2023年11月18日土曜日

John Scofield / Time On My Hand


 Blue Note 移籍の第一弾でアルバム・タイトルは Time On My Hand、邦題は「ギタリストの肖像」です。何か聞いたことあるネーミングです。「ジャコ・パストリアスの肖像」(Jaco Pastorius) は、1976年に発売された ジャコ・パストリアスのソロ・デビュー・アルバムで、このアルバムは1989年で10年以上前のアルバムです。何か共通点は無いのかと探ってみましたが特に何も見つかりませんでした。time on one's hands = 持て余した時間が俺にはある おそらく日本版の発売前に案を持ち寄って、会議で決定するものとあると思われますが、どのような過程で「ギタリストの肖像」になるのか、非常に興味があります。
 John Scofield は、この後1991年に発売される Grace Under Pressure しか持っていないので、活動遍歴を実際に耳で聴いているわけではないのですが「ジャズフォーマットにやや戻ったジョンスコ」と書かれているので、そうなんでしょう。


 それでは聴いて参りましょう。Wabash Ⅲ はギターとサックスの楽しいユニゾンが聴ける曲となっております。バリバリのジャズ・フォーマットです。ジョン・スコのギターは、粘りっこいオーバー・ドライブ・サウンドで、音使いも独特でギタリストよりも違う楽器のように感じます。管楽器に近い感じがしますが管楽器の音使いでもないですね。Since You Asked は、また変則的に攻めてきますが、何かエレガントな仕上がり。So Sue Me は、どこかで聴いたことがあるメロディーが出てきますが誰だかわからない。ああイライラする。何かの曲との合体ですね。Let's Say We Did は静かにきますので、ハード系の曲と交互に最初は出してきます。決して聴き手を盛り上げていこうとする構成では無いですね。Flower Power も曲名のごとしエレガントですが、ジョンスコのずらしたフレーズが曲と絡みあいながら、うねるように流れていきます。決してきれいなだけの花では無いですね。Stranger To The Light で、やっとリズムが細かく動きます。これはかなり抽象的な感じがして、私のジョンスコのイメージはこんな感じです。Nocturnal Mission は、軽くてフリーでエレガントで幻想的。Farmacology で、普通のジャズフォーマットに戻ってきました。いや普通のように聞こえるフォーマットに戻ってきました。ネオバップで、うねるうねる=気持ち良い。Time And Tide は、また不思議っぽい感じの曲です。この曲のコピーバンドやってたらどこをやっているのか見失うのが必至ですね。Be Here Now 元はしっかりしたテーマとかあるのを無理やり縮めてゴタゴタニした感じの曲で、これも変態系の曲ですね。Fat Lip これのモチーフはわかりました。Cissy Strut です。ああ嬉しい。
 かなり久しぶりに聞いたんですが、ピアノレスなので独特の自由観があり、うねるギターと歪んだ音、ジョンスコらしい曲よりジャズ・フォーマットの曲に共感を覚えます🎵

guitar : John Scofield
soprano sax, tenor sax: Joe Lovano
bass : Charlie Haden 
drums : Jack Dejohnette

producer : John Scofield, Peter Erskine

recorded at Power Station NYC November 19-21 1989

1. Wabash Ⅲ 
2. Since You Asked 
3. So Sue Me
4. Let's Say We Did
5. Flower Power
6. Stranger To The Light 
7. Nocturnal Mission
8. Farmacology
9. Time And Tide
10. Be Here Now
11. Fat Lip





  

2023年11月17日金曜日

Luther Allison / Songs From The Road


 これは私が札幌在住時代にブルースに再燃していた時に購入したもので Luther Allison は知らずにDVDもついていて、お勧めコーナーにあったので購入したものですね。知らなかったけど聴いてみて観てみてかなりの満足作品でした。
 Luther Allison は、1939年アリゾナ州メイフラワー生まれ。50年頃にシカゴに移り、間もなく活動を開始。1969年に Love Me Mama で遅咲きデビューして以来、1997年まで Buddy Guy、Otis Rush、Magic Sam、Freddie King らと共に第一線で活躍し続けた伝説のシカゴ・ブルース・ギタリストです。1979年にはヨーロッパに移住しましたが、90年代アメリカに戻り1997年8月に58歳で肺癌により死去しています。


