2025年3月16日日曜日

Gregory Porter / Be Good


 最初に購入の Liquid Spirit (2014) に惚れ込み、直ぐに札幌タワレコに直行した2枚目となります。このアルバムは2枚組になっています。Disk2は、デビューアルバムの Water (2010) の EP となっていて、Waterに収録されていた 1960 What? の様々なリミックスが4曲入ってます。1960 What?は、デトロイトの暴動を歌ったプロテスト・ソングで、アルバム「Water」の中でも重要なメッセージ性を持つ曲です。でも、Disk2は存在を忘れていました。最初に聴いた時に1960 What? で正直な感想、4曲もいらんなと思ったことが蘇ってきました。でも、PC と WalkMan へのデータ取り込みしてませんでしたので、取り込みながら聴きながら作業進めます。しつこいけど取り込んどきます。
 ちなみに、このアルバムは日本版で1,980円が定価でした。EP は、日本盤だけの特典のようで、通常は1枚目だけの販売で、ヨーロッパ発売のものでは1枚がレコード、もう一枚はCDと言う変化球の販売もあるようです。
 

 気に入っているので、頻繁に繰り返し聴くことの多いアルバムなので、先月も布教するべく、いつもの音楽好きの集う「おでんバー」に持参して、かけていたら、音楽はさほど好きではないけど、いつも飲みに来る私よりも先輩のマダムが「あら、素敵なお声ね」と直ぐに反応していただけました。このお方、音源に対して私たちの、あーでもない、こーでもない、と語る戯言に微笑むだけで見守っていてくださるお方で、音楽に関する言及は、ほぼ無いだけに、良い音楽の持つ力を感じました。そしてジャケットを見て「まさかこの方耳が」悪いの?」そうですよね、そう思います。お答えしましょう。昔、手術をした時に被っていた帽子をインパクトもあるために今も被っているそうです。まあ彼独特のファッションのようです。「でも、お鬚も生えていらっしゃるし、暑いと思うけどいつも被っているの?」さすがに彼の私生活まで知っている訳はなく「うーん、どうなんでしょうね」


 などと楽しく会話しながら拝聴したアルバムを再度聴きながらレビューします。Painted On Canvas 作曲は、Gregory Porter ご本人の優しいメロディとソフトな歌い方のインパクトが濃い楽曲です。ソプラノ・サックス Kamau Kenyatta のオブリーガードも気持ち良いと感じていましたが、じっくり聴くと Chip Crawford の緩急の効いたピアノ、ドラムの Emanuel Harrold のアクセントのつけ方など凝った楽曲です。またジャケットは筆を持った Gregory Porter なのが、この曲を現わしてたのかと今更気づきました。そしてタイトル曲 Be Good (Lion's Song) に続きます。なんでライオンなのか?歌詞を読ん見るとライオンは自分のことで、その中ライオンは檻の中で飼われていて、ライオンさんいい子でいてねと言う歌でした。ライオンは噛むかも知れないとつぶやきますが、大人しくしていい子にしてBeGood と彼女に言われることに満足しているようです。心落ち着くしっとりとした楽曲です。ここから牙をむく曲が、どこかに入ってたら怖いですが、そんなことは無いようです。でも、それが 1960 What? につながって行くのか?とも考えましたが、日本盤限定のEPなので深読みしすぎか。On My Way To Harlem しっとり2曲続いたところで晴れやかな曲になります。ハーレムに車で向かう途中に作曲したというハーレムに楽曲で Duke Ellington、Langston Hughes、Marvin Gaye に思いを馳せながらハーレムの街並みを車で走っている疾走感もあり、ジャズ調ではありますがソウルの風味がするのも小気味よい楽曲。最後はHey there goes the A train の繰り返し。Real Good Hands のテーマのメロディーはどこかで聴いたことがあります。Gregory Porter 作曲ですが、曲調は Impressions あたりの古いソウルなので何かの曲をオマージュしているような感じがしますが、今の私ではそこまで。The Way You Want To Live 徹底的にしっとりと聴かせてきます。これも力強さと柔らかさが共存する深いボーカルが気持ち良い曲です。Chip Crawford のピアノと息がぴったりです。When Did You Learn タイトルの問いかけに直ぐに曲の最初に答えが歌詞で出てきます。love game です。素敵なラブ・ソングかと思います。序盤で書くのを飛ばし過ぎたので、少々疲れ気味かもしれません。Imitation Of Life ここでスタンダードきました。1959年の映画「悲しみは空の彼方に」の主題歌で、人種差別と物質主義のアメリカ社会を描く映画らしいので、なるほど、そこにも根差した選曲ですか。Mother's Song こちらは Gregory Porter 作曲のソウル気味。今までの楽曲は押さえ気味のしっとりした歌い方でしたが、ここで一挙に力強くなります。ピアノも開放的で盛り上がります。Our Love 再び聴かせる方向です。ここまでしっとり系が主体だと、だいたい私飽きてくるんですが、このアルバムに関しては大丈夫。Bling Bling ここ一番の早いバップです。Bling Bling の言葉の響きでアクセントをつけて、ボーカルもスキャットも飛び出しますが力強く吸った息を全部吐き出すような迫力に拍手。Yosuke Sato 氏の サックス・ソロは、日本として応援したいところだが曲の迫力に押され気味なのが残念。Work Song は、迫力満点の有名な Nat Adderley のスタンダードです。Gregory Porter は好きな曲でもあるんでしょう、全開の力の入れ方が怖いくらいです。こういう曲も歌える人はアルバムに交互にいれて緩急をつけるのが多いパターンだと思いますが、ものすごく独特でなアルバムの作り方が非凡です。最後は God Bless The Child で、Billie Holiday で有名なスタンダードを国歌斉唱のような独唱で締めくくっています。原曲とテイストが違い過ぎて原曲と何回か聞き比べてしまいました。しかし違う曲に聞こえてしまうのは変わりありません。昨日聴いていたThe Eric Byrd Trio の 21st Century Swing Live (2013) の軽いノリの God Bless The Childとは全く違うのは、もはや笑いです。これは自分で演奏してみて曲を理解しないと一致点を見つけるのが凡人には難しいうヤツです。やはりじっくり聴くと発見があって面白い。Disc2 のレビューは疲れたので、今度このレビューを更新の時にしときます。
 改めてグレゴリーポーターの中域の張りのある声、力強さ、柔らかさ、説得力を堪能し、作り込みが違う良いアルバムだと思います。お気に入りの棚に戻しておきます🎶

