2024年1月7日日曜日

渡辺香津美 / Acoustic Flakes


 30代ぐらいまでは、渡辺香津美は聞いたことがある程度だったんですが、札幌勤務していた40代ぐらいからよく聞くようになりました。昔のフュージョンをバリバリと弾いていた香津美も良いですが、その後はジャズを基本としながらも様々なアプローチで世界的なギタリストとしてギターの魅力を語ってくれます。
 このアルバムも、そんなアコースティック・ギターで様々な音楽にアプローチした作品「Guitar Renassance」からの曲が中心となった作品で 5.Blue Monk、9.Adagio、12.Tochika Island はこのアルバムでの書下ろし(弾きおろし?)ビートルズあり、ジャズあり、ブルースあり、ボサノバあり、クラシックありなんですが、ジャンルの垣根を超えて散漫にはならずにギターという楽器の魅力を伝えてくれます。
 またギター弾きには、たまらない丁寧なライナーノーツで、本人の楽曲解説、インタビュー、使用アコースティックギターの解説など、ファンをくすぐる心意気も満点。


 さてレビューです。一発目は、バッハの無伴奏チェロ組曲第一番 完全クラシックでピック弾き、使用ギターは Imai matsu Gut。If I Fell ビートルズのカバーで、ライトでポップなサウンドです。これに、ガットギターの Maria Gut で格式を付け足したようなサウンド。Three Views of A Secret は、ジャコのナンバーです。香津美先生にも、ジャコは特別でインパクトを与えてくれた共演者だったとのこと。使用ギターはTaylor K14EC Steel でシャリシャリとした音色が、この曲にも合うんですね。Stella by Starlight こういった超メジャースタンダードを弾いてくれるのも嬉しい。Blue Monk これは Monk の中でも超メジャーなブルースです。モンクのような音の使いかたはせず、純粋にブルースのテーマとしてこの曲を演奏されています。ギター・ルネッサンスⅣの録音時のアウト・テイクをここに持ってきたとのこと。使用ギターは Paul Jacobson Gut。Blue Steel は、オリジナルとなっていて、ギターらしく低音の開放弦をボンボンと鳴らしながらアドリブを炸裂させていきます。ギターという楽器で誰しもがやる遊び方ですが先生がやると遊びではなくなって作品になります。Nuages
8. Minor Swing
9. ピアノ協奏曲第23番イ長調より第2楽章アダージョ
10. Jamming IBERICO
11. 翼
12. TOCHIKA ISLAND
13. SAYONARA

、指弾きなんでもありの渡辺香津美の懐の深さです。Three Views of A Secret は私のジャコ好きを抜きにしても美しい響きが素敵です。さらにリチャードストルツマンとのクラリネットデュオのBlue Monk、Blue Steel ではギター弾きなら思わずやってしまうジミヘンとかも混ぜて適当に弾くジャカジャカ的な曲で楽しいです。Stella by Starlight はソロギターのお手本。
 こんなに弾けるわけはないんですが、私たちアマチュア・ギタリストにも精進すると楽しい世界が待っているよ的な幻想も持たせてくれる気もします。縦横無尽に弾けたら楽しいんでしょうなあ。 精進しましょう!

guitar : Kazumi Watanabe
bass : Richard Bona (9)
clarinet : Richard Stoltzman (5)
vocals : Minako Yoshida (11)

1. 無伴奏チェロ組曲第一番よりPrelude
2. If I Fell
3. Three Views of A Secret
4. Stella by Starlight
5. Blue Monk
6. Blue Steel
7. Nuages
8. Minor Swing
9. ピアノ協奏曲第23番イ長調より第2楽章アダージョ
10. Jamming IBERICO
11. 翼
12. TOCHIKA ISLAND
13. SAYONARA





  

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