 さてレビューです。 Cancel My Check は、最初から王道のハード系のブルース。ボーカルの吠え方も良し、ギターの歪み方良し、ブレイクした時の客の興奮した歓声からも興奮のライブ状況が伝わります。Living In The House Of The Blues 作曲は williams とあるが、どのウイリアムズ参加はわかりませんでした王道スロー・ブルース。What Have I Done Wrong スローを挟んでジャンプ・ブルース系に戻ってきました。作者不明となってますブルースのスタンダードですね。特に難しい仕掛けは無く長めのギターソロが嬉しいヤツです。Will It Ever Change ドラムから入るイントロがカッコ良い。オルガンのバッキングも良いですね。You Can, You Can これもオルガンが活躍の王道ブルース。これも工夫無しのストレートなブルース進行。歌詞とテンポだけが変わっているかのような同じパターンがこのパターンのブルースの醍醐味です。There Comes A Time 少し雰囲気変わります。ひたすら同じパターンを繰り返し4分間、サビっぽいコードにたまに移りますが基本全て同じ。日本人には中々できないパターンの曲の構成です。(Watching You) Cherry Red Wine きました泣きのバラードって感じです。Low Down And Dirty 盛り上がるパターンですね。スライド・ギターでマンネリから脱出ですが、好きにやっていただけたら、こちらも楽しめます。ちょっとロックっぽいアレンジは良い。It Hurts Me Too ライブも終わりに近づいてきましたって感じの選曲です。スローで思いっきり貯めてから爆発する力強いボーカルが良い。Serious 最後は力強いエレピで始まるマイナー・ブルースとなります。締めはパーティのような曲なのかと思えば意外な展開。
 ブルースはワンパターンでも良い。斬新な曲作りよりもブルースをやり続けてきた人の表現力があれば、それで成立ということの典型です。ワンパターンでも飽きることなく楽しめるアルバムです。シックなギターは魅力的でエネルギッシュな演奏は、とても後1か月後に病死する人の演奏とは思えません🎵

vocals, guitar : Luther Allison
keyboards : Mike Vlahakis
guitar : James Solberg
bass : Ken Faltinson
drums : Rob Stupka

producer : Pierre Touchette

recorded at Festival International De Jazz De Montreal

【CD】
1. Cancel My Check
2. Living In The House Of The Blues
3. What Have I Done Wrong
4. Will It Ever Change
5. You Can, You Can
6. There Comes A Time
7. (Watching You) Cherry Red Wine
8. Low Down And Dirty
9. It Hurts Me Too
10. Serious

【DVD】
1. Cancel My Check
2. Living In The House Of The Blues
3. You Can, You Can
4. (Watching You) Cherry Red Wine
5. Low Down And Dirty
6. It Hurts Me Too
7. Move From The Hood



▶ Serious


  

2023年11月12日日曜日

Lee Morgan / Sonic Boom

 

 1967年4月の録音ですが、発売は1979年と10年以上もお蔵入りしていた作品です。同年のモーガンのリーダー作は The Sixth Sense だけであるが、God Bless The Child、The procrastinator なども Blue Note でお蔵入りになっています。かなり状態も良く内容も録音ですが、同年に7月には John Coltrane が亡くなり、ソウル・ジャズ、フリー・ジャズが混沌としていた時代故に、正統派ハード・バップは売れないと思ってお蔵入りになったのでしょうか?
 この録音で29歳ですが、18歳でリーダー作を吹き込み、33歳の若さで愛人に撃たれて亡くなってしまう Lee Morgan にとっては後期のアルバムとなります。Lee Morgan と言えば ジャズ・ロックThe Sidewinder というヒット作が代表作のように思っていたのが、他のアルバムを聴くにつれ変わってきくる、これも魅力的な作品です。
 ちなみに私の購入したCDは、BLNT999という廉価版のシリーズでジャケットは非常に安っぽい写真が張り付けてあるだけですが、色々なジャケットでリリースされているようなので、これに気を付けて今後の Lee Morgan シリーズの購入が必要ですね。

 