【Disc1】
vocals : Gregory Porter
piano : Chip Crawford
bass : Aaron James
drums : Emanuel Harrold 
soprano sax : Kamau Kenyatta (1)
trumpet, flugelhorn : Keyon Harrold (2,3,4,8,11)
alto sax : Yosuke Sato (2,3,6,8,9,10,11)
tenor sax :  Pennicott (3,4,8,10,11)

producer : Brian Bacchus

1. Painted on Canvas / Gregory Porter
2. Be Good (Lion’s Song) / Gregory Porter
3. On My Way to Harlem / Gregory Porter
4. Real Good Hands / Gregory Porter
5. The Way You Want to Live / Gregory Porter
6. When Did You Learn / Gregory Porter
7. Imitation of Life / Paul Francis Webster, Sammy Fain
8. Mother’s Song / Gregory Porter
9. Our Love / Gregory Porter
10. Bling Bling / Gregory Porter
11. Work Song / Nat Adderley, Oscar Brown Jr.
12. God Bless the Child / Arthur Herzog, Jr., Billie Holiday

【Disc2】
vocals : Gregory Porter
piano : Chip Crawford
bass : Aaron James (1,2,3,4,5)
drums : Emanuel Harrold (1,2,4,5)
drums : Chuck Mcpherson (3)
trumpet : Melvin Vines (1,2,4,5)
trumpet : Curtis Taylor (2,4,5)
alto sax : Yosuke Sato (1,2,4,5)
alto sax : James Spalding (4)
trumpet : kafele Bandele (3,4,5)
trombone : Robert Stringer (1,2,4,5)

1. Pretty / Gregory Porter
2. Magic Cup / Gregory Porter
3. Skylark / Hoagy Carmichael, Johnny Mercer
4. Black Nile / Wayne Shorter
5. 1960 What? / Gregory Porter
6. 1960 What? (Opolopo Remix) / Gregory Porter
7. 1960 What? (Wicked Jazz Sound Edit) / Gregory Porter
8. 1960 What? (Peas Mix) / Gregory Porter





  

2025年3月15日土曜日

The Eric Byrd Trio / 21st Century Swing Live

 
 The Eric Byrd Trio を最初に聴いたのは、確か Triunity(2004) で、次がこのアルバム 21st Century Swing Live(2013)、そして The Eric Byrd Trio (2001) のだったかと思います。リーダーのピアノ Eric Byrd は、クリアでクッキリとした演奏のイメージで、他のアルバムでは、正攻法のハード・バップなコンボです。芸術的であるとか、パッションがあるとか、スリリングさがあるとかには乏しいと思いますが、サラリとしてソツがなくて聴きやすいのがこのトリオの魅力だと思います。
 このアルバムの発売元は Foxhaven Records と言う耳慣れないレーベル、他のアルバムも大手のレコード会社には属さずにインディーズでアルバム制作しておられるようです。詳細な活動は丁寧に作作り込まれたHP ericbyrdtrio.com を見ていただけたくのが良いかと思います。


 このアルバムに録音は The Mid Atlantic Festival in Rockville, MD 2013年2月のライブ録音で、正攻法なジャズからはから少し離れ、ジャズを通して、音楽の気持ち良さ、楽しさを感じることが出来る娯楽的ライブ録音です。アルバムの裏ジャケットの写真では天井が低くて、狭い会場のように見えますが録音されている観客の声などからは、そこそこ大きそうな感じがします。
 

 それではアルバムに一緒に録音されている観客の楽しそうな歓声を思い出しながら、1曲づつ丁寧に聴きながらレビューします。There's No Greater Love / Isham Jonesn, Mnaty Symes 1936年 Isham Jones 作曲のジャズ・スタンダード、いかにもアメリカって感じでスイングしてます。同年に直ぐに Duke Ellington が録音、その後 Billie Holiday, Miles Davis 等々様々なアーチストにカバーされている名曲です。実際のオープニンも、この曲だったのでしょうか、観客もウホウホ言いながら喜んでいます。良いですね。God Bless the Child そして2曲目、直ぐに純ジャズから脱線が素晴らしい。ソウルな楽曲で8ビートで、Gadd Gang 的です。Billie Holiday を軽~くやってます。Message in a Bottle 皆さんご存じ Sting 作曲の The Police のナンバーです。ピアノ・トリオでやると確かにこんな感じだろうなって感じで、ほぼドラムのリズムも原曲の雰囲気を保って再現しています。が、最初から最後までトリオでの普通過ぎる演奏は、メンバーの腕は良いのですから、もったいないような気もします。ピアノ・ソロで始めるとか、もう少しアレンジあれば面白くなるのに。Maybe baby は Eric Byrd の曲で、こちらはミディアム・テンポのスインで、歌物をインストにしたような印象。ピアノ・ソロも軽やかで爽やかな演奏です。のLove Letter to Lima こちらも Eric Byrd の持ち曲で、軽めのポップな雰囲気のジャズで、アレンジは今までで一番こなれています。The Great City ジャズ・ブルースです。Curtis Lewis 作曲で Nancy Wilson が歌った曲で、ここでは Eric Byrd がボーカルをとっています。若々しくスマートな歌いっぷりで色男っぽくソツが無い仕上がりです。Lonely Avenue 雰囲気を変えてきました。ベースのみのソロからのイントロのソウル・ブルース。ピアノ・レスの Eric Byrd はボーカルに専念。1956年の Ray Charles のヒット曲でもあり、観客もみんなで合唱の盛り上がりを見せています。今度はジャズ。ブルースのスタンダード Making Whoopee ソウルっぽい演奏でワンクール流したところで歌物に変わります。スイングな曲よりも、ライブに来ている人はこちら系のファンの方も多そうです。Blessed Assurance ジャズ・トリオっぽいフリーなイントロから、メロディアスなテーマ、こちらはしっかりとトリオの演奏を聴かせる気が満々。普通に良い曲です。やはり軽いですけど。Lord I Lift Your Name on High 最後はテンポよくラテンが出てきます。このコンボは器用に何でもこなしてしまいます。演奏も良く、とても腕は好いんだけど器用貧乏なような気もします。 
 今まで聞いてきた3枚の中で、The Eric Byrd Trio のイメージは正統派のスイングをさらっと演奏するバンドのイメージがあり、こちらが多分異色な作品なのかとは思っており、これが、このトリオのアルバムで一番好きかも知れません。しかし3枚ともサウンドは、明るい喫茶店などでBGMで使うのに使い勝手が良さそうな演奏です。おそらく、このトリオに深入りはしないと思いますが少しづつ気分が向いた時に他のアルバムも購入して聴いていこうかなと思っています🎶

piano vocal : Eric Byrd
bass : Bhagwan Khalsa
drums : Alphonso Young, Jr.

1. There's No Greater Love / Isham Jones, Marty Symes
2. God Bless the Child / Arthur Herzog Jr, Billie Holiday
3. Message in a Bottle / Sting
4. Maybe baby / Eric Byrd
5. Love Letter to Lima / Eric Byrd 
6. The Great City / Curtis Lewis 
7. Lonely Avenue / Doc Pomus
8. Making Whoopee / Waller Donaldson, Gus Kahn 
9. Blessed Assurance / Fanny I Crosby
10. Lord I Lift Your Name on High / Rich Founds 






  

2025年3月14日金曜日

James Cotton / Mighty Long Time


 ジャケット写真だけで、持っているかどうかの判断をしていると、新しく仕入れたつもりでもジャケ写違いを購入してしまっていることが度々あります。当然その話をするからには、このアルバムも、そのうちの一つです。どっちの写真が好きかと言えば、下の方が好みです。マニアの方にはジャケットの違いも含めて好きなアーチストのアルバムは、全て揃えたい方が世の中にはいらっしゃるようですが、私は安くて音源を収集できる方が良いので2枚あると、しまったと後悔しています。

Mighty Long Time (Vinyl, LP, Album) アルバムカバー

 James Cotton のソロ・デビューは1965年でアルバム名は Chris Barber Presents Jimmy Cotton, and と書いてありますので、どうやら最初は James ではなく Jimmy だったようです。その後は、Vanguard、Verve、Capitol、Buddah、Alligator、Blind Pig、Antone's、Telarc International などからアルバムを数多く録音していますが、このアルバムは、Antone's からの2枚目です。もう一枚は Live At Antone's Nightclub(1988) です。ナイト・クラブが出演するアーチストを売り出しているインディーズ・レーベルかと思っていましたが、今回のレコーディングはスタジオだったので調べて見ると、所属アーチストも結構多いレーベルでした。


 と言うことで、これは Antone's の2枚目、最後の1991年のアルバムで、録音状態は良くスタジオ一発録りの感じがします。ジャケットはライブっぽいですが・・
 それでは、レビューしていきましょう。Straighten Up Baby は、James Cotton のオリジナルで、ギタリストは Stevie Ray Vaughan の兄、Jimmie Vaughan とテキサスを中心に活動していた Derek O'Brien の白人ギタリスト2名です。オープニングは James Cotton は歌に専念でハープ無し。ギターの Derek O'Brien は Antone's 所属のギタリストです。ピアノも Mike Kindred も白人ですが、Stevie Ray Vaughan で有名な Cold Shot のサブ・ライターです。キッチリとした演奏ですが、白っぽくないサウンドです。Everything Gonna Be Alright では、メンバーがいつものギター Matt Murphy, Luther Tucker ピアノは Live At Antone's Nightclub(1988) でも登場の Pinetop Perkins で安定のサウンドです。次の Black Nights も2曲目とメンバーは同じ、曲調も同じで日本の演歌も似たような曲が多いのと、ブルースは同じなんだなと、こういった曲の連続で感じます。Blow Wind Blow は、Muddy Waters のジャンプブルース系ではない有名なブルース・スタンダードで、James Cotton のライブ・アルバムでは、いつも収録されている十八番です。 Live At Antone's Nightclub(1988) の収録も良かったけど、Live At Electric Lady(1974) が、ズシズシきて一番好きです。ベースが Calvin Jones に変わってます。Sugar Sweet は、明るく軽いノリのブルース。ギターとピアノがメンバー交代していて、泥臭くない系になっていないので、James Cotton もボーカルは軽め。ですがハープは、かなり細かく技を入れてきて、いつもより長く演奏しています。終わりがないハープ・ソロのようで残念ながらフェイドアウト。Moanin' At Midnight は、古臭いワン・コードのブルースです。James Cotton のアルバムでは珍しいパターンで、きっと下積み時代はこんな曲が多かったんだろうかと想像できます。Baby Please 余裕の感じられる演奏で、楽曲は Percy Mayffeid の曲です。メンバーは Mall Murphy. Luther Tucker のギター、Pinetop Perkins のピアノに戻り重さと安定感があります。Baby Please 作曲者の Percy Mayfeild 1950年代が絶頂期のブルース・マン。Baby Please come back to me と嘆くのは、この歌の主人公の囚人。あまりに典型的な歌詞と典型的なブルースで、これがブルース。Hold Me In Your Arms これは James Cotton 得意のジャンプ・ブルース。Jimmie Vaughan のスライドがギュンギュンと唸るのも楽しい。硬質な Mel Brown のピアノも、この曲に合ってます。そして、ブルースマンの基本 Call It Stormy Monday は、シンプルで装飾少なくしっとりで、ハープ無しです。James Cotton が珍しくしっとり歌ってます。次は Willie Dixon の楽しいブルースです。どこかできたことあるヤツです。Three Hundred Pounds of Joy ブットい声の James Cotton が下は限界の低音で歌っているのが迫力あり、この曲も歌に専念。Northside Cadillac は、ファンにとってはボーナスの歌無しインスト・ブルース。Matt Murphy のパキパキのギターがJames Cotton をドンドン煽ります。最後は多分 James Cotton の心の師匠の Sonny Boy Williamson の 1952年のヒット曲 Mighty Long Time。しっとりと、心を込めたハープと歌で締めくくります。
 基本的に、James Cotton はライブ・アルバムが好きなんですが、これは結構つくりんこんでいる感があって聴きごたえありました🎶

