サウンド・トラックだけに7曲目以降は、オーケストラの演奏のみで、ビートルズが演奏しているのは6曲目まで。オーケストラが演奏するのは George Martin (ジョージ・マーティン) 作曲のインスト・ナンバーです。収録曲の中で「Yellow Submarine」は1966年、「All You Need Is Love」は1967年にシングルとして先にリリースされていたり、アルバムのレコーディング・セッション時のアウトテイクだったこともあり、アルバムとしては唯一全英・全米ともに1位にならなかった作品でした。またジョージ・マーティンは、当時ビートルズの楽曲のアレンジをしたりオーケストラのスコアを書いたり、曲そのものに大きく関わっていたとのこと。
それではレビューしていきましょう。1枚目はTonite's Music Today と言うアルバム。Mr. Moon いかにも昔のミュージカルの曲。Steve Allen 作曲で流れるように軽快。Bob Brookmeyer は、バルブ・トロンボーンなので歯切れが良い。I Hear A Rhapsody 1941年のポピュラーソングで1952年の映画 Clash by Night でも使われています。ここでは、ゆったりとした演奏で、ズートがいやらしく吹きこみます。ミドルテンポ以上での演奏例も多い曲で少しイメージ変わります。The Chant 吹奏楽ファンには楽しいイントロで、気持ちよくスイングしてます。Bob Brookmeyer が先頭バッターで、ズートも滑りだすようなテナーで対応の対比も良い。Blues My Naughty Sweetie Gives To Me ハンク・ジョーンズのブルース・ピアノがメインでブルース。次いで ズート の色っぽい大袈裟なサックスに続きズートが歌っちゃいます。それほど上手くはないけどいい雰囲気で、ブルックマイヤーがそれに絡んでくる。ビブラホンはハンク・ジョーンズでしょうか。芸達者です。Zoot's Tune ブルースでしんみり効かせた後は、軽快なスイングで定番のパターン。ズートのサックスは、このアルバムでは、それほどエロいオジサンではなく爽やかに感じます。How Long Has This Been Going On? ガーシュイン曲です。落ち着きます。Bobby's Tune そしてブルックマイヤーの作曲のハッピーなナンバー。Blue Skies で終了です。2管の絡みがまた良い曲です。短めの曲で構成されているので聴く方が疲れずにテンポが良い。ウイスキー飲みながらダランと聴くのがいいかな。。
そして2枚目は、Whooeee でベースとドラムが交代です。 The King カウントベイシーから始まります。先のアルバムと同様に先頭バッターは流れるように軽い曲。ここではハンクジョーンズが引っ張ていく演奏です。と書ていたらズートもやるじゃないですか。いやらしくない。Lullaby Of The Leaves 「Lullaby」子守歌を歌う行為のこと、急がず聞かすように優しい曲です。I Can't Get Started ガーシュインです。あまり聞いたことが無くても懐かしさが漂うメロディーです。Snake Eyes ヘビの目ですからね。鋭い曲かと思えば陽気なメロディーはそうでもない。ブルックマイヤー曲。Morning Fun 交互に楽曲提供で今度はズートで、軽快スイング。Whooeee テーマ曲です。Whooeee の掛け声から始まる楽しい曲で、出だしが印書的ですが印象には残りづらいかも。Medley: Someone To Watch Over Me - My Old Flame コンサートで途中のしんみり系を聴かせるヤツです。4分16秒が長く感じてしまいます。目をつむっていると・・。 〆は、Box Cars 最後の曲は、1枚目のアルバム同様、ノリの良い曲を持ってきます。
全く知らなかったギタリストですが、タワレコでギターを弾く渋いお姿のジャケットを見かけての購入でした。調べて見ると、Calvin Keys は1942年生まれ、2024の4月にカリフォルニアの Berkeley と言うところで82歳で亡くなっています。ジャズギタリストで1971年から202年までリーダー・アルバムを16枚出しています。そのうち、スピリチュアル・ジャズ・レーベル Black Jazz Records からの発売がデビューから2枚、インディーズの Ovation 1枚、Olive Branch 2枚、Lifeforce Jazz 4枚、Silverado, 2枚、今回の Wide Hive からは 4枚 のアルバムを発売しています。Black Jazz Records からの作品が有名なようです。共演したミュージシャンは Ray Charles, Ahmad Jamal, Jimmy Smith, John Handy, Bobby Hutcherson, Eddie Marshall, Sonny Stitt, Pharoah Sanders, Joe Henderson and Leon Williams などの有名どころ。ただ私知ってはいるけど、音源はそれほど所持していない方々ばかりでした。もしや認識していないけど知らず知らずのうちに聴いていた場合があるので、改めて検索してみましたが、そんなことはありませんでした。
