2024年10月6日日曜日

David Sanborn / Back Street


 サンボーンの通算8作目の、1983年作品。プロデュースは Marcus Miller, Michael Colina, Ray Bardani の3人のアルバム参加ミュージシャン。いつもそうですが、ほぼセルフ・プロデュースは無く、プロデューサーによってアルバムの方向性を変えていくのがサンボーンの手法のようです。
 基本的には、プロデュースの3人によってプログラムされたサウンドですが、サンボーンのサックスの魅力をを最大限に引き出しアダルトに、シンプルに聞かせてくれる作りとなっています。プログラムされたではありますが、A Change Of Heart のような派手さは無いのが特徴でしょうか。


  それでは、大好きなサンボーンの Back Street をレビューします。I Told U So ハイラムとのポップでロックなコラボ楽曲です。若干ナンパな気もしますが売れ線の曲は、とても心地よいです。When You Smile at Me ほぼ、打ち込みのバッキングにサンボーンがサックスをのせたメローな楽曲でロングトーンのサックス・ソロの部分が痺れます。Believer こちらは、かなりナンパな感じがするマーカス提供らしい楽曲です。ここらへんのイズムが A Change Of Heart に引き継がれていますね。ボーカル部分は不要との声もあるかと思いますが、それも含めてマーカスです。Backstreet プロデュースはしないものの、今回のアルバムにサンボーンは積極的に楽曲を提供しています。これはアルバムのタイトル曲でもあり、楽曲としては良く練られた曲です。Tear For Crystal A サンボーン、マーカスの共作のバラードです。聴き直していると一番出来が良いとも思えてきました。Bums Cathedral これも次回以降につながる楽曲で、アレンジがナンパで良いです。Blue Beach ブルースと言う名前のレゲエナンバーです。これも捨てがたい良曲ですね。Neither One of Us 最後は雰囲気のある曲で締めですね。カバー曲で Jim Weatherly のポップスですが全く違う雰囲気で仕上げていて、違う曲に聞こえます。サンボーンのセンスの良さが光ります。
 派手さは無いけど、アルバムとしての曲のバランスよくサンボーン好きにとってはたまらないです🎶🎷

alto , soprano sax : David Sanborn
bass (fender, fretless, moog) , piano (rhodes) , synthsizer (jupiter-8) , guitar (solo, rhythm, electric, acoustic), steel drums, percussion,effects (vocoder), chair, tympani: Marcus Miller
bass (moog) , piano (fender rhodes), guitar (solo, rhythm, electric) : Hiram Bullock (1)
synthesizer (obx-a, jupiter-8), piano (acoustic), effects (vocoder) : Michael Colina (1,2,4,6)
drums : Steve Gadd (1,4)
congas, percussion : Ralph MacDonald (2,7)
backing vocals : Barry Johnson (3), Luther Vandross (1), Marcus Miller (1), Tawatha Agee (1), Yvonne Lewis (1)
backing vocals, arranged by : Marcus Miller (1,3)

art direction : Simon Levy
artwork (back cover illustration) : Desiree Rohr
Artwork (front cover collage) : Lou Beach

producer : Marcus Miller, Michael Colina, Ray Bardani
This album is dedicated to Jonathan Sanborn.

1. I Told U So (David Sanborn, Hiram Bullock)
2. When You Smile at Me (David Sanborn)
3. Believer (Marcus Miller)
4. Backstreet (David Sanborn)
5. Tear For Crystal, A (David Sanborn, Marcus Miller)
6. Bums Cathedral (David Sanborn, Michael Colina)
7. Blue Beach (David Sanborn, Marcus Miller)
8. Neither One of Us (Jim Weatherly)

I Told U So



Blue Beach


  

