2025年2月8日土曜日

Jeff Beck Eric Clapton / Giants Of Guitar


 これは最悪の録音状態でジェフベックとクラプトンのソロ音源のオムニバスです。発売元のレーベルは  CITADEL, MADE IN ISRAELとあり発売年は不明です。歴史のあるお二人ですから、このような音源は数知れずあるんでしょう。ライナー・ノーツなどは無しのペラペラのジャケットで情報的には、かなり不足しています。


 クラプトンはブルースセッションのライブ録音で、音は割れるしレベルがボコボコ変わるなど特に録音状態はかなり悪い。Burning Girl Releases, Release Date, Aug 04, 2014, 12 live tracks


 ジェフベックはスタジオ録音から選んであるので未だマシですが、音はペコペコです。 Faces and Places, Vol. 11, 10 tracks
 元音源自体が、おそらくBootlegのようなものを、趣味のように勝手に集めてアルバム化しただけなんでしょうがマニア受けはしそうです。
 クラプトンもベックも若い時からゴリゴリとドブルースを展開しています。ジェフはさすがにテクニカルですが、クラプトンはアマチュアっぽい演奏で、こんなギター弾いてたんだとアマチュア・ギタリストが勇気づけられるフーンの一枚です🎶

【Eric Clapton】
1. Big Boss Man
2. The First Time I Met The Blues
3. Louise
4. Five Long Years
5. They Call It Stormy Monday
6. Early In The Morning

【Jeff Beck】
7. Jeff's Blues
8. Shapes Of Things
9. I Ain't Got You
10. What Do You Want
11. Mister You're A Better Man Than I
12. New York City Blues
13. Someone To Love


Louise



  

2025年2月7日金曜日

Big Bill Broonzy ‎/ The Anthology

The Anthology (CD, Compilation, Remastered) アルバムカバー

 あの有名な Key to the Highway は Big Bill Broonzy(ビッグ・ビル・ブルーンジー)の曲でした。ミシシッピ州生まれで、本人は1893年と主張していますが、1898年、1903年生まれ説などもあります。この時代は黒人男性が働くのには、実際の年齢に上乗せすることは普通であったことであるため、年齢を高めに申告していたのは事実のようです。生地についてもアーカンソー州レイク・ディックとする説もあるとのことで出身地も舐められないために偽ることも多かったものと想像されます。

 ブルースマンについて、色々見てたら意外だったのが、戦前ブルースの有名人たちの年齢で、下記に、生まれた年を列記すると
チャーリー・パットン          1891年
ビッグ・ビル・ブルーンジー 1893年
サン・ハウス        1902年
スキップ・ジェイムス    1902年
ハウリン・ウルフ      1910年
ロバート・ジョンソン    1911年
エルモア・ジェイムス    1918年
 Robert Johnson(ロバート・ジョンソン)の方が元祖だと思ってたら全くの後輩で、そんな元祖なのに動画なんかも、しっかり残っているのは驚きです。ロバート・ジョンソンなんか音源だけですからね。でも音源を聴いていると Big Bill Broonzy の方がずっと都会的で難解な ロバート・ジョンソンの方が難解な節回しとリズムですから、それはそうだとも理解できます。
 歌の独特の節回しがブルースを感じるとともに演歌っぽいとも感じます。また彼は生涯で300曲以上を作曲したと言われていますが、本アルバムの曲名を見ていると酒、女 がテーマの曲は少ないように感じます。「シカゴブルース界の吟遊詩人」「シカゴブルースの風」とも呼ばれ、若干カントリーの源流の匂いも感じます
 昔のラジオを聴いているようでノスタルジックな気分になれますが、2枚組50曲は疲れるかもしれません🎶

【DISC1】
1. Where the Blues Began
2. Key to the Highway
3. John Henry
4. Big Bill Blues
5. Martha Blues
6. Saturday Evening Blues
7. Glory of Love
8. Backwater Blues
9. Little City Woman
10. You Changed
11. How You Want It Done
12. By Myself
13. Jacqueline - (featuring Washboard Sam)
14. Hollerin' Blues
15. Willie Mae Blues
16. C.C. Rider
17. South Bound Train
18. Mopper's Blues
19. Lonesome
20. Mississippi River Blues
21. Mindin' My Own Business - (featuring Washboard Sam)
22. Never Never
23. Bill Bailey
24. Get Back
25. Careless Love

【DISC2】
1. Whiskey and the Good Time Blues
2. Midnight Special
3. I Know She Will
4. Five Feet Seven
5. Stump Blues
6. Preachin' the Blues
7. Water Coast Blues
8. Lonesome Road Blues - (featuring Washboard Sam)
9. Hey Hey
10. Crawdad
11. Walkin' the Lonesome Road
12. I'm Gonna Move to the Outskirts
13. Shine On, Shine On
14. San Antonio Blues
15. I Don't Want No Woman
16. Diggin' My Potatoes - (featuring Washboard Sam)
17. Tell Me Who
18. Tomorrow
19. Sweet Honey Bee
20. Wee Wee Hours
21. Romance Without Finance - (featuring Washboard Sam)
22. Old Man Blues
23. Make My Get Away
24. I Feel Like Crying
25. Sad Letter Blues






  

