改めて参加ミュージシャン見てたらギタリストの Tony Remy の名前もあります。ブラコン系にジャズ的なギターをトッピングしたアシッド系のサウンドで自身のアルバム Boof! 、Incognito Eleven に参加など。さらにベースの Stuart Zender も気になって調べたら Jamiroquai の Travelling Without Moving に参加。サックスの Ed Jones は Incognito のサックスでした。好きな音だと思っていたらやはりでした。
なるほど、私がアシッド系に凝った時期を懐古させてくれる一枚。再度聴きながら楽しくなってきます。アシッド・ジャズ系の音作りなんだけど昔風のフュージョンぽさもありブラスの使い方もまさに私のツボであります。さてレビューです。Leo Rises 日本の超絶テクバンドフュージョン Aribaba かと思いましたが、バッキングだけが似ていました。ひたすらファンクな Jessica Lauren のクラビのバッキングに Chris Bowden のサックスがウネウネとソロを続ける大好きなパターンです。Fire Monkey は、またブラス・アンサンブルが楽しい日本のフュージョンバンド風で、こんな作風が昔流行っていました。学生時代に戻ったようでな感じが懐かしい。ピアノでスキャットもよし、ソロ一発目がトロンボーンも良いですね。その後のトランペットのハイトーン・ソロも素晴らしい。Siren Song タイトル曲は静かにアシッドなベースから始まり、エレピで怪しげなテーマが演奏され、Ragga のソウル風ボーカルで味付けです。When You Call My Name バラードで ボーカルは Ragga 聞き取れないくらいのささやき系で最初入ってますが、ほぼインスト曲でジャムのような感じです。エンディングでもささやきが聴けます。Serengeti は、インコグ的なインストで Stuart Zender の、ベースラインはそれ系です。ここでも Ingrid Mansfield-Allman のボーカルは歌詞無しで楽器的な使い方ですね。Just A Dream ラテンなナンバーで、これも日本っぽい。Juliet Roberts のボーカルがメインですが、これも日本人が好みな感じがとても良し。Dance For Lotte これもラテンですが、松岡直哉が好きだったんでしょうか。とてもそんな雰囲気です。Dangerous Curves ラテンのリズム続きです。ジャズフォーマットに近いフュージョンで、非常に馴染みやすい感じです。最後にどんな曲を持ってくるのかで、作り手の趣味がわかります。Freefall は、フュージョン的なジャムセッションです。
これはジャコがウェザー・リポートに在籍中の1980年に録音したジャコ自身がリーダーとしては2作目のソロ・アルバム。このアルバム制作にはいろいろと裏話(今となっては表ですが)があります。このアルバム「Word Of Mouth」の制作の契約発売のレーベルは Warner Bros(ワーナー・ブラザーズ)1枚目のデビュー作「Jaco Pastorius(ジャコパストリアスの肖像)」は Epic Records (エピック)で、当時加入していたしていた Weather Report(ウェザー・リポート)のレーベルである Columbia(コロムビア)にはこのジャコのソロ制作の印象は裏切り行為のように映り印象は当然良くありませんでした。
ワーナーは、話題のジャコのアルバム制作なので期待もあり、ロサンゼルス交響楽団から31人を雇って「John And Mary」「Three Views Of A Secret」に9,000ドルかけたが、ボツにしてその中から7人を選んで9回のオーバーダブで63人編成に仕上げなおしたり、ニューヨーク、ロサンゼルス、フロリダとあちこちで録音しオーバーダブで仕上げるなど予定した予算を大幅にオーバーしたとのこと。制作サイドにはかなりの迷惑をかけているようで、雑誌インタビュー記事などからは、このアルバムの制作の構想はかなりの前からあったことは間違いないですが、ウェザー・リポート加入での名声と成功、ドラッグと酒に侵されたジャコの正常な金銭感覚は失われてたようで、制作サイドも翻弄されていたようです。
音楽好きの集う「おでんバー」では評判の悪いジャコですが、自宅では思いっきり聴けますので、久しぶりに聴きながらのレビューです。Crisis 混沌とした楽曲になっていますが、それもそのはず。参加ミュージシャンたちは、互いの音を聴かずにパストリアスのベース・トラックに合わせて演奏したトラックを、ミキシング時に重ね合わせたからです。ある意味フリージャズのようなエネルギーの塊りとなっています。アンサンブルをコラージュしたフリージャズのような熱気のある仕上がりになっている。3 Views of a Secret ジャコの代表曲の一つでもあります。Weather Report でも演奏されていた曲です。Toots Thielemans のハーモニカがとても効果的で印象的です。ジャコがおかしくなってしまってからも、Toots Thielemans は、この曲をあちこちのライブで吹いていてくれているほど気にいってくれているようです。