2021年10月3日日曜日

本日のCD J.A.M ♪ Jazz Acoustic Machine


 SOIL&"PIMP"SESSIONSからスピンオフしたジャズトリオ。新しい音楽世界を作られているバンドは、解散も早いのですが今バンドはまだ現役で活動しておられるようです。

 
 解散せずに続けていられるのは、こういった活動が自由にできるからでしょうか。ソイル・ピンプのメンバーは、タブゾンビ(Tp)/ 丈青(Pf)/ 秋田ゴールドマン(Ba)/ みどりん(Dr)/ 社長(Agitator)で、このトリオは、タフゾンビと社長以外のメンバーで構成されていて、本家よりもロック、ヒップホップなどを取り入れたサウンドとなっています。


 オープニング Jazz Acoustic Machine は象徴的なピアノフレーズでオープニングを飾り、クロスオーバーでファンク的な Sing Without You、ハウス的なダンスミュージックにオリエンタルな音階を使った Quiet Wave、8ビートながらもジャズの Blue In Green は中々よし、Arioso ではきらびやかなピアノソロから始まり、ダンサブルなジャズに発展、Join And Move On もタイトなドラムと印象的なベースラインで思わず体が動く、そしてひと昔前のダンスミュージック的なテーマの New Step 、Back From Dark Side は一つ一つ確かめながらメンバーが音を探るような楽曲がカッコイイ。そしてゲストに世界的トランぺッター日野皓正さんを迎えた He Knows が入ることでまた引き締まり、日野さんのトランペットのトリルで、他のメンバーの音が全く変わってきています。Liquid Street はロバートグラスパーのカバーらしい。そして疾走する Real で勢いをつけてから、さらに加速する Justice で混沌とした世界にゴール。
 これ札幌タワーレコードでメンバーのミニライブを見に行った時に買ってサインもらったんだけど、ジャケットがツルツルの材質なんでほぼ消えています。残念。ちなみにアルバムの発売記念ミニライブだけど、全然違うことやってくれました。凄かった、楽しかった、テクニック、インスピレーションと迫力!!のライブでした。懐かしいなあ。

piano : 丈青
bass : 秋田ゴールドマン
drums : みどりん

1. Jazz Acoustic Machine (Opening)
2. Sing Without You
3. Sing Without You (Reprise)
4. Quiet Wave
5. Blue In Green
6. Arioso
7. Join And Move On
8. New Step
9. Back From Dark Side
10. He Knows feat. Terumasa Hino
11. Liquid Street
12. Real
13. Justice





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2021年10月1日金曜日

本日のCD Lee Konitz with The Bert Van Den Brink Trio ♪ Dia Logues


 

 Lee Konitz (リー・コニッツ)と言えばトリスターノ派の代表的ミュージシャン。Lennie Tristano (レニー・トリスターノ)は、このリー・コーニッツやBill Evans (ビル・エヴァンス) の師匠で、クール・ジャズやビバップ、ポスト・バップ、アヴァンギャルド・ジャズのジャンルなどで即興演奏家として独特の独創性や驚異的な活動で活躍した方です。(私は勉強不足なのでこれから勉強しますが・・)