2025年2月6日木曜日

incognito / Souvenir for Japan


 Souvenir(すーべにーる)ってのは、「お土産」って意味だそうです。なんで、こんな名前のアルバムになったかって、日本限定発売だからだそうです。
 と言っても、完全に日本の為に曲を書き下ろした訳では無く、新曲も収録されているものの旧来の曲のリミックス・バージョンが散りばめられています。私は、このバンドの Pieces Of A Dream の数々のリミックスに過去投資をしてきましたが、またブルーイの金儲け戦略にハマってしまう訳です。今のデジタルな録音では各パートがキッチリと録音されて独立して残っているのですから、これに様々なエフェクトかけたり切り貼りは可能な訳で、リズムパートだけ別につくって合成すれば、腕の良いエンジニアに任せれば、無限大に様々なバージョンが創れるわけですから、うまみのある産業構造になっていますね。
 ジャケットで買う私のようなタイプは良いカモで、こうやって、曲を頭の中に刷り込まれてファンになっちまう訳です。恐るべき音楽ビジネスの洗脳ですが、聞いていて気持ち良いんで、はめられているのも良いかなとは思ってます。
 全世界に incognito 中毒者を発生させている親玉は Jean-Paul 'Bluey' Maunick


 2013年 Bluey は初ソロ Leap of Face を発売し日本で公演もあり、グループとして世界各地をライヴの1 年行った〆が日本なので、日本のファンへの「ギフト」=日本独自企画盤となったとのこと。また、同年急逝した Donald Byrd(ドナルド・バード)のトリビュート公演も行い、Bluey でもあり、バードの 1980年代前半作の Love Has Come Around をインコグニートとしてもニュー・レコーディングしています。これは、ますます騙されてもしょうがないでしょう。

 蛇足ですが、incognito とは「身分を隠す」という意味だそうで、色々とググってたら「Incognitoモード」って単語にぶち当たりました。これはプライベートブラウジングとも呼ばれ閲覧履歴やCookieを保存せずにネットサーフィンをすることができる機能のことのようです。

アイコンがこちら

なんとなく、Bluey を感じますね。お後がよろしいようで・・・🎶

1. Love Has Come Around / William Duckett
vocals : Valerie Etienne
keyboards : Matt Cooper
lead guitar : Jim Mullen
guitar, producer : Bluey
bass : Francis Hylton
drums : Francesco Mendolia
percussion : João Caetano
sax : Jamie Anderson
trumpet : Sid Gauld
trumpet, arranged by : Dominic Glover

2. Lowdown (Ski Oakenfull Remix) / W. Scaggs, D. Paich, 
producer : Jean-Paul 'Bluey' Maunick
producer (additional production ), remix : Ski Oakenfull

3. 1975 (Ski Oakenfull Remix) / Francis Hylton, Jean-Paul Maunick, Joy Rose
producer : Jean-Paul 'Bluey' Maunick
producer (additional production ), remix : Ski Oakenfull

4. Put A Little Lovin' In Your Heart (Bluey Remix) / Francis Hylton, Jean-Paul Maunick, Matt Cooper, Pete Ray Biggin
producer : Jean-Paul 'Bluey' Maunick

5. Life Ain't Nothing But A Good Thing (Bluey's Jazz Funk Raw Mix) / Francis Hylton, Jean-Paul Maunick, Matt Cooper, Pete Ray Biggin
producer, remix : Jean-Paul Maunick

6. Ain't It Time (Club Surreal Mix) / A. Manning, P.J. Wyatt
producer : Jean-Paul 'Bluey' Maunick

7. The Less You Know (Bluey's Extended Mix) / Francis Hylton, Jean-Paul 'Bluey' Maunick
producer : Jean-Paul 'Bluey' Maunick

8 Take A Chance On Me (Single Edit) / Jean-Paul Maunick, Richard Bull, Richard Bull
producer : Jean-Paul 'Bluey' Maunick

9. Smile / Ed Motta, Rob Gallagher
electric piano (Rhodes), clavinet (Honer D6), percussion, vocals : Ed Motta
guitar : Jean-Paul 'Bluey' Maunick
bass : Robinho Tavares
drums : Sergio Melo
alto sax : Ze Canuto
tenor sax : Marcelo Martins
trombone : Aldivas Ayres
trumpet, flugelhorn : Jesse Sadoc

10. All The Way w/ Wouter Hamel (Bluey's & Ski Incognito Remix) / James Van Heusen, Sammy Cahn
Remix, Producer, Arranged By – Bluey (3), Ski Oakenfull






  

