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2025年3月28日金曜日

Thelonious Monk Quartet, John Coltrane / At Carnegie Hall


 
 このアルバムはアメリカの国営放送局の Voice of America の国際放送サービス部門が残していたオープン・リール・テープの音源をデジタル変換作業していた際に発見されたものです。Monk が Bud Powell のヘロンイン所持を庇ってキャバレーカードを没収されたのが1951年、その後NYエリアでの演奏活動が出来ずにいたが、マネージャーの Harry Colomby と ニカ夫人の尽力で1957年に奪回し、NYでの活動を再開し、Coltrane と1957年7月18日から12月26日までマンハッタンの Five Spot で活動することになります。それが恐ろしく音の悪い未発表音源の The Thelonious Monk Quartet Featuring John Coltrane / Live at the Five Spot Discovery! (1957) で、そのほか、同年の4月6月7月で、二人のセッションが録音されているのが、Thelonious Monk With John Coltrane (1957-1958)Thelonious Monk Septet / Monk's Music (1957) になります(私の所持音源では)
 Coltrane も有名なヘロインのジャンキーで、1957年にマイルス・バンドを1回クビになっています。1957年のはじめ、Café Bohemia 出演の時、Coltrane が全く無反応だったのにマイルスは頭をひっぱたき、腹にパンチをいれ仲裁に入ったのが Monk だったとも。自身は薬物はやっていなくても、色々な事件の影に薬物があり、この時代のアメリカは映画のような世界だったようです。ニカ男爵夫人の著書で、Monk の3つの願いは、1.音楽的に成功すること、2.幸せな家庭をもつこと 3.君のようなクレイジーな友人をもつこと。ニカ夫人以外の友達もクレイジーだったようですが。


 さて、この録音に戻ります。1957年11月にNYの Carnegie Hall で行われたライブ録音です。レギュラー出演の Five Spot とは別の場所でのライブ録音となっています。【Early Show】は、PM 8:30 ですから、遅い開始となります。このアルバムに収録は、Monk's Mood、Evidence、Crepuscule With Nellie、Nutty、Epistrophy の5曲で、1時間に満たないので、おそらく録音全てが公開されてはいないと思うので、ほとぼり冷めた頃に完全版が発売されるのでしょう。多分未だ出ていないと思います。音は結構良いのですが不満は若干あり、最後に書いときます。Monk's Mood は、最初は長めのピアノソロから始まり、 Coltrane が吹きまくる、ほぼデュオで始まります。ベースが弓弾きで控えめに入っていますがドラムは休みで幻想的な曲になっていて、まさにショーが始まる演出もばっちりです。Evidence では、ドラムも入ったキッチリとしたコンボ演奏です。Coltrane が相変わらず吹きまくるので、Monk の独特の和音と入れるタイミングは誇張しすぎず、調和のとれたバッキング。でもピアノソロ部分では思いっきり、あのタイミングを入れてくるので、それに合わせ Coltrane が単音を入れてきますが、Monk に少し遅れて入れてくる掛け合いが何とも楽しいです。Crepuscule With Nellie では、個人技よりもバンド・アンサンブルとしてモンク節の効いた演奏になっています。盛り上がってきたところで、Nutty です。ドラムの 
Shadow Wilson が、ドシャっとした音ですが上手い方だと、ここで気づきます。いつもの
Roy Haynes だと、もう少し四角い感じでリズムキープに徹する感じと対照的で、次のEpistrophy だと、もっと顕著に違います。シンバル・ワークとか曲の随所で細かい芸があります。でも演奏的には上手すぎて、どこか、ぎこちない感じがするような、いつもの演奏も良いもんなんだなと、聴きながら思ってしまいました。
 CDだと盤は変わりませんが【Late Show】は午前0時スタートです。電車で帰るという感覚が無いのでしょう、NYの遊び方は時間の感覚が日本と異なるようで遅すぎです。Bye-Ya 正統派なバップで、ここでもドラムのパーカッションが居るかのような細かな技、Coltrane の流れ出る音符に、Monk の感性が一つの音楽を創り出し説得力があります。と思っていたら次の Sweet And Lovely の朗々とした演奏もまた別の趣。長めの緩やかな演奏を静かに聴いていたら、途中からテンポ・アップにハッとさせられるのも面白い仕掛けかなと思います。ここら辺は Coltrane が居るならではの構成ではないでしょうか。長めの9分34秒です。そしてBlue Monk は、お馴染みのモンク・ナンバー。演奏し慣れている感じが十分に伝わる軽々した演奏で、テーマとソロ部分も変わったことはせずに、きっちりと演奏しきっていて安定感があります。最後は Early Show のラストでもあった、Epistrophy で締めくくりです。同じ曲でありますが Early Show はパーカッシブなイントロであったのに対し、Late Show では、アーシーなアレンジです。このタイプの演奏は Monk では珍しい気がします。ピアノソロに入ったところの2分24秒でフェイド・アウトはもったいない。あと30秒ぐらいは欲しかったです。🎶
 聴き終わりましたが、残念なことは、本CDは、PCでは普通に再生できない東芝EMIのセキュアCDであったこと。PCでの再生用のプログラムも動かず、私のPCでは再生できませんでしたが、幸いこのアルバムは別の方法で音源が入手できました。しかしこのほかに、Ben Harper / Both Of The Gun, Sony Music からの 小沼ようすけ / Jazz'n' Pop なんかは、全く歯が立ちませんので、盤はあるのに1回も聴けない状態です。よく見て買えよって話しですが、この盤を購入した人だけ「音質は落ちるけどストリーミングできるIDを入れておく」とかの何か救済措置はできないもんなのか。著作権は守らなければならないのでコピープロテクトは良いとしても、機器によっては全く再生できず、データを見ることもできないでリスナーを狭めるような技術の片手落ちのような音源の作り方はどうなのかな、日本盤を買わなければ良かったな、と思ってしまいます。残念
piano : Thelonious Monk
tenor sax : John Coltrane
bass : Ahmed Abdul-Malik
drums : Shadow Wilson

producer (concert) : Kenneth Lee Karpe
recorded by, engineer (Voice Of America) : Harry Hochberg
art direction, design : Burton Yount
ilustration (cover) : Felix Sockwell

recorded on November 29, 1957 by Voice of America at Carnegie Hall, New York City.
This concert was produced for the benefit of the Morningside Community Center.
The original recordings were engineered by Voice of America.
Tape preserved and provided from the collections of the Library of Congress.
24-bit/192 kHz digital transfer from the original 15 ips mono analog tape,
Sonic Restoration, Forensic Editing™, and Pre-Mastering by Transfer Master.

【Early Show PM8:30】
1. Monk's Mood / Thelonious Monk
2. Evidence / Thelonious Monk
3. Crepuscule With Nellie / Thelonious Monk
4. Nutty / Thelonious Monk
5. Epistrophy / Kenny Clarke, Thelonious Monk
【Late Show AM0:00】
6. Bye-Ya / Thelonious Monk
7. Sweet And Lovely / Charles N. Daniels, Gus Arnheim, Harry Tobias
8. Blue Monk / Thelonious Monk
9. Epistrophy (Incomplete) / Kenny Clarke, Thelonious Monk


▶ Nutty



  

2025年3月18日火曜日

Donald Byrd / Blackjack

 


 Donald Byrd(ドナルド・バード)が率いていたレギュラー・バンドによる1967年録音。数々のジャズ・ライブ録音でも有名なニューヨークのクラブ Five Spot Cafe に、1966年暮れから出演していたメンバーです。このアルバムでは6曲中 West Of The Pecos、Loki、Eldorado 3曲が、アルト・サックスの Sonny Red の作曲した作品となっていて、リーダーの Donald Byrd と肩を並べる存在感があります。テナーの Hank Mobley の饒舌なプレイも素晴らしいですが、 Sonny Red のフリーキーなプレイ、リズムやハーモニーの展開が斬新になっている気持ち良い作品となっています。ちなみに Sonny Red の作曲者名の表記は Sylvester Kyner になっていて、Sonny Red の本名。Byrd とは同じデトロイト出身で、歳も同じということもあり、バードも信頼を寄せていた関係です。


 アルバム全体からはハード・バップから一歩抜け出すアーシーな感じです。いつもの行きつけ音楽好きの集う「おでんバー」で初試聴しました。このアルバム試聴の時は他の常連は音楽系には、あまり興味薄い写真系の方だったので、マニアックに楽しんだのはマスターと私の二人だけでした。Donald Byrd は数々の作品を持ち込んでいますが、あまりマスターの興味を引く作品は無かったのですが、今回はマニアなマスターも楽しんでいただける内容だったようです。


タイトル曲の Blackjack はロックビートが強くオトボケ・ファンキーな感じです。Sonny Red がブチ切れたソロをとるとバードやモブレーまでもが、俺も俺もとかましてきたエキセントリックな仕上がりです。ここらへんが最初から私とマスターのマニアな心をつかんでくれます。2曲目の West Of The Pecos ではアップテンポの正調モード系ハード・バップとなり、流れとしては1曲目でかまされたのに少し落ち着いてくれと言われている感じです。続く Loki でも正調ハード・バップではありますが切り込み隊長レッドからバード、モブレーに続きなるほど。Eldorado も正調なバップとなり、襟を正して聴く感じです。メンバーも余り乱れたり、目立つ行為は少なく流れとしては、ここでまた押さえておいて、どこかで爆発するんだろうなと思ったりしてワクワク感があります。そんな中 Beale Street が始まるとなんか聞いたことがある?と聴きながらモヤモヤします。するとマスターが💡 Herbie Hancock の Watermelon Man 1962 なるほど💡そうだなとYouTubeで交互に聴いてみると、コード進行とバッキングパターンがやはりマンマです。テーマが少しだけ違う感じで音階の順番を少し変えただけのように酷似しています。Watermelon Man の方が1962年作なので先に発売ですから、Beale Street のほうがWatermelon Man をオマージュしている感じですね。ジャズ界ではこの手のコードだけ変えるとか、メロディーだけ変えるとかの手法はよくあり元曲を公言されているものも多いです。しかし、ポップやロックでヒット曲だったりすると著作権でよくもめてますよね。まあ何回聴いてもパクリでした。最後の Pentatonic は、テンポ早めのバップ。Sonny Red のレンジが狭い音使いではじめるソロは面白い。続いてリーダーのバードはきっちりとピロピロと吹いてくれます。やっぱりトランペットソロは、これが気持ちよい。Hank Mobley のソロは、大人な感じで余り外さない、、と思っていたら少しアウトしてくれました。そして Cedar Walton もリズムに乗ったソロです。見せ場は全員短めですが好演でした。
 プロデューサーは Alfred Lion。アルバムとしてもエキセントリックさが楽しいアルバムです。Herbie Hancock と続けて聴くとまた楽しさ倍増かもしれません🎶🎺

trumpet : Donald Byrd
alto sax : Sonny Red
tenotr sax : Hank Mobley
piano : Cedar Walton
bass : Walter Booker
drums : Billy Higgins

producer : Alfred Lion
recorded by : Rudy Van Gelder
recorded on January 9, 1967
recorded at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey

1. Blackjack / Donald Byrd
2. West Of The Pecos / Sylvester Kyner
3. Loki / Sylvester Kyner
4. Eldorado / Mitch Farber
5. Beale Street / Sylvester Kyner
6. Pentatonic / Donald Byrd





  

2024年6月8日土曜日

Steve Lacy / The Straight horn of Steve Lacy

 

 Solid Jazz Giants という復刻版の名盤シリーズで見かけて、試聴せずに購入の一枚です。ソプラノ・サックス片手のジャケも気になりどんなもんかの試し買いでした。後で知りますが、Steve Lacy はソプラノ・サックス奏者で、フリージャズで有名な方。Monk の愛好家でもあり、Cecil Taylor と出会ってからフリー派となったらしい。このアルバムでもアルバム6曲中、Monkを3曲、Cecil Taylorを2曲、Parkerを1曲 となっています。がフリーの片鱗ぐらいの音使いなのでフリーに変化する過程の貴重な録音と言うことでしょうか。フリー好きの「おでんバー」のマスターはフリーの時代のこの人の演奏を知っていたのですが普通の演奏を聴くことはなかったらしく、一緒に聴きながら普通のジャズに感慨深いとのことでした。
 しかしながら再度、そう思って聴くと饒舌で吹き出すと止まらないソロや、吹きながらドンドン展開していくインプロにその片鱗は見えるような気がします。ジャズはアドリブにこそ面白さがあるということが世に言われておりますが、まさにこのアルバムは上手く楽曲を構成させる技術ではなく、感じることを音にして出していくジャズの面白さがこのアルバムでは伝わってきます。バリトンとソプラノ・サックスの組み合わせでピアノレスのカルテット編成は斬新で、低音と高音の対決なのか?と思いきや、バリトンもソプラノもテナー寄りの音域に近づけた演奏になってます。フリーになりそうではありますが音程と秩序は保たれています。


  私の中でグッと興味ある人になった Steve Lacy、ピアノレスのこの編成でこの盛り上げ方をした共演者にも注目すしてみましょう。バリトンの Charles Davis は Sun Ra とも一時共演する人物で斬新な感覚と才能で、Taylorの曲 Air でのアドリブは明らかにレイシーを触発していますね。そしてベーシスト John Ore は、このアルバムで3曲とりあげられているMonkのカルテットに参加していたベーシストで、共演者がどんなところに飛んで行っても堅実なリズムキープを続けます。自分は決して熱くはならず共演者に火をつけてしまうベーシストで、堅実な演奏です。がこちらも後に Sun Ra に参加していますね。ピッタリと寄り添 いながら弾くベース徹しているように思えます。ドラムの Roy Haynes はコルトレーン Impressions 、モンクとコルトレーンの共演ライブ Live at the Five Spot Discovery! なんかに参加していて、やはり後にフリージャズにも突入する人です。
 モダン・ジャズから前衛的ジャズへ切り込んでいく境界線のアルバムは非常に興味深い🎵

soprano sax : Steve Lacy
baritone sax : Charles Davis
bass : John Ore
drums : Roy Haynes

recorded at Nola Penthouse Sound Studios, New York on November 19, 1960.

