待ち合わせまで時間があったので
新宿のとある喫茶店で時間をつぶすことにしました
珈琲を飲みながら、本を読んでいると
後ろからイントネーションが少し変わっている声が聞こえます
「先生これは買うべきだよ」
何やらネットオークションで焼物が出ているらしい
先生と呼ばれているのは70くらいの爺さん
スマホ片手に薦めているのは
どうやら外国人
もしかして、爺さん騙されてるんじゃない?
「これが、この値段はおかしいね。安すぎる」
そうだ、爺さん怪しすぎるぞ!
「いや、〇〇さんに確認してるね。怪しくはないよ」
「日本人の若いもの見る目がないから、
ネットでは安く出してるんだよ」
ほぼ確定だな。これは
爺さん騙されるな
振り返ると爺さんと目があった
「にこっ」と笑ってきた
ああそうか。わかってるのね
怪しいって
と一安心
しかし、しばらくして
「この値段だったら買っちまうよ」
おいおい、爺さん買ったらいかん
気になって本が読めない
また爺さんと、目が合う
笑ってウインクしてきた
爺さんわかってるのね
でもあー気になる
先に会計してくると席を立って
レジ横でメールを打ち始める
怪しい・・怪しすぎる
じっと見つめると目が合う
私は目をそらさない
会計終わると、爺さんに一緒でようと促す
「だめだよ」と声には出せず
爺さんに身振りで×すると
大丈夫と言うような素振り
わかっているんですね
ですよね
「それは怪しいから買わないよ」
と言いながら一緒に出て行った
心配ではあるが
先生と呼ばれる爺さんが
一枚上手のような感じだった