・コンボという感じです。人数が多い割にはホーン部隊のアンサンブルは薄目で、各人のソロを楽しむ大型ジャムセッションのような感じになっています。なので Ruby My Dear はカルテット、We See でトランペットの Ray Copeland が参加、Epistrophy でペット Ray Copeland に続き、サックス Johnny Griffin でエンディングに向けて人数が増えてきます。Oska-Tでは、おそらく全員参加のにぎやかなテーマと各人の熱のこもったソロ。Evidence では、Charlie Rouseのソロがいつもより気合が入ってます。Blue Monk はフリューゲル・ホルンのミュート演奏って珍しい?でしょうか。
 人数が多いこともあってかモンクのピアノは薄めにはなっています。ここら辺がファンの間でもつまらないといった評も見受けられ、確かにモンクのピアノをばっちり聴くぞと気合を入れて期待すると裏切られる作品かもしれませんが、こんな形態は珍しいことでもあるしモンクが参加したジャムセッションとして聴けばかなり貴重な音源だと思います。マニアな録音のせいかYouTubeには残念ながら音源が見当たりませんでした(面白いと思うんですけどねえ)🎶🎹

piano : Thelonious Monk
bass : Larry Gales
drums : Ben Riley
alto sax : Phil Woods
tenor sax : Charlie Rouse, Johnny Griffin
trumpet : Clark Terry, Ray Copeland
trombone : Jimmy Cleveland

producer : Joop Visser

recorded on November 3rd, 1967 at Salle Pleyel, Paris.

1. Ruby My Dear
2. We See
3. Epistrophy
4. Oska-T
5. Evidence
6. Blue Monk
7. Epistrophy

▶ Oska-T



  

2021年11月8日月曜日

本日のCD John Coltrane Quartet / Ballads

 

 基本的にギター弾きでブルース好きであった私がジャズに触れるきっかけは大学入学して入会したジャズ研です。ジャズに触れるきっかけにはなりましたが、基本的にフュージョン・ファンク路線だったので、ジャズに傾倒することなく卒業してしまい、コルトレーン教の方も周囲にいなかったため私自身はあまりかかわることはなく過ごしてきました。そして社会人になり、給料で好きな音源が買えるのでコルトレーンも一応は最低限聴いていないと思えるものは揃えながら聴いてきましたが、私の心の琴線に触れることはあまりありませんでした。なのでこの作品はTUTAYAで目にして久しぶりだが、たまには聴いてみるかと購入したものです。
 結果ですが、コルトレーン入門をこれにしておけば、もっと色んなアルバムを聴く気になっていたんではないか?と思われるほどの響くものでした。原盤は Impulse! レコードから1962年に発表したもので、タイトル通り、全曲バラッド作品です。バラッド主体のアルバムは、私の好きなサンボーンでも少し苦手意識がありましたがこのアルバムは別格です。ゆっくりしたテンポでも一音一音に感情の込もった音が連続すれば、バラッドであることを意識せずに音の世界に入り込むことができるのかと感心してしまいます。何故こんなにも違うのか?と思えば、このアルバムではシーツ・オブ・サウンドもフェイクも控えめです。どちらかと言えばストレートにテーマやメロディを歌いあげていますので、コルトレーンの日常の作業とは少し違う演奏なので私の脳みそでも理解しやすいのが他のアルバムと違うところでしょう。

 「サックスのマウスピースの調子が悪く、速いフレーズを弾けなかったため、苦肉の策としてバラード・アルバムを作った」というエピソードもあるようですが、実際は、プロデューサーの Bob Thiele が、よりファン層を広げるために仕掛けたものらしいです。ライナーノーツの中で1986年に 市川正二氏 がこう書いています。「哀しいムードの曲をいかにも哀しそうに演奏するとセンチメンタリズム(感傷主義)に陥って俗っぽくなるが、甘さをセーブしてしかもエモーションを大事にプレイすると、そこにリリシズム(叙情主義)と呼ぶにふさわしい優美な音楽が生まれる」そうです、そんなことが言いたかったのです。これからコルトレーンを聴いてみようかと思っているなら、激しいヤツの前にこれを聴いておくのをお勧めします🎶🎷

tenor
sax, soprano sax : John Coltrane
piano : McCoy Tyner
bass : Jimmy Garrison (1 to 6, 8), Reggie Workman (7)
drums : Elvin Jones

producer : Bob Thiele

recorded at the Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey
1-5 : November 13, 1962
6,8 : September 18, 1962
7 : December 21, 1961

1. Say It (Over And Over Again)
2. You Don't Know What Love Is
3. Too Young To Go Steady
4. All Or Nothing At All
5. I Wish I Knew
6. What's New
7. It's Easy To Remember
8. Nancy (With The Laughing Face)





  