1. Louise / written by Cecil Taylor
2. Introspection / written by Thelonious Monk
3. Donna Lee / written by Charlie Parker
4. Played Twice / written by Thelonious Monk
5. Air / written by Cecil Taylor
6. Criss Cross / written by Thelonious Monk

Louise




  

2024年5月25日土曜日

Roy Haynes Quartet / Out Of The Afternoon

 

 「リーダーは Roy Haynes となっているが、実質 Roland Kirk のアルバム」 と皆さんが、こぞって書かれている下馬評。Roland Kirk はアクが強すぎるだけに、自分が主役のアルバムだと、そればかりが目立ってしまいますが、Roy Haynes がリーダーとなることで Roland Kirk が、その色を出して、カルテットとして成立しているアルバムと表現しなければ Roy Haynes に失礼ではないかと思いますが、ドラマーと強烈な個性を持つ管楽器奏者では目立ち方は違いますので致し方ない。
 タイトルは収録曲には無いので、このアルバムのコンセプトを示すものと普通想像します。ジャケ写も森の中で撮影され、さぞかしゆったり、のんびりした内容であると思いきや Roland Kirk の参加するアルバムで、攻めていない内容などはあり得ませんでした。実際その通りで Roland Kirk はハードボイルド。Roy Haynes は自分がリーダーではあるものの、Tommy Flanagan や  Roland Kirk のソロの時はバックから支えに回り、出る時は出る印象です。そしてこのセッションの舞台裏が書かれているものを発見。Haynes が、ある夜 Five Spot で、対バンとして出演していた Kirk とのセッションを行い感銘を受けて Impuls のプロデューサー Bob Thiele に本作の企画を持ちかけたことで実現したとあります。しかし自分のリーダーアルバムの前に Kirk のリーダーアルバム Domino に参加している。アルバムは Mercury から発売されている事実を考えると Haynes の一方的なラブコールでは無いようです。


 私の行きつけの音楽好きの集う「おでんバー」では、Roland Kirk 信者が多いのですが確かこのアルバムをかけた時には熱量がマダマダ足りないような発言をされている人が多かったような気がします。それでは改めて聴き直していきましょう。Moon Ray は、ミドルテンポでじっくりときます。Kirk はまずはテナーサックス、そして恐らくマンゼロでテーマを吹き、一人ユニゾンが相変わらず強烈ですが未だおとなしい。ちなみにマンゼロはソプラノサックスのネックとベルを曲げてある楽器で、サクセロとも言われます。ストリッチは古代楽器で、ソプラノとアルトの中間音域を受け持つサックスの仲間とのこと。Fly Me to the Moon が始まると Kirk は普通にテーマが吹きますが、やはり圧が強いのと発音がやたらはっきりしています。やはり Kirk に注目が集まってしまうのは仕方ないですか。彼ら流の演奏だが本当に月まで飛んでいきそうな力強い演奏です。Raoul はリーダーの Haynes の荒々しいドラムから始まる高速バップ。作曲は Haynes。バンドとしては Kirk 少な目のバランスの取れた演出です。リーダーのドラミングに高揚感があります。Snap Crackle イントロで「ロイ!」「ヘインズ!」と叫んでいるのはTommy Flanaganで、当初はカークに叫ばせる案もあったらしい。Kirk はテーマをテナー、マンゼロ、ストリッチの3管で吹いている。If I Should Lose You 1930年代の古いスタンダード。テーマはストリッチで吹いているらしい。演奏は熱くなりすぎることなく過ぎていくと思ったらソロ部分になると、やはり時々いきなり連発してしまうのは、やはりと言った感じ。Tommy Flanagan のソロの冷静さとの対比が極端です。Long Wharf は Haynes が少年時代を過ごしたボストンをイメージして作曲したとのことですが、ボストンのイメージがこの単純な音から浮かぶことは私にはできませんでした。Grimes のアルコでのベースソロはこの曲以外でも聴けますが、このアンバランスにエネルギーは感じます。最後は Some Other Spring はしっとりとしたバラードで、Haynes は自分リーダーアルバムだけに平穏に終わりたかったようです。そして随所に小技は入れてきてるのがニヤリ。
 改めて聴いてナルホド少々スパイスの効いた感じがマニアにはたまらない魅力かもしれません。たまに聴き直したいアルバムですね🎵

drums : Roy Hayne
tenor sax, manzello, strich, C flute, nose flute : Roland Kirk
piano : Tommy Flanagan
bass : Henry Grimes

producer: Bob Thiele May 16(1, 6, 7) & 23(2, 3, 4, 5), 1962

recorded at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey Label: Impulse!  May 16 & 23 1962
 
1. Moon Ray (Artie Shaw, Paul Madison, Arthur Quenzer) 
2. Fly Me to the Moon  (Bart Howard) 
3. Raoul 
4. Snap Crackle 
5. If I Should Lose You (Leo Robin, Ralph Rainger) 
6. Long Wharf 
7. Some Other Spring (Irene Kitchings, Arthur Herzog Jr.) 