2025年2月5日水曜日

Danny Gatton Joey DeFrancesco / Relentless


 たまに聞き返すアルバムで結構良いんですが、お気に入りの棚には入らないヤツです。このアルバムを手にしたのは、おそらく20年以上前。再度聞き直すとブルース・ロックから始まり、ストレートで力強いジャズ・ブルースまで、Danny Gatton(ダニー・ガットン)は、かなり凄腕のギタリストです。派手なインレイが入ったテレキャス使い、カントリーのロカビリーで知られたギタリストのようで、なるほどリーゼント気味です。ジャズ、ブルース、ブルーグラス、ロックなど、あらゆるジャンルの音楽を演奏できるセッション・ギタリストでもあったとのこと。そして Joey DeFrancesco(ジョーイ・デフランセスコ)は、ジャズオルガン奏者で、トランペットやピアノ、サックス、シンセサイザーも演奏するマルチ・プレイヤーで、レイ・チャールズやヴァン・モリソン、ベット・ミドラーをはじめとする様々なミュージシャンとスタジオ・セッションを行っている方とのこと。2022年51歳で亡くなられています。Danny Gatton も1994年に49歳で亡くなっています。
 聞いていると、どこかスティービー・レイボーンを思わせるようなリフやギター・ソロもでてきます。まあレイボーンも、ジャズスタイルのブルースなんかも弾くだけにルーツ的なところでフレーズが似てきたとも考えられると思いますが、ダニーガットンのほうがレイボーンより約10歳ほど年上です。つまりはレイボーンがダニーガットンを聞いて取り込んだ可能性もあるということでしょうか。

 

 アルバムを聴き進めると、ウェイン・ショーターの「The Chess Players」がブルース色濃く演奏され、セロニアスモンクの「Well You Needn't」なんかは高速になってオルガンのジョーイが弾きまくってます。
 レビューしときましょう。Fine 完全にブルース・ロックから始まりです。リフ自体はレイボーンも多用するオーソドックスなタイプですが、テレキャスのペケペケでギランとした音が良いです。コピーしても勉強になるタイプですね。(最近は私ピック使わないんでこのタイプは弾きませんですが)Broadway ジャズ・ブルースですね。作曲は1940年で Wilbur H. Bird おそらくデフランセスコのリクエスト何でしょうが、ガットンのギターの方が楽しんで弾いている感があります。Kindred Spirits ガットンの作曲で、フュージョンチックなナンバーで、先の2曲とは全く違う面を見せてくれてカッコ良いフレーズ連発です。The Chess Players ウェイン・ショーターのナンバーですが、思いっきりブルースしてます。ジャズ的なギターですが、ブルースのダブル・ストップを使い、キメはレイボーンもよくやるヤツです。センス良しですね。Gearheads 速めのロック・ブルースでオルガンも限界の速さに挑戦みたいな箇所の窮屈さがたまらんですし、ガットンのロカビリー・テクも連発で、ギター弾きにはたまらんです。Blues On The Half Shell ジャズ・ブルースに戻り、この対比もアルバム構成としても素晴らしいです。オルガンのウキーっと鳴るところが良いですし文句なしにカッコ良いヤツです。The Pits テレキャスのレイボーンみたいな感じです。情感たっぷりに弾くギターは若いギター小僧がマネしたがるヤツです。ギュンギュン言わせてください。 Big Mo 古いタイプのブルースとフュージョン的な感覚が混ざった落ち着いたブルース曲です。Well You Needn't 最後はロカビリーテクを取り入れたモンク曲です。ガットンとデフランセスコのセンスの良さはもうわかりました。脱帽の素晴らしい仕上がりです。
 センスの良さが非常に際立ち、お蔵入りしていましたがはもったいない内容ですが、あまり聴かないんです。このアルバム。ジャケ写が悪いんですかね🎶

guitar : Danny Gatton
organ : Joey DeFrancesco
bass : John Previti
drums : Timm Biery

producer, mixed by, engineer : Ed Eastridge
roducer, mixed by, guitar : Danny Gatton

1. Fine / D. Gatton
2. Broadway / Bird, Woode, McRae
3. Kindred Spirits / D. Gatton
4. The Chess Players / W. Shorter
5. Gearheads / D. Gatton
6. Blues On The Half Shell /  C. Battistone, D. Gatton
7. The Pits / D. Gatton
8. Big Mo / D. Gatton
9. Well You Needn't / T. Monk

Fine




  

2025年2月4日火曜日

Doug Carn / Infant Eyes

 

 西海岸の名門スピリチュアル・ジャズレーベル Black Jazz から発売の キーボード奏者のDoug Carn ボーカルの Jean Carn の夫妻によって録音されたものです。レーベルは1969年にカリフォルニア(オークランド)に設立された西海岸の名門スピリチュアル・ジャズレーベル Black Jazz。スピリチュアル・ジャズという新ジャンルで勝負をかけていた変わり種のレーベルです。正統派ジャズファンからは、ほぼ無視されていたので安価でDJが手に入れたことによりサンプリング・ソースを探すヒップホップDJや、レア・グルーブ好きの間での人気が高まっていったようです。3年前に聴いた頃は、闇が深く重く思想性を感じるアルバムづくりがお腹いっぱいな感じでしたが、久しぶりに聴くと私の耳や頭が経年変化しているので、何かを感じるようになっていて不思議な感覚です。