2024年10月5日土曜日

Herbie Hancock and Wayne Shorter / 1+1

 
 元々は、1996年にワシントンD.Cで行われた、セロニアスモンクジャス協会設立10周年 記念コンサートで披露したニ人のデュオが評判となったことから、このアルバムの企画が持ち上がったということです。しかし二人のデュオとしては、このアルバム制作から17年前に遡る1979年7月26日に、豪雨の田園コロシアムで行われたライヴアンダーザスカイでの V.S.O.P 公演のアンコールで偶発的に披露された演奏が、歴史的名演として語り継がれています。録音はハンコックの自宅、Garage Sale Studios、Imua Music というところで行われ、日本から録音エンジニア鈴木智雄氏が参加しています。鈴木氏はハンコックとVSOPの時からの付き合いで、マイルスの Agarta, Pangaea のエンジニアでもあります。
 さて私の行きつけの音楽好きの集う「おでんバー」では、Herbie Hancock、Wayne Shorterともにあまり人気がないので、ビニールを剥いで最初の視聴をするときに、あまり歓迎ムードではありませんでした。しかし、この二人ののデュオ・アルバムであれば、中身はどうであれ聴いてみたいと、見た瞬間に握りしめてしまったので強行突破で聴いてみました。思ったより周りの反応は良かったのですが、聴いていると段々飽きてくるねの評価で、私もそんな気がしていました。中古とはいえ購入した私としては認めるのは悔しく惨敗は認めませんでしたが、店で聴くのと家で再度聴くのでは印象が大きく変わる事もよくあるため、再度聴き直すと、どうなのか気になるところ。


 それでは、レビューしてみましょう。A Wood Sylph おそらく Eric Satie 的と言えば的確なんでしょうか。不思議な世界感があります。ピアノとソプラノ・サックスだけの音の世界に聞き入ってしまいます。 続く Aung San Suu Kyi は、ミャンマー民主化運動の指導者であり、現在同国の国家顧間であるアウンサンスーチー氏に捧げられたグラミー賞を受賞しています。アルバムが発表された1996年は、1989年から続いていた自宅軟禁から解放された次の年でもあります。東洋的な音階で始まりテーマもわかりやすい曲で、混沌の中から静かに解放されていくような響きを感じ、どっしりとした力強さも感じます。Sonrisa はハンコックの持ち曲で、1978年録音の ソロビアノ・アルバム「The Piano」にも収録されている曲で、リズミカルなピアノと開放的な響きが交互に繰り返され、Wayne Shorter のサックスも熱い。Memory Of Enchantment は オランダのピアニスト Michiel Borstlap(ミケル・ボルストラップ)の作品で二人の作曲以外の作品の演奏はこの曲だけです。なにしろ曲の広げ方がすごいですね。セロニアス・モンク コンベティションで最優秀作曲賞に輝いている曲だそうです。ただ4曲聴いてきましたが緊張感のある曲が続くので少し疲れます。Visitor From Nowhere は二人の共作ですが、段々と熱が入ってきます。Joanna's Theme は、次の曲 Diana とともに Wayne Shorter の Native Dancer への収録曲。前者は1974年の映画「Death Wish」のために書いた曲で、後者は、その時のアルバムに参加したパーカッションの Airto Moreira の娘にささげられた曲であるとのこと。Visitor From Somewhere は5曲目の Visitor From Nowhere と対をなす曲名がつけられています。イントロとテーマが同じで展開を変えているようです。同じ曲を演奏したら両方よかったんで名前を変えて収録したんでしょうか。Manhattan Lorelei は、少しリズミカルにジャズ調になったような気がします。 Hale-Bopp, Hip-Hop はセッション風の曲で、このぐらいの俗っぽい流れの方が安心します。
 聴き始めると正座して神妙に聴かなければならんのかな、と思わせるエモーショナルで、スピリチュアルな演奏でした。感動的ではありますが、1音1音の密度が濃すぎるような気がします。ネガティブな意味ではなく、何回か聴いて慣れたころに、もっと良さが感じられるよいな気がします🎶

piano (acoustic piano) : Herbie Hancock
soprano sax : Wayne Shorter

recorded by (assisted by) : Alvin "A-1" McGill, Darrell Smith
recorded by, engineer  : Tomoo Suzuki

producer : Herbie Hancock, Wayne Shorter
recorded at Garage Sale Studios, Los Angeles, California
tracks 1, 2, 7: Imua Music (BMI)
tracks 3, 6, 10: Hancock Music (BMI)
track 4: Pentagon via Lipservices Music (BMI)
tracks 5, 8, 9: Hancock Music (BMI)/Imua Music (BMI)

Herbie Hancock performed on a 9 foot, Model D, Steinway piano. 
Wayne Shorter performed on a Yamaha soprano saxophone.