 リー・コニッツについては最近聴き始めたばかりで、あまり自分の中のイメージができていません。1927年生まれの方ですから、今回も含めて今まで聞いてきたているのは晩年の作品です。どこかでイメージが変わるところはあるんでしょうが、聴く前はフリー・インプロの人で素人にはついていけない感じのイメージでした。が今のところそうでもない感じです。Meeting Again(1990)、Lee Konitz with Warne Marsh(1955)
 本作はオランダのピアニストのBert Van Den Brink (ベルト・ファン・デン・ブリンク)のトリオとの共同名義作品なので全体の色としてはもしかしたら、このトリオの方が強く出ているのかもしれません。凛々しく重々しい美しい響きでクラシックを基礎としたジャズ・ピアノであることは非常にわかりやすくそのピアノにのせて、コニッツが優しい音色でサックスをのせてくる。インプロもどこかへ行ってフリーになる気配はまったくないところが、今回も構えて聴いていただけに少し拍子抜けの好印象な演奏です。
 曲のレパートリーは全11曲中コニッツのレパートリー7曲とのことで、安心感のある演奏はそこら辺の要因でしょうか。8曲目の I Love You はピアノ・ソロとなっていますが、レコーディングには二人でスタジオに入ったそうです。しかしコニッツは一向に入ってこないのベルトが待っていたら途中でコニッツが「この曲はソロ・ピアノ」とそっと耳もとで言ったのだとか、どこらへんでそう言ったのかが非常に気になります (2分過ぎたぐらいなのかな)
 さらに日本人としては荒城の月の演奏にも興味がわきます。実はこのCDを聴く前に「荒城の月」の文字は目にしていたのでどんなものか?と聴きながら酒を飲んでいたのですが、酒を飲みながら別の話をしていたら気づかないぐらいにうまくジャズ基調にアレンジされています。CDが終わってしまったてから「荒城の月やってたっけ?」と忘れていたことに気づいて再度かけなおすとなるほど、オリエンタルな感じで荒城の月になっています。これならモンクの Straight, No Chaser の時のように小学生の時に強制的に歌わされていたことは思い出さずにすみます。All The Things You Are のコード進行をまるまる拝借したと言われるThingin' も収録されています。
 一流のバックがバリバリに演奏し貫録でゆったりとメロディを吹くコニッツ。多彩な楽曲で軽やかにスウィングはヨーロッパを感じたい人、黒くないクール派を聴きたいときにお勧めです。Bert Van Den Brink というピアニストも他の作品を追いたくなります。

alto sax : Lee Konitz
bass : Hein Van de Geyn
drums : Hans Van Oosterhout
piano, producer : Bert Van Den Brink

recorded on November 5, 1997 at John Van Eijk Studio

1. East Of The Sun
2. Yesterdays
3. Kojo No Tsuki
4. Spring Fever
5. Thingin'
6. If You Could See Me Now
7. Dialogue
8. I Love You
9. Moonlight In Vermont
10. Lover Man
11. Cherokee





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2021年9月30日木曜日

本日のCD Milt Jackson ♪ Milt Jackson Quartet Prestige – LP 7003

 

 MJQは1952年結成されましたが、その前の1951年には Milt Jackson Quartet として活動していました。本作は Prestige でのジャクソン初のリーダー作で1955年5月20日の録音です。このあとMJQは同年7月に Concorde を録音してから Atlantic へ移籍します。つまり本作は Prestige での唯一のリーダー作でもあるわけです。
 本カルテットのメンバーは John Lewis (ジョン・ルイス) の替わりに Horace Silver (ホレス・シルバー)となったMJQの変形ような編成によるアルバムです。というよりはMJQと一線を画す演奏であると考えれば、MJQの盟友 Percy Heath (パーシー・ヒース)と Connie Kay (コニー・ケイ)の2人とシルバーを迎えた作品と言った方が的確な表現だと思います。
 つまりはクラシック的な要素が多いMJQに対し、本作ではシンプルかつブルース・フィーリングに満ちたソロを展開し続けるジャクソンと、シルバーのバッキングが絶妙にマッチしている演奏なのです。ジョン・ルイスがホレス・シルヴァーに代わっただけなのにこれだけブルージーさが充満するのはなかなか面白い。トータル・バランスに優れたMJQもいいのだが、MJQのライブで時折見せる自由で黒っぽい演奏を聴くとわくわくしてしまうのと似たようなものを感じます。
 MJQとの比較ばかりになってしまうがMJQでは、ジョン・ルイスはきっちりと譜わりして、淡白なピアノであることに対して、このアルバムではホレス・シルバーのファンキー(黒っぽくてリズム重視)のピアノの違いというのも粘っこい合いの手が素晴らしく、ミルトの演奏を見事に盛り上げる。そんなことを思いながら改めて考えるとピアニストとしてのアクはシルバーの方があると思っていたが正調派のジョン・ルイスの方が強いものはあるのかもしれません。
 このアルバムを購入して、まずはこのCDで聴きました。そしていつものおでんバーのマスターが「これはレコードもあるよ~」とのことでCDを聴き終わってからレコードをかけてみました。わかってはいたんですが、同じ音源でも臨場感はレコードの方がありました。ミルト・ジャクソンがちゃんと真ん中にいて演奏しているかのように聞こえます。CDのミキシングの加減もあるかもしれないんですが、CDは細かいところも聞こえるような気はするんですが各楽器のダイナミックが平坦なんですよね。

vibraphone : Milt Jackson
piano : Horace Silver
bass : Percy Heath
drums : Connie Kay

original Recordings May 20, 1955

1. I Wonder Why
2. My Funny Valentine
3. Moonray
4. The Nearness Of You
5. Stonewall
6. I Should Care





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2021年9月29日水曜日

本日のCD Curtis Mayfield ♪ Superfly 25th Anniversary Edition

 