producer Clillord Antone
recorded at Ailyn Studio. Studio D and lone star Sound 

1. Straighten Up Baby / James Cotton
vocals : James Cotton
piano : Mike Kindred
guitars : Jimmie Vaughan, Derek O'Brien
bass :  Sarah Brown
drums : George Rains-Drums
tenor sax : Mark Kazanoff, Red Rails
bariton sax: Choo Barl
2. Everything Gonna Be Alright / Wallet Jacobs
vocals, harmonica : James Cotton
piano : Pinetop Perkins
guitar : Matt Murphy, Luther Tucker
bass : Sarah Brown
drums : Willie Smith 
3. Black Nights / F. Washington 
vocals, harmonica : James Cotton
piano : Pinetop Perkins
guitar : Matt Murphy, Luther Tucker
bass : Sarah Brown
drums : Willie Smith 
4. Blow Wind Blow / McKinley Morganfield
vocals, harmonica : James Cotton
piano : Pinetop Perkins
guitar : Matt Murphy, Luther Tucker
bass : Calvin Jones
drums : Willie Smith 
5. Sugar Sweet / Mol London 
vocals, harmonica : James Cotton
guitars : Hulled Sumlin, Derek O'Brien
bass : Calvin Jone
drums: Willie Smith 
piano : Mika Kindred
6. Moanin' At Midnight / Chester Burnett
vocals, harmonica : James Cotton
piano : Donny Freeman
guitar : Hubert Sumlln
bass : Larry Eisenberg
7. Baby Please / Percy Mayfeild
vocals, harmonica : James Cotton
guitar : Matt Murphy. Luther Tucker
piano : Pinetop Perkins
bass : Calvin Jones
drums : Willie Smith
8. Hold Me In Your Arms / James Conon
vocals, harmonica : James Cotton
piano : Mel Brown
guitars : Jimmie Vaughan
bass :  Sarah Brown
drums : George Rains
9 Call It Stormy Monday / T.Bone Walker 
vocals, harmonica : James Cotton
guitar : Wayne Bennett
bass : Calvin Jones
drums : Willie Smith
10. Three Hundred Pounds of Joy / Willie Dixon
vocals : James Cotton
guitars : Hulled Sumlin, Derek O'Brien
bass : Calvin Jones
drums: Willie Smith
piano : Reese Wynans
tenor sax : Mark Kazanoff, Red Rails
bariton sax: Choo Barl
11. Northside Cadillac / James Cotton
harmonica : James Cotton
guitar : Matt Murphy
bass : Calvin Jones-Bass
drums : Willie Smith
12. Mighty Long Time / Sonny Boy Williamson 
same as "Moanin' At Midnight". 





  

2025年3月13日木曜日

Faces / Snakes and Ladders


 シングル・カットの曲や様々なアルバムからピックアップした曲で構成されている1976年の解散後にリリースの公式ベスト・アルバム。1975年12月27日に正式に解散宣言ですから、最後のひと稼ぎでしょう。お金の匂いがプンプンします。
 Faces は最後は Rod Stewart が、単独で成功したがために分裂していったので、売れることが重要だったわけです。今回これを書くために調べていたところ、選曲に関するところで、Ooh La La の Ronnie Wood のリードボーカルを除いて Rod Stewart であるというところが、グループのもう一人のボーカリスト兼ソングライターである Ronnie Lane のボーカル曲が収録されていないことからも、このバンドの解散の原因が見て取れます。
 

 と、大人の事情も見えてしまいましたが、Faces のサウンドは、とても好きな部類ですがアルバムを買いそろえることはしていないため、こういった中古屋で購入したベストで、様々な楽曲を楽しめるのは有難いことです。
 再度聴きながら、このバンドのサウンドを楽しんでいきましょう。Pool Hall Richard は、 Rod Stewart, Ronnie Wood の共作で、イントロのギターリフもカッコよく、チャックベリーが進化したようなカラッとしたロックンロールで、Rod Stewart の煽る様なバカ騒ぎ系ボーカルが痛快です。オリジナル・アルバムに入っていない新曲。今気づきましたが最後に、ガラス瓶が割れる音が入ってますね。曲の内容からすると、ビリヤードで喧嘩して Richard をぶん殴ったのか? Cindy Incidentally 1曲目が煽る系の曲だったのに対し、少し落ち着いたロックンロールになっています。Ronnie Wood のギターのバッキングは、色々なアイデアが入っているのが素晴らしい。短いですね。2分37秒。Ooh La La フォーク調でありますが、ロックンロールだけが売りではない Faces の音楽性がわかる名曲です。 Sweet Lady Mary これも聞き覚えがある曲でバラード。オルガンのロングトーン、スライドギターの繊細な音にのせた Rod Stewart のしゃがれ声がしんみりさせてくれます。1970年の曲ですから、未だバンドの皆さんが一丸となって頑張っていた時期です。Flying は、The Who っぽいですね。これは余り耳覚えは有りません。1972年にロックオペラのTommy への参加で Pinball Wizard を歌ったとのことでそこら辺の影響ですね。Pineapple and the Monkey 忘れてました。インストロックです。テクニックに走ることなくゆったりとした演奏で、ほのぼのタイプです。You Can Make Me Dance Sing or Anything これは、Faces の匂いがたっぷりする軽いロックで、日本人の 山内 テツ が参加の曲。これだけが、オリジナル・アルバムに収録されていない新録音のようです。1975年なのでバックにオケが入ったりと、趣は今までと随分と違い私の趣味ではないかな。Had Me a Real Good Time ブギーなロックンロールのリフが楽しい楽曲です。田舎っぽい雰囲気と、サビの Rod Stewart の振り絞る様なロングトーンが良いです。言わずもがなの名曲 Stay With Me は、ギターのリフとかも、モタモタしていない都会な感じがします。昔この曲がラジオから流れてくると、すっげえなと思って聴いてました。Miss Judy's Farm なんで、これを選択したのかと思います。ボーカルとギターのリフが合っていない。Silicone Grown ブギタイプのロックン・ロールは安定感があります。ブルースでは、ほぼ同じ進行で、歌詞とサビが微妙に違う曲も多く存在しますが、ロックだとさすがにもう少し変えた方がいいんじゃないかと思うのも、若干。Around the Plynth スライドでキュンキュンやるのですが、ブルース感よりも Led Zeppelin っぽいヨーロッパ系民族音楽感があります。こんなのもやってたのかと改めて思ってしまいます。
 書き始める前に金の匂いがするベストだとか書いてしまいましたが、様々なタイプの楽曲が入っていて、自分が思っていたイメージの安っぽい流行り曲の集合体とは違うことを改めて聴いて認識。またオリジナル・アルバムに収録されていない2曲もファンにとってはありがたいベストであはあります。でもよく考えると「他を全て揃えている方には、もう一枚買っとかなきゃコンプリート出来ないっすよ」というセールス感もやはりあるか🎶

vocals : Rod Stewart
piano, organ : Ian McLagan
guitar, harmonica, backing vocals, lead vocals (3), bass (1) : Ronnie Wood
bass, guitar, percussion, backing vocals (except 1, 7) : Ronnie Lane
bass (7) : Tetsu Yamauchi
drums, percussion : Kenney Jones
horns (8) : Harry Beckett and Bobby Keyes

artwork (cover art) : Ronnie Wood

Track 1, "Poolhall Richard", was recorded very shortly after Ronnie Lane's departure from the band and before his replacement Tetsu Yamauchi was hired. It is actually Wood who plays the bass guitar on the recording.
Tracks 5, 6 and 12 from First Step (1970), and produced by the Faces.
Track 4 from Long Player (1971), and produced by the Faces.
Tracks 9 and 10 from A Nod Is as Good as a Wink... to a Blind Horse (1971), and produced by the Faces with Glyn Johns.
Tracks 2, 3 and 11 from Ooh La La (1973), and produced by Glyn Johns.
Track 1 from the 1973 single, and produced by the Faces.
Track 7 from the 1975 single, and produced by the Faces.
Track 8 from the 1970 single, and produced by the Faces.


