アルバムのテーマは海風とサーフィンで「海沿いの生活での美しい日々」で、カラッとした爽やかなサウンドで、BGM的に聞き流せそうな曲も多いのですが、ファンは、どうしてもそのマニアックなギタープレイに耳がいってしまいます。
レコーディングは、George Benson の名作「Breezin'」と同じスタジオ、エンジニアで行われ、ファン・サービスとして Affirmation を録音したのか、経緯を評して録音したのか全体的なサウンドイメージはフュージョン系です。今回は従来の小沼ようすけのサウンドよりL.A.のサウンドを意識したものになっているかと思います。
さて2007年と、いつの間にか懐かしいとなってしまったアルバムを、再度聴きながらレビューしてみます。 Introduction ガット・ギターのアルバム導入曲で、海の波の音をバックに懐かしさを感じる響き。Green トリオでの演奏のフュージョンです。指弾きを駆使した奏法が、このタイプの楽曲としては他のギタリストにはあまりないサウンドになっているかと思います。Wind タイトル通り、風をイメージしての楽曲でしょうが、爽やかさはあまり無く、チャイナっぽいイメージのアルペジオのテーマを中心に曲が展開されます。曲の最後のほうで風がやっと吹いてくる感じでしょうか。Ride キャッチーなリズムとテーマで波に揉まれながらサーフィンをしているイメージは感じます。よくも悪くもLA録音の影響を感じるフュージョンサウンドで、私はこちらの振り切り方はこれで好きです。Hot Sand 波打ち際の熱い砂をトボトボと散歩しているイメージですよね。フォーク調?のテーマにジャズをミックスして、いや昔のブルースに近いのかな。アコースティック・ベースのだるい響きも良いですね。Beautiful Day アルバムの主題曲で、アルバムで一番耳に残るメロディのテーマでポップです。Jam Ka 的なサウンドも良いですが、たまにはこちらの方に戻ってきたアルバムも聴きたいですね。Modern Man シンプルなリフで無機的な響きがありますが、後半の歪ませたギターソロにブルースも感じ、曲全体としては海から離れて都会をテクテク散歩しているようなイメージを感じます。Sunset ある意味、小沼氏のギターのギター曲って、こちらのイメージがあります。うん主題曲も良いけど、これが一番好きかも。Affirmation 海から離れてジョージ・ベンソンに敬意をはらっての収録曲ですね。悪い訳がない。ボーナスって感じです。 Malibu ~memory Of Beautiful Days~ イントロがあればエンディングがあります。締めはやはり波の音をバックにアコギでのソロですね。小沼氏らしいギターの持つ響きを活かした楽曲かと思います。
基本的にデビューアルバムの nu jazz (2001) からJam Ka (2010)まで、Sony Music Japan からのCDを発売してこられましたが、レコード会社の売り込み戦略と小沼氏の音楽に対する取り組みが、チグハグになっていたのもここら辺のアルバムなのかなとも勝手に感じています。なので Jam Ka (2010) 以降は、GNJ (2014) / T5Jazz Records, Jam Ka Deux (2016) / SPACE SHOWER MUSIC, JAM KA 2.5 THE TOKYO SESSION (2019) / FLYWAY LABEL, YOUR SMILE (2023) / FLYWAY LABEL とメジャー・レーベルからマイナーな方に乗り換え、さらにはレーベルまで作るに至ったのかなと妄想してしまいました🎶🎸
electric guitar, acoustic guitar : Yosuke Onuma(小沼ようすけ)
electric bass, acoustic bass : Lincoln Goines
drums : Steve Ferrone
executive producer : Kozo Watanabe
produced by Yosuke Onum
recorded & Mixed at CAPITOL STUDIOS
1. Introduction
2. Green
3. Wind
4. Ride
5. Hot Sand
6. Beautiful Day
7. Modern Man
8. Sunset
9. Affirmation
10. Malibu ~memory Of Beautiful Days~
▶ Wind
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