 素晴らしいい録音の立役者としては、テナー・サックスの David Fathead Newman の存在が大きい。テキサス出身のジャズとリズム&ブルースを中心としていて、図太い音はテキサス・テナーとも言われる大御所。Ray Charles が参加していた Lowell Fulson band に1954年からバリトン・サックスのプレイヤーとして参加し、Ray Charles band に1964年まで在籍していたとのこと。ベースは言わずもがなの Ron Carter、ドラムの Billy Higgins はノリ感抜群、Cedar Walton は、音の美しさ抜群のピアノと布陣も申し分ない。何故発売されなかったのか?疑問は深まるばかりです。
 さてレビューです。5曲目の I'll Never Be The Same を除いて全て、Lee Morgan の作曲です。Sneaky Pete のモチーフは聴いたことがありますが直ぐに出てきません。あー悔しい。イントロとテーマは変えてますが、よくあるパターンではあります。なんて悩みながら聴きながら1曲目から Lee Morgan の節回しって、やっぱりカッコ良い。The Mercenary 少し長めの7分11秒。途中のカリプソ・タイプのリズムに変わるテーマが好きです。これを繰り返すのかと思いきや、ソロパートはハードバップ。いぶし銀のテナーソロも良いし各自の仕事はきっちりです。ロン・カーターのベースソロだけ妙に静かな感じで聴きいってしまいました。Sonic Boom 本アルバムのテーマであります。ソニック・ブームとは超音速による衝撃波のことでカッコ良い響きです。曲自体は超音速ではありませんがスピード感がありますが、衝撃波のレベルではないような気もしますが後半になるに連れて熱気を帯びる演奏が良いですね。Cedar Walton が背中をかがめて高速で鍵盤を叩く姿が思い浮かぶようなソロ、つんざく高音のトランペットも良いです。熱量からしても、やはりタイトル曲。Fathead は、ダンスナンバーのような楽しい曲です。昔のテレビドラマのオープニングのような感じでリラックスの曲です。I'll Never Be The Same で、このアルバム唯一のバラード。心温まる演奏でした。Mumbo Jumbo は、トランぺッターが好きなパターンのマンボ。このリズムには、やはり金管楽器ですね。どなたかがウッと言うマンボの掛け声を一回だけやっているのですが、その後出てこないのはご愛敬。最後のテーマぐらいで出して欲しかったな。うん楽しい。
 何故、お蔵入りになったのか、ホント理由が知りたいですね🎵

trumpet : Lee Morgan
bass : Ron Carter
drums : Billy Higgins
piano : Cedar Walton
tenor sax : David Fathead Newman

producer : Alfred Lion

recorded on April 14, 1967. All other tunes recorded on April 28, 1967

1. Sneaky Pete
2. The Mercenary
3. Sonic Boom
4. Fathead
5. I'll Never Be The Same
6. Mumbo Jumbo





  

2023年11月11日土曜日

George Benson / Guitar Man


 2011年の作品ですか、購入時には確か「原点回帰」とかのキャッチフレーズでかなりの宣伝してたんですよね。久しぶりに聴いてもギターという楽器を知り尽くす演奏とセンスの良さが一流すぎる笑顔が相変わらずエロいオジサンですよね。何が凄いって選曲からしてジャズファンだけだはなく、一般のリスナー向けなので普通のミュージシャンがやるとチープな感じがでるんでしょうが、この人は適度にジャズでポップな味付けでどちらの人でも聴ける音にしてるとこではないでしょうか。
 改めてライナー・ノーツを見ていると 12anniversarry のギターの宣伝のような写真があります。どうやら「Ibanez アイバニーズ ジョージベンソン 12周年 シグネイチャーモデル GB-12 12th ANNIVERSARY」のようです。ファンとしては、こんな写真を見たら別にもう一台ギターは要らなくても買う人は多いでしょう。ここら辺も George Benson は商売がうまいです。ちなみにお値段中古で¥627,292 ¥648,463 でしたので、相場は60万円強と、このモデルは、かなりお高めです。