購入当初に聴いた時には、ジャズ・ファンクっぽいけど印象に薄かったので、再度聴き直せばどう変わるのか楽しみにレビューしてみます。You Know The Game グラント・グリーン系のファンクっぽい8ビートで、軽く歪ませたギターに、ブラスが加わったサウンド。何か緩ーく流れる感じです。Love and Innocence これは1曲目より、もっとジャズっぽい感じですが相変わらず緩いです。ギターを引き立てるようにしているんでしょうかブラスのアレンジがかなり丸いです。後半のに入るとギターソロが少し熱いフレーズになりますが、メリハリは少な目。Backyard 少し重めの8ビートのドラムがイントロで、少しばかりパンチが効いてて、なかなか良い感じです。Electric Keys またもやドラムがイントロで早めのビートです。歪み強めのロックっっぽい。御大御年の割に頑張って Baker Brothers 系ですね。これも良い。Rhubarb Jam 変拍子っぽく聞こえますが4拍子でした。ルバーブ・ジャム?なるほど食べ物のジャムと掛けているのですね。演奏は曲名の通りJamって見ましたって感じです。Senior Moment 少しアングラっぽくアシッド系の感じの曲で、お若い頃はこんなセッションも多かったのでありましょう。大人な変則ファンクナンバーです。Telegram Blues お気楽ブルースセッションでブラス部隊登場無しの泥臭いヤツです。Shawneeq やっと純ジャズにきました。こんな曲があったのは全く印象に残っていませんでした。The Hernia そして、またやってきましたド・ブルースです。時々変則的なスケールを混ぜているのがジャズギタリストの主張ですね。Touch 静かにギターソロで締めくくりです。
改めてメンバーはHank Mobley(ts), Donald Byrd, Lee Morgan(tp), Horace Silver(p), Paul Chambers(b), Charlie Pership(ds)で、トランぺッターを2人配置している変則編成です。サックスの調子は基本テナーとソプラノはB♭、トランペットも同じくB♭です。通常は管楽器は調子の違う楽器でバンドを編成することによって、アンサンブルを構成するのですが、あえて同じB♭3管編成は珍しいような気がします。ライナー・ノーツでは「そのような音域の制限から、クローズド・ボイシングと、ユニゾンのメロディライン、3度を使った3声のボイシングを取り入れた」と書いてあります。楽器をやらない人には何のこっちゃで、楽器をやる人はフーンと思っていただけるのかと思います。
収録曲は、なんと4曲という割と1曲が長めのアルバムです。1曲目の Touch And Go は騒がしいファンファーレ風のイントロとブレイクがウルトラQみたいな怪獣が出てきそうな感じで始まります。テーマには簡潔な3音のラテン風味のフレーズが使われていて、Horace Silver の切り込み隊長からエキサイティングなソロ、続いては Lee Morgan 18歳にしては早熟な演奏は相変わらず。続いてはモブレーのソロはアダルトに控えめに始めて段々と饒舌になり、Donald Byrd の鋭きソロに引き継いで、Paul Chambers のよくあるアルコ・ソロ、Charlie Persipドラム・ソロは簡潔にまとめてます。そこからはトランぺッター二人の乱れうちです。続いて Double Whammy も明るいテーマの曲ですが少しアダルト。ソロ回しはMobley→Morgan→Byrd→Silver→テーマ→Persip、そしてまたもや Byrd⇔Morgan の合戦で、うん楽しい。Barrel Of Funk はミディアムテンポのスイング。今度のソロ回しは、Byrd→Mobley→Morgan。Silver のピアノソロは管のソロの後の良い休息になっていて好感。 Mobleymania は曲名に自己愛を感じる明るめのテーマの楽曲。Mobley のこのアルバムでの作曲はこの雰囲気での一貫性を感じます。ここでは Morgan のソロから始まり、今までの演奏で体がほぐれてきたかのように全体的に流れるように流暢なプレイが繰り広げられる熱気あふれる演奏です。
