まずジャケ写がいいですよね。おそらくハーレムの壁際で子供たちと手をつなぎ、「かごめかごめ」っぽいことをしているのでしょうか。暖かさがある、このジャケ写のアルバムはDonny Hathaway (ダニー・ハザウェイ) の1970年、1st Everything Is Everything で邦題は「新しきソウルの光と道」
ダニーと言えばどうしても Live という人が私も含めて大半なのでしょうが、このデビューアルバムも忘れてはいけません。既にダニーの音の世界が確立されていて、Jazz、ゴスペル、クラシック、ブルース、ファンクが入り混じって従来のソウル・ミュージックとは一線を画しているのがわかります。プロデューサーには自身のバンド、キングピンズを率いてアレサやカーティスのバンドにも参加している King Curtis の名前が名前が入っており、やはりこの人もこのファミリーの一員であったのかと再認識しました。
アルバム一曲目は Voices Inside (Everything Is Everything) 重いベースラインから始まり、エモーショナルでソウルフルであるが、何か物悲しい響きでホーンセクションも印象的で明らかに従来のソウルと異なる感触が伝わってきます。この曲がダニーの音楽の幕開けなのかと思うとググっとくる曲です。そしてブルースナンバーにアレンジすると全く変わってしまった Misty なんかも聴きごたえありますし、ジャム・セッション風のインストで徐々にヒートアップしていくのが楽しい Sugar Lee なんてのもお勧めです。そしてお馴染み The Ghetto もここから収録されています。スタジオ版は久しぶりに聞いたんですが中々迫力あります。この曲を聴くと60~70年台のアメリカを背景とした吉田ルイの著作ハーレムの熱い日々 BLACK IS BEAUTIFULを思い出しながら、68年キング牧師暗殺、ベトナム戦争激化、失業、貧困、なくならない黒人差別、とても意味深いメッセージがこの歌にはあることと実感します。最後のボーナストラック「A Dream」にもそんな意味があるのでしょうか🎶🎹
piano, conductor, vocals : Donny Hathaway
backing vocals : The Vashonettes
guitar : Phil Upchurch (1 to 4, 6 to 8)
bass : Louis Satterfield (1 to 3), Philip Upchurch (3, 4, 6, 7)
drums : Morris Jennings (1 to 4, 6 to 8)
percussion : Ric Powell (1 to 8)
congas : Henry Gibson
alto sax : Clifford Davis, Donald Myrick
tenor saxophone : Johnny Board, Lenard S. Druss
bariton sax : Willie Henderson
trombone : John Avant, Morris Ellis
trumpet : Robert A. Lewis, Gary Slavo, John E. Howell, Oscar Brashear
bass trumpet : Cyril Touff
french Horn : Ethel Merkerl, John Lounsberry, Paul A. Teryett
tuba : Aaron Dodd
producer : King Curtis (1 to 4, 6), Donny Hathaway, Ric Powell
1. Voices Inside (Everything Is Everything)
2. Je Vous Aime (I Love You)
3. I Believe To My Soul
4. Misty
5. Sugar Lee
6. Tryin' Times
7. Thank You Master (For My Soul)
8. The Ghetto
9. To Be Young, Gifted And Black
(Bonus Track)
10. A Dream
▶ Misty