▶ Raoul




  

2023年8月19日土曜日

The Thelonious Monk Quartet / Monk's Dream

 

 Columbia Records へ移籍後1作目の1963年作品です。2作目の「Criss-Cross」を先に聴いていて、かなりお気に入り度が高かったんですが、これはそれを更に上回るぐらいの素晴らしい作品でした。カルテットの息がぴったりで演奏が落ち着いていて、何よりモンクのピアノが全て楽譜を見て弾いているかのようなスムーズな流れと動きが魅力です。
 これまでの録音では1日~2日で録っていたのを、このアルバムでは十分な予算をとって4日間かけて録音したとのことで、この十分な時間を費やしたレコーディングが、いつもよりも輝いた演奏に影響を与えているようです。またこの十分な予算は音質にも影響を与えているようでこのアルバムと同時購入した Riverside で作成したアルバムを続けて聞いていたら、その臨場感が差が歴然としていてんなにも違うんだと気付くほどで、音質の違いもあるもんだなと。また2作目の「Criss-Cross」ではそこら辺の事情は分からなかったのですが、この2作品の録音は続けて行われたセッションによるもので、その流れからこの2作品生み出されたのかと私が両作品が気に入ったことにも納得がいきます。


 ですが、このアルバム曲目的には目新しさはなく、スタンダード3曲とオリジナル5曲が収録されているうち初録音のオリジナルは「Bright Mississippi」のみ。ライナーノーツによるとこの「Bright Mississippi」にはおまけの逸話があります。元のコード構成は「Sweet Georgia Brown」という曲でこのコード進行に簡単な別のメロディラインをのせただけで、この曲は原曲から逸脱しなかったため、著作権料を請求されたと言われている(払ったとは書いてありません)元曲を聴いてみましたがそんなに似ていないし、コード進行が同じでメロディーラインも似ている曲なんて世の中には相当な数があるわけで、このアルバムはセールス的には大成功となったヒット・アルバムなのでこんな事件も起こったんでしょう。
 さてモンクの代表作としては、初期作品の Riverside の「Brilliant Corners」「Monk's Music」が取り上げられることが多いようですが、日本では知名度は低いようです。実際これを購入した日にいつも「おでんバー」で聞いて、モンクは好きと言っている常連さんもマスターも聞かれてはいませんでした。ですが、本作は米国で一番売れた作品でもあります。売れた作品が万人にいられるとは限りませんが、やはり売れるだけあっての中々の名作。未試聴のかたは是非どうぞ🎵

piano : Thelonious Monk
tenor sax : Charles Rouse
bass : John Ore
drums : Frankie Dunlop

producer : Teo Macero

recorded October 31, 1962 ( 7, 10, 12 & 5 )
recorded November 1, 1962 ( 2, 3 & 11 )
recorded November 2, 1962 ( 6, 9 & 1 ) 
recorded November 6, 1962 (8, 4)

1. Monk's Dream (Take 8)
2. Body And Soul (Re-Take 2)
3. Bright Mississippi (Take 1)
4. Blues Five Spot
5. Blue Bolivar Blues (Take 2)
6. Just A Gigolo
7. Bye-Ya
8. Sweet And Lovely
9. Monk's Dream (Take 3)
10. Body And Soul (Take 1)
11. Bright Mississippi (Take 3)
12. Blue Bolivar Blues (Take 1)





  

2023年3月11日土曜日

Kenny Burrell with Art Brakey / At The Five Spot Cafe

 

 大学に入り、ジャズ研に入ってもフュージョン系ばかりでウェスぐらいは知っていましたが他のジャズ・ギタリストの知識はほぼ皆無でした。 Kenny Burrell(ケニー・バレル)を知ったのも結構オジサンになってからでしたが、ブルージーなギターなので非常にとっつき易く今では大好きなギタリストの一人です。このアルバムは購入してから数か月家で寝かせてから、行きつけ「おでんバー」で初聴きしたのですが、王道過ぎると完全にBGMとなってしまい、中々の演奏の割に周囲の反応は可もなく不可もなくで、若干つまらない結果に終わりました。へえ、これ誰?ジャケット見せてよ。みたいな反応があると自慢できるんですがねえ。