 Doug Carn はこのレーベルに最も多くの作品を残した鍵盤奏者で、本作を含めて4枚のアルバムを残しています。このレーベル以外では Savoy でトリオ作 Doug Carn Torio の1枚のみ。アルバム制作も活動も1969年~1974年までの短い期間です。暗めの独特のキーボードが印象的、奥様の Jean Carn もジャズ・ボーカルではありますが、讃美歌っぽいクセのある歌い方がヤバい雰囲気のある気になる人で、その後はソウル界で活躍されているとのことです。ちなみにEWFデビュー作、2作目 には役割は不明だが名前はクレジットされていて何らかの形で参加されているとのこともライナーノーツには書いてありました。
 さてレビューです。コルトレーンに影響を受けている Doug Carn は、このアルバムでも多くの曲をカバーしています。1分14秒で始まる曲だが、Jean Carn の声が象徴的で怖い。
続く Little B's Poem は、Bobby Hutcherson の曲でJean Carnのスキャットから始まるアシッド的な感じでフルートが恐怖感を、テナーが力強く曲を盛り上げてくれる。が、出番は短かくフェイドアウトなのでもっと聴きたい所だが、ここは奥様メインなので仕方ないか。Moon Child は、Doug Carnの曲でストレートにジャズしてるのに、今までの余波で怖いものを見ているような感覚になるのが不思議。ボーカル無しのモーダルな演奏です。Infant Eyes はショーターの楽曲です。揺れるエレピの出だしに奥様の歌声が加わると、とてもスピリチュアルです。が、3年前に聴いた違和感はありません。そして Passion Dance は、マッコイ・タイナーです。オルガンに変わると一挙にアシッド感が高まります。しかし Doug Carn のオルガンは、ジミー・スミス等のように泥臭さは無く、こういった演奏も意外と楽しめるかもしれません。うん・・ジャズだ。スピリットは無いです。そして Acknowledgement は、コルトレーンですが思いっきりスピリチュアルです。奥方のボーカルの個性が強いうえに、この選曲は反則級に印象が強いです。最後の Peace は、Horace Silver のカバーですが、怖い感じだと思っていましたが今更聴くと普通にジャズしてます。でも根底に流れているものは、独特の芸術性です。
 アルバムの持つイメージと、改めて聴いた感覚が、かなりバグったままで何か余韻が残るアルバムです。気持ちが良くなっているわけではありませんのでモヤモヤ感あり🎶

piano, electric piano, organ : Doug Carn
vocals : Jean Carn
bass : Henry Franklin
drums : Michael Carvin
flugelhorn, trumpet : Bob Frazier
flute, tenor sax : George Harper
trombone, valve Trombone : Al Hall Jr.

producer : Gene Russell

1. Welcome / John Coltrane
2. Little B's Poem / Bobby Hutcherson
3. Moon Child / Doug Carn
4. Infant Eyes / Wayne Shorter
5. Passion Dance / McCoy Tyner
6. Acknowledgement / John Coltrane
7. Peace / Horace Silver




  

2025年2月3日月曜日

Erroll Garner / Concert By The Sea

 

 Erroll Garner といえば Plays Misty に収録の「Misty」が有名です。タイトル曲の Misty は、ぼんやりとしてアドリブも無いもので、Plays Misty 自体は非常に力強いタッチの曲が多く Misty のみが浮いている感じはありました。さて本アルバムは、どんなアルバムなのか?
 ということで、会社を午後休にして久しぶりに行くかと、新宿の DiskUnion で物色していて目についた中古を購入することにしました。購入したら直ぐに聴きたいものですので、その日に、いつもの音楽好きの集う「おでんバー」に行くと時間が早いので、マスターと私のみだったので、心置きなくその日の戦利品をかけてみることにします。最初に聴いたのは違うCDでしたが、聴きながら4、5杯目のウイスキーを飲み干して気分が良くなったところでこの作品。私的には輪郭がはっきりとしていて、わかりやすいので結構気に入ったのですがマスター的には好みではないそうです。わかる気がします。人それぞれですから
 さてガーナーは楽譜を書くことはもちろん読むこともできなかった方ですが、両親は音楽好きでピアノを弾き、兄のリントン・ガーナーもジャズ・ピアニストの家庭なのにピアノ教師にはつかずに独学を選んだそうです。私もピアノを最近頑張ってますが習ってはいません。凡人で歳ですので、Boogie Piano を中心に楽しみながら練習しています。仲間内とライブ・ハウスでセッションをするときに華麗にデビューしたいと目論んでいます。ジャズはその後ですね。