Liberty City このビッグ・バンドでの演奏を念頭に置いて書かれた曲です。ジャコによるホーン・アレンジもしっかりと構想を練ったものです。リズム楽器なしの最初のホーン部隊のイントロはノリよく、イントロが終わるとジャコのフレットレスを活かしたフレーズとパーカッション、ジャコの愛するスチールドラムもしっかりと脇を固めていますし、Toots Thielemans もしっかりとオブリガード。アコースティックピアノは、Herbie Hancock しか弾いていないようなので、このピアノはハンコックですね。今更発見です。Chromatic Fantasy は、バッハのチェロのための練習曲を自身のベース運指の練習曲としていたパストリアスの録音です。左手の運指と右手のピチカートによる壮絶なテクニックで、後半は組曲のように曲が付けられています。Blackbird 学生時代に最後のあるアルペジオのようなベースを猛練習、破壊的なベースソロまでもコピーしようとしていたベーシストがいたのを思いだします。メロディ・パートはToots Thielemans が又も大活躍です。続いてはロックのようなディストーションをかけた Word of Mouth です。最初はジャコのソロで後半からエンディングにかけてはビッグ・バンドによる演奏となります。ジャコはこの前半ソロをファンサービスと思ってやりだすと、いかれてしまう時もあったようで、ドンドン過激な演出になっていったようです。John and Mary は、ジャコの2人の子供の ジョンとメアリーの笑い声や歌声がちりばめられていたり、お父さんの歌声も録音されている曲で、Wayne Shorter のソプラノ・サックスも花を添えています。いかれたオヤジさんでしたが子煩悩ではあったようです。
1949年生まれのギタリストでありシンガー。1971年からブルース、ロック、フォーク、カントリーの要素を取り入れた音楽で、多数のアルバムをリリースし続けて評論家からは評判が良かったものの、セールス的にはほとんど成功していませんでした。しかし1989年アルバムの Nick of Time がヒットし、Luck of the Draw (1991年)と続けてヒットが出ます。Longing in their Hearts (1994年)に至っては数百万枚をセールスし、グラミー賞もこれまでに10回受賞の大御所。このアルバムに収録の曲は、不遇の時代の Warner Brothers 1971年~1986年のアルバムからのセレクションで、ライナーノーツには、ご本人の解説、思い出が掲載されている丁寧なつくりのコレクション・アルバムとなっています。
1stアルバム Bonni Raitt は、4トラックのレコーダーを使って行われ、ジュニア・ウェルズ、そしてサックスのA.C. リードのブルースが参加し、濃厚なブルースですが声が若いです。2ndアルバム Give It Up のミュージシャンはフリーボ(ベース、チューバ、ギター)エリック・カズ でカバーと自作で構成されています。Give It Up Or Let Me Go はスライドのイントロから始まるカントリー・ブルース、Under The Falling Sky はサザンロック風など多彩。3rdの Takin' My Time リトル・フィートのメンバーが参加し、このアルバムの Guilty はソウル・バラードで味わい深い歌声。Streetlights の Angel From Montgomery は、John Prine のカバーのカントリー・ブルース。Home Plate の Sugar Mama まで来るとバンド・サウンドもだいぶリッチになってきていてエリック・クラプトン風のブルース・ロックがカッコ良い。The Glow では更にコマーシャルなロック・サウンド。Nine Lives では、レゲエの True Love Is Hard To Find なんかも収録されていて、売れ線のライトなロック調の No Way To Treat A Lady まで収録されていますが、こうやって聴いてくると売れ線はつまらなく感じてしまいます。と、ここまで来て1stの歌声と比較すると初々しい歌声が、貫録あるミュージシャンへと進化してきたことがよくわかります。ファンというほどでもないので、こうやって年代を追って変化を聴けるアルバムは面白い🎶
1. Finest Lovin' Man / Bonnie Raitt (1971)
2. Give It Up Or Let Me Go / Give It Up (1972)
3. Women Be Wise / Bonnie Raitt (1971)
4. Under The Falling Sky / Give It Up (1972)
5. Love Me Like A Man / Give It Up (1972)
6. Love Has No Pride / Give It Up (1972)
7. I Feel The Same / Give It Up (1972)