1. Pool Hall Richard / Rod Stewart, Ronnie Wood
2. Cindy Incidentally / Ian McLagan, Stewart, Wood
3. Ooh La La / Ronnie Lane, Ronnie Wood
4. Sweet Lady Mary / Ronnie Lane, Rod Stewart, Ronnie Wood
5. Flying / Ronnie Lane, Rod Stewart, Ronnie Wood
6. Pineapple and the Monkey / Ronnie Wood
7. You Can Make Me Dance Sing or Anything / Kenney Jones, McLagan, Stewart, Wood, Tetsu Yamauchi
8. Had Me a Real Good Time / Ronnie Lane, Rod Stewart, Ronnie Wood
9. Stay With Me / Rod Stewart, Ronnie Wood
10. Miss Judy's Farm / Rod Stewart, Ronnie Wood
11. Silicone Grown / Rod Stewart, Ronnie Wood
12. Around the Plynth / Rod Stewart, Ronnie Wood





  

2025年3月12日水曜日

Miles Davis / Bitches Brew


 ギター馬鹿ですので若い時はジャズもかじってはいるが、ほぼ聴くのはギタージャズだったのでマイルスを避けながらジャズをかじっていました。でもギターと言う狭い領域だけにこだわって聴いていると音楽好きの人との会話も弾みません。「ブルース、ファンク中心だけどジャズも好きなんですよ~ジャズ研でした」なんてことを言っても、ギタリストの話題以外についていけない。なので見栄を張る意味で、ギター以外のジャンルの深堀りを始めようと、はるか昔に購入したのがこのアルバムでした。しかしマイルスは知ってはいたものの、それとは全く違うサウンドだったので、当時のジャズ初心者にこのアルバムは、なんとも理解不能な音楽でした。なのでマイルスは苦手と聴いてこなかったのですが、古い時代のマイルスを聴いてからイメージが変わり、興味が湧いて聴いていったらいつの間にかマイルスのアルバムが一番多くなっています。そして今では、アコースティック・マイルスも、電化マイルスも両方楽しんで聴けるまでに成長しました。
 当時の私の感想が書いてあったのですが、かなり正直な感想で、困惑のほどが伺え(笑)今見ると自分でも面白いです。
マイルスの代表作の一つですが、訳がわからんdesu。所謂ジャズでは無く、ロックでも無く、混沌としています。フュージョンの始まりとも言われるようですが、ここからウェザー・リポートへの道は遠いと私には聞こえます。ネットで見ていると、肯定派、否定派に分かれるようで、コメント書いてる人は大体が肯定派ですね
 その訳の分からなかったアルバムについて、自分の整理のためにも前後のアルバムや時代背景をまとめておくと、このアルバムの録音は1969年、Miles In The Sky(1968)Filles De Kilimanjaro(1968) ➡  In A Silent Way(1969)  ➡  Bitches Brew(1969) の流れで、電化マイルスのサウンドが形作られてきています。
 1969年は色々なことが起きていた年で、アポロの月面着陸1969年7月20日。音楽業界ではウッドストックが1969年8月15日~17日に開催、このアルバムの録音は、1969年8月19日~21日、28日完全に重なれば凄い偶然でしたので惜しい。この年は Grand Funk Railroad-HeartBreker, The Meters-Cissy Strut, Sly & The Family Stone-Dance to the Music, The Jackson 5-I Want You Back などが発売されるファンク全盛時代、そしてビートルズ解散など、ジャズ以外の音楽が大いに盛り上がっていたことで、Jimi Hendrix、Sly & The Family Stone 等の音楽に触発され、Miles In The Sky からの流れの電化した音楽を作り上げてきた結果の作品です。
 当時の私が難解だと感じたのは、ドラム2人とパーカッション2人によるポリリズムを主体とした楽曲で困惑、断片的なテーマ?で、あとはフリーみたいな形式で明確なテーマが存在しないことで頭が混乱、つまりは今まで聴いてきた形式のしっかりとした音楽とは異質な音楽を聴いて心地よいと思う感性が全くなかったから。マイルス音楽はもとより今では聴けるようになってきたフリー・ジャズなんかにも、当時の私の耳は拒否していました。しかし音楽好きの集う「おでんバー」の方たちは、フリー・ジャズ好きも多く、ノイズもありの環境で長く酒を飲んみながら様々な音楽を楽しんできて耐性がついてきた今の私には、心地よい音楽に聞こえるようになっています。