 カーティスのファルセット・ボーカルって、歌い方やメロディーの構成が違うからからか、他のハイトーンのボーカルとは違うなんとも言えない緊張感と深みがあります。聴き始めた最初のころはフワフワした感じがになじめなかったんですが、段々と好きになってきて、ボーカルだけではないバンドのサウンドつくりが実はストイックで実に細かく巧妙な仕掛けを発見できるところが気持ちよくなってきてます。
 最初に聴いた時には同じ曲なのにボーカルものやインストの2種類が録音されていたりするので、現在EPとかでよくあるリミックスを収録してるのかなと思っていたのですが、実はこのアルバムは当時の黒人映画の Superfly のサウンドトラックとして制作されたものでした。ジャケットはスパイ映画みたいなものを思わせる銃を持ったスーツの男と黒人女性写っていますが、この映画は麻薬密売人が主人公で、裏の世界で生き抜く苦悩や葛藤、暴力やその中で生まれる愛について描かれた物語です。当然私はこの映画は未見ですがそれほど名作ではないのではないかと思いますが後の映画のパルプ・フィクションにはこの映画の主人公のヤクの売人とそっくりの人物ジュールズなる人物も登場するとのこと、どこかで見かけたら買いたいとは思います。ジャケット裏面にはよく見ると映画のシーンがありました。
 

 カーティスはサウンド以外で黒人別使、差別などの社会の様々な問題や主張を音楽に込めることがラブ・ソングかと思っていたら背景には全く違うものが込められていたなんてこともよくありますが、このサントラの曲名は割とストレートです。Pusherman (売人)、Junkie Chase、Give Me Your Love (官能シーンで使われるらしい)Eddie You Should Know Better (主人公の相棒エディが稼業の選択を間違った場面)、No Thing on Me (Cocaine Song)となるほどな曲名です。Superfly についてはゲットーのストリートの生活から抜け出そうとして Superfly (抜け出そう)なんですね。なるほど
 曲は都会のギラギラとした側面を思わせる曲、失望や渇きを表現した曲、エンディングに向けての No Thing On Me や Think のような、美しい旋律など、1972年のまさにカーティスの全盛期に制作された名作。本アルバムは Superfly の映画公開の25周年を記念しての企画盤で映画でしか使われなかったテイク、映画公開に放送されたラジオスポット等11曲が加わったバージョンです。
 マーヴィンやスティーヴィ等のニュー・ソウルのリーダーは1999年12月26日享年57歳で帰らぬ人となってしまっています。才能ある人は命の消費が早い人も多いですね。

1. Little Child Runnin' Wild
2. Pusherman
3. Freddie's Dead
4. Junkie Chase (instrumental)
5. Give Me Your Love (Love Song)
6. Eddie You Should Know Better
7. No Thing on Me (Cocaine Song)
8. Think (instrumental)
9. Superfly
10. Ghetto Child (Demo Version)
11. Pusherman (Alternate Mix)
12. Freddie's Dead (instrumental)
13. Junkie Chase (Full Length Version) (instrumental)
14. No Thing on Me (Cocaine Song) (instrumental)
15. Militant March (From "Score")
16. Eddie You Should Know Better (instrumental)
17. Radio Spot #1
18. Underground ("Superfly-Esque" Demo)
19. Check Out Your Mind  (instrumental)
20. Radio Spot #2




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2021年9月24日金曜日

本日のCD The Brothers Johnson ♪ Kickin'


 1976年 Look Out for でデビュー。兄でギタリストの George Johnson (ジョージ・ジョンソン) 弟でベーシストの Louis Johnson (ルイス・ジョンソン) の兄弟によって結成されたファンク、R&Bユニット。デビュー当時はスライの匂いがプンプンしてました。特に兄のルイス・ジョンソンのスラップ・ベースのテクニックは有名で「サンダー・サム」の異名も。