 選曲はジャズ・スタンダードやポップスのカバーです。ノラジョーンズの Don't Know Why なんかは新しめかと思ったら、ノラのデビューアルバムは2002年 Come Away With Me ですから、それほど新しいわけでもない (若手アーチストと思っていたらノラも私も歳をとっていました) 自分の歳も感じますね。そしてナイロン・ギターを使ったノスタルジックな曲は Danny Boy あたり。これも何とも言えない渋めのソロギターを決めています。
 ベンソンの歌が上手いのはご承知の通りで、このアルバムの中ではバラードの Since I Fell For You が聞き直して一番印象が良いです。そして Tenderly、 Naima、Tequila、 My One And Only Love とコテコテのスタンダードも多数収録されているんですが、ここら辺がオジサン・リスナーの心をくすぐります。別の意味でスティービーワンダーの My Cherry Amour にも適度にポップにソウルしてるとこもオジサンの心はくすぐられます。ジャズを聴いているのか、ポップスなのか、イージーリスニングなのか?と思えばいつの間にかジャズのようで、心して聞かなくても聴いてるうちに聞きほれるという何とも絶賛なアルバム、演奏とセンスの良さが一流すぎます。丁度良い具合にバランスがとれていてギラつかない音、落ち着いたジャズは相変わらず素晴らしい🎵

guitar vocals : George Benson
keyboards : Chris Walden (7)
piano keyboards : Joe Sample, David Garfield
rythm guitar : Paul Jackson, Jr. (2),  Ray Fuller(2)
bass : Freddie Washington(2), Ben Williams (3 to 5, 7 to 9, 12)
drums : Harvey Mason(3 to 5, 7 to 9, 12), Oscar Seaton, Jr.(2)
percussion : Lenny Castro (3, 5, 6, 12)
violin viola : Charlie Bisharat (2, 7)
alto flute, Clarinet : Dan Higgins(2)

executive producer : Noel Lee
producer : John Burk

1. Tenderly
2. I Want To Hold Your Hand
3. My Cherie Amour
4. Naima
5. Tequila
6. Don’t Know Why
7. The Lady In My Life
8. My One And Only Love
9. Paper Moon
10. Danny Boy
11. Since I Fell For You
12. Fingerlero

    ▶ Guitar Man




  

2023年11月10日金曜日

James Cotton Band / Live At Electric Lady


 機関車のようでタイトで骨太なリズム隊で、実に油ギッシュなライブ。1974年に Buddh から発売の 100% Cotton と同時期の未発表ライブで、Sequel から1992年にCDで発売。この100% Cotton から、ギターに Matt Murphy ドラムに Ken Johnson ベース Charles Calmese サックス Little Bo の強力メンバーで、James Cotton Band としてファンク・ブルースのサウンドを確立しています。


 さて、レビューです。Back At The Chicken Shack これは、1960年録音のジャズ・オルガニスト Jimmy Smith による1960年の録音が元曲です。元祖はもっとスロー・テンポのブルースで Kenny Burrell がギターを弾き、Stanley Turrentine が サックスを吹いています。しかし、こちらの方が数倍カッコ良い出来栄えインスト作品。Off The Wall 1953年の Little Walter の作です。これも高速ブギーで最高のハープを聴かせてくれるインスト作品。 Rocket 88 は、James Cotton の十八番のナンバー。 1951年の Jackie Brenston and his Delta Cats が最初の録音。Don't Start Me Talking は Sonny Boy Williamson II の作品で、2分33秒と短くまとめられたブルース。Georgia Swing は、少し曲調を変えたブルースで Matt Murphy のソロがギラギラした音で良いですね。作者は不明のようです。One More Mile は、コットンのオリジナル。短いMCが入ってから始まります。これも十八番ナンバーですが、このアルバムのバージョンは素晴らしい。I Got My Mojo Working 1956年Preston "Red" Foster の作品ですが、Muddy Waters で有名になった曲ですね。この高速ファンク・ブルースでやると違った曲に聞こえるぐらいの出来栄え。How Long Can A Fool Go Wrong テンポはやっと落ちた普通のレベルになりました。コットン作品。シンプルな音使いですが、コットンのハープが冴えます。ブレークしてのお客さんのノリノリの反応からも興奮もののライブが伺えうらやましい限り。Blow Wind Blow これも十八番の一つですね。Little Walter 作品でズドンズドンと腹に来るベース・ラインが気持ち良い。Mean Ol' World は、スローナンバーで、T-Bone Walker の1942年作品。枯れた音の Matt Murphy のギターリフが、何でもないけど好きです。このような何でもない曲でこそバンドの力がわかります。I Don't Know 1952年 Willie Mabon の作品ですが、Blues Brothers でもヒットした名曲ですね。ブレイクだらけで、これがまた良い。Boogie Thing は Matt Murphy 作となっています。名の通りひたすらブギーで演奏しているほうも興奮するテンポでこれでもかと音の洪水。Stormy Monday Muddy作品かと思っていましたが、T-Bone Walker みたいです。様々なブルースマンに愛される名曲です。Fever は、Eddie Cooley、Otis Blackwellの作曲で、Little Willie John の1956年のデビューアルバムにしてヒット曲らしいです。オールディーズっぽい曲で最後はフェイドアウト。
 ハープもこれでもか!という感じでたたみかけ、迫力あるボーカルに思わず引き込まれ文句なく楽しい。スタジオ盤以上に熱い演奏がブルースはやはりライブだなと思わせてくれ、大満足なアルバム🎵