 さてこのアルバム、ビレッジ・ヴァンガードと並び、ジャズのライブ録音で有名なニューヨークのクラブの Five Spot Cafe(ファイブ・スポット)での録音です。録音は1985年8月15日の、昼の部と夜の部のライブを録音したもので、アルバム前半が夜の部、後半が昼の部で本盤収録と実際の当日の演奏順序は逆だった書いてあるものを見ました。オリジナルLPより本CDのほうが曲目が増え曲順が違っています。メンバーの参加を見るとピアノの Bobby Timmons(ボビー・ティモンズ)が 1~4曲目, Roland Hanna(ローランド・ハナ)が 5~8曲目を弾き、テナー・サックスの Tina Brooks は 1~4曲目の前半参加ということは、昼の部は後半、夜の部は前半は本CDでは正解。オリジナルなら違うと言うことになりそうです。なおTina Brooks はあまり見かけない名前なので私の所有音源で調べてみたら、Jimmy Smith で Groovin' At Smalls Paradise Volume 2 という1958年のアルバム1枚分だけ参加されていました。調べてみると ミュージシャンとしての活動は 1951~1961年ですが、ブルノートとの契約は1958年で薬物依存により引退せざるを得なくなったとのことでなるほど。
 1曲目は Birks' Works は、イントロの黒さ漂うティモンズのピアノのイントロから始まりバレルがシングル・トーンのブルージーなギターで曲の雰囲気を作っていってティナ・ブルックスの高めのトーンの丁寧なテナーサックス・ソロで、ボビー・ティモンズのコード・ソロはカッコイイ!最初から盛り上がります。1曲目のインパクトが大きいです。Lady Be Good はバレルのアルバムによく出てくる曲でガーシュインの作曲です。この曲ではブレイキーのドラミングが冴えています。自身のバンドで見られる派手さは控えめにしているものの短め控えめのナイアガラ・ロールや他の楽器のソロの時に、絶妙のタイミングでスネアを入れて煽り、それに応えるメンバーを聴いていると非常に息の合った演奏です。ティモンズのノリノリのピアノ・ソロではひたすらリズム・キープでスピード感で煽るところなど集中して聴くと店で流して聴いているときと全く印象が異なりますね。Lover Man は、一息入れるゆっくりめの曲。バレルのギターも色気がたっぷりでサービスたっぷりですが音の粒立ちや滑らかさが非常によい脂ののった演奏。ピアノ・ソロの後のバレルのギター・ソロの後ろで寄り添うような小さい音でのフルートのようなテナーも秘かにしびれました。Swingin' これで前半の夜の部が終了となります。最後には一挙に盛り上がりますね。ブレイキーの途中ではさむ行進曲のようなリズムの取り方もセンスあります。Hallelujah アルバムでは後半、ライブ当日では前半が始まります。ハレルヤというよりイメージより混沌とした地獄を感じるようなテーマが斬新で印象的。メンバーが4人に減っただけにソロも長尺長いドラムソロなどもあります。ピアノはローランド・ハナに変更となりティモンズの黒っぽさ漂う演奏からクラシック・ピアノの感覚を感じるピアノになりました。 Beef Stew Blues は、名前からするとR&B的な曲を予想しましたが、正調なジャズ・ブルースをキチンと演奏されている感じです。バレルのイメージはこっちの方がしっくりきます。If You Could See Me Now もシックなバラードでローランド・ハナのピアノが美しく響きます。これを聴きながら昼から酒を飲んだら心地よく寝れそうです。36-23-36 はこのアルバムで唯一のバレルのオリジナル曲でバレルの曲だけに、これぞまさにブルージー。大御所メンバーも勢揃いの盛り上がっている後半ライブを前半に持ってきて聴き手を惹きつけたところで、静かに後半を聴かせるというプロデューサーの Alfred Lion の演出もにくい作品です。

guitar : Kenny Burrell
piano : Bobby Timmons (1 to 4), Roland Hanna (5 to 8)
bass : Ben Tucker
drums : Art Blakey
tenor sax : Tina Brooks (1 to 4)

recorded by : Rudy Van Gelder
producer : Alfred Lion

recorded at "Five Spot", New York on August 25, 1959.

1. Birks' Works
2. Lady Be Good
3. Lover Man
4. Swingin'
5. Hallelujah
6. Beef Stew Blues
7. If You Could See Me Now
8. 36-23-36





  

2021年8月29日日曜日

本日のCD Eric Dolphy At The Five Spot Vol2

 