 さて、肝心のアルバム、申し遅れましたが、1956年のカリフォルニアの Carmel というところでのライブ録音。最初に書いたように、全体的にアップテンポで押しまくる演奏で、ピアノは、コードは強力に4ビートを刻んで、それに合わせて強いタッチのメロディーが溢れてきます。右手が遅れ気味と評されているようですが私にはよくわかりません。しかし、わかるのは トリオ演奏であるにも関わらずドラムとベースをかき消すかのようなピアノのと他の楽器の録音バランスの悪さ。生で聴いても同じなんでしょうか。そこそこ大きいホールでの演奏のようですので、力いっぱいの打鍵でリーダーの存在感を出すのにも、この力強さが必要だったんでしょう。大音量にも関わらず演奏が佳境に入ると唸り声が聞こえます。この人も唸るピアニストだったようで、そこは発見でした。
 レビューしていきましょう。I'll Remember April は1941年のヒット曲をアップテンポで押しまくりの重量級の曲にしてしまっています。ハッピーな演奏です。Teach Me Tonight はミドルテンポですがハッキリとした拍をつけてコロコロとした旋律にどぎつく叩きつけるコードで凄みが効いてます。ここらへんで少し唸りはじめです。Mambo Carmel は、この地での演奏として考えた曲名ですね。ちっともマンボではありませんが軽快で豪快です。そして、Autumn Leaves もダイナミクスが効いた演奏で甘ったるい曲では無く、凛々しくビートを効かせてキビキビとした社交ダンスでも踊る人がいれば、似合いそうな感じに仕上げてやり過ぎな感じが凄みを感じます。It's All Right With Me では、再びアップテンポにコール・ポーターの書いたホーン向けの曲なのにグイグイと引っ張られます。最後のテーマは少し優しく弾くのですが、今まで力の限りのような演奏なのでホッコリします。 Red Top では、シンプルな音使いでスイングしますが始終ご機嫌の歌っぽい唸りでご機嫌のほどが伺えます。ノリにのってハックルバック、ルイズを入れてご本人もご満悦。そして April In Paris はエレガントな曲でファンタジックな世界観を見せてくれます。このライブは、劇場で演劇を見ているような立体感のある演奏です。観客は弾きこまれるでしょうね。と思っていたらガーシュインの They Can't Take That Away From Me です。ズシズシとビートを刻みながらも、力の入れ方を変えたフレーズで曲全体の雰囲気を作っています。How Could You Do A Thing Like That To Me ミディアム・テンポの小曲です。隙間を開けた緩急のつけ方で、エンターテーナー性のある演奏です。最初にこのアルバムを聴いた時は、ずっと力が入っているアルバムの印象でしたがこの落差が良い。観客のオジサンが演奏後に興奮して叫んでます。Where Or When は Hart - Rodgers の名曲をアップテンポで、落ち着きのない子供のようにじっとしていないコードワークも素晴らしい。最後は即興で Erroll's Theme でお後がよろしいようで。
最後のメンバー紹介の後のジョークは
「You know something? You haven’t heard Erroll say one word, and he’s got a great voice. I want to insist it go on the air. Erroll, say one word.」
「It’s worse than Louis Armstrong.」
演奏ばかりでトークの無いステージだったんでしょうか。アームストロングより声は悪いぜとしゃがれ声で応えています。I want to insist it go on the air. ですから、これはラジオかなんかの公開録音だったんですかね🎶

piano : Erroll Garner
bass : Eddie Calhoun
drums : Denzil Best

recorded live in Carmel, California.

1. I'll Remember April / D. Raye, De Paul, P. Johnson
2. Teach Me Tonight / DePaul, Cahn
3. Mambo Carmel / Garner
4. Autumn Leaves / Johnny Mercer, Kosma
5. It's All Right With Me / Cole Porter
6. Red Top / Kenyard, Hampton
7. April In Paris / Harburg, V. Duke
8. They Can't Take That Away From Me / I. Gershwin - G. Gershwin
9. How Could You Do A Thing Like That To Me / T. Glenn
10. Where Or When / Hart - Rodgers
11. Erroll's Theme / Garner





  

2025年2月2日日曜日

Joni Mitchell / Shadws And Light

 


 ジョニ・ミッチェルが1979年9月にカリフォルニアのサンタバーバラで行なったコンサートの模様を収録したライヴ作で、故ジャコ・パストリアスを初めとするドンアライアス、マイケルブレッカー、パットメセニー、ライルメイズというジャズファンからしたら聞き逃せないメンバーによる作品です。目当てとしてはジャコの作品収集の一環としての購入なのでジョニファンには申し訳ないですがジャコファン目線で記述すると、ジョニとジャコのコラボは1976年の「Hejira」1977年の「Don't Juan's Reckless Daughter」1979年「Mingus」があり、ジャコとのコラボ作としては最終作となります。パット・メセニーとのコラボは1975年にドイツで録音されたパット・メセニーのデビュー作 Bright Size Life から始まっています。
 ジャコ目線で追ってしまいましたが、これだけの凄腕を集めると誰かがジョニよりも目立ってしまったりしまうものですが、メンバーに最高のパフォーマンスをさせつつ従えて自分のパフォーマンスを最高レベルに見せてしまうことができるのは格が違います。ジャコついでに書いてしまうとビル・ミルコスキー作の「ジャコパストリアスの肖像」で大概の人はジャコはユーモアがあって素晴らしい男だったと褒めていますが、ジョニだけは「傲慢で挑戦的」とインタビューに答えています。でも「たいていの人は彼には耐えられなかったけど私は彼と一緒にやっていきたいと思った」とも答えています。ドラッグに溺れた後のジャコとはほぼ付き合いがなく最後に会ったニューヨークのバーでは表情がなくて虚ろな目をしたジャコがいて名前を読んだら抱き合ったと語っています。正直にでも言葉を選んだインタビューで、きっと素晴らしい女性であることをうかがわせる内容でした。