harmonica, vocals : James Cotton
bass : Charles Calmese
drums : Ken Johnson
guitar : Matt Murphy
tenor Saxophone : Little Bo

recorded for radio station KQ42 at Electric Lady Studios in New York in late 1975 or early 1976

1. Back At The Chicken Shack
2. Off The Wall
3. Rocket 88
4. Don't Start Me Talking
5. Georgia Swing
6. One More Mile
7. I Got My Mojo Working
8. How Long Can A Fool Go Wrong
9. Blow Wind Blow
10. Mean Ol' World
11. I Don't Know
12. Boogie Thing
13. Stormy Monday
14. Fever






  

2023年11月5日日曜日

The Jackson 5 / Greatest Hits

 

 Disk Union で、中古CDのソウル・コーナーを見ていたら、このアルバムを発見し懐かしさもあり即購入しました。アメリカで The Jacson5 が流行っていたと同時に日本でもフィンガー5 が完全に名前を意識して活躍していました。フィンガー5は1972年から1978年に活動、Jackson 5 は、1969年から1989年で本家は活動期間が長いですね。どちらも特にファンであったと言うことではりませんが、色々な場所で、とにかく良く流れていましたから色々な曲が耳に残っています。


メンバーは、下記の通り。5男は参加していないようです。
Jackie Jackson 長男 1962 - 1990・2001・2012-
Tito Jackson 次男 1962 - 1990・2001・2012 - 
Jermaine Jackson 三男 1962 - 1975・1984 - 1990・2001・2012 - 
Marlon Jackson 四男 1963 - 1987・2001・2012 - 
Michael Jackson 六男 1963 - 1984・2001
Randy Jackson 七男 1975 - 1990・2001


 さてレビューです。1曲目は、1969年のデビュー曲 I Want You Back メイン・ボーカルの Michael Jackson 11歳の時です。兄たちとのハーモニーも美しく、モータウン独特のサウンドは素晴らしい。現代でも十分通用する楽曲です。今まで気づきませんでしたがデビュー曲ですがバックにはストリングスが入っていますね。デビュー曲から豪華なサウンドでレーベルの期待の高さが最初から伺えます。次いで、ABC も、大ヒット曲です。マイケルのほ非凡な歌唱力、兄弟たちとの掛け合いも素晴らしい。楽器の演奏力の高さ、アレンジも素晴らしい。Never Can Say Goodbye は、典型的なソウルの楽曲ですが、伸びのあるマイケルの歌声と丁寧な歌いまわしで大人には出せない魅力ある作品になっています。Sugar Daddy は、モータウンですが少しロックっぽい曲ですね。踊りだしたくなるような跳ねたリズムが印象的です。I'll Be There は、少女のようなマイケルの歌声から始まるスローナンバーで切ないような歌声での楽曲が耳に残ります。Maybe Tomorrow ここらへんは、ビートルズとかも意識したような曲の出だし。このアルバムの中では曲としては弱いような感じです。 The Love You Save デビュー曲のような作りの曲で、良い曲ではありますが、少しネタ詰まり感が出ているような気もします。Who's Lovin You どっぷりソウル・ブルースですね。大人がダミ声で歌って味がでるタイプの曲ですが、正確な音程とリズム感できっちりと歌い上げることにより、このようなタイプの曲でまた違った魅力が出ています。でも背伸びしている感じがあるかな。 Mama's Pearl で、またモータウンサウンドに戻ってきます。ネタ詰まり感はあるものの、基本この路線で押していかなければファンは納得しないのでしょう。派手さはあって良いものです。Goin' Back To Indiana オールディーズですね。コンサートにはこういった曲もあった方が盛り上がります。演奏するバンドのメンバーは単純な進行で考えずに演奏できる、このタイプの曲は楽しいでしょう。そのように最後の方は盛り上がっています。I Found That Girl 締めの曲は、典型的なソウルです。リードボーカルは兄の誰かがとっています。それもワイルドで良いでしょう。
 若い頃に聴いていた音は、無条件に心地よいものです。Jackson 5 のアルバムを全て揃えようとは思いません。ベスト・アルバムを聴いて懐かしむにはちょうど良いアルバムです。映像を探していたら Ed Sullivan Show とか出てきましたがモロに口パクですね。そんな時代でもありました🎵