 そんなスライ系だった彼らは時代とともにディスコ・ブラコン系に進化しましたが1984年ぐらいから活動を休止となり、最後の録音がこの1988年の「Kickin'」です。 
 以前に書いたこのレビューでは、「シンセとスラップだらけの、まさにディスコ時代の音」と書いていましたが、この前のアルバム Out Of Control などを聴いているとそちらの方がまさにシンセとスラップだらけでしたので、最後のアルバムは生音の世界に少しだけ帰ってきた作品となっています。
 そういったところでは、ディスコ系エレクトロ・ファンクは Kick ItTo The Curb、Ball Of Fire、Real Love、I'll Give It Up などがそちら系ファンの方にはお勧めで、I Fresh なんか70年代風のフレーバーで、マイケルジャクソンっぽい、ささやき系ソング Still In Love、
 POBox2000は、ボーカルレスのフュージョン曲。ラストのParty Avenue については、スライ的な味とJBも入っている最後のアルバムの締めとなった曲で悪くないフィナーレではあります。

vocals : Denise Vallin (7), George Johnson, Louis Johnson
backing vocals : Augie Johnson (1, 6 to 10), Carmen Carter (1, 6 to 7, 9), Danny Johnson (8, 10), Day Askey Burke (8, 10), Denise Vallin (1, 6 to 7, 9), George Johnson (3), Gregory Matta (1, 6 to 7, 9), James Ingram (8, 10), Jim Gilstrap (8, 10)
bass : George Johnson (9), Louis Johnson
guitar : David T. Walker (5, 7), George Johnson (1), Louis Johnson (6)
keyboards : Bryan Loren (2 to 4), George Johnson (1, 3, 6 to 9), John Schuller (10), Steve Robbins (5)
synthesizer : Louis Johnson (6)
drums : George Johnson (9), Louis Johnson (6), Mr. Roger (1)
drum programming : Louis Johnson (5)
percussion : Paulinho Da Costa (1, 5 to 7, 9)

executive producer : John McClain

1. Kick It To The Curb
2. Real Love
3. I Fresh
4. Still In Love
5. P.O. Box 2000
6. Ball Of Fire
7. We Must Be In Love
8. I'll Give It Up
9. This Is Our Love
10. Party Avenue





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2021年9月23日木曜日

少しづつ楽しくなってきたピアノ

 

 コロナで在宅も多いし、デジタル・サックスでも買って新しく楽器を始めようかと思っていましたが、相変わらず人気で手に入りそうにないし今までやっていなかったピアノでもと思い購入してしまった Roland GO-PIANO 88 到着して「練習開始」したのは、8月8日で約1か月半が経過しました。

 もともとギターも独学でやってきたのでピアノも習わずにどこまでやっていけるのか?挑戦中です。まずは慣れることから始めなければ楽器は上達しないですから、基本1日1時間程度は触るようにはしています。どうせ教則本を買ってきても教則本は地味すぎる練習が多いので、最後までやり通すことはまずないことはわかっていますので基本お手本は YouTube を見ながら現段階は簡単な Boogie Woogie で右と左で違う動きがやっと通しでできるようになってきた程度まで来ました。

 ギターを練習し始めた頃を思い出しながら指が覚えるまでの同じフレーズを何百回、いやもっと弾いているでしょうか。1か月半でここまで来たのは我ながら上出来かもしれないと思っております。もっとしっかり速く弾けるようになったら動画にしてみようとは思っております。

 参考にさせていただいてた動画を記録しときます。

SHUMPEI PIANO CHANNEL 1日5分で10倍上手くなる指エクササイズ!!

まずはドレミから


これは結構効果があったかもしれない


NewJazz ESSENTIAL IMPROVISATION EXERCISES

ドレミだけではつまらないので、次はこれにチャレンジ
基本パターンまでは中々楽しい練習で
最後のフレーズまでできるようになればと思いますが
自分の感覚では最後まで到達は半年はかかるかなあというところ

右手と左手で違う動きが出来たときにかなり自分に感動しました


 
これは実践的なので、ほぼこればかりやっています
左手の小指がかなり鍛えられてきたのを感じ何より楽しい
ですがクラシック系のピアノの先生の動画は
繊細な指のタッチを大事にするように言われている人が多いので
この弾き方と音の出し方は邪道かもしれません
ついついアタック強めに弾いてしまいます
この課題曲は早めに完成させてしまいたいと思っております


やっぱりブルース基本で練習していこうかなと思っています
友人とのセッションとかで弾けたら使えますしねえ


2021年9月22日水曜日

本日のCD Donald Byrd ♪ Fancy Free

 

