2026年7月27日月曜日

Miles Davis / Sketches Of Spain


 Joaquín Rodrigo の「Concierto De Aranjuez(アランフェス協奏曲)」から始まりますが、私的には Chick Corea の Spain が始まるようなイメージです。
 Nat Hentoff 氏の書いたライナーノーツには Miles Davis, Gil Evans が、このアルバムの製作のきっかけが書いてあり、綿密に計画し試行錯誤しながら制作された過程が、興奮した感じで書かれていますが、長すぎてそこを読むだけで疲れてしまいました。要は Miles が、友人から聴かされた「アランフェス協奏曲」に強い衝撃を受けたことが制作のきっかけで、週末はシダ植物の収集が趣味の Gil Evans に編曲を依頼して始まった。録音は何度も録りなおされ各楽器の録音レベルなどにも細心の注意が払われたことが書かれています。
 確かにこのアルバム、スペイン音楽だけでなく、アラブやアフリカ由来の音階も意識されたサウンドで、アルバム全体が静かな緊張感とドラマ性で貫かれています。


Concierto de Aranjuez おそらく原曲をかなり尊重し、和声やオーケストレーションを書き換えた、Miles のソロを中心に再構成されています。ジャズとクラシックの融合例として、いまも最も有名なトラックのひとつとされますが、アドリブはあるものの、流れはほぼクラシック。
Will O’ The Wisp 原曲はスペインの作曲家 Manuel de Fall のバレエ音楽「恋は魔術師」で、もともとは歌付きの楽曲。1曲目に続き、クラシック作品をベースにしつつ、リズムやハーモニーにジャズの語法を織り込んでます。
The Pan Piper ここから以降は Gil Evans による“スペイン風オリジナル”になります。この曲の元ネタはスペイン北西部ガリシア地方の民謡で、民族音楽研究者 Alan Lomax の現地録音とのこと。タイトルの“Pan Piper”は、民俗的な笛吹きのイメージで、旋律やリズムに土着色を強く残したアレンジ。
Saeta スペイン・セビリアの聖週間で、行列の前で歌われる宗教的な吟唱“サエタ”が題材で、もともとは素朴なア・カペラの叫びのような歌をブラス・バンド風にしています。Miles のトランペットは、広場で歌う一人の歌い手の役を担っているように吹かれています。
Solea フラメンコの主要形式のひとつ“ソレア”をもとにした、アルバムを締めくくる大曲で、原曲そのものではなく、フラメンコ特有の旋法やリズム、情感を抽象化して作り上げています。Miles は「ソレアの感じはブルースに近い」と語っていて、スペイン音楽とアフリカ系アメリカ音楽の“感覚のつながり”を体現した曲として位置付けられているそうです。

 改めて聴いても少し物足りない感じがしますが、興味深い試みであることは確か。わたくし行きつけの音楽好きの集う「おでんバー」の住人は、クラシックにも造詣が深い方も多いので好きそうな感じがします。皆さん聴いているとは思いますが、今度持って行ってみます🎶🎺

Solos & Direction  
Miles Davis : trumpet, flugelhorn  
Gil Evans : arranger, conductor
  
Paul Chambers : bass  
Jimmy Cobb : drums 
Elvin Jones : percussion  
José Mangual : percussion 
trumpets  : Ernie Royal,  Bernie Glow,  Louis Mucci,  Taft Jordan,  Johnny Coles  
trombones : Dick Hixson,  Frank Rehak
french Horns  : Jimmy Buffington, John Barrows,  Earl Chapin,  Joe Singer,  Tony Miranda
tubas : Bill Barber,  Jimmy McAllister
flutes, Oboes & Clarinets : Albert Block
flute :  Eddie Caine 
flute :  Romeo Penque 
oboe  Harold Feldman
clarinet, flute, oboe : Danny Bank
bass clarinet : Jack Knitzer
bassoon  Harp : Janet Putnam  

arranged by, conductor : Gil Evans
liner notes : Nat Hentoff
producer : Teo Macero
recorded 11/20/59 and 03/10-11/60 in New York City.

1. Concierto De Aranjuez / Joaquín Rodrigo
2. Will O' The Wisp / Manuel De Falla
3. The Pan Piper / Gil Evans
4. Saeta / Gil Evans
5. Solea / Gil Evans




▶ Saeta

▶ Solea

定年退職して延長をしないことにしたので、音楽以外のことをしばらく「ノージョブ定年 NoJobTeinen」と言う別ブログに書いてみることにしました。


  

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