 本作は2枚組で1曲はかなり長めです。1枚目は Pharaoh's Dance、Bitches Brew の2曲で、Pharaoh's Dancen はリズムが激しく混沌としていてファンクの影響を感じます。とはいってもイントロは激しくなくJoe Zawinul がフリーに先導して、しばらくするとマイルスがインプロし始めてから、ドラムが早いリズムを刻み始めます。そこからの各人の楽器が混然として参加、曲が進行するにつれて輪郭がはっきりしてくるリズムに合わせてメンバーの演奏も段々と秩序が加わってきて、そこからが激しい躍動に、阿吽の呼吸でのブレイクになってからの静けさからの再登場。20分1秒の狂演。
 Bitches Brew こちらの作曲者はマイルスなので先導者はマイルスです。こちらも静かな始まりですが、エコーをかけたトランペットで、短いフレーズとロングトーンで煽ってからのブレイク、低いベースとパーカッションでリズムを作ってから、またマイルス主導で音が形成されていきます。Pharaoh's Dance の方が曲全体はインパクトありますが、中盤からのリズムは、こちらの方が、やや鋭角的。次の長尺の出番はジョン・マクラフリンですが、強めで攻撃的でインパクトのあるフレーズ、この明確な流れが無い中でのジャキジャキのバッキングが迫力で、それに合わせて俺の出番がまた来たかと親分マイルス、親分がマイルスとすれば子分のウェイン・ショーターのソプラノが怪しく入ってきて、一挙に普通の曲のように聞こえる展開、そしてブレイクしてからの次は誰だ?と耳を凝らしていると、ザビヌル、チック・コリア のどちらが主導かはわからないエレピが静かに入ってきて、ドラム、パーカッションはリズムをとるのを止めた展開で、マイルスは最初のフレーズに戻る。1枚目の方混沌としたルールの無いインプロ色が強いと思っていましたが、じっくりと聴くとそうでもなかったです。いつも思いますが聞き流している時と、聴きこむのでは印象が変わる曲は結構多いです。
 さて、2枚目に突入は Spanish Key です。明らかにパターン化されたベースとリズムなので、少し安心感があり、ブレイク後は明らかにファンクパターンに突入します。しかし、この安心感が、耳と頭が1枚目になってしまってるので、このアルバムの中の楽曲としてはとしては若干つまらないような気もします。何故こんなことを思ってしまうのか考えると、混沌とした演奏の方が演奏者のエネルギーは多く使うからでしょうか。色々なことが考えさせられます。
 そしてアルバムで一番短い4分29秒の John McLaughlin は、セッション的な曲で主役は当然 John McLaughlin のギターです。短い理由は、盤に収めるのに長さの調整が必要だったかららしいです。短くきられただけあって、このアルバムでは一番印象は薄い。
 Miles Runs The Voodoo Down は曲名に気合が入っていますが、イントロ部分のマイルスのトランペットは曲名に反してポップな気がします。アフリカンな印象のするリズムとマイルスが主役です。リズムが主体となった楽曲で構成されるアイデアの良さは、ここでも健在です。しかしCD一枚目の楽曲のインパクトの強さには達していないと思います。
 そしてボーナス・トラックを除いて最後の Sanctuary の作曲者は Wayne Shorter です。このアルバムの流れとして当然、作曲者は曲の先導をすることになります。音は鳴っているけど静寂を表現しているようなサウンドは、普通のアルバムで有ればバラードに該当するような役割と思いますが、暗闇の中で吹いているようなサックスは結構ホラー感あります。途中で激しいところもありますが、この曲の中心はリズムではなくショーターのサックスであり、音符と音符の間にある暗闇でしょう。ナルホドの曲名です。個人的にスキでは無いかも知れないけど、インパクトは残してくれる楽曲です。
 あまりに曲が長尺で、真剣に聴くと、聴く側にも力が入る作品かと思います。賛否両論があるのは当然、一発で虜になる人もいるでしょうが、これからこのアルバムを聴く多くの人は大いに困惑してもらって音楽って何だろうなと考えながら、悩んだ末に好きにならなくても良いので、心に刻んでいただければ良いのかと思います。万人受けは確実にしないけど聴いてもらいたい「スゲえ、1枚」です、いや2枚です。あー疲れた🎶🎺

trumpet : Miles Davis
soprano sax : Wayne Shorter
electric piano (Left) : Joe Zawinul
electric piano (center) : Larry Young (1-1, 2-1)
electric piano (right) :  Chick Corea
electric guitar : John McLaughlin
bass : Dave Holland
electric bass : Harvey Brooks (1-1 to 2-4)
bass Ccarinet : Bennie Maupin
drums (left) : Billy Cobham (2-5), Lenny White (1-1 to 2-2, 2-4)
drums (right) : Jack DeJohnette
drums (left), congas : Don Alias
cuica, percussion : Airto Moreira (2-5)
shaker, congas : Jim Riley (1-1 to 2-4)

producer : Teo Macero
artwork (cover, cover art) : Mati Klarwein
design (cover) : John Berg

recording data:
1969 August 19 / Columbia 30th st Studios, NY: 1-2, 2-2, 4
1969 August 20 / Columbia 30th st Studios, NY: 2-3
1969 August 21 / Columbia 30th st Studios, NY: 1-1, 2-1
1969 August 28 / Columbia 30th st Studios, NY: 2-5

1-1. Pharaoh's Dance / Joe Zawinul
1-2. Bitches Brew / Miles Davis
2-1. Spanish Key / Miles Davis
2-2. John McLaughlin / Miles Davis
2-3. Miles Runs The Voodoo Down / Miles Davis
2-4. Sanctuary / Wayne Shorter
【Bonus】
2-5. Feio / Wayne Shorter





  

2025年3月11日火曜日

KEB'MO'


 ブルースって「女」「酒」「金」がらみの曲が多くて「俺のはでかいぜ」「金がねえ」みたいなのが多いイメージですが、この人は、その路線とは一線を画している品格があるブルース・マンです。特にこのアルバムでは、静かに湧き上がるものを感じ、何か知的なものを感じます。
 Keb' Mo' は、1951年10月3日 生まれのブルース・マンで、オリジナルも数多く書かれるシンガー・ソングライター。本名は Kevin Roosevelt Moore(ケヴィン・ルーズベルト・ムーア)なので、ケビンが KEB、ムーアが MO になっているかと思われますが、名前の謂れに関する記述はありそうで見つかりません。リーダーアルバムでは Kevin Moore 名義のRainmaker (1980) が最初で、本アルバムが Keb' Mo' 名義での1994年リリースの最初のアルバムとなります。


 そんな泥臭くはないブルースは、この人ならでは。本アルバムですが、批評など見ていると、ロバート・ジョンソン・スタイルのフォーク・ブルースと書かれているものが多いです。フォークブルースではあるけどロバート・ジョンソン・スタイルなのかな、と首を傾げつつレビューしていきます。
  Every Morning トップのこの曲が、このアルバムで一番好きです。朝の静けさの中に曲が浮き出るような感じがする、ギター持っての弾き語り、素敵なフォーク・ブルースです。Tell Everybody I Know カントリー・ブルースで、バンジョーも入ってポップな感じもするアレンジです。以上2曲は、KEB'MO' のオリジナル。3曲目の Love Blues 1908年生まれで1930年代ごろに活動していた Eugene Powell と言うカントリー・ブルースのギタリストの曲ですが、曲は」、ロバート・ジョンソン・スタイルで、歌詞は昔の曲で有りながら、正統派ラブ・ソングで、酒とかドロドロしたものは入ってません。Victims Of Comfort 今度は、1曲目の Every Morning と同系統の弾き語りですが所謂ブルースには分類されないフォークソングのような感じです。作曲者は Tim Kimber で現役のミュージシャンの書下ろしの曲のようです。浸みますね。Angelina 今度も現役ミュージシャン Georgina Graper にによる カントリーブルース、ライトなドラムとギターの軽めな感じです。Anybody Seen My Girl 6曲目で Keb' Mo' 自身の曲に戻ります。今度も聴かせるタイプの曲で、ブルースタイプではありません。彼女が家に帰ってこない寂しさを朗々と歌うラブソングで、寂しさの中に小さな幸せも見えます。 She Just Wants To Dance 2曲目の Georgina Graper の楽曲です。カラッと明るい、カントリー・ブルースで軽い感じがとても心地よいタイプ。Am I Wrong 今度は Keb' Mo' の曲で、スライド・ギターでの技が光る弾き語りで、これはコピーでもして覚えたいタイプのシンプルで良い曲です。Come On In My Kitchen カバーで Robert Johnson の曲です。原曲はド・ブルースでが、KEB'MO' は、かなり違った形で変則&ファンキーなアレンジをしています。Dirty Low Down And Bad で、王道の形式のブルースタイプで、Keb' Mo' 自信の曲です。あっさリ目の3分8秒。Don't Try To Explain バラードタイプの Keb' Mo' のオリジナルです。こんな曲がライブで聴いたらとても浸みてきそうです。Kindhearted Woman Blues このアルバムで、2曲目の Robert Johnson です。これは王道のロバート・ジョンソン・スタイルの弾き語りで、じっくりと歌いこんでいてとても良いです。ただこのタイプの曲はこのアルバムではメインではなく味付けに過ぎないと思いますので、このアルバムを「ロバート・ジョンソン・スタイルのフォーク・ブルース」と書かれるのは少し違うだろうって感じがします。そして最後は、KEB'MO' 節が炸裂の City Boy です。単なるブルースマンでは無いですね。
 古いブルースをリスペクトしながら 自信の色が濃く出せている KEB'MO' の作品の中でも名作の一枚かと思います🎶