executive producer : Berry Gordy

1. I Want You Back
2. ABC
3. Never Can Say Goodbye
4. Sugar Daddy
5. I'll Be There
6. Maybe Tomorrow
7. The Love You Save
8. Who's Lovin You
9. Mama's Pearl
10. Goin' Back To Indiana
11. I Found That Girl





  

2023年11月4日土曜日

Grant Green / Live At The Lighthouse


 見た目インパクトあり、私にはサイケを狙った、かなり悪趣味なジャケットデザインに見えます。が、こういう奴は海外では高評価高いんですよねえ。
 Grant Green は1960年代前半はビバップ・スタイルでプレイし、1960年代末から1970年代にかけては、JBに影響を受けたファンクなプレイをするようになり、この1972年のアルバムでは、ジャズからファンク系に転向してとにかく弾きまくってます。
 ジャズ・ギタリストの小沼ようすけ氏の教則本のお勧めの中に入っていたのがきっかけで初めて Grant Green を聴いたのがこのアルバム。知識としては Grant Green が晩年にファンクに転向したとは知っていたものの、その後古いアルバムも聴くようになってからは、ビバップ時代のアルバムの方もなかなか。しかしこのアルバム、何しろ有名ですから、最初にこのアルバムを聴いてGrant Green を見切ってしまって他のアルバムを聴いていない方も多いかとは思いますので、それはもったいない。古いものも是非聞いていただけたらと思います。1961年の Green Street なんかを聴けば、なるほど、ジャズの下地があって敢えてシンプルで刺激的な方向に行ったのかとそのスタイルの違いが良くわかります。


 さて、このアルバム、オルガンの Shelton Laster が、メンバーに入ってはいますがエレクトリック・ベースもいます。この手のジャズ・ファンクはオルガンがいるとベースがクビと言うことが多いかと思いますので楽器編成も珍しい感じです。
 ということで、レビューです。最初は、ベースとドラムが練習風に流しながら、アナウンサー Hank Stewart がバンドの紹介です。終了すると Windjammer JBタイプのベースから始まります。12分という長尺の曲ですが、曲に合わせて各自のソロを気の済むまでやるというパターンですので、楽しみながら聴いていると、それほど長くは感じません。Betcha by Golly, Wow は、Stylistics のデビューアルバムに収録されているソウル・ナンバーです。あのメロディが、そのままインストになっているので馴染みやすいですね。Fancy Free は Donald Byrd のジャズ・ファンクの名曲です。比較的近い時期の発売のカバーかと思っていたら、本家は1969年、こちらは1972年ですから3年違いでした。Flood in Franklin Park は、オルガンの Shelton Laster の作曲の王道ジャズファンク。Franklin Park はボストンにある植物園もある大きな公園とのこと、そこで洪水被害があったんだろうか?これは深くは調べなくても良いかなって感じですね。Jan Jan は、デトロイトのファンク・バンドCounts のリーダーでキーボード奏者 Mose Davis の作品です。元曲は聴いたことはありませんが、おそらくJB風なんだろうなって感じます。Walk in the Night は、1972年 Jr.Walker & The All Stars のからのシングルカット。元曲であろう曲に何となく聞き覚えがあります。
 かなりアクは強めなところが良い感じです🎵

guitar : Grant Green
sax : Claude Bartee
vibes : Gary Coleman 
organ : Shelton Laster
electric bass : Wilton Felder
drums : Greg Williams
percussion : Bobbye Porter Hall
announcer : Hank Stewart

producer : George Butler

recorded live at "The Lighthouse" Hermosa Beach, California April 1972.