1. Meridianne - A Wood Sylph (Wayne Shorter)
2. Aung San Suu Kyi (Wayne Shorter)
3. Sonrisa (Herbie Hancock)
4. Memory Of Enchantment (Michiel Borstlap)
5. Visitor From Nowhere (Herbie Hancock, Wayne Shorter)
6. Joanna's Theme (Herbie Hancock)
7. Diana (Wayne Shorter)
8. Visitor From Somewhere (Herbie Hancock, Wayne Shorter)
9. Manhattan Lorelei (Herbie Hancock, Wayne Shorter)
10. Hale-Bopp, Hip-Hop (Herbie Hancock)





  

2024年10月4日金曜日

Shiro Sasaki & Caoba Big Band / Peace!


 1987年リード・トランペットとして Orquesta De La Luz に加入。そのほかドリカム、B'z、浜田省吾バンド、米米クラブ、熱帯ジャズ楽団、BIG HORNS BEE、山下洋輔Special Big Band、DCPRG(ex)、Far East Jazz Emsemble等に参加する、売れっ子トランぺッターの佐々木史郎氏。 
 その佐々木史郎氏を中心に2001年に高円寺JIROKICHI のカウントダウンライブを機に結成されたビッグ・バンドが、Caoba Big Band です。メンバーは、元T-SQUAREサックス奏者、本田雅人、DIMENSIONの初代ドラマーの石川雅春、などのファンク、フュージョン、ジャズ、スタジオ等の人気ミュージシャンが集結したドリーム・ビッグ・バンド。1930年代スイング時代のダンスフロア・ビッグバンドの現代版として進化し続けています。


 それでは、レビューしていきます。やたらカッコ良い Dujii が一発目ですが、この曲は Kool and the Gang の初期の楽曲で、オリジナルに近いアレンジのファンクサウンドですが、本家よりもスピーディでカッコ良いサウンドです。Ride On こちらもファンクなフュージョンですが、拍子の置き方を変則的にしたアシッドな雰囲気な曲です。後半のテンポアップも気持ち良いです。X File は、怪しげなリフのフュージョン曲ですが、佐々木史郎氏の作曲ですから、あのアメリカのSFテレビドラマで使われている曲?訳ないですよね。でも聴いたことあるメロディーです。次いで、Peace! でテーマ曲になります。正統派にジャズファンクがビッグバンドでストレートに楽しい曲です。ブラス部隊のキュルキュルと言うキメが、楽しい曲です。ZURI ZURI 変わった名前の曲ですが、曲自体は普通で、Weather Report をわかりやすくしたような曲です。佐々木史郎のハイトーン・ソロも音数は少ないけどカッコ良かったです。キーボードの青柳誠氏の作曲。New Morning 得意のモロなラテン曲です。痺れます。細かなリズムとキメが素晴らしい。Groove Society こちらはラテンから離れて一般的に楽しい曲。曲名の通り非常にグルービーなノリです。Twilight Express 2006年4月2日から2008年3月30日までテレビでやっていたあの番組に関係あるのか?そこらへん調べるのもめんどくさいので記憶だけしときます。GO★GO 楽し気なネーミングの通り、アップテンポなビッグ・バンドな曲で、昭和の香りがメロディーに漂います。 Royal Street Blues アメリカでよくあるニューオリンズジャズ的なブラス・バンドな曲です。ただよくあるブラスバンドの演奏より洗練されています。お祭り騒ぎですね。
 熱帯ジャズよりファンクよりなビート重視、圧倒的なソロ、強烈なリズム、アレンジ等々、素晴らしくかっこよいのだが、動画などが全く見当たらないのが惜しまれます🎶🎺

trumpet:佐々木史郎、佐久間勳、小林太、五反田靖
alto Sax:本田雅人、吉田治
tenor Sax:アンディーウルフ、臼庭潤
baritone sax:山本一
keyboad:青柳誠
drums:石川雅春
bass:土井孝幸
percussion:玉木正昭
guitar:田中義人

1. Dujii (Richard Westfield)
2. Ride On (Shiro Sasaki)
3. X File (Shiro Sasaki)
4. Peace! (Shiro Sasaki)
5. ZURI ZURI (Makoto Aoyagi)
6. New Morning (Kuno Schmid, Willi Gaerthner)
7. Groove Society  (Shiro Sasaki)
8. Twilight Express  (Shiro Sasaki)
9. GO★GO  (Shiro Sasaki)
10. Royal Street Blues  (Shiro Sasaki)