1970年代は James Brown, Jackson 5, Earth Wind & The Fire, Ohio Players, Stevie Wonder, Tower Of Powers, The Isley Brothers, Sly & The Family Stone あたりの有名バンドが数多く存在するが、その他にも相当数の無名バンドが存在し、実力あり、曲良しでも、なかなかアルバムリリースまでこぎつけない。アルバムを作ってもコマーシャルがなく売れないなどの、不遇のバンドが数多く存在します。
1968年ニューオリンズの マイナーファンクバンド Fabulous Fantoms。アルバムリリースにたどり着けなかったが、シングルをまとめた音源が話題になり、その編集盤再発により一躍、脚光を浴びています。その Fabulous Fantoms が分裂して、1974年に結成されたバンドが Family Underground となりますが、やはりアルバムを残すことなく消えています。このバンドの音源を発掘したシングル2曲の他75年と79年に録音され未発表のままだった楽曲を纏めたのが、この Once In A Lifetime。経歴的には、かなり面倒でマニアな話しです。
アルバムは、1975年の録音と、故Willie Teeプロデュース 78年の録音(7,8)と1978年の録音、1979年の3回の録音から構成されています。1978年で一回解散となり、ボーカルの Roland Treaudo, キーボードの Manuel Herrera Jr. がメジャーとの契約を目指して他のミュージシャンを雇っての録音とのことだが、発売するレーベル、広告宣伝、アルバムの出来不出来や実力だけで売れるわけでもないのは、音楽業界に限ったことではないでしょう。
そのようにして埋もれた名盤をレア・グルーブとして発掘される本CDは、私のようなリスナーの大好物であるわけで、再度大好物を聴いたレビューをしておきます。We Are Somebody キャッチーなメロディーだがアンダーグラウンドな雰囲気のテーマ、サビではコマーシャルなどこかで聴いたようなメロー・ソウルなノリで、曲としては最も印象に残るファンクナンバーで初期の1975年録音。I Don't Know Why 1曲目とサウンドは大きく変化し、ベースの音色、リズムアレンジ、全体的にもこの演奏はどう聴いても完全なアース・サウンドのアレンジです。なるほど。1979年の解散後のミュージシャンを雇っての録音は、売れないと今後は無い。こここから1979年録音が6曲目まで続きます。Dr Music ファンクサウンドのメロー・ソウルを取り入れた楽曲でシンプル。For The Love Of Disco これはディスコ狙いのアース系で、この手の曲はこの時代、量産されていたはず。王道で悪かろう訳はないがオリジナリティは少な目、しかし演奏と曲は好い。複雑。All We Need Is Love またもやミラーボールが似合う商業アース系ファンクナンバーで、ここまで徹底すると気持ち良い。バンドのの演奏力はホント高いと思います。There Must Be An Answer このアルバムでの1979年録音のラストはバラードです。直ぐにわかる Lionel Richie に触発されての楽曲。Hello の出だしにそっくりのAメロに別のBメロつけてます。わかりやす過ぎて、これは逆に印象抜群。All We Have Is A Song さて1975年録音に戻ります。アース的なアレンジではありますがオリジナリティある良い曲です。Nowhere To Run やはり1975年録音の方が好みですね。2管のホーンもファンクですがブラス・ロックっぽいのが好感。Our Love's Gone By フォーク調のスロー・ソウルで素朴に良い感じです。ファズを効かせたギターソロも唐突だがレトロっぽいし未成熟なサウンドが更に好感。 There Must Be An Answer (75 1st Mix) イントロからシンプルにかっこよいです。6曲目より Lionel Richie っぽさが少なくて私的にはこちらの方が好みです。アレンジ次第で、もっと変わるんだろうと思います。I Don't Know Why (75 1st Mix) これも2曲目のファースト・ミックスとのこと。アース臭さはかなり消えていますので、これもこっちの方がジャキジャキしている感じが良い。と思えば、1979年の方が解散後に売れてやろうとした結果が、当時流行っていた音を取り入れての策が良くない方に転んだのではなかろうか。Superstitous これは誰もが知っている Stevie Wonder の名曲です。これはスタンダードだから誰がやってもカッコ良いヤツです。〇です。Make A Change 私の好きなスライ系。似たような曲は当然世の中にいっぱいあるだろうけど、このパターンのファンクはかなり好物です。ただこのアルバムでは、このバンドでは異色な曲になってます。
Diablo's Dance はブルージーにピアノとのユニゾンでダイナミックなスイング、Round Midnight はオルガンとともにアーシーな曲になっていて、編集が良いのだろうがフルアコのギターの音と弦の響きが良い、Straight No Chaser はテンポ早めのドラムレスでの演奏でかえってスリリングにリズミカルに聞こえます。Nica's Dreamはホレス・シルバー作の名曲で実にリラックスした演奏で、何よりもわかりやすい演奏なのが良い。Darn That Dream でまたオルガンの Melvin Rhyne との共演となるが、あまり黒さを感じないオルガンとの演奏がしみじみときます。おなじみ Take The A Train はライブ感あふれる演奏で跳ねるリズムがノリよく客を盛り上げようと煽るような演奏で遠くで客が盛り上がっているのも録音されています。そしてMisty、Body And Soul と不滅のスタンダードが続き Misty はギター控えめにピアノメインで、締めは After Hours Blues ですからライブが終わった後の自由なセッションなのでしょう。リズム&ブルースのセッションで好き勝手な演奏でギターアンプの音量を上げて少し歪ませてみたりゲラゲラ笑いながらの実に楽し気な演奏は延々と続くようなフェイドアウトでした。ジャズ・ミュージシャンも、やっぱり好きなのねって親近感でホッコリします。
Roy Hargrove's Crisol の「Crisol 」は、ハーグローヴは1997年頃に結成されたユニットでスペイン語で「るつぼ」を意味しています。アフロ・キューバンのリズム、ネオ・バップ、プログレッシヴ・ジャズを多面的に融合させたサウンドで、主とされているRHQ(ロイハーグローブ・クインテット)RHB(ロイハーグローブ・ビッグバンド)RHF(RHファクター)とは、異なる音楽性です。
このアルバムは、Crisol の「Habana」に続く第2作としてテナーサックスの Jacques Schwarz-Bart(シュワルツ・バルト)の生まれ故郷であるカリブのグアドループ島1998年4月グアドループのスタジオで吹き込まれたもので、アルバムのタイトル 「Grande-Terre」は、そのスタジオがあった島の一部からとっています。事前にリハーサルはなし、録音は全てライブ、オーバーダブも無しとのこと。またグアドループ島と言えば小沼ようすけ氏の Jam Ka で使われている民族楽器’Ka’ で記憶にある場所でもあり、そこら辺にも親しみを感じます。
それでは全曲レビューです。Rhumba Roy ピアノの Gabriel Hernández による楽曲で、緻密なリズムのラテン・ジャズで、スリリングなハードバップで劇的な展開です。ソロのトップバッターを切る Roy Hargrove が、かっ飛ばし、おそらく作曲者の Gabriel Hernández の怒涛のフレーズは、かなりの聴きどころです。トップバッターで飛ばし過ぎたので、静かな A Song For Audrey はベースの Gerald Cannon の楽曲。静かではありますが、ベースラインは実は忙しい動きをしています。Audrey に捧げる曲なのは、わかりますが誰なのか? Lake Danse は、Roy Hargrove の楽曲です。リズムを抜かせば王道なジャズのようですが、複雑なリズムがそれをダンサブルに彩ります。Kamala's Dance これも Roy Hargrove の楽曲。ゆったりとしたラテンのリズムはダンサブルであるものの、小さな動きで細かなステップを踏む感じで Kamala は娘の名前とのこと。前曲もそうですが、メリハリは各パートで付けられますが、曲全体の抑揚は少な目です。B And B ギターの Ed Cherry 作曲のとてもダンサブルで軽快なルンバですかね。王道のラテンのピアノ・リフとベースの絡み。それに巧みなホーン部隊のアンサンブルで安定。パーカッション・ソロも王道のラテン・パターン。ある意味新しいものは無いような気はしますが演奏はピカイチです。Another Time 次はドラムの Willie Jones の静かな楽曲。このバンドは全員が曲を作れるようです。Lullaby From Atlantis はテナーの Jacques Schwarz-Bart の作曲でホーンのアンサンブルから始まり、本編はきっかりジャズします。一息つく感じですね。Afreaka は Cedar Walton の楽曲で、かなりの上げているラテン・アレンジが楽しい楽曲です。ここにきて自由に表現しまくるメンバーの個性がたってきて楽しいかもしれません。トロンボーン大活躍です。前曲がアフリカで今度は Ethiopia と地名の楽曲が続きます。今度はピアノの Larry Williams がエチオピアの広大な大地を楽曲で表現する、ハーグローブとのデュオで、しんみりと聴かせてくれます。Priorities 最後は Roy Hargrove の楽曲で締めくくりとなります。ドラムの Julio Barreto の語り?ラップ的なノリですかね。バンドのまとまりを魅せるクロージングで芸術性も高い作品と思えます。