2021年11月7日日曜日

本日のCD Donny Hathaway / Everything Is Everything


 まずジャケ写がいいですよね。おそらくハーレムの壁際で子供たちと手をつなぎ、「かごめかごめ」っぽいことをしているのでしょうか。暖かさがある、このジャケ写のアルバムはDonny Hathaway (ダニー・ハザウェイ) の1970年、1st Everything Is Everything で邦題は「新しきソウルの光と道」
 ダニーと言えばどうしても Live という人が私も含めて大半なのでしょうが、このデビューアルバムも忘れてはいけません。既にダニーの音の世界が確立されていて、Jazz、ゴスペル、クラシック、ブルース、ファンクが入り混じって従来のソウル・ミュージックとは一線を画しているのがわかります。プロデューサーには自身のバンド、キングピンズを率いてアレサやカーティスのバンドにも参加している King Curtis の名前が名前が入っており、やはりこの人もこのファミリーの一員であったのかと再認識しました。


 アルバム一曲目は Voices Inside (Everything Is Everything) 重いベースラインから始まり、エモーショナルでソウルフルであるが、何か物悲しい響きでホーンセクションも印象的で明らかに従来のソウルと異なる感触が伝わってきます。この曲がダニーの音楽の幕開けなのかと思うとググっとくる曲です。そしてブルースナンバーにアレンジすると全く変わってしまった Misty なんかも聴きごたえありますし、ジャム・セッション風のインストで徐々にヒートアップしていくのが楽しい Sugar Lee なんてのもお勧めです。そしてお馴染み The Ghetto もここから収録されています。スタジオ版は久しぶりに聞いたんですが中々迫力あります。この曲を聴くと60~70年台のアメリカを背景とした吉田ルイの著作ハーレムの熱い日々 BLACK IS BEAUTIFULを思い出しながら、68年キング牧師暗殺、ベトナム戦争激化、失業、貧困、なくならない黒人差別、とても意味深いメッセージがこの歌にはあることと実感します。最後のボーナストラック「A Dream」にもそんな意味があるのでしょうか🎶🎹

piano, conductor, vocals : Donny Hathaway
backing vocals : The Vashonettes
guitar : Phil Upchurch (1 to 4, 6 to 8)
bass : Louis Satterfield (1 to 3), Philip Upchurch (3, 4, 6, 7)
drums : Morris Jennings (1 to 4, 6 to 8) 
percussion : Ric Powell (1 to 8)
congas : Henry Gibson

alto sax : Clifford Davis, Donald Myrick
tenor saxophone : Johnny Board, Lenard S. Druss
bariton sax : Willie Henderson
trombone : John Avant, Morris Ellis
trumpet : Robert A. Lewis, Gary Slavo, John E. Howell, Oscar Brashear
bass trumpet : Cyril Touff
french Horn : Ethel Merkerl, John Lounsberry, Paul A. Teryett
tuba : Aaron Dodd

producer : King Curtis (1 to 4, 6), Donny Hathaway, Ric Powell

1. Voices Inside (Everything Is Everything)
2. Je Vous Aime (I Love You)
3. I Believe To My Soul
4. Misty
5. Sugar Lee
6. Tryin' Times
7. Thank You Master (For My Soul)
8. The Ghetto
9. To Be Young, Gifted And Black
(Bonus Track) 
10. A Dream


Misty



  

2021年11月6日土曜日

本日のCD Soulive & Karl Denson / Spark!


 ノリノリの Soulive (ソウ・ライブ)も好きですが、ジャズよりのこのタイプもたまらない魅力があります。ソウ・ライブ=オルガン+ジャズファンク+トリオ でゆるーく怪しくジャムってる雰囲気が魅力です。Karl Denson (カール・デンソン) はレニー・クラヴィッツのアルバムに参加したり、フレッド・ウェズリー・バンドに参加したり、ブルーノートからリリースがあったりとジャンルを超えて活動するサックス/フルート奏者で、これは結構ありな作品です。リリースは2012年の名門ブルーノートから、ジャズとジャムの素晴らしいブレンドとなっています。
 改めてこのアルバムを聴いて、レビューを書いていますが一つ今回の発見がありました。タイトルの Spark! は 2011年3月に64歳で亡くなった Melvin Sparks のことだったんだんですね。Jack McDuff, Dr. Lonnie Smith, Charles Earland, Leon Spencer などのオルガン奏者との共演が多いギタリストでソウル・ジャズ、ハード・バップ、ジャズ・ブルース系の ギタリストです。


