2021年10月23日土曜日

本日のCD Kenny Burrell / Seven Classic Albums

 Real Gone Jazz Collection お買い得アルバムシリーズです。4枚のCDに7枚のアルバムが収められています。ウェスに続いての購入です。楽器はギターが趣味の私でしたが、Kenny Burrell (ケニー・バレル)を知ったのは社会人になってかなり後の話で、フュージョン志向だったためあまりケニー・バレルを聴いてはいませんでしたので、ウェスとバレルは聞かねばなるまいと購入したシリーズになります。
 4枚組ディスクの1枚目、Introducing は、バレル 初リーダー作で、その時 バレル は25歳の若さです。メンバーは同郷のピアノのトミー・フラナガン、ベースは ポール・チェンバース、ドラムは ケニー・クラーク と豪華。Earthy は 6枚目のアルバムで、プレスティッジのオールスター・セッション。渋めの素晴らしいブルース・フィーリングが聴けます。2Guitars は Jimmy Raney(ジミー・レニー)と共同名義のツイン・ギターの双頭リーダー作品。メンバーはドナルド・バード、ジャッキー・マクリーンの2管が加わった異色の編成。レニーはメロディアス、バレルはいつもブルージーなギターの対比が聴けます。当時のハードバップのスター選手が参加していて Blue Duke は二人の鋭角的なアドリブ、軽快なナンバーの Dead Heat、Pivot、長尺の This Way など演奏は熱いです。All Night LongはPrestige All Stars名義で、All Day Long はリーダー作です。All Night Long は一発目でピアノがフライングして、テーマでホーン部隊がさまようような、愛嬌のあるところも聴けます。そして、1957年 Prestige から Kenny Burrell でこれはブルースだらけ
 バレルは 1957年 Prestigeで、バレル は相当数の音源を残しています。Prestigeの勢いがあったのか?セッションぽいのも全部、金にしようとしてリリースしたのか?
 バレルを聴き始めた頃に購入したお買い得パックです。ウォークマンに落として聴いていますが、4枚組って繰り返し聴きずらいんですよね🎶🎸

●Disc1
【Introducing】1956
1. This Time The Dream's On Me
2. Fugue 'N Blues
3. Takeela
4. Weaver Of Dreams
5. Delilah
6. Rhythmorama
7. Blues For Skeeter
【Earthy 】1957
8. Earthy
9. What's Not
10. I Wouldn't

●Disc2
【Eathy】1957
1. The Front Line
2. Dayee
【2Guitars】1957
3. Blue Duke 
4. Dead Heat 
5. Pivot 
6. Close Your Eyes 
7. Little Melonae 
8. This Way 
9. Out Of Nowhere 

●Disc3
【All Night Long】1961
1. All Night Long 
2. Boo-lu 
3. Flickers 
4. Li'l Hankie 
【All Day Long】1963
5. All Day Long 
6. Slim Jim 
7. Say Listen 
8. A.T. 

●Disc4
【Kenny Burrell】1957 prestige 7088
1. Don't Cry Baby
2. Drum Boogie
3. Strictly Confidential
4. All Of You
5. Perception
【K.B. Blues】1979
6. Nica's Dream
7. Out For Blood
8. K.B. Blues
9. D.B. Blues
10. K.B. Blues (alternate take)


▶ Dayee



  

2021年10月22日金曜日

本日のCD The Modern Jazz Quartet ♪ The Last Concert

 

 マンハッタン・ジャズ・クインテットとモダン・ジャズ・カルテットが異なるMJQだと気付き、知的で厳格な表情で演奏するMJQや、解き放たれたように楽し気な表情で演奏するMJQなどアルバムを聴くたびに発見があり楽しみになってきています。
 順を追って聞いているわけではありませんが、ラスト・コンサートなんてアルバムを聴くまでにはMJQを聴きこんでいるわけではないのですが、新宿のツタヤの中古コーナーにあったので購入しました。購入後即いつもの「おでんバー」で聴いたわけですが、何枚か他のアーチストのアルバムを聴いてこのアルバムを最後に聴いていたら2枚組だったので1枚聞いて時間切れとなりました。しかしあまりにも内容が良かったので次週この店で大音量で続きを聴こうと家では聞いてはいませんでした。私が自分のCDの持ち込みをするのは金曜と決めています。すると翌週の水曜に他の常連さんがこのアルバムを持って登場!私の金曜を待たずして2枚とも水曜に聴くこととなりました。別に新譜という訳では無いのになんという偶然でしょうか。何か運命を感じてしまうアルバムとなりました。
 MJQは、1952 年に  Milt Jackson (ミルト・ジャクソン)、John Lewis (ジョン・ルイス) 、 Percy Heath (パーシー・ヒース) 、Kenny Clarke (ケニー・クラーク)によって結成されました。メンバー交代は1955年にドラムが Connie Kay (コニー・ケイ) に代わった一回のみでほぼ同じメンバーでの22年間続く珍しいバンドでした。最後のライブは1974年11月25日、リンカーン・センターのAvery Fisher (Philharmonic) Hall (エヴリー・フィッシャー・ホール)で行われました。
 解散の理由は Milt Jackson (ミルト・ジャクソン)の脱退ですが、脱退にあたりミルト・ジャクソンは、1974年6月に「MJQで活動を続けてきたが物質的に恵まれることは無かった」と記者たちに感情的にしゃべっていたとのことです。ロックというエンター・テイメントで成金になったスターたちはいるがジャズ・ミュージシャンは儲からないというのが不満だったようです。MJQをやめてもロックスターになれるわけでもないし、何の解決にもならないのでこれが直接の脱退の原因とは思いませんが、何かしらの不満か精神的に不安定になる要素があったのでしょう。1981年に再結成はされるもののいったんこれでMJQは解散となり、このアルバムが収録されることになったわけです。
 収録曲はお馴染みのナンバーが収録され、演奏はやはり安定がありこれぞMJQの内容となっています。一糸乱れぬ演奏にクラシックのコンサートのような観客の拍手もジャズをエンターテイメントから芸術の領域まで高めてきた貫録が感じられます。MJQの演奏にはメンバーの緊張感が伝わるものがありますが、これはリラックスしたバージョンです。