vocals, guitar, harmonica, banjo : Keb' Mo'
bass : James "Hutch" Hutchinson
drums : Laval Belle
keyboards : Tommy Eyre

producer : John Porter

1. Every Morning / Keb' Mo'
2. Tell Everybody I Know / Keb' Mo' 
3. Love Blues / Eugene Powell
4. Victims Of Comfort / Tim Kimber
5. Angelina / Georgina Graper
drums : Quentin Dennard
6. Anybody Seen My Girl / Keb' Mo'
7. She Just Wants To Dance / Georgina Graper
8. Am I Wrong / Keb' Mo'
9. Come On In My Kitchen / Robert Johnson
percussion : Tony Draunagel
10. Dirty Low Down And Bad /Keb' Mo'
11. Don't Try To Explain /Keb' Mo'
12. Kindhearted Woman Blues / Robert Johnson
13. City Boy /Keb' Mo'





  

2025年3月10日月曜日

Jimmy Smith Live ! Root Down

 

 Jimmy Smith は、1950年代からニューヨークを拠点とした活動を開始したハモンド・オルガン奏者で1925年ペンシルバニア生まれ。リーダーアルバムのデビューは1956年です。
 使用している楽器は Hammond B3  (ハモンド B3 オルガン)で、その普及者として有名です。B3 は楽器の型名でジャズ・ミュージシャンに好まれるタイプ、C3 はロック・ミュージシャンに好まれるタイプのようです。Deep Purple、Whitesnake で知られるロック・オルガンの Jon Lord なんかは C3 を使用しています。中身は全く同じで、B3(左)のキャビネットだけを教会向けにデザインしなおしたモデルがC3(右)ですので、教会仕様の方がロックに使われたってのも面白いですね。理由はわかっていないと書かれていますが、見た目からしてゴツくて耐久性がありそうなのはC3ですから、ガンガン揺さぶっても耐久性はC3の方がありそうです。

 


 Jimmy Smith については、1957年から1962年までのアルバム7枚分を集めた Jimmy Smith Vol3 Seven Classic Albums を持っていて、極めて品行方正な内容でしたので、ファンキーなオルガン奏者と言われている割に、ジャズ・オルガンの第一人者って、こんな演奏なのかと思っていました。
 このアルバムは、おそらく Jimmy Smith Vol3 Seven Classic Albums と同時に購入してからビニールを開封して聴かずに、ずっと眠っていたようで、今回山の中から発見して聴いてみてビックリでした。


 何しろ、黒さ100%で粘着性が高くジャズというよりは、超ド・ジャズ・ファンクで、1曲目の Sagg Shootin' His Arrow の何度も繰り返される下降フレーズは、確か Baker Brothers の曲で使われていたヤツです。さらには激しいワウをかけたギターに16ビートのベースで、どうやら、大きな勘違いをしたまま、10年くらいは過ぎていたのではないでしょうか。私の好きな系統のジャズ・ファンクは、ここら辺から既に発生していたようです。
 嬉しくて何周かしていますが、2曲目以降も再度聴いていきます。For Everyone Under The Sun これもどこかで聴いたことのある曲で、思い当たったのが Nina Simone の歌う ビートルズの Here Comes The Sun ですが、コード進行が似てはいますが聴き比べたら違います。Jimmy Smith の十八番であるようです。作曲者の Peter Chase で調べても、この Jimmy Smith の曲しか出てきません。曲調的には、どこかのフィリー・ソウルの歌ものアレンジっぽくはあるのですが。After Hours 3曲目でジャズ・ブルースが出てきました。Steve Williams のハープは申し訳ないけど、とても素人っぽくて??なので気になってしょうがないので、Arthur Adams の攻めのギターソロが途中耳に入らない。そういったことでも結構インパクトあります。と思いテーマソングです。Root Down (And Get It) ベースの Wilton Felder のソウルなベースが、とてもバンドをグルーブさせています。キメのオルガンのフレーズは、1曲目の Sagg Shootin' His Arrow の変形判ですので、どうやら Jimmy Smith の十八番フレーズのひとつらしい。今度 Jimmy Smith Vol3 Seven Classic Albums を聴き直してみます。Let's Stay Together は、1971年のビルボード1位のアル・グリーン・ナンバーです。イントロの切れ目でお客さんは大喜びしてます。となるとやはり、For Everyone Under The Sun は誰かの歌ものカバーの可能性が高そうで気になります。Slow Down Sagg 締めの曲は高速ジャズ・ファンクでした。この煽りは大好きなパターンですので何も言いません。そしてボーナス・トラック は、いつの録音かも記載されていない、タイトル曲のライブの少し、もったり版。メンバーは同じような感じです。
 昨晩聴いて、かなり Jimmy Smith のイメージが変わりレビューしてますので、本日、会社帰りに中古屋で 2枚ほど Jimmy Smith 一枚とウェスとの共演のヤツ2枚購入してしまいました。そのうちレビューします。ウェスとの共演盤は中古のクセに1,900円もしましたのが、とてもビックリ🎶

organ : Jimmy Smith
guitar : Arthur Adams
bass : Wilton Felder
drums : Paul Humphrey
congas, percussion : Buck Clarke
harmonica : Steve Williams (3)

producer : Eric Miller
recorded February 9, 1972 at the Bombay Bicycle Club, Los Angeles, California.
Tracks 1-6 original LP issue: 'Root Down', Verve V6-8806.
Track 7 previously unissued.

