いつもの「おでんバー」では、マスターが定期的に Keith Jarrett(キース・ジャレット)や 明田川荘之 を連日かけまくっている時がある。店の口開けに行くとマスターが一人ノリノリで、これ一昨日もきいてたなと思うのです。別にモンクはありませんし私が余り聴かないタイプのピアニストだったので興味深く聴かせていただいておりました。すると人間不思議なもので、耳馴れすると心地よくなってきます。と言うことでキースのアルバムは未開封、未聴のものが何枚かあります。ケルン・コンサートも未開封です。
で、そのうちの一枚 Death And The Flower 「生と死の幻想」を聴くことしました。持っていって、ビニールを爪で破いているとマスターは、これレコードもあるよ、とのことですが確かこの時は他のお客も多かったので、聴き比べはしていません。
まずはタイトルも強烈ですが、ジャケ写のバラがハードボイルド的で骨太な中身を想像しました。邦題(曲名)に関しては直訳で「死と花」だけでインパクトのある題材が「生と死の幻想」となっているのは、かなりの落差があります。その元となっているのは、ジャケットの中に掲載されている、キースの詩であることは明白ですがどうでしょうか。「We live between birth and Death ・・・ 私たちは生(誕生)と死の間を生きている/あるいはそのように自分自身を納得させている/本当は自らの生の絶え間ない瞬間に、生まれつつあると同時に、死につつもあるのだ/私たちはもっと花のように努めるべきである/彼らにとっては毎日が生の体験であり、死の体験であるから/それだけに私たちは花のように生きるための覚悟を持たなければならないだろう」生まれたから死はやがて訪れる。生まれたから花のようにパッと咲いて後は散るのみ。いや花が咲いたら種が出来て生を遺すことが出来はず。でもこのジャケットのバラは切り花だから子孫は残せない。なんてことを思いながらアルバムを再度聴いていきます。
バンドの構成は、ピアノ、テナーサックス、ベース、ドラム、パーカッション。知っているのはベースの Charlie haden、ドラムの Paul Motian ぐらいです。Charlie haden 以外は全員がパーカッションも演奏しています。タイトル曲の Death And The Flower アフリカンな雰囲気のパーカッションで始まり、大地の中に一人立って風景をながめているかのようなイントロはこれから何かが起こるぞと言う想像を掻き立てる。そしてヘイデンのエキゾチックな音階のベースになり、ゆっくりと進行する。?ベースはオーバーダビングしているようです。曲は何も無いように見える風景からゆっくりと植物が成長していくような展開です。デューイ・レッドマンのだるそうなサックスもムーディ(フリージャズ系の方のようです)全員がヒートアップした演奏になだれ込む後半は少しポップな雰囲気にもなったりしながら綺麗に花が散るようなラストはドラマチックな展開でベタに良いです。22分の大作。Prayer は、クラシックのような静かなピアノの出だしが美しく自然の中で植物が芽吹いて、ゆらゆら揺れ動いているような曲で移動できない植物はユラユラと揺れながら何かを祈っているような感じがします。キースとチャーリーのデュオで、テーマに自然に寄り添いながら即興される美しい旋律は心地よい。最後に Great Bird はパーカッシブなサウンドに、デューイ・レッドマンのサックスが溶け込みまた一つの風景が展開されます。ソプラノ・サックスはキースがオーバーダブで吹きこんでいます。適度なフリー加減が素敵で芸術は爆発だ的なフリーでない美しきアドリブを盛り込んだ演奏がまた心地よい。
James Brown (JB) の1962年アポロ・シアターでのライブ。ここで、既にあのエンターテイメントが確立されていることがわかる名盤です。ポップ・チャートの2位まで上昇し66週にわたって同チャートのトップ10位圏内に留まり、JBのアルバムの中でもポップ・チャートで最も好成績だった作品です。それほどコレクターな訳ではありませんが、JBの作品はと段々とリズムとパフォーマンス重視となってきているような気がしますが、この作品は非常にソウルを感じるJB29歳の作品です。おそらく今の日本ではJBは硬派なオヤジがウイスキー片手に楽しむような音楽となっているのに、この音源ではJBはアイドルだったのかと思うほどにアポロ・シアターが女子の悲鳴で溢れていて当時の人気っぷりがわかります。私のJBのイメージは脂ぎった汗かきのオジサンのイメージですが、当時の若き日のJBの写真では確かに当時は脂ぎっている感じではなくカッコいいですね。
さて、このアルバムですが、オープニング・ファンファーレでMCによる“煽り”は Are You Ready For Star Time!! そこから観客もハイテンションです。そして傑作「I'll Go Crazy」で幕開けし、シャウトしながら客を更に煽ります。「Try Me」は、後の演奏より昔のソウルという感じで中々好感。そして客のギャルたちのギャーという叫び声で熱狂がわかります。「Think」も、高速でたたみかけクラッピング入り(これは後入れかな)「I Don't Mind」ではしんみりと歌い上げ観客のボルテージを下げときます。でも、きっとサビのシャウトで失神しそうな女の子はいるに違いありません。そして「Lost Someone」のイントロでは、延々とループするテーマで、JBのシャウトで徐々に観客の熱が帯びていき、上げて下げて歌ではじっくりと聴かせる最高の演出、「Please Please Please , You've Got The Power」のメドレー、Please Please Please は既に7年前にR&Bチャートのトップ5の名曲です。そして Night Train でクロージングですが、いかにもショーの終わりを感じさせるダンサブルな曲。とにもかくにもこのアルバムではステージの演奏の他、観客席の熱狂ぶりも録音されていて、聴くものもそのステージが想像できる名盤です🎵
lead vocals : James Brown
baritone/bass vocals (and keyboards on "Lost Someone") : Bobby Byrd
first tenor vocals : Bobby Bennett
second tenor vocals : Lloyd Stallworth
【Famous Flames】
music director, trumpet : Lewis Hamlin
bass : Hubert Perry
drums : Clayton Fillyau
guitar, road manager : Les Buie
organ, MC : Lucas "Fats" Gonder
tenor sax : Clifford MacMillan, St. Clair Pinckney
tenor sax, baritone sax : Al "Brisco" Clark
alto saxophone : William Burgess
trombone : Dickie Wells
trumpet : Roscoe Patrick, Teddy Washington
1. Opening Fanfare
2. I'll Go Crazy
3. Try Me
4. Instrumental Bridge1
5. Think
6. Instrumental Bridge2
7. I Don't Mind
8. Instrumental Bridge3
9. Lost Someone Pt.1
10. Medley(Please Please Please , You've Got The Power)
さてこの録音、メンバーを見るだけで、よだれが出る人も多いであろう1957年作品。ガーランドは1957~1959年にかけて膨大なアルバムを残しています。1956年にマイルス・クインテットに在籍して Round About Midnight 1957年には、わずか2回のセッションからの音源が、Workin'、 Steamin'、 Relakin'、Cookin' となり、コルトレーン・バンドにも加わっています。このアルバムの録音も一夜のセッションが、All Morning Long, Soul Junction の2枚のアルバムとして発売されています。但し All Morning Long は、直ぐに1958年の販売され本番は三年近く以上経った1960年暮れのリリースとなっています。
さて、曲のレビューです。タイトル曲は Soul Junction、いきなりの15分を超える長尺のガーランドオリジナル。ガーランドのソロが延々と続きます。ルーズな弾き方のブルースで典型的なフレーズが安心感あり、ジャズ・ブルースの教科書にできそうな安定の演奏。後半でやっとコルトレーン、バードが登場しますがガーランド同様にゆったりとしたソロ展開です。Woody'N You はディジー・ガレスピーがオリジナル。ガーランドが20歳の頃に初めて聴いたモダン・チューンの思い出の曲とのことで、菅の二人がフューチャーされています。バードの気合の入ったトランペットが気持ちよく響き渡り、コルトレーンもギアが入り、延々と続くのかと思いきやガーランドの流れるようなフレーズのソロに突入。1曲目との落差がとても気持ちよく響きます。うーんカッコイイ。Birk's Works もガレスピの作曲です。ここもテーマ部分は、高らかに鳴るホーン隊に重厚感あります。そしてガーランドのコロコロとした音使いながら甘いシングル・トーンのソロに始まりブロック・コードで盛り上げる定番の展開が硬派な感じです。コルトレーンが控えめなのは1曲目だけだったようですがこの曲は若干抑え気味のソロでバードに引き継ぎ、またガーランドに戻ります。カクテル・ピアニストと言われることもあるようですが、全くそのようなことの無い存在感のある演奏です。そしてデュークエリントンの書いたバラードの I've Got It Bad では、ゴロゴロとした硬派のピアノからロマンチックなタッチのピアノに変わり、バードの正確な音さばきながらどこか優しい音色に聞きほれ、情緒豊かなコルトレーンに酔いしれます。最後は Hallelujah
プロデュースは、以前聴いたアルバム 1973年 Blacks And Blues と同じ Chuck Davis, Larry Mizell で、このアルバムは1974年の発売となります。路線は基本的に同じですが、前作よりあか抜けた感じはします。この手のジャズ・ファンクの場合、思い切りダサいとか黒すぎるぐらいのアルバムが好みなのですが Larry Mizell プロデュースは中途半端に売れ線な感じです。このぐらいであれば前作よりこっちの方が好みかもしれません。
主役の Bobbi Humphrey については1950年テキサス州生まれのジャズ・フルート奏者、マイゼル兄弟はボーカル、アレンジ、プロデュースを担当しております。マイゼル兄弟作品は、アルバム一曲目にがつんとした曲をもってくるのが特徴で、このアルバムも1曲目の New York Times が素晴らしい。先にも書いたようにエリントンへのオマージュですから、Satin Doll という曲を入れるのに意味があるのはわかりますがタイトルで2曲目の Satin Doll よりも1曲目の方がインパクトがあるのはどうなんだろうか?という気もします。San Francisco Lights はバラードで、メロー・グルーブと言うよりはダレ気味か? 一転してLadies Day はタイトなソウル系のジャズ・グルーブ。ボビのフルート・ソロの録音レベルが少し低いのが気になりますが、演奏自体はうまくはまっています。この曲を聴いて、ジャズ・ファンクやりたくなるフルート奏者もいるんではないでしょうか。続くFun House はゴリゴリ系ファンクの元祖みたいなスラップ・ベースが良い。P funk のギターが、きれいな音のフルートに置き換わるとこんな感じって感じでしょうか。My Little Girl は怪しい系のジャズ・ファンクで、ここら辺がもっと怪しいと嬉しいんですが、テーマで響く女性のコーラスがなんとも怪しいです。こういった曲ではフルートが効いてきます。Rain Again は、嵐の効果音から始まる。重めのメロー・ソウルのような出だし。これに歌メロがついてボーカルが入れば成立するんですが、ボーカル無しのカラオケのメロー・ソウルっぽくて、つまらんと言う人は多そうですが、このダサさは私的には「あり」で、最後は You Are The Sunshine Of My Life は言わずと知れた Stevie Wonder のカバー。ここら辺はレコードのセールスを気にしてる感じの選曲とアレンジと思いきや、ボビは Stevie Wonder と親交をがあり、このジャケ写の娘の洗礼で代父を務めているとのことで、この曲は Stevie Wonder へのお礼みたいなもののようです。あとベースでは、前作とも Chuck Rainey も参加を見逃してました。聴きなれない人には、全部似たような響きとテイストに聞こえてしまいそうなアルバムなのですが、前作や Donald Byrd のジャズ・ファンク期が好きな人には是非聞いていただきたい🎵
flute, vocals : Bobbi Humphrey
backing vocals, arranged by (background vocal arrangements) : Fonce Mizell, Freddie Perren, Larry Mizell
electric piano (fender rhodes) : Fonce Mizell, Larry Mizell
piano, keyboards : Jerry Peters
synthesizer (arp synthesizer) : Larry Mizell
synthesizer (moog synthesizer) : Don Preston
guitar : John Rowin, Melvin "Wah Wah" Ragin*
bass (electric) : Chuck Rainey
drums : Harvey Mason
congas : King Errisson
percussion : Roger Sainte, Stephany Spruill*
trumpet : Jerry Peters
trumpet, clavinet : Fonce Mizell
produced by Larry Mizell and Chuck Davis for Sky High Productions, Inc.