1984年 Alligator Records に入ったコットンが録音した唯一の作品です。と思っていたら、その後2010年 Giant 2013年 Cotton Mouth Man というアルバムが Alligator Records から発売されていることを、これを書いて発見したので、James Cotton マニアとしては、どこかで入手せねばなりません。Giant をチラッと見たらコットンは歌っておらず、ハーモニカのみの録音なので古い録音の焼き直しではなさそうです。
気を取り直して、ウォークマンに入れていた音源も見返しながらデータ化した音源を整理していると、何故かデータ名が全く違うアルバム名になっていたり、違う曲の名前が登録されていたりしています。おそらく2、3年前にデータのバック・アップをした時に保管場所を間違えてデータ交換した時のバグだなと思いつつ整理していたら、3. 23 Hours Too Long の曲名が 24 Hours になっています。??と思って原盤のCDをチェックすると、なんと原盤のCDの登録データ自体が 24 Hours です。たまに発見すると、おそらくエラー・コインを発見した時と同じような気分が味わえますが、確かCDのデータ・エラーは価値がなかったので、一人で楽しんでおきます。でかいエラーは確か Beatles で、アルバムまるごと違うアルバムの曲名になっていたなんてこともありました。が、これは入力ミスか? 23 Hours Too Long 「23時間は長すぎる」だね。そうだ、だったら曲名を「24時間」にしたらどう思います?って感じのバイト・テロのような気もします。長くなりましたが誰にも自慢できないネタが一つ増えました。
バンドはオーソドックスなシカゴ・スタイル、ファンク・ブルース・スタイルの両方がアルバムの中でミックスされている感じで、適度に荒々しく、田舎っぽいけどサウンドは芋くさくはありません。The James Cotton Chicago Blues All-Stars、The James Cotton Band と二つのバンドでの録音がミックスされていて、前者の方がオーソドックスなシカゴ・ブルース。後者はブラスも入っているのもありファンク・ブルースタイプに大別されるかと思えます。
百回くらいは聞き返しているかと思いますが、細かく注意しながら聴いてはいないので、新鮮な気持ちで再度聴きながらレビューです。Diggin' My Potatoes 定番ブルースで、3 Harp Boogie では、アコースティック・ギターのシンプルな演奏でしたが、ノリ良しの迫力あるバージョンに進化しています。Ying Yang 若干、跳ねすぎている感じはしますが良い演奏であることは確か。笑い声も交えてオジサンはご機嫌な演奏です。23 Hours Too Long ザ・ド・ブルースなタメがたっぷり入ってます。前談ではエラーのことを書いてしまいましたが、実は深刻な歌で「赤ちゃん」と「お母さん」を虐待したら出て行ってしまって23時間は長すぎるって内容で、100万ドル持ってたら払うなんてことも言ってますが、かなりやばいアル中かなんかの匂いがプンプンするブルース。No More Doggin' 暗くなったところで陽気なブルースに戻ります。もうあなたと浮気しないわって歌なんですけどね。No Cuttin' Loose タイトな演奏でブラスも入っていて刺激的です。ベース・ラインがファンキーです。 Ain't Doin' Too Bad 都会的なバックの演奏にオジサンのだみ声が最高です。Michael Coleman のギターは、賢こそうなフレーズで、ダメな人も多いかと思いますが、私これが結構いけます。Sunny Road 今度のギターは Magic Slim のイントロからです。正統派のブルースギターで、外れたことは余りやりませんし、しつこいですが、これがこの人の魅力でこれも良い。Superharp コットンおじさんが、かなり楽しそうで頑張ってます。ハープの長いフレーズの後の、息継ぎ音も臨場感たっぷりです。Superharpって自分のことですよね。Easy Loving ハッピーな感じのブルースですね。おそらく歌詞の中身は軽そうなオヤジの戯言のような気がします。High Compression アルバム・タイトル曲が最後の気合を入れてるパターンです。ボーカル無しのハープがたっぷり堪能できてブギーなギターも良いです。