vibraphone : Milt Jackson
piano : John Lewis
bass : Percy Heath
drums : Connie Kay

live at Avery Fisher (Philharmonic) Hall, Lincoln Center, NYC, November 25, 1974.
disc 2 (5 & 6) bonus track, not part of original LP

【Disc1】
1. Softly As In A Mornig Sunrise
2. The Cylinder
3. Summertime
4. Really True Blues
5. What's New
6. Blues In The Mirror
7. Confirmation 
8. Round Midnight 
9. Night In Tunisla 
10. Tears From The Children 
11. Blues In H(B) 
12. England's Carol 

【Disc2】
1. The Golden Striker
2. One Never Knows
3. Trav'lin
4. Skating In Central Park
5. The Legendary Profile
6. Concierto De Aranjuez
7. The Jasmine Tree
8. In Memoriam
9. Django
10. Bags Groove





muu music webzine

  

2021年10月21日木曜日

本日のCD Bird Symbols & Bird Is Free Charlie Parker

 

 1940年代初頭から、モダン・ジャズの原型となるいわゆるビバップスタイルの創成に、ディジー・ガレスピーと共に携わった巨匠 Charlie Parker (チャーリー・パーカー)。バードともヤードバードとも呼ばれ、自身も Yardbird Suite、Bird Feathers 曲を発表している。影響はロックバンドの、ヤードバーズ Yardbirds にまで及び、ニューヨーク市マンハッタンにあった往年の名ジャズクラブのバードランド (Birdland)もパーカーに由来、ジャズ界ではジョージ・シアリングの Lullaby of Birdland (バードランドの子守唄)、ウェザー・リポートの Birdland といった名曲も生まれています。
 本アルバムには、そんなパーカーの Bird Symbols、Bird Is Free の2枚のアルバムが収録されています。1961年にチャーリー・パーカーの3番目の妻で法定相続人だったドリス・パーカーと、レコードの再発(リパック)シリーズで知られる Pickwick Records のプロデューサーだったオーブリー・メイヒューが組み立ち上げられたレコード・レーベルのチャーリー・パーカー・レーベルの作品とのこと。
 この録音は1~12曲目までは1947年の録音で、13~21曲目までは1952年の録音、一般に1945年から48年がパーカーの絶頂と言われていますが、52年の録音も私にはスリリングなアドリブが展開される素晴らしい録音であると思います。わたくしはサックス吹きではないので今のところパーカーに傾倒しているわけではありませんが、スルスルと泉のように湧き出てくるアドリブはまるで楽譜が置いてあるかのように力強く鮮明です。Bird Symbols については録音も普通に心地よくマイルスがペットを吹いているのかと興味深く聴けます。ピアノがドードマーマローサ のピアノも力強く頼もしいのに対しエロールガーナーでエレガントに、デュークジョーダンでしっとりと聴かせてくれます。しかし Bird Is Free に変わるとモノラルのカセットデッキを客席において録音したような音質は非常に悪いのが残念です。

alto sax : Charlie Parker
trumpet : Miles Davis
tenor sax : Lucky Thompson
guitar : Arv Garrison
piano : Dodo Marmarosa
bass : Vic McMillan
drums : Roy Porter
recorded 1946 March 28

1. Moose The Moosche
2.  Yardbird Suite
3. Ornithology
4. A Night In Tunisia

alto sax : Charlie Parker
piano : Erroll Garner
bass : Red Callender
drums : Harold Doc West
recorded 1947 February 28

5. Bird's Nest
6. Cool Blues

alto sax : Charlie Parker
trumpet : Miles Davis
tenor sax : Lucky Thompson
piano : Duke Jordan
bass : Tommy Potter
drums : Max Roach
recorded 1947 November 4

7. Bird Of Paradise
8. Embraceable Yo
9. My Old Flame
10. Scrapple From The Apple
11. Out Of Nowhere
12. Don't Blame Me

alto sax : Charlie Parker
bass : Teddy Kotick
guitar : Mundell Lowe
piano : Walter Bishop
drums : Max Roach
recorded 1952 September 26

13. Rocker
14. Sly Mongoose
15. Moose The Mooche
16. Star Eyes
17. This Time The Dream's On Me
18. Cool Blues
19. My Little Suede Shoes
20. Lester Leaps In
21. Laura





muu music webzine

  

2021年10月18日月曜日

本日のCD Frank Gambale ♪ The Great Explorers


 スピードピッキングの発案者である Frank Gambale (フランