類家心平の2013年のライヴでT5Jazz Recordsというレーベルから荻久保のライブハウス「Velvet Sun」での録音。力いっぱいで荒々しい演奏は70年代のマイルスのDNAを感じるジャズ・ロック・ファンクで気持ち良い。類家心平は菊地成孔ダブセクステットのメンバーで、時々仕入れる Japan Jazz 音源の中でも、出現頻度が上がってきていて私の中で存在感が増してきているトランぺッターです。渋谷ストリートでは300人以上の集客し、ジャズとポップ、ロック、R&Bなどジャンルを超え、いち早くクロスオーバーの旗手として注目を浴びています。2004年にメジャーデビューを果たし人気を博したジャズ系バンドurb(アーブ)のトランペッターでもあります。
バンド編成としては、これまでの類家のソロとしてはスタンダードとなっていた4人編成にエレキ・ギターを加えた5人編成バンド。若々しくも荒々しいそのサウンドは70年代マイルス・ デイビスのバンドを想起させるロック色の強いサウンド。今回のレコーディングではその荒々しいエネルギ ーを全て記録するため、敢えて荻窪にある小さなライヴ・ハウスにおけるライヴ・レコーディングを敢行。バラード曲では類家心平の比類なき美しい音色が響きつつも、作品全体としてはこれまで になくエネルギッシュで熱い作品となっています。
さてレビューです。KARAGI は、のっけから混沌としたディストーション・サウンドと思いましたが、ギターの音はクランチで最初はバッキングしてワウ掛け、これにトランペットが乗れば確かにマイルスが想起される。ですが切り口は確かにマイルスだが本質はどうだろうか?フリーとも言える演奏ですが一定の決め事はあるようで、もっとサウンド・システムとしては統一されているのかも知れません。HAOMA は、もっとモード寄りのジャズになっています。田中 "tak" 拓也 氏のギターの切れっぷりと音色はかなり好きです。効果音のようなギターの使い方は昔プログレで、こんな人もいましたね。大部分は即興なので一合一会のサウンドなのでしょう。ピアノも色んなメロディーが入ります。私にはわかりませんがクラシックやジャズの美味しいところがオマージュされていそうなフレーズもフンダンに登場します。知っていると楽しさ倍増でしょう。いやイヤ熱いライブです。SPLICING 曲名は見慣れない単語が並んでいますので、おそらく造語と想像しますが文字から受ける感じはスパニッシュでも入っているのか?と思えますがバラードっぽい曲になっていました。こう言った展開の場合ライブ会場で見ながら聴くとかなり心が奪われそうです。GURU 今度はどんな曲だったか思いだせませんが、文字から見るに宗教的な感じかな?と思ったらベースソロは、どこかの山奥での修行のような低音の羅列で3分間。そこからマイルス・パターンに入ります。うーんカッコ良い。変態な音の羅列に聞こえますが、ピアノやギターともシンクロしてるところから見ると楽譜ありでしょうか。偶然の産物で無いところも凄いなと。 4 AM がラストになります。ここはギター単独ソロから入ります。個人技がまた皆さん素晴らしい。それに合わせた類家氏の様々な音色のトランペット。脱力した低音フルートみたいな音色がまた良いです。いつの間にかベースとピアノ、ドラムも入ってきていて何やら感動的な展開です。この曲は確かに朝のイメージ、山の中の朝モヤがゆっくりと移動しているイメージです。
何度か聞いていて、ひたすらエレクトリック・ファンク・マイルスのイメージでしたがじっくり聴けば実に多彩な音楽でやっぱり、これも良いですね🎵
trumpet : 類家 心平
piano : 中嶋 錠ニ
guitar : 田中 "tak" 拓也
bass : 鉄井 孝司
drums : 吉岡 大輔
1. KARAGI
2. HAOMA
3. SPLICING
4. GURU
5. 4 AM
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