 この音源も聞いたことはあったんですが、ジャンルレスに聴く人を惹きつけるボーカルはいつまでも心を打ち新鮮な気持ちで聴くたびに新鮮な気持ちになれます。レビューしていきましょう。In France They Kiss on Main Street ジャコの音が、やけにでかいですが、しっかりとしたグルーブでボーカルの邪魔をしないところや盛り上げ方も良し、カントリー調にもこんなに相性が良いのかと最初から飛ばしてきます。Edith and the Kingpin イントロだけジャコがしゃしゃり出てきます。静と動の対比が素晴らしくジョニの透き通った歌声が素敵です。そして名曲ですな Coyote ジャカジャカのギターはジョニでメセニーのギターがキラキラとしてドン・エイリアスのコンガが効果的です。Goodbye Pork Pie Hat はミンガスとの楽曲でジャズ期の作品です。このメンバーだからこその演奏は、とても聴きやすいし、自由に音階を泳ぐように歌うボーカルもまた良し。ジャコのランニング・ベースからのおかずの入れ方も天才的です。Amelia も良い曲ですよねえ。ジョニの弾き語りでしょうか。ギターも上手し。続いて Pat's Solo でクセのあるギター・ソロです。個人技もお後よろしいようで楽しいコンサートです。そして待ってました Hejira です。ベース、Saxのソロ、も含めエレクトリックなジャズがバンド一体となって展開されます。ジョニは Weather Report をバックバンドにしたかったそうですが、同等の効果が実現されているようです。そしてDreamland は楽しいナンバーです。そして Band Introduction でのメンバー紹介。パットメセニーはパット・マルティーニか。Furry Sings the Blues で、熱くなった観客を少々冷やしながら聴かせます。Why Do Fools Fall in Love? はロックンロールでイントロで少し流れたヤツですね。素晴らしいハーモニーと選曲です。Shadows and Light ここでこのアルバムのタイトル曲です。大きな会場でこのハーモニーを聴くと観客は感激で震えたに違いありません。そして、また楽しいライブですからジャコが少し遊び心でサービスし、ジョニが貫録の歌で God Must Be a Boogie Man。そして最後は Woodstock です。最後は派手にかますことはせずに、歌を聴いてもらう曲にするのも泣けますね。名盤です。
 行きつけの「おでんバー」には、このアルバムのLPが置いてあり、CDと聞き比べたらLPのほうが臨場感が格段にあったので少し悔しい思いをしております🎶

vocals, electric guitar : Joni Mitchell
keyboards : Lyle Mays
lead guitar : Pat Metheny
electric bass : Jaco Pastorius
drums : Don Alias
sax : Michael Brecker
vocals : The Persuasions

Recorded & filmed live at the Santa Barbara Bowl, Santa Barbara, California, USA on September 9, 1979, using the remote facilities of Record Plant Mobile, Los Angeles.

1. Introduction
2. In France They Kiss on Main Street / Joni Mitchell
3. Edith and the Kingpin / Joni Mitchell
4. Coyote / Joni Mitchell
5. Goodbye Pork Pie Hat / Charles Mingus, Joni Mitchell
6. Dry Cleaner from des Moines / Charles Mingus, Joni Mitchell
7. Amelia / Joni Mitchell
8. Pat's Solo /  Pat Metheny
9. Hejira / Joni Mitchell
10. Dreamland / Joni Mitchell
11. Band Introduction 
12. Furry Sings the Blues / Joni Mitchell
13. Why Do Fools Fall in Love? / Frank Lymon, Morris Levy
14. Shadows and Light / Joni Mitchell
15. God Must Be a Boogie Man / Joni Mitchell
16. Woodstock / Joni Mitchell





  

2025年2月1日土曜日

Milton Nascimento, Esperanza Spalding / Milton + Esperanza

 

 最近CDを新譜で購入することは滅多にないのですが。この人だけは別格です。久しぶりに新宿の Disk Union に入るとエスペランサが出してるじゃないですか。2024年8月の発売だそうです。昨年の夏は仕事で、桃の出荷があり、ほぼ山梨漬けだったので全くチェックしていませんでした。それにしても暫く行かない間に中古では安いので580円ぐらい、この新譜は3,480円でしたので、CD業界も円安の影響で随分値上がりしているもんだとヒシヒシと感じていましたが、amazonでは2,860円 だったので、今後は下調べが必要だなと衝動買いもウカウカできない世の中ですね。
 さて自身のアルバムでは、かなり独特の音楽感を持ちながらも様々な形で表現してくれる彼女ですが、このアルバムでは、ブラジル音楽界のレジェンドの Milton Nascimento(ミルトン・ナシメント)とのコラボとなっています。エスペランサは、1984年生まれ、米オレゴン州ポートランド出身、ミルトは1942年ブラジル-リオデジャネイロ州リオデジャネイロ市生まれでとのことですから、なんと42歳の親子以上の年の差で、さすがに歳を隠せないミルトの声にエスペランサが歌い分けていて、そっと支える感じがお爺ちゃん孝行の娘のような感じが、とても微笑ましくもあります。この二人の付き合いは15年も続いた結果のアルバムのようで大半は2023年にブラジルでレコーディングしていたとのこと。ハービー・ハンコックの紹介でミルトンとブラジルで出会い、友情が芽生えたとも書かれているので、それが15年前のことなのでしょうか。
 ミルトンの音楽は、様々な何世代ものアーティスト達に影響を与えてきた。エスペランサも、ブラジル人の友人たちと夕食会を開いたときに初めてミルトンの音楽を聴いた。その食事のゲストの一人が、ミルトンがサックス奏者ウェイン・ショーターとコラボレートし、1975年にリリースした『Native Dancer』をかけたのが最初の出会いとのこと。
 私自身は、ミルトンを聴いたことは無いと思っていたら、エスペランサの Chamber Music Society (2010) の「Apple Blossom」で初共演を果たしていました。テイストはこのアルバムに近いですがミルトンの歌声はもっとしっかりしています。彼は60年代後半からレコードを作り始め、楽曲のテーマはプロテスト・ソングや自然界、友情、愛、人種間の融和など多岐にわたり、予測不可能なメロディー、テクスチャー、ハーモニーを生み出す類稀なアーティストであるとのこと。なるほど予測不能なエスペランサの楽曲に対する姿勢はこの人にも影響を受けているようです。