 独特の感性のあるマルチ管楽器奏者の Eric Dolphy のライブ録音で1961年7月に録音されたもの。Vol1では New Jazz/Prestige で1964年に発売され、このVol2は Prestige からのみ発売されています。このライブでは Eric Dolphy はフルートとバスクラを演奏しています。アルバム名は Eric Dolphy ですが、バンドは Booker Little をトランペットに迎えた双頭クインテット。私によくあるパターンでVol1は未だ聴いておりません。この At The Five Spot  Vol2 はかなり尖っているだけに Vol1 はどのようなことになってしまっているのか非常に気になるところです。
 さてニューヨークの Five Spot と言えば私の手持ちのアルバムの中ではモンクの Misterioso があります。このカフェは当時の先鋭的なジャズ・ミュージシャンがよく出演するお店だったようです。元々はマンハッタン南部のバワリー通りにあった「バワリーカフェ」という見すぼらしいバーだったそうです。ところが1955年に店の上を通っていた鉄道が無くなったことにより雰囲気が一転し周辺に画家や詩人の卵が済むようになり 店の名前も Five Spot に改名し、そのたまり場だった店には現代アートを好む人たちがたむろするようになったため、出演するミュージシャンもモンク、ドルフィー、セシルテイラー、オーネットコールマン、コルトレーン、チャールス・ミンガスと先鋭的な人たちが多かったようです。
 そのような背景があっての Five Spot でのこの録音ですが、リトルはこの録音から3か月後に亡くなってしまいます。リトルは本作を含め数枚の音源が残っているのみの人で、このアルバムでは躍動する激しい一面と哀愁のあるメロディアスなトランペットが印象的で名前だけは知っていましたが今回で気になるトランぺッターの一人になりました。
 アルバムには2曲が収録されているのみで1曲20分弱という長尺ですが、これは聴き飽きない長尺で、Like Someone In Love のラストテーマまで聞き終わると充実感はあります。
 1曲目は Aggression のタイトルですがその名の通り攻撃力がかなりあります。最初にこれを聴いたのは仕事で疲れきった週末の行きつけ「おでんバー」でしたが、気力が萎えている時には少々疲れるぐらいの気合が入っている曲でした。ドルフィーはフレーズが速いし、ハーモニーとビートから脱却する「前衛的」な演奏となります。ドラムの Eddie Blackwell はイントロから鋭角的にハイハットを入れてきて、途中はひたすら裏箔を入れる体育会的な根性が入った演奏。そしてリトルの早いけれども調性のあるトランペットでバランスがとられているような感じです。
 2曲目はスタンド―ドの Like Someone In Love でリトル特に好きだった曲のようです。始まりのテーマ部分のルパートでは、リトルがメロディを丁寧に吹き、ドルフィーのフルートで、ベースのリチャード・デイビスが弓弾きで好き勝手に自由にやってしまいます。しかし、時折三人がかみ合う時がありその時に!?とかみ合ったことに驚きが生まれます。そこからは一転ドルフィーはまじめにフルートで、曲に合わせたアドリブをとりますが、やはりそこはドルフィーです、長くやればドルフィーらしさがでてきます。
 書く方にも熱が入るVol2で、私以外の皆さんはVol1を聴いておられましたが、こっちの方が強烈だったのは間違いないようでVol1の感想は余り聴くことはできませんでした。

flute, bass clarinet : Eric Dolphyt
trumpet : Booker Little
piano : Mal Waldron
bass : Richard Davis
drums : Eddie Blackwell

recorded by : Rudy Van Gelder
recorded July 16, 1961.

1. Aggression
2. Like Someone In Love




muu music webzine

  

2021年6月12日土曜日

酒のつまみに、 Kenny Dorham Eric Dolphy

 


 今週は苦手なパワポでの資料作りなんかが多くてかなり疲れました。週末がやってきましたので疲れた心は、好きな音で酒を飲むに限ります。で今週選んだ2枚は Kenny Dorham と Eric Dolphy で、購入してから未だ聴いていない未開封のCDを初聞きです。

 ここ何回かで、金曜の晩は私セレクションを聴くのが通例になってきてまして「今週は何?」との声にこれを出すと「うーん、今週は普通だな」との反応。いいんです。気分で選んでるんですから。それに今回は未開封なんだし。

 で少し楽しみにしていた Eric Dolphy から始めました。原盤のレコードではA面1曲、B面1曲の2曲しか入ってないAt The Five Spot の Volume 2 です。1曲目はダークで妙なテンションの曲が17分19秒!週末に疲れた心を癒すにはキツめのパンチが入ってきます💦

 裏面というか2曲目ではリラックスです。やっとこれで19分58秒は心地よく飲めました🍺スタンダードの「ライク・サムワン・イン・ラブ」で最初はルパートで始まりたっぷりの時間を使って曲が進行します。高級ジャズ・バーでゆったりしてる気分で満足な気分です。

 心が解放されてきたところで、Kenny Dorham です。正調ハードバップは安心して酒が進みますな。ここらへんで 'Round About Midnight は個性が出にくい君が代みたいなもんだよな と誰かが言いだし、モンク曲だけどテーマの旋律性が強すぎるから引きつられちゃんじゃない?など酔いがまわってくると、コロナ中ですから大声は出さずに静かに、にわか評論家が誕生します。こころらへんの個人的主観で、あーだ、こーだ と好き勝手に語る酒は楽しいですな。心の栄養です。

 差し入れのつまみの「鮎の骨を炊いたヤツ」も旨かったし、心の平和を取り戻しました。



2021年3月24日水曜日

ノルウェイの森と10のオマージュ 兼松 光

 

  実は村上春樹の作品でもっとも有名な「ノルウェイの森」を読んでいません。唯一読んだことがあるのはエッセイの「意味がなければスイングはない」で、これは村上春樹の独特の音楽観がうまく書かれていて結構面白かったのです。なので古本屋で見かけた、このCDブックにはふと足を止めてしまいました。帯を見たらチック・コリアも参加してるらしい。作者の「兼松 光」とは何者なのか知らないけど古本なんで安いし、せっかくなんで聞いてみることにしました。