 私は単体ではこの人の作品を持っていませんが、ソウルジャズ系のオムニバスなどで演奏は耳にしている方です。割とざっくり系のギターで、昔ハード・バップなどもやっていた経歴からするとやはりグラントグリーン系の方ですね。いや、また勉強になりました。じっくり聴き直すのも、また楽しいもんです。
 ソウライヴにしてはファンク度数が若干低めでジャズ色がかなり強めになり、収録曲は各局が長めなのが、ダラダラと聴きながらノリノリになるにはもってこいの作品です🎶

guitar : Eric Krasno
bass : Neal Evans
drums : Alan Evans
fluite, sax : Karl Denson

producer : Soulive

This album is dedicated to the great Melvin Sparks. Tracks 1-4 Recorded at The Library, Greenfield, MA. Tracks 5 & 6 Recorded live at The Independent, San Francisco, CA 11/10/2011. Alan Evans, Eric Krasno, Karl Denson, Neal Evans, Ryan Zoids, DeAngelo Nieves

1. Spark
2. Povo
3. Nubian Lady
4. Soul Sides
【BonusTracks】
5. SHAHEED
6. LIQUID 

Spark




  

2021年11月5日金曜日

本日のCD Miles Davis & Bill Evans / Complete Studio & Live Masters


 ジャケット写真が「いいね!」です。マイルスは好きではないなんて昨年ぐらいまで言ってましたでしょうか?好きだとは言わないけどマイルスの残した音楽には深く関心を持ち、時とともに変化していく音楽性や共演するミュージシャンとの話題性、たまに勘違いしているようなビジネス感にはとても興味がわいて、最近はマイルス本なんかも読みながらアルバムを聴いています。録音している量が圧倒的に多いので私の音楽コレクションでも結果的なは群を抜いて多い人ともなってきています。
 さて、今回のアルバムはジャズピアノの巨匠であるビル・エバンスとの共演をなんと全て網羅した3枚組です。楽曲は当然既に所持していて被るものもありますが、所持していないものや貴重な1958年のラジオ放送音源なんかも収録されているし、ブックレットなんかも読みたいしで購入してしまったものです(輸入版だったので全て英語でしたが)2017年の発売でしたが、これは発売されてから割と直ぐに購入しています。楽曲は Kind of Blue、Jazz at the Plaza、At Newport 1958、Jazz Track、ミシェルルグランの、Legrand Jazz からです。

 

 


 オムニバス盤といえども、アルバムに収録はされていなかった音源の収録なども入れるなど消費者の心理をしっかりとついた作りこみにより「既に持ってるじゃん」と言った人も買わざるを得ないということで、実に商売上手な販売方法であります。いいもんは良いんですから日本のジャズファンはダウンロードではなく買ってしまうんですよね🎶🎹

Alto Saxophone – Cannonball Adderley
Bass – Paul Chambers
Drums – "Philly" Joe Jones, Jimmy Cobb
Piano – Bill Evans ( 1-1 to 3-7), Red Garland ( 3-8 to 3-10)
Tenor Saxophone – John Coltrane
Trumpet – Miles Davis

CD1, 1-4: From Jazz Track. New York, May 26, 1958.
CD1, 5-9: Kind of Blue: New York, March-April 1959.
CD2, 1-4: From Legrand Jazz. New York, June 25, 1958.
CD2, 5-11: Live at Newport, July 3, 1958.
CD2, 12-15: Broadcast from Café Bohemia, New York, May 17, 1958.
CD3: 1-4: Jazz at the Plaza: Plaza Hotel, New York, September 9, 1958.
CD3, 5-7: Broadcast from the Spotlight Lounge, Washington D.C., June 30, 1958.
*Bonus Tracks (CD3, 8-10): Red Garland (p) replaces Bill Evans.
Live broadcast from the Spotlight Lounge, Washington D.C., November 1, 1958.

【CD1】
1. On Green Dolphin Street
2. Fran-Dance
3. Stella By Starlight
4. Love For Sale
5. So What
6. Freddie Freeloader
7. Blue In Green
8. All Blues
9. Flamenco Sketches

【CD2】
1. Wild Man Blues
2. ‘Round Midnight
3. The Jitterbug Waltz
4. Django
5. Introduction By Willis Conover
6. Ah-Leu-Cha
7. Straight, No Chaser
8. Fran-Dance
9. Two Bass Hit
10. Bye Bye Blackbird
11. The Theme
12. Four
13. Bye Bye Blackbird
14. Walkin'
15. Two Bass Hit

【CD3】
1. If I Were A Bell
2. Oleo
3. My Funny Valentine
4. Straight, No Chaser / The Theme
5. Walkin'
6. All Of You
7. ‘Round Midnight
(Bonus Tracks)
8. Sid's Ahead
9. Bye Bye Blackbird
10.Straight, No Chaser




  