On The Street Corner 1 が発売されたのは1980年で、当時私が中学生の頃で山下達郎ファンク時代の「ボンバー」とか「タクシードラーバー」とかを好んで聴いていました。On The Street Corner 1 は、レコードとカセットで発売を開始し1986年にCDで再販となったようで、確かに私の記憶もカセットで聴いていました。一枚目の On The Street Coner 1 はかなり衝撃的で、声だけの多重録音でこのような広がりが出せるのに興味を持ち自分でもアカペラの宅録をしたこともあります。
この第二作はステージで披露するために制作された楽曲が大部分を占めていて一作目より選曲と編曲の幅を拡げています。またアルバム制作にあたってはテクノロジーの進歩で繊細なテンポの設定が出来るようになり The Four Freshmen のような、より複雑なコーラス・スタイルも取り上げられています。その結果、作品のコンセプトであった1950年代アメリカン・ストリート・コーナー・ミュージック、あるいはドゥーワップの範疇から更に幅を広げた作品となっています。続作が発売されているとのことなので引き続き収集は続けたいとは思っております。
改めてアルバムを聴きながらレビューします。Amapola は原曲は1922年スペインのJoseph M Lacalle の作品。山下達郎は、映画の Once Upon A Time In America をアレンジの手本としてこの曲を収録したそうで耳に覚えのある人も多いのではないでしょうか。Ten Commandments Of Love は 1952年から1960年に活躍したドゥーワップ・グループThe Moonglows の作品です。第1作の Corner1で、Most Of All が取りあげられていました。曲調が似ているのか前作の収録とも似たアレンジです。グループ名 The Moonglows の名前は素敵です。So Much In Love は The Tymes のカバーで1963年Billboard Hot 100で首位の邦題で「なぎさの誓い」このアルバムでも最も耳に残る楽曲です。Make It Easy On Yourself は、Teddy Randazzo の作曲で、このアルバムのアレンジの元はThe Imperials の有名なシングル Going Out My Head のB面に入っていた曲だそうです。マニアな解説が山下達郎らしい。My Memories Of You 邦題は「あなたの思い出」は、Louis Armstrong, Duke Ellington, Francis Sinatra などのジャズ系ミュージシャンの他、Bette Midlerなどのカバーもされている名曲。Chapel Of Dreams は、The Dubs 1959年のヒット曲。You Make Me Feel Brand New は、Tom Bell の The Stylistics の為に書いた楽曲です。これは私も知っているぐらいだから有名ですね。バリトンとファルセットのリードの組み合わせが普通のグループではありえないと達郎氏の解説ですが、この曲を聴くと何の違和感も感じないのは達郎氏の実力。I Only Have Eyes For You は1934年の映画 Dames の主題歌。曲はメローソウルな感じがしますが、このコーラスの広がり具合は別世界で凄い。Silent Night は誰でも知っている名曲「きよしこの夜」1818年に創られた讃美歌109番。そういえば教会の讃美歌で子供たちと一緒に歌っていた。White Christmas は、1942年の映画、Holiday Inn で Bing Crosby によって歌われた名曲。讃美歌ではありません。
全く Craig Scott Quintet という存在を知らずにタワレコで試聴購入しましたので音は良いのはわかっていました。なので購入後の初聞きを、いつもの「おでんバー」でする時に、どんなアルバムなんだろうと言うドキドキはありませんでした。がマスター及び常連の反応はどうなのか?このタイプは微妙なのがわかっていましたので、そこがドキドキでした。
音的には古めで、ある程度有名なミュージシャンなのかと思いググっても情報は全くと言っていいほど出てきません。辛うじてわかったのはヴィブラフォン奏者 Craig Scott は、2012年ごろ Douglas College Jazz Camp という学校でドラムの講師として働いていたらしい。その学校のコンサートでドラムに座りながらビラフォンを演奏し The Cellar Jazz Club で週末に演奏するようなる。そのライブで Milt Jackson が Ray Brown、Teddy Edwards とレコーディングしたアルバムからアレンジした演奏を行っていて、それが注目を浴びるようになり、このレコーディングが2013年録音2014年7月22日に行われたとのこと。他の録音メンバーも含め所有音源の検索しましたが、一人もヒットしなかったことも珍しいレア音源です。
さてマイナーではありますが、レビュー参ります。Lunar Blues は Craig Scott のオリジナルです。全体の雰囲気もそうですが50~60年代の古き良きジャズのような感じで素朴なテーマのブルースは聴きやすい。難しいことはしていませんが気負い少な目で演奏を楽しんでいる雰囲気は十分に伝わる演奏です。Groovin' High はチャーリー・パーカーです。ピアノとビブラフォンでテーマをユニゾンしてからのサックス、ビブラフォン、ピアノのソロ回し、ビブラフォンのソロの出だしが少し怪しいところはあったけど、クリアに細かいことはせずに演奏されている教科書ののような演奏です。とにかく聴きやすい。Chart Of My Heart は、B.Newman 作曲の50年代によくあるような楽しいスイング。思わず横揺れになりますし踊れないけど踊りたくなるような演奏はこれも楽しい。毎週末は、このメンバーでライブだったようですから息もぴったり。The Night We Called It A Day は、M.Dennis とあります。ここでバラードが挟まります。ビブラフォンにピッタリのテーマに聞こえます。サックスソロが特に気持ち良いかな。と思っていたらビブラフォンも良いですな。 Corner Table は誰の曲かと思えば、C. Scott のオリジナル。ピアノソロがまたも教科書のような譜わりで、聴きやすいけどアルバムを聴き進めてきて少し物足りない気もしてくる気もします。Head And Shoulders はC.Walton とあります。少しアルバムが単調かなと息もしてきたところで、ピアノソロでモンクっぽいフレーズが出てきたりアルバムのアクセントになっています。Banana Funk はピアノの T.Foster 作曲です。こういう曲名はどこから来るんでしょうか。朝食でバナナ食べてた時に思い浮かんだからでしょうか。現代風のファンク的な要素も入ってきてメンバーの演奏内容もぐっと変化します。やっぱりプロですね。これは良い。Auntie Mame は B.Kaper 作曲で、再び古き西海岸のクール・ジャズっぽい雰囲気で、ライトです。Stolen Moments は、O.Nelson ほんわかしながらも推理小説を読んでいるような少しだけ怪しいところも匂う時代がかった曲です。録音順に曲は並んでいないとは思いますが、耳が慣れてきたのか演奏にエンジンがかかってきた感じはあります。Bossa Nova Do Marilla は R. Evans とあります。曲名でもわかるようにボサノバではありますが、物悲しいタイプのやつですね。テーマの節回しはクラシックっぽいものもあります。ラストは Ginza Samba V.Guarvaldi です。Ginzaはもしかして銀座ですかね?コミカルな曲です。全体を通してベテランぽくて、チームという感じの演奏で好感の持てるアルバムですが、スリリングさを求める人には物足りないかもしれません。
vibraphone : Craig Scott piano : Tony Foster tenor sax : Cory Weeds bass : Russ Botten drums : Joe Poole
producer : Craig Scott
recorded December 3, 2013 by Dave Sikula at Cory Weeds’ Cellar Jazz Club in Vancouver, BC
■曲目: 1. Lunar Blues 2. Groovin' High 3. Chart Of My Heart 4. The Night We Called It A Day 5. Corner Table 6. Head And Shoulders 7. Banana Funk 8. Auntie Mame 9. Stolen Moments 10. Bossa Nova Do Marilla 11. Ginza Samba
Mal Waldron(マル・ウォルドロン)は1925年ニューヨーク生まれのジャズ・ピアニスト、作曲家。ビリー・ホリデイの伴奏者としても知られ、ビリー・ホリデイ死去の5か月前に、アルバム Left Alone(レフト・アローン)を制作しビリーが作詞マルが作曲の Left Alone は、スタンダード・ナンバーとなっています。2002年12月2日ベルギーのブリュッセルで77歳で他界されています。
録音場所は、西ドイツのミュンヘン。レーベルは「Alfa Jazz」。いかにも日本のレーベルらしい、あからさまな企画盤で、プロデューサーも Tetsuo Hara と日本なところが素晴らしい。力強いピアノが印象的な作品で、出だしがショパンの Revolution のジャズ・バージョン。クラシックの原曲は知らないのですが、きっとやり過ぎなんだろうしピアノで、ばっさり切られるような曲になっています。ピアノをちゃんと勉強した人はあっけにとられることが容易に想像できますので、あえて原曲のクラシックは暫く聴かないことにします。そして East Of The Sun はスタンダードで Brooks Bowman 作曲。これは中々聴きごたえがある演奏でゴツゴツしたマルのピアノにタイトなドラムとブンブンするベースが素晴らしい。Let Us Live - Dedicated To East Germany はマルのオリジナル。アグレッシブなドラム・ソロから始まり、緊迫感のあるインプロが展開されます。少し劇場チックな展開なのがやり過ぎ感もありますが、その後のオリジナリティある展開は結構好きかもしれないです。いや独特です。そして主題である Spring In Prague もマルのオリジナル。どれほど激しい曲なのかと思っていたら、ゆったりとして落ち着いた曲です。先にも書きましたが ”民主化運動自体を「プラハの春」と呼ぶこともあれば、チェコ事件を含めた期間の一連の流れを「プラハの春」と呼ぶこともあるらしい" と言うことであれば、この曲は先の ”民主化運動自体を「プラハの春」と呼ぶ" 考えでの作曲だったのでしょう。ゆったりとした民主化へ向けての流れがこのイメージにあったのかと思います。次いで、On A Clear Day はスタンダード。なるほど革命が起きて、日が昇り、ドイツで生き延びる、そしてプラハの春、ある晴れた日とpらはの春の一連の流れが表現されている。重いですが次の曲は Spring Is Here 美しい風景描写のような世界、最後は We Demand で重々しく幕を閉じます。一瞬光が見えたかのようなプラハの春ですが、戦いと混沌は続くようです。硬質な重いタッチと言われるマルのピアノは、まさにその表現がぴったりで、またパウロ・カルドソのベースもマルに負けない個性的な演奏です。単なる企画ものでは終わらないイージーに聴くというより噛みしめるアルバムでした。重いなあ・・
piano : Mal Waldron
bass : Paulo Cardoso
drums : John Betsch
producer : Tetsuo Hara
recorded At Arco Studios in Munchen Feb. 19 & 20 1990