Caoba Big Bandの動画は見当たりませんでした





  

2024年9月29日日曜日

Humble Souls / Thoughts & Sound Paintings


 購入動機は覚えていないが、おそらくアシッドジャズの帯がかかっていたから、ジャケ買いしたことと思われますが、それほど私の好みではありませんでした。ジャズ+ラップ+クラブ音楽、ダブのパターンです。
 ボーカルの Simon Anniky(サイモン・アニキー)とベースの Hugh Brooker(ヒュー・ブルッカー)のユニットで、このユニットでは唯一のアルバムのようです。Hugh Brooker は、Acid Jazz の Night Trains というグループの中心人物であり、ギターの Simon Bartholomew は The Brand New Heavies (BNH) のギタリストです。ジャケットの内部は斬新な白黒モノトーンの世界です。


 さて久しぶりに聴いてみるかと、音楽好きの集う「おでんバー」でかけてみましたが、皆様の反応は予想通りの今一なものでしたが、私的には、久しぶりに聴いて前よりはグンと印象が良かったので再度聴きながらのレビューです。Beads, Things & Flowers はメロディカを使用したダブで、昔は嫌いでしたが今はそんなこともないパターンです。ただ同じフレーズが延々と繰り返されるのでクラブとかでひたすら踊るには良いかもしれませんが、一人で夜聴いているのはつらい。Bridge Into The New Age は、よくあるヒップ・ホップのパターンで、リフはカッコよい感じで途中でのトランペットや、楽曲の展開は仕掛けは BNH の Simon Bartholomew のアイデアでも、あるのかなと思われる楽曲です。How Now のブラス・アンサンブルと女性ボーカルの感じは、かなりBNHなので少しうれしい感じであります。Quiet Dawn は、フワフワしながらもソウルを感じる女性ボーカル入りのかなりアシッドな路線です。Tomorrow's People の、トランペットの入れ方は私もPCで宅録するときによく使う手法で、今回聴いて相当シンパシーを感じました。Fly Away は、かなりDJ路線に戻りますので、昔だったら聞かないパターンですが、ロックな感じの部分と合わせて聴いているとかなり耳に残る楽曲です。Keys To The Power ダブのリズムと Bag's Groove のメロディーを取り入れた曲で、ジャズファンも興味を引いてしまう仕掛けが入っています。Watch My Garden Grow エレクトリックなキーボードから入り、かなりのBNHです。フルートを入れるのもBNHにあったパターンです。大好きかもしれない。Hitch Hike ロックなリフとファンクな感じも入れたラップですが、少しレッチリも感じます。Humble Soul はグループ名ですね。アコースティック・ギターで始まり、フォーク・ロック+ソウル+ラップな曲です。かなり良いかもしれません。Thoughts & Sound Paintings こちらは、テーマ曲ですね。生ドラムっぽいプログラミング・ドラムとシリアスなバッキングにホーンが斬新です。今一のような気もするけど作ってるときに気持ち良いパターンの感じが共感します。Gliding With The Moonlight エスニックな路線で最後は締めくくるようです。ヨーロッパでこのパターンがクラブでかかっていることも多いイメージがあります。女性ボーカルが最後にアクの強い歌い方になるのがエロいですね。
 なんやかんやで、聴きなおしたら結構はまりました。ヘビロテの棚には入らないかもしれないけど、たまに聞きます。多分もっと好きになるような気がします🎶

vocals : Simon Anniky, D.J.(12) , Ian Simmons, Marie Jamilla, Spider
electric piano : Cyril Maccamann
melodica : C.J. 
programmed by : James Johnstone
acoustic guitar : Antony Clark
guitar : Simon Bartholomew
bass, vocals : Hugh Brooker
sax : Ollie Moore
trumpet : Dave Priseman
flute : Edie Parker
congas : Paul Gunter

1. Beads, Things & Flowers
2. Bridge Into The New Age
3. How Now
4. Quiet Dawn
5. Tomorrow's People
6. Fly Away
7. Keys To The Power
8. Watch My Garden Grow
9. Hitch Hike (The Feeling)
10. Humble Soul
11. Thoughts & Sound Paintings
12. Gliding With The Moonlight