2021年11月4日木曜日

本日のCD Jim Hall / Jazz Guitar


 2013年12月10日に亡くなられてずいぶん経ってしまいました。そんなに前だったかな?って感じがします巨匠ジム・ホールの1957年録音の初リーダー作です。生まれは1930年なので、この時27歳ですが写真の巨匠はそう少し落ち着いた貫録のある年齢に見える気がします(失礼)今まで気にしていなかったんですが、ジャケットで壁にペインティングしている人がいます。よく見てみると painting で John Altoon とのクレジットで、1950年代と1960年代のLAアートシーンで抽象画で著名なアーチストとのこと。確かに何の絵という訳ではなさそうな感じはしますが、ジム・ホールの笑顔に対してあまり明るい絵ではないようですが、面白い構図です。


 ドラムなしのオールド・ファッションなトリオ編成とシンプルな演奏で何かとてもライトで、あったかい雰囲気が伝わってきます。現代ジャズ・ギターの巨匠ジム・ホールの記念すべき初リーダー作ですが気負いは感じられずリラックスした雰囲気で、難しいことはやらんので、楽しんで聞いてね。といった貫録はスタンダード曲で安心して聴ける手堅い構成にも感じられます。
 私の手持ちの中では、リーダーアルバムでは Concierto (1975) だけですが、セッション参加では Bill Evans で Green Dolphin Street (1959)Undercurrent (1962)  そして、Charlie Haden - Jim Hall (1990) そして忘れてはいけない Ella Fitzgerald  Ella In Berlin (1960) なんかがあります。やっぱりデュオ作品に妙技が発揮される方ですね🎶🎸

guitar : Jim Hall
piano : Carl Perkins
bass : Red Mitchell

producer : Richard Bock
recorded in Los Angeles, January 10 & 24, 1957.

1. Stomping At The Savoy
2. Things Ain't What They Used To Be
3. This Is Always
4. Thanks For The Memory
5. Tangerine
6. Stella By Starlight
9:20 Special
10. Deep In A Dream
11. Look For The Silver Lining
12. Seven Come Eleven





  

2021年11月1日月曜日

本日のCD Tommy Flanagan / Let's

 

 Tommy Flanagan (トミー・フラナガン) のソロ・アルバムはこれが初めての購入となります。私が聴いてきたアルバムを調べてみると Jazzmen Detroit、Bluesy Burrell、Kenny Burrell& John Coltrane、そしてコルトレーンの Giant Steps 、ウェスの The Incredible Jazz Guitar Of Wes Montgomery と知らず知らずのうちに、既にこの人のピアノを聴いていることにビックリです。1930年のデトロイト生まれで1945年に15歳でプロ・デビュー。その後デトロイトのジャズ・クラブの Blue Bird Inn では、ポール・チェンバース、ケニー・バレル、サド・ジョーンズ、トミー・フラナガンが入れ替わりでセッションをしていたそうです。デトロイトを離れたのは1951年の徴兵で、1956年にニューヨークへ進出したとのこと。
 このアルバムは同じデトロイト出身の先輩であり、ブルーノートデビュー盤でもピアノで参加したサド・ジョーンズの作品集となっています。なかなか頑固な感じの硬いタッチで弾きながらも上品であり、凛々しい作品だと感じます。なんというかバランス感覚に優れているピアノで頑固っぽい感じもするけど人情味もあってパンチの聴いたフレーズはとても心地よいです。Mean What You Say の出だしはゆっくりと始まり、段々と盛り上がるところがカッコよい曲です。またA Child Is Born などの有名なナンバーが取りあげられています。A Child Is Born なんかはケニーバレルでも取り上げられているナンバーで、さすがデトロイトつながり。
 発売は ENJA というドイツのレーベルで、ツアーでドイツを訪れた際に録音するアメリカ人やヨーロッパ在住のアメリカ人ミュージシャン、録音機会に恵まれないベテランミュージシャンなどの録音がほとんどだったのがトミーフラナガンの在籍で世界から注目されるようになったレーベルです。最後にこのレビューの仕上げにミュージシャンのクレジット見ていたら、プロデューサーに Diana Flanagan の文字があります。1989年以降から奥方がマネージャー兼プロデューサーとして勤められているとのこと。2020年4月6日、90歳で亡くなられています。旦那のライブでおしゃべりばかりしている人には鉄槌をくらわした人とのこと。


 あまり注目して聞いてこなかったピアニストで1993年の晩年の録音ですが、これはかなり私の心にがっちりとはまる名演です。この間「おでんバー」で聴いた時は、みんな無反応でしたが、たまに持っていこうと思います(この良さに反応する人が現れるまで)🎶🎹

piano : Tommy Flanagan
bass : Jesper Lundgaard
drums : Lewis Nash

producer : Diana Flanagan

Multi-track digital recording by Hans Nilsen at Focus Studio, Denmark on April 4th, 1993.

1. Let's
2. Mean What You Say
3. To You
4. Bird Song
5. Scratch
6. Thadrack
7. A Child Is Born
8. Three in One
9. Quietude
10. Zec
11. Elusive


アルバムとは関係ありませんが
怖そうなおばさんのエラとのライブがカッコよくて・・