1. Sagg Shootin' His Arrow / Jimmy Smith
2. For Everyone Under The Sun / Peter Chase
3. After Hours / Avery Parrish
4. Root Down (And Get It) / Jimmy Smith
5. Let's Stay Together / Al Green, Al Jackson Jr., Willie Mitchell
6. Slow Down Sagg / Jimmy Smith
7. Root Down (And Get It)  Alternative Version / Jimmy Smith





  

2025年3月9日日曜日

Soulive / Turn It Out


 ソウル・ジャズ系のバンドで、私がもっとも古くからハマっているバンドで、このバンドのアルバムも、かなり揃えてしまいました。基本泥臭い系のジャムバンドっぽい、アップビートなオルガン・ジャズ・ファンクのバンドです。
 このアルバムの前に自宅スタジオ録音の Get Down! というアルバムもあるようですが、実質的なデビューアルバムは、このアルバム。私が最初に Soulive に出会ったアルバムです。発売レーベルは Velour Recordings というインディーズ・レーベルで、ギタリストの Erick Krasno の兄の Jeff Krasno が設立したというインディーズレーベル。この後に BlueNote と契約した Doin’ Something が、メジャーデビューとなります。


 これは Soulive の中でも一番聴きこんでいるアルバムで、この後のアルバムは段々とレコード・セールスを意識したような洗練されたサウンドになっていくのですが、このアルバムは適度にジャズっぽいアレンジであったり、モコモコとした泥臭さが漂うこの音、こだわりを感じるマニアックな音でもあり、やっぱり原点に戻って一番好きかもしれないです。まあ何よりカッコイイです。



 それでは、何回聴きこんだかわからないアルバムですが再度聴きながらレビューします。 Steppin’  ファンクが濃い重いグラント・グリーンも思い出すジャズ・ファンクです。イントロのインパクトは大事。途中ポップな展開とグラント系が交互に繰り返され全体にグルーブしていきます。4分過ぎてからのテンポ・ダウンもナイス・アイデアです。普通は逆。最初から心つかまれます。Uncle Junior (Live) 本アルバムはライブ音源も入っていて、スピーディでキレ味の良いファンク・ナンバー。これは2曲目での煽りですね。2分過ぎてからのオルガン・ソロとペダル・ベースの細かいフレーズはかなりのカッコよさで、ライブ会場の爆音だと、相当お客さんは痺れているはず。そして5分40秒ぐらいからの違う展開に持って行くのかと思わせての再度の怒涛のギターソロとオルガンのバッキングの煽りに興奮。2曲目で疲れたところで Azucar は、癒し系に聞こえるけどヒップな曲です。でもミディアムなテンポだから落ち着いて横揺れできます。煽りはあまり無いのでじっくり聴くのが良いです。 Tabasco ビートを効かせたドラムから始まり、ジョンスコ登場です。この微妙な変化球は、マニアがどうしても喜ばずにはいられないズルい仕掛けです。ジョンスコ節はこんなバンドにはもってこいです。4分31秒は短い。

 
Rudy’s Way は、サックスの Sam Kininger も入ってのコミカルなニュアンス。ジョンスコ投入に続く変化球で、アルバムを飽きさせない曲順の配慮にも感謝したい。ドラムとサックスだけの、ソロパートもイカシテマス。Jesus Children (Live) そしてライブ録音ですが、最初は煽り無しで忍び足のような出だし、途中のギターはボコーダーのような音ですが、オートワウ使って、ペラペラな音の設定にしてるだけですかね。そして段々と盛り上げていく静かに聴かせるテーマに何回も戻っては盛り上げの、伝統的手法も素敵なアレンジです。 Nealization Erick Krasno と John Scofield のツインギター。ユニゾンのような湯ユニゾンではない。ハモっているような、いないような、不思議展開はジョンスコが参加ならではの遊び心溢れる曲になっています。ジョンスコはギターだけどギターとは違う楽器を使っているような音使いの人ですから、この取り合わせは面白くなる。So Live! バンド名だけあって一番の長尺の11分36秒の熱演。Erick Krasno のスキャットが延々と続き、最後の熱のこもった叫ぶようなスキャットは最高の盛り上がりのライブ録音。Arruga De Agua ラテンのリズムですが完全にロック寄りでなくジャズ・ギターで、野太いオルガン・ベースが気持ち良い。音楽性の広さを感じます。Turn It Out そしてイントロは、ムーディなジャズで本編はファンクのカッコ良さ。先ずはオルガンソロから入り、次ぐギターソロはファンクのリズムでジャズ、そして展開はファンク系と大人のグルーブ。オルガンとギターのユニゾンも気持ち良い。終わったかと思いきやの、ファンク・ジャム・セッションに展開のカッコ良さ。マニアックです。ただ、それほど派手ではなく売れ線でもない曲が、アルバムタイトルってのも、バンドはこれを推していると言うこと。そのセンスが良い。Hidden Track 最後です。インパクトあるリフで、他のライブ音源では、もっとジャキジャキの展開だったはず。そっちも良いけど、こっちの地味バージョンも捨てがたい。
 ファンクも好きジャズも好きなギター弾きには、たまらないアルバムです、お気に入りの棚に戻しときますが、その前に、いつもの音楽好きの集う「おでんバー」で爆音しときます🎶
 
guitar : Erick Krasno
drums : Alan Evans
organ : Neal Evans
【guest】
guitar : John Scofield (4, 7)
alt sax : Sam Kininger (5)
bass : Oteil Burbridge (8)

producer : Jeff Krasno, Sean Hoess, Soulive
recorded by : Jeff Krasno (1 to 3, 6, 8 to 10), Matt Wilcox
Tracks 4 & 7 recorded at Velour Studios, New York City
Tracks 2 & 8 recorded live at Baby Jupiter, NYC
Track 6 recorded live at the Haunt in Ithaca, NY
Track 5 recorded at Applehead Studios in Woodstock, NY

1. Steppin’ / Alan Evans
2. Uncle Junior (Live) / Alan Evans
3. Azucar / Neal Evans
4. Tabasco / Erick Krasno, Neal Evans
5. Rudy’s Way / Neal Evans
6. Jesus Children (Live) / Stweive Wonder, arr Soulive
7. Nealization / Neal Evans
8. So Live! / Soulive
9. Arruga De Agua / Erick Krasno
10. Turn It Out / Soulive
11. Hidden Track / Soulive


▶ Tabasco