 作者の「兼松 光」は名古屋出身の音楽プロデューサーであり作詞家。海外では「flash(光)」で呼ばれているとのこと。 Kanematsu。ちなみにflashの名付け親はのピーター・バラカン氏です。大学卒業後は現在のシンコーミュージック・エンタテイメントに入社し、その過程でプロデューサーとなった人です。1978年にはフリーランスとして独立し、(株)フラッシュ・ミュージックし、キングレコードにプロデューサーズ・レーベル「フラッシュ・ミュージック・レコーズ」を作た人とのこと。設立の翌年には村上春樹の小説「ノルウェイの森」をイメージした海外録音企画アルバム「ノルウェーの森」(LAワークショップ)、「ノルウェーの森Ⅱ」(LAワークショップ with ニューヨーカー) を制作したのがこの本のネタ元です。アルバムを購入した人がこの本を買うことが前提なのか、アルバムについてはあまり詳しく書かれていなかったので、なぜこの本が作られたのか調べて理解するのに多少時間がかかってしまいました。

 さて本題ですが、本作はそのプロデューサーの立場から村上春樹の「ノルウェイの森」をオマージュした作品を製作しようとした動機、またその立場での制作過程のミュージシャンとのやり取りなどが書かれています。面白いのはプロデューサーというのは企画を立てて、予算を組み(売上予測も当然するのでしょう)、予算に合わせたミュージシャンとの交渉を行い、スタジオなどのスケジューリングをして音楽を製作していく過程が書かれていることで、私のような食品会社のサラリーマンが企画をたてて商品開発して売っていくのと基本的には工程や考えは一緒であることも興味深かったです。しかしアメリカの音楽業界はミュージシャンは全くの仕事で金と時間をきっちりと決めてのビジネスとして音楽制作をドライにやっている裏側を知って、アメリカの一流ミュージシャンを使うということはこういうもんなんだなと感心しました。もう少しギャランティレベルの低いミュージシャンたちはどうなのか?なんてことも気になります。

 CD収録曲については、本を読みながら聞くにはちょうど良い感じで、マイケル・ブレッカー参加のOn Slow Boat To China、カーティス・フラーのFive Spot After Dark が良い感じです。

 話の中には、チック・コリア、マイケル・ブレッカー、ロン・カーター、ジェベッタ・スチール、ポール・ジャクソンJr、デビッド・ガーフィールド、ルイス・ナッシュ、ゲイリー・ミーク、ジェフ・ローバー、ケニー・ランキン、ジェフ・ポーカロ、リチャード・ティー、エリック・ゲイル 等々が登場します

収録曲は 

1. On Slow Boat To China 

2. Norwegian Wood   

3.  South Of The Border

4. Five Spot After Dark

2020年11月12日木曜日

本日のCD The Thelonious Monk Quartet Featuring John Coltrane / Live at the Five Spot Discovery!

 

 素晴らしく音が悪い歴史的記録です。コルトレーンの妻 Naima(ナイーマ)が、客席から録音したものでマイク一本だそうです。あまりに音が悪いので、1957年で技術屋ではない人が客席でどのように録音したのか気になります。
This recording was made on a portable tape recorder with a single microphone. The sound and balance are not optimum and there are sporadic mechanical and electrical noises. The actual order of performance is as presented here, except that "Crepuscule With Nellie" opened the set. Part of the closing theme of "Epistrophy" is missing because that portion of the tape was recorded over at a later date. At that point on the Compact Disc, the music fades down and then up again.
 ポータブル・テープ・レコーダーで録音とありますが、1957年で果たしてカセットテープレコーダーはあるのか?ポータブルなレコーダーとは、どんなものなのでしょうか?

録音の歴史を調べてみたら
1938年 ドイツで磁気テープが開発され
1950年代 家庭内における簡易な録音機として、2トラック1チャンネルモノラル機がある程度普及していた
1963年 磁気テープをカートリッジ化したカセットが発表

 つまり、1957年のこの録音はマイク1本のオープンリールかなんかの録音と推測され、客席での録音といっても、結構な大きな機材だったに違いないとも思われます。私もオープンリールの存在は知っているものの現物を見たことはありません。
 さて肝心の音源の内容ですが、コルトレーンは代名詞のシーツ・オブ・サウンドの通り、とりつかれたように吹き散らかし、モンクも好き勝手に弾いています。
 それにしても音が悪い。ステージから少し離れたところで、音が自然と聞こえてくる演出と思えばそれも一興。エグゼクティブ・プロデューサーにはモンクの名前もありますので、モンク自身もこの録音にはビックリしてのアルバム化だったと思われます🎶🎹

piano : Thelonious Monk
tenor sax : John Coltrane
bass : Ahmed Abdul-Malik
drums : Roy Haynes

executive-producer : Thelonious Monk 

recorded by  Juanita (Naima) Coltrane
recorded live at the Five Spot, New York late summer of 1957.

1. Trinkle, Tinkle
2. In Walked Bud
3. I Mean You
4. Epistrophy
5. Crepuscule With Nellie