8. Guilty / Takin' My Time (1973)
9. Angel From Montgomery / Streetlights (1974)
10. What Is Success / Streetlights (1974)
11. My First Night Alone Without You / Home Plate (1975)
12. Sugar Mama / Home Plate (1975)
13. Louise / Sweet Forgiveness (1977)
14. About To Make Me Leave Home / Sweet Forgiveness (1977)
グアドゥループの民族音楽“グォッカ”をジャズに取り入れたプロジェクトの「Jam Ka」。2010年発表の「Jam Ka」は、ニューヨークにて録音、 2016年の「Jam ka Deux」は、パリでした。今作は、東京録音のライブ盤。2017年 Jam ka Deux ツアー最終日の翌日スタジオに入り、ライヴ・セッション形式で一発録りしたアルバムです。
メンバーは、Jam Ka、Jam ka Deux でも参加していたベースの Reggie Washington、Ka やドラムを担当の Arnaud Doimenm、Olivier Juste、ピアノの Gregory Privat など、ほぼ同じメンバーでの録音です。
それでは、レビューです。Moai’s Tihaiは、Jam Ka Deux の収録曲で少し早めで、リズムはより現代的なアレンジで、Reggie Washington のベースはファンクしていて小沼氏のギターも歪み強めです。初心者にもとっつき易い曲ですね。Flyway は一枚目の Jam Ka からの収録曲。元曲よりも、Ka のリズムをより強くした演奏となっています。小沼のギターの音も元の曲は爽やかなトーンであったものを、少しモコモコさせたりして表情をよりつけています。Beyond the Sea / Le Bonheur は Jam Ka Deux の収録曲でもありますが、よりフリーなピアノイントロとなっています。Le Bonheur はまた違うテーマで Gregory Privat 作曲ですので Jam Ka Deux とはほぼ違う曲になっています。Gradation Part 4 は、ka奏者と小沼の完全即興演奏となっています。Jam Ka で Part1,2、Deux でPart3、そしてこのアルバムで Part 4 となっています。会話している演奏なのがよくわかる演奏です。The Elements これも Jam Ka Deux の収録曲ですが、元の曲のアレンジも凝っていましたが、こちらの方がバンドらしいグルーブが良く表れている重厚な演奏になっています。
カバーとしては、フリートッドウッドマックで Stand Back、ストーンズの Ruby Tuesday、ソウルの Roy 'C'で Shotgun Wedding、The Contours で J. Geils なんかもカバーしている First I Look At The Purse、トム・ウェイツの Tom Traubert's Blues、ストリングスなんかを入れたソフトでクラシカルな録音です。前半と後半の落差が激しくて、いい加減なつくりが、またニヤリですな🎵
このアルバムの共演者は演奏/編曲/指揮が Bob James、テナー・ソプラノサックスが Grover Washington, Jr.、トランペットとフリューゲルが Randy Brecker、ほかベース Gary King、ギターJoe Beck。
イスラム系の格好に髭がアップのジャケットですから中近東系のマニアな展開になることかと期待しながらかけ始めると、日本のムード歌謡にあるようなベタなテーマのフュージョンです。マニアな展開になりそうかなあと思わずニヤリとしながら聴いておりました。しかし2曲目に突入すると繊細な感じの爽やかなフュージョン。そして4曲中の3曲目に突入すると静かなフュージョン曲で Grover Washington, Jr.(グローバー・ワシントン・Jr)の甘めのソプラノ・サックスに、硬質な音のギターカッティングも1970年代中盤に流行っていたサウンド。期待していたマニアな展開はなく若干拍子抜け。テーマ曲の Power Of Soul がアクが強いぐらいで、あとは普通にフュージョンでした。しかしアメリカ系のバカテク・フュージョンを期待すると少し肩透かしで、B級ジャズ・ファンクでもなく、少し物足りない感じがするかもしれません。家で聴く前に行きつけの「おでんバー」で聴いたのですが、私同様、皆様ジャケットを見てマニアックな内容を期待していたようですが、聴き終わった後には皆さま「音楽に髭は生えていなかった」「ターバンの雰囲気も無かったね」などなど、どうしてもジャケットと中身のギャップばかりが気になる一枚となってしまいました。お勧めはサンプリングにも使われている Loran's Dance ですが、ゆったりとしたフュージョン曲であばれる Randy Brecker とかは居ませんのであしからず。