  

2024年9月28日土曜日

Roland La'serie - Cortijo Y Su Combo - Ismael Rivera / Danger

 

 コルティーホ楽団、イスマエル・リベーラが、このアルバム発売当時の1962年に人気だったキューバの歌手ローランド・セリエを迎えて制作したアルバムです。
 コルティーホは1950年代半ばからプエルトリコや中南米全域で活躍していて、その後のサルサに大きな影響を与えます。最初のアルバムは、真冬のニューヨークにラテン楽団がコートを着て写っているジャケットの「En New York」1959年リリース。「En New York」のほうが勢いが断然ありますが、こちら Danger のほうが親しみやすさがあります。


 最初は Moliendo Cafe(コーヒー・ルンバ)です。最初に聞いた時には、井上陽水・西田佐知子・荻野目洋子がカバーしているコーヒー・ルンバと同じとは気づきませんでしたが、何回か聞くうちに、なるほど・・そうだと気付きます。しかし最初のテーマ以降はボーカルのアドリブのようになるのでしょうか?日本人歌手との解釈の違いがあるなあと感じます。また Mentirosa Conmigo ですが、Louisiana Mama に似ているような気がします。アメリカン・ポップス の サルサ・バージョン かと思いますが、別曲でしょうか? Louisiana Mama は、1961年の Gene Pitney の楽曲で、日本でも同年に飯田久彦が歌ってヒットしています。コードとサビは何となく、それっぽいですし、このアルバム制作が1962年ということからも、それっぽいのですが調べてもよくわかりませんでした。
 サルサと言えば、日本で外人と半々のメンバーのバンドで演奏している友人がいます。彼のバンドのライブは、演奏場所は地方巡業ではローカルなライブハウスが多く客はほぼラテン系外人さん。みなさん聴きに来るのではなく踊りに来ている感じです。彼に聞いたところでは、皆さん普段はまじめに働いて酒も控えめにして、こうして週末のライブなどで踊り狂いながら発散させているとのこと。
 スペイン語の響きはこのリズムに良くなじみます。日本語で歌うサルサを聴くとなぜか昭和の香りが匂って、この躍動感は生まれませんよね。言葉の響きで感じるリズム感も変わるのは、またこの音楽の面白いところ。
 ライナーノーツによると、このアルバムの収録後コルティーホとリベラは麻薬不法所持で捕まって楽団は解散したとのこと🎶

1. Moliendo Cafe / Rock Rumba (Jose Manzo Perroni)
2. En Mi Viejo San Juan / Bolero (Noel Estrada Suarez)
3. Mentirosa Conmigo / Rock (Robert Gonzalez)
4. Severa / Guaracha (D.R)
5. Sola Y Triste  / Bolero (Aamando Valdespl)
6. Yo Te Cantare / Popurri (D.R)
7. La Maquina Y La Madama / Plena  (Robert Gonzalez)
8. Los Carretoreros / Guajira (Rafael Hernandz Marin)
9. Llorando Me Dormi / Rock (Bobby Capo)
10. El Mar De Lima / Plena (Ismael Rivera, Rafael Cortez)
11. Maria Conchita / Guaracha (Rogelio Vetez)
12. El Pescador / Guaracha (RLorenzo Barselata)
13. Di Donde Estas / GUaracha (Ismael Rivera, Rafael Cortez)



Severa


  

2024年9月27日金曜日

渡辺香津美 / To Chi Ka


 今年2024年2月に脳幹出血のため緊急搬送された渡辺香津美氏の1980年リリース作品です。渡辺香津美が何しろ若い。そして黄色で統一したジャケットはインパクト抜群。テクニカルなギターとポップに味付けされたフュージョン・サウンドで大ヒットしました。レコーディング・メンバーも海外の売れっ子ミュージシャンばかりで、世界的なギタリスト渡辺香津美の人脈の広さを感じます。録音は1980年3月4日から26日のニューヨーク。サポートメンバーとしてYMOの最初の世界ツアー参加していた「YELLOW MAGIC ORCHESTRA TRANS ATLANTIC TOUR」が1979年10月16日にロンドンで始まり、1979年11月6日にニューヨークで終了後のレコーディングです。そして、このアルバム発表後の1980年夏には、レコーディングに参加したMike Mainieri、Marcus Miller、Warren Bernhardt に Omar Hakim のバンドで日本国内の「トチカ・ツアー」が敢行されています。さらに2010年の東京JAZZでは、渡辺香津美 TOCHIKA2010 featuring TOCHIKA ALL STARS として、30年ぶりの同メンバーによる演奏が行われています。ちなみにアルバム・タイトルは、愛犬であった北海道犬の「図知華(トチカ)」に由来とのこと。