 1969年録音のDonald Byrd (ドナルド・バード)の「Fancy Free」は時代の波に乗った電化サウンドを挿入した作品です。マイルスによりジャズのエレクトリック化が促進されたのもこの頃で、エレクトリック楽器を初めて使用したのは1968年 Miles In The Sky エレクトリックとして有名なアルバム Bitches Brew は1970年です。ジャズの表現手法は変化しMilesの電化ジャズに触発された「Electric Byrd」の始まりのアルバムとなります。
 本作はファンキー時代から度々コンビを組んだDuke Pearson (デューク・ピアソン)がエレクトリック・ピアノを担当し、ブルーノート・レコードの創始者であったアルフレッド・ライオンが去った後に制作されたこともありプロデュースも担当しています。
 10人の大きな編成のバンドでリズミカルなパーカッションに乗って1曲目 Fancy Free はバード作。1曲目の Fancy Free はパーカッシヴなリズムで始まり、Pearsonのスペイシーなエレピがクロスオーヴァー・ジャズを感じさせながら、フルートの音色がクールにマイルスの影響を受けた電化ジャズを非常に感じさせてくれるる演奏。I Love the Girl はバラードで、これまた Pearson のエレピが効果的に使われています。ポツリ、ポツリと弾かれるエレピの音と Byrd のロマンティックなプレイ、その後に入ってくる Foster のサックスによって曲に動きが生まれ、また包まれて溶けてゆくような静けさに。私はこれは非常に好きなタイプで好演だと思います。3曲目の The Uptowner では少し上げてきます。ジャズ・ロック的なリズムにのせて Byrd のソロも軽快です。ギターの Ponder はここで出番とばかりにかなり変則的な始まり方で攻めています。最後になります Weasil は、派手さはありませんがゆっくりジワジワと怪しい感じながら盛り上がり、各自ソロはクールに決めてきます。ド派手に盛り上げないところがリスナーを抑圧しているようでクールと感じます。サンプリングにはもってこいの曲でしょうね。先日ソロアルバムを購入したドラマーの Idris Muhammad もこのアルバムに参加していました。
 電化作品としては「Fancy Free」「Weasil」が推しですが「I Love the Girl」が心に残るなあ。シンプルなアルバムで心地よく聴けました。

trumpet : Donald Byrd
electric piano : Duke Pearson
guitar : Jimmy Ponder
bass : Roland Wilson
drums : Joe Chambers (2,4), Leo Morris(Idris Muhammad)(1,3)
percussion : Nat Bettis, John H. Robinson Jr

trombone : Julian Priester
tenor, alto sax : Frank Foster
flute : Jerry Dodgion (1,3), Lew Tabackin (2,4)

producer : Duke Pearson

recorded 9th May & 6th June, 1969.

1. Fancy Free
2. I Love The Girl
3. The Uptowner
4. Weasil



▶ Weasil


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2021年9月21日火曜日

本日のCD The Oscar Peterson Trio Plays

 

 このジャズ・コンボは1951年から始まり初期メンバーはベースの Ray Brown (レイ・ブラウン) 、ギターの Irving Ashby (アービング・アシュビー)
 1958年までにギターがBarney Kessel (バーニー・ケッセル)、Herb Ellis (ハーブ・エリス)と代わって参加していましたが、このアルバムはギターに代わってドラムスのEd Thigpen (エド・シグペン)が参加したギターレス。1964年録音のスタンダードがふんだんに入ったアルバムです。ちなみに65年にはドラムスがLouis Hayes (ルイ・ヘイズ)に交代、翌年にはベースがSam Jones (サム・ジョーンズ)に代わり、Joe Pass、George Mraz、Niels Pedersen、Niels Pedersen、Ray Price、Louie Bellsonらも加入するなど、メンバーチェンジはかなり頻繁。