 かなり気に入ってしまったため、序盤が長くなりましたところで、楽曲のレビューをしてまいります。The Music Was There は、音楽アルバムという物語の前の序曲です。そして Cais はミルトンの楽曲で、Clube Da Esquina(1972)に収録されている人気曲とのことですが、エスペランサにもこういったタイプの曲があります。ブラジル感のあるフワッとした浮遊感が心地よいです。Late September は、エスペランサの曲で輪郭がはっきりとしているジャズ&ポップスなサウンドですが、直ぐにフェイドアウト。そして Outubro はミルトンの楽曲です。1969年リリースで今回の収録曲では最も古い曲だそうです。エスペランサが少女のように歌いミルトンお爺ちゃんと広い世界に羽ばたいていくような曲です。このアルバムの中でもインパクトのある曲です。続く A Day In The Life は意表を突かれるビートルズ・ナンバー。ミルトンお爺ちゃんのリクエストでしょうか。ゆったりと椅子に腰かけながら語りあうように歌い上げているのが微笑ましいかと思ったら、エスペランサは色々な時代に歌いながらタイムスリップしていくような感動的な展開。これも良い。Interlude For Saci は ゲストの Corey D. King の小曲。森の中で何かを話し合っているようで、フルートで小鳥のさえずりが表現されている次の楽曲 Saci への序曲となっています。Saci は森の小屋の中で歌をお爺ちゃんと孫が口ずさんでいるような穏やかな曲です。そして Wings For The Thought Bird で、エスペランサは翼が生えたかのように飛んで行こうとしますが、少し羽ばたいて外の世界にいくのには戸惑いがあるような感じが表現されています。The Way You Are そして羽ばたく小鳥に向かって、あなたの在り方には理由があると短く歌われます。Earth Song はマイケルジャクソンの楽曲で、ダイアン・リーブスが貫録の歌声で大きく包み込んでくれる讃美歌のようなスピリチュアルな楽曲に仕上げています。Morro Velho は、ミルトンの楽曲で大地を耕して丘の上に座りながら見下ろすと全てが美しく成長しているのが見えるというような歌詞で、とても穏やかで大地を感じます。Saudade Dos Aviões da Panair は、おそらくブラジルの歌手をゲストに抒情的なポップス。ここらへんでアルバムの物語性を見失います。Um Vento Passou ミルトンとポールサイモンが歌っています。
少々古そうな楽曲ですが、戦争時の風景が描かれている軍事政権に立ち向かう厳しさが歌われている悲しみの曲です。Get It By Now は、少し力が強めのベースラインが印象的な曲です。歌詞は書いてありませんでしたが、流れ的には戦争が終わって勝ち取ったものを歌っているんでしょうか。Outro Planeta で最後に近づいたのがわかります。お爺ちゃんが孫に平和がくるまで大変だんだよなあと昔話でもしているかのような感じでしょうか。そして最後はウェイン・ショーターの Atlantis(1985) の When You Dream を9分間に渡って演奏です。ウェインショーターの娘のキャロライナ・ショーターがボーカルで参加。夢のようなセッションが大曲で終わりを締めくくります。
 いつも通りに丁寧なアルバムつくりですが、エスペランサらしくないラフな曲があったり、ミルトンに寄せたブラジル感の曲、素朴さも感じる曲、ガツンとエスペランサ節のジャズもあり、曲の配置もよく考えられているし、やっぱりエスペランサは凄かったです。当然いつもの音楽好きの集う「おでんバー」で最初に聴きましたが、マスターもこれはダビングさせてもらいます、の一言が嬉しかった🎶

Producer, Arranged By, Executive-Producer : Esperanza Spalding
Recorded By – Arthur Luna

1. The Music Was There / Justin Tyson
Speaking Voices: Milton Nascimento, esperanza spaiding 
Additional Vocals: Justin Tyson, esperanza spaiding 
Organ: Leo Genovese 
Additional Keyboards: Justin Tyson 
Strings: Orquestra Ouro Preto 
String Orchestration: Samuel Kardos

2. Cais / Milton Nascimento
Vocals: esperanza spaldIng, Milton Nascimento, Corey D. King 
Drums: Eric Doob 
Piano: Leo Genovese 
Guitar. Matthow Stevens 
Synthesizer: Corey D. King 
Bass: esperanza spalding 
Strings: Orquestra Ouro Preto 
String Arrangement/Orchestration: Samuel Kardos 