 さて、懐かしのアルバムのレビューです。このオープニングは上がります。 Liquid Fingers とてもノリの良いファンキー・フュージョンで、これぞ世界に通用するカッコよさではないでしょうか。Black Canal は、ずっしりとしたドラム、ベースに低音の単音リフから、段々と湧き上がってくるフレーズで、Michael Brecker はこの曲にはいないけど、それ系の曲です。当時の流行りのサウンドなんで Marcus Miller の味でもあるかもしれないですね。そしてタイトル曲は To Chi Ka ですが、柔らかなオベーションによるギター演奏で、Mike Mainieri のビブラホンも優しい、いかにも渡辺香津美らしい楽曲です。Cokumo Island は、向井滋春のフュージョン時代にあったようなラテンも感じる音使いが懐かしい。そして Unicorn は、売れましたね。これは若い頃の渡辺香津美の代表曲です。テーマも印象的ですがエキゾチックなスケールとアウトしたフレーズも織り交ぜながら縦横無尽のギターソロが魅力です。いやいや尖ってます。Don't Be Silly も良い曲です。雰囲気はまさに Don't Be Silly バカ言うなよって感じの砕けた感じが心地よい曲です。Sayonara は、Tony Levin のフレット・ベースがしんみりと響いてくる曲です。Manhattan Flu Dance は、渡辺香津美のこの時の得意なパターンですね。
 世界の渡辺香津美が強力メンバーで作り上げた若き日の傑作です🎶

guitar, guitar synthesizer : 渡辺香津美
rhythm guitar : Joe Caro (1,2,5,6)
keyboards : Kenny Kirkland (Keyboards 1,2,5,6/acoustic piano 2)
oberhiem, keyboards : Warren Bernhardt (Oberhiem 2,4,5,6,7 / keyboards 4,7,8)
bass : Marcus Miller (1,2,5,6)
bass : Tony Levin (fretless 4,7 / bass 8)
drums : Steve Jordan (1,2,5,6)
drums : Peter Erskin (4,7,8)
vibes : Mike Mainieri (3,5)
percussions : Sammy Figueroa (4,7)
tenor sax : Michael Brecker (4,8)

producer : Mike Mainieri

recorded & mixed by Doug Epstine at Media Sound, New York City, March 4-26, 1980

1. Liquid Fingers
2. Black Canal
3. To Chi Ka
4. Cokumo Island
5. Unicorn
6. Don't Be Silly
7. Sayonara
8. Manhattan Flu Dance

▶ 
Liquid Fingers


▶ Unicorn


  

2024年9月22日日曜日

Crème De La Crème Two / More Philly Soul Classics & Rarities


 札幌の桑園にあったビーバー ブックスという古本と古CDの販売店で購入したもので、ソウル系のCDの品ぞろえが良くて愛用していました。しかし桑園店は閉店してからは実店舗なくあちらこちらの即売会で異動店舗での営業を時々見かけていました。2020年のチェックでは、山鼻に実店舗も構えていらっしゃいました。現在は札幌市中央区南17条西8丁目に店舗を移転されたようです。また札幌に行った時によりたい店です。北海道出張で時間があれば最高なんですけどねえ。


 当時このお店の中古品は、帯のコメントのお勧めがとてもわかりやすく、内容が良いものは、しっかり価格が高めでした。少々高くても購入して失望することは、ほぼありませんでした。これも、そんなそんな購入の一枚で、Philly Soul がこれでもかと入ったオムニバスです。
 Philly Soul とは'70年代前半に一世を風靡したフィラデルフィア発のソウルで、ストリングスを使用した甘めのサウンドが多いのが特徴です。第2弾とのことですが、当然1枚目は持ってません。見かけたら購入しても良いのですが、遭遇する確率は相当低いと思われますので、この盤を大事に聴いていきたいと思います。