1. Introduction by Hank Stewart
2. Windjammer (Neal Creque) 
3. Betcha by Golly, Wow (Thom Bell, Linda Creed) 
4. Fancy Free (Donald Byrd)
5. Flood in Franklin Park (Shelton Laster) 
6. Jan Jan (Mose Davis) 
7. Walk in the Night (Johnny Bristol, Marilyn McLeod) 





  

2023年11月3日金曜日

David Sanborn / Pearls


 1995年のエレクトラ・レーベルからのリリースです。優美なストリングスを入れてサンボーンが「サックスで歌い上げる」ゴージャスでドラマチックなアルバム。サンボーンが吹くサックスという楽器が放つ音の説得力、力強さが感じられます。
 音楽CDではありますが、ジョニー・マンデルの編曲をバックに大きな映像が流れ、その真ん中にサンボーンが立ちながら、ゆったりとサックスを吹いているような音楽を聴いていて何かが見えてくるような気持になります。


 アルバム全体はカバー曲で構成されています。 Willow Weep For Me 1932年に Ann Ronell が作詞・作曲した邦題「柳よ泣いておくれ」というポピュラー・ミュージック。オーケストラをバックでポップな味わいです。今までのサンボーンは、どこに行ってしまったのか?最初に聴いた時には結構戸惑いました。しかし、サックスの鳴き方は、いつものサンボーンのようであります。Try A Little Tenderness  も1932年、Jimmy Campbell, Reg Connelly,  Harry M. Woods によってつくられた曲で後に Frank Sinatra のデビューアルバムに収録され1966年の Otis Redding のカバーで有名になった曲です。目を閉じれば、映像が見えるような音楽です。王道の安定した旋律ですが素晴らしい出来栄え。そして大スタンダード Smoke Gets In Your Eyes です。やっぱり一番グッと胸にくる演奏でサンボーンって良いなあと素直に思える出来栄えです。ひねりはあまりないので、サックスの教則本に収録しても良いぐらいの品行方正な録音かと思います。Pearls これが主題です。Sade Adu、Andrew Hale と言う人の作曲らしいです。全く知りませんが奥行きの深い曲です。For All We Know は、ボーカル入りです。歌は Oleta Adams というソウル・ジャズ・ゴスペルを歌う方です。For all we know. We may never meet again. Before you go Make this moment sweet again 二度と会えないかもしれないことを知っていると、最後の二人の夜をゆっくりと過ごす歌です。かなり歳をとった歌声でこんな曲を聴くと何か昔話を聴いているような感じですね。Come Rain Or Come Shine は、Harold Arlen 作曲、Johnny Mercer 作詞の1946年のポピュラーソング。Billie Holiday、Sarah Ella Fitzgerald、Judy Garland などの女性シンガー、Ray Charles、Bill Evans、Frank Sinatra、などなどでも聴けますし Art Blakey Moanin' なんかにも収録されています。This Masquerade は、Leon Russell による名曲です。ジョージ・ベンソンの方が聞き覚え有ります。Everything Must Change Randy Crawford これも1976年にリリース Benard Ighner が作曲した曲で様々なアーチストにカバーされている名曲。歌よりも説得力を感じます。Superstar これはLeon Russell 作、カーペンターズで有名な曲ですね。Nobody Does It Better Carly Simon が1977年に映画『007 私を愛したスパイ』の主題歌として発表した楽曲。懐かしいですね。
 とにかくテクニックがあるサックス奏者の楽曲を聴かせるのではなく、その曲の心を伝えるような強烈なサックスです。おそらくギター弾きの私よりもサックス奏者の方には「たまらない魅力あり」の一枚だと思います🎵

alto sax : David Sanborn
keyboards : Don Grolnick (1, 4 to 9),  Kenny Barron (2,3) , Oleta Adams (10)
acoustic bass : Christian McBride (1 to 8)
electric bass : Marcus Miller (10)
fretless bass : Mark Egan (9)
drums : Steve Gadd
percussion : Don Alias
orchestrated By : Johnny Mandel (9)
vocals : Oleta Adams (10)

producer : Johnny Mandel, Tommy LiPuma

1. Willow Weep For Me
2. Try A Little Tenderness
3. Smoke Gets In Your Eyes
4. Pearls
5. For All We Know
6. Come Rain Or Come Shine
7. This Masquerade
8. Everything Must Change
9. Superstar
10. Nobody Does It Better


▶ Pearls