 さてこのアルバム、オープニングからピーターソンのオリジナルでレイ・ブラウンのベースに乗って王道のスイング。他とにかく学生時代に周りについていくために聴いていた Satin Doll、Fly Me to the Moon、Shiny Stockings なんかは懐かしのスタンダードで、久しぶりに聴くとまた新鮮でお手本のような演奏はとても安心できます。 Satin Doll はしっかりとした音圧で弾かれるピアノと強弱、アドリブもキラキラしています。その一方で王道ではあるが Fly Me to the Moon の楽しい崩し方なんかも勉強になります。Shiny Stockings はアップテンポのスイングに。You Stepped Out of a Dream は映画の主題歌とのことですが、軽やかでスリリング。
 これぞジャズというベタなアルバムを聴きたくなったらこれはお勧めですね。

piano : Oscar Peterson 
double bass : Ray Brown
drums : Ed Thigpen

producer : Jim Davis

1. The Strut
2. Let's Fall in Love
3. Satin Doll
4. Little Right Foot
5. Fly Me to the Moon
6. Lil' Darlin'
7. This Nearly Was Mine
8. Shiny Stockings
9. You Stepped Out of a Dream





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2021年9月19日日曜日

本日のCD The Modern Jazz Quartet ♪ Blues On Bach

 

 ジャズは色々な音楽を取り入れてきた音楽なのでファンクよりもあればロックよりもある、最近ではヒップ・ホップまでと色々なものがありますが、MJQ は1952年結成の相当古いバンドですが、各楽器の素養がクラシックにあることはよくありますが、このバンドのサウンドまでクラシックの影響を感じさせてくれます。したがって私のようなクラシックを聴かないで育ってきた人間には、時には眠気を誘う音楽のように感じると時がありました。しかし最近は昔よりも雑多に音楽を楽しむ人間になってきましたので、このアルバムのなかなか興味深い作り方には聞き入ってしまいました。
 MJQと言えば、管楽器は使わないMilt Jackson (ミルト・ジャクソン) のビブラフォンを中心にした一貫してクールで室内音楽的なジャズ集団ですが、このアルバムのコンセプトのバッハとブルースの主役はやはりピアノの John Lewis (ジョン・ルイス) ということになるでしょう。ジョン・ルイスはディジー・ガレスピーの楽団でデビュー。以降チャーリー・パーカーやマイルス・デイヴィスなどと共演し、1952年に、ガレスピー楽団出身者を集めてこのMJQを結成。音楽的にはビバップに影響を受けながらも、クラシックの室内楽を思わせる端正かつユニークな音楽性を確立しヌーヴェルヴァーグとジャズの関わりにおいて先駆者的存在となったり、晩年はバッハの作品を発表もしています。このアルバムでもハープシコードをプレイしています。
 このアルバムは名盤「Last Concert」の1年前1973年にリリースされたもので、 1972年カーネギーホールでのスペシャルコンサートの第2部プログラムを そのままスタジオ録音したものとなっている。(と言いつつ、私 Last Concertはこのアルバムを聴いた後に聴いています)クラシックの音楽的手法をジャズに取り入れることを考えていたルイスの音楽的思考が反映されていて、ジョン・ルイスの弾くハープシコードによるバッハの曲とBulues in でコードネームのブルース演奏が交互に淡々と演奏され、いつものMJQよりも更に格式が高い演奏になっている。そう思いながら繰り返し聴いていると、実に襟を正したいつもの特徴の様式美がバッハと交互に聴くことにより更に聴く側に意識させ、その束縛された様式の中でミルト・ジャクソンがブルージーなフィーリングのヴィブラフォンプレイをすることにより、聞く側もほっとできるという心理的なアプローチも意図されているような気もしてきた。特に、誰もが聞き覚えのある Precious Joy のハープシコードとビブラフォンの演奏と続く Blues in C Minor は皆さん素晴らしいと書いていますが私もここが一番盛り上がるところかと思います。テーマの出だしが何か聞いたことがあると思っていたら You`d be so nice to come home to ですね。ちなみにこの曲コールポーターが作曲したのは1943年でした。
 スリリングなハード・バップ好きには眠くなるアルバムであることは間違いないが単体で聴くよりも、家で本でも読みながらじっくりと何回も聴くと味が出てくると思いますので、是非アルバムごと聴いてほしいと思います。
 
piano and Harpsichord : John Lewis
vibraphone : Milt Jackson
bass : Percy Heath
drums, percussion : Connie Kay

producer : Nesuhi Ertegun
recorded on November 26 & 27, 1973 at Atlantic Recording Studios, New York City.

1. Regret?
2. Blues in B Flat
3. Rise up in the Morning
4. Blues in A Minor
5.  Precious Joy
6.  Blues In C Minor
7. Don't Stop This Train
8. Blues in H (B)
9. Tears from the Children





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