 登場アーチストの中で、知っているのは Ben E King ぐらいですね。まだまだ不勉強な分野です。そのほか Blue Magic ってグループは3曲が収録されていますが、かなり良い感じです。その他気に入ったのは、Sister Sledg / Mama Never Told Me モータウンが入った曲ですが、ボーカルの声がJacson5 ぽくて・・調べてみると、フィラデルフィア出身の黒人4姉妹のコーラス・グループです。おそらく末っ子がリードボーカルだと思いますがライブ映像ではもっと太めの声なので、幼い時の録音でしょう。またこのグループ3作目なんかは Nile Rodgers と Bernard Edwards のプロデュースですから私が知らないだけですね。それにしても1970年代のソウル・ファンクは無数の素晴らしいグループが存在しながらも消えていったものが多いのに今更ながら驚きます。
 Crème De La Crèmeは「クリームの中のクリーム」つまり最高の意とのこと🎶

1. Look Me Up (Album version) / Blue Magic
2. Pain Reliever / Sister Sledge
3. Happy Man (Pt.1) / Impact
4. Both Ends Against The Middle / Jackie Moore
5. Action Speaks Louder (Than Words) / Terry Collins
6. First Choice Theme 45 / First Choice
7. What Goes Around (Comes Around) / Black Ivory
8. When The Game Is Played On You / Bettye Swann
9. Each Morning I Wake Up / Major Harris
10. What A Man (Previously unreleased) / Jackie Moore
11. No Danger Ahead / Ben E King
12. Spinnin’ Top / Moving Violation
13. Mama Never Told Me (Tom Moulton Remix) / Sister Sledge
14. Answer To My Prayer / Blue Magic
15. Vivian’s Theme (Previously unreleased) / Vivian Reed
16. Loving You Is Mellow (Previously unreleased) / Aristocrats
17. Never Love Again / Holly Maxwell
18. Some Guys Have All The Luck / The Persuaders
19. Tired Of Being Alone (Previously unreleased) / Vivian Reed
20. You & Me (Got A Good Thing Going) / Margie Joseph & Blue Magic
21. Are You Ready For Love 45 / Spinners
22. That's The Way Love Should Feel / Dee Dee Bridgewater

Mama Never Told Me  / Sister Sledge




  

2024年9月21日土曜日

Dragon Ash / Harvest


 2003年Dragon Ash、5枚目のアルバムで、発売とそれほどタイムラグなく購入したものと記憶していますが、実はあまり聴いてはいません。当時話題となっていたバンドなので気になっていたこともあり買ってみたのですが、TVなどで見る映像ほどの良さがアルバムでは理解ができずあまり聞いてませんでした。それでも自分自身の経年変化で、聴けるようになっているかもしれないと、数年前に聞いてみたのですが、どのようなアルバムか今も覚えていないほど印象に残っていませんでした。


 あまりよく知らないので調べたことをおさらいしておきます。Harvest の意味は「収穫」で、ダンサー2人とギタリストが新たにチームに加わり、新たに復活を遂げた全ての意が「収穫=HARVEST」に表れている。リーダーは、Kj、降谷 建志のボーカル、ギターで、Dragon Ash楽曲のほとんどの作詞・作曲を担当。前妻はタレントのMEGUMI。父は俳優の古谷一行。そういえばそんなこと読んだ気がします。本作は降谷が、Dragon Ashにおける最高傑作であり、最も好きな作品と位置付けている。オリコン1位を獲得。年間で15.3億円を売上、アーティスト別売上39位にランクインなどなど、相当売れたアルバムのようです。
 で、数年ぶりにまた聴いてみますが、以前よりは聴けました。が私の心に残るほどのものは残念ながらあまりありませんでした。残念です。しかし音作りとか丁寧だしアイデアもあることは理解できるんでまた数年後に聞いたときに変わるかもしれない可能性はあるかな🎶

1. Intro
2. House Of Velocity
3. Posse In Noise
4. Revive
5. United Rhythm
6. Byakuya
7. Morrow
8. Landscape
9. Art Of Delta
10. Mob Squad (Ritmo Acelerado Rmx)
11. Episode 4
12. Massy Evolution
13. Day 6
14. Fantasista
15. Canvas
16. Gymnopedie #1
17. Harvest
18. Sukurimakori (Hidden Track)

▶  Harvest

▶ Morrow