3. Late September / esperanza spalding
Arranger: esperanza spaiding 
Vocals: Milton Nascimento, esperanza spalding 
Bass: esperanza spalding 
Plano: Leo Genovese 
Guitar: Matthew Stevens 
Drums: Eric Doob 
Synthesizer: Corey D. King 
Background Vocals: Matthew Stevens, Eric Doob, Leo Genovese, Corey D. King 
Flute: Elena Pinderhughes

4. Outubro / Milton Nascimento
Arranger: esperanza spaiding 
Vocals: Milton Nascimento, esperanza spalding 
Bass: esperanza spalding 
Plano: Leo Genovese 
Guitar: Matthew Stevens 
Drums: Eric Doob 
Synthesizer: Corey D. King 
Background Vocals: Matthew Stevens, Eric Doob, Leo Genovese, Corey D. King 
Flute: Elena Pinderhughes

5. A Day In The Life / John Lennon -Paul McCartney
Vocals: Milton Nascimento, esperanza spalding 
Background Vocals: Matthew Stevens. Justin Tyson. Eric Doob, Leo Genovese, Gorey D. King, Fernando Lodelro, Carolina Shorter 
Drums: Justin Tyson Guitar: Matthew Stevens 
Piano: Leo Genovese 
Bass: esperanza spalding 
Additional Analog Synth Effects: Fernando Lodelro 

6. Interlude For Saci / Corey D. King
Synths/Soundscape: Corey D. King
Voices: Gulnga, Milton Nasclmento, esperanza spalding 
Flutes: Shabaka Hutchings, forest birds 


7. Saci / Guinga, music/song and Paul Cesar Pinheiro, lyrics
Featuring – Guinga
Vocals: Milton Nascimento, esperanza spalding. Guinga 
Guitar: Guinga, Matthew Stevens 
Piano: Leo Genovese 
Percussion: Eric Doob 
Bass: esperanza spalding 

8. Wings For The Thought Bird / esperanza spalding 
Featuring – Elena Pinderhughes, Orquestra Ouro Preto
Vocals: esperanza spalding 
Background Vocals: Eric Doob, Matthew Stevens. Leo Genovese, Fernando Lodelro, Carolina Shorter 
Drums: Eric Doob 
Piano: Leo Genovese 
Bass: esperanza spalding 
Flute: Elena Pinderhughes 
Strings: Orquestra Ouro Preto 
String Arrangement/Orchostration: Edmar Colon 

9. The Way You Are / esperanza spalding
Vocals: esperanza spalding 
Piano: Leo Genovese 
Electric Guitar: Matthew Stevens 
Bass: esperanza spalding 

10. Earth Song / Michael Jackson)
Featuring – Dianne Reeves
Vocals: Dianne Reeves, Milton Nasclmento, esperanza spalding, Corey D. King 
Piano/Organ: Leo Genovese 
Drums: Justin Tyson 
Guitar: Matthew Stevens 
Bass: esperanza spalding 
Strings: Orquestra Ouro Preto 
String Arrangement/Orchestration: Samuel Kardos

11. Morro Velho / Milton Nasclmento
Featuring – Orquestra Ouro Preto
Arranger: esperanza spalding 
Vocals: Milton Nascimento, esperanza spalding 
Additional Vocals: Corey D. King 
Piano: Leo Genovese 
Drums: Eric Doob 
Bass: esperanza spalding 
Strings: Orquestra Ouro Preto 
String Arrangement/Orchestration: Samuel Kardos

12. Saudade Dos Aviões da Panair (Conversando No Bar) / Milton Nascimento-Fernando Brant
Featuring – Lianne La Havas, Lula Galvão, Maria Gadú, Tim Bernardes
Vocals: Lianne La Mayas, Milton Nascimento, esperanza spalding, Maria Gadu, Tim Bernardes 
Drums: Kalna Do .leje 
Bass: esperanza spaldIng 
Rhodes: Leo Genovese 
Flute: Shabaka Flutchlogs 
Guitar: Lola Galvno 
Percussion: Ronaldinho Silva

13. Um Vento Passou (Para Paul Simon) / Milton Nascimento-Marcio Borges
Featuring – Paul Simon
Arranger: esperanza spalding 
Vocals: Milton Nascimento, Paul Simon 
Flute: Shabaka Hutchings 
Guitar: Matthew Stevens 
Plano: Leo Genovose 
Bass: osperanza spalding 
Strings: Orquostra Ouro Proto 
String Arrangomont/Orchostration: Edmar Colon 

14. Get It By Now / esperanza spalding
Vocals: esperanza spalding 
Additional Vocals: Milton Nasclmento, Corey D. King 
Drums: Justin Tyson 
Electric guitar. Matthew Stevens 
Bass: esperanza spalding 
Piano: Leo Genovese

15. Outro Planeta / Justin Tyson
Arranger esperanza spalding, Justin Tyson, Leo Genovese 
Speaking Voices: Milton Nasclmento. esperanza spalding 
Additional Vocals: Justin Tyson, esperanza spalding 
Organ: Leo Genovese 
Additional Keyboards: Justin Tyson

16. hen You Dream / Wayne Shorter / Lyrics by Edgy J. Lee
Vocals: esperanza spalding, Milton Nascimento, Carolina Shorter 
Piano: Leonardo Genovese 
Bass: esperanza spalding 
Electric Guitar. Matthew Stevens 
Drums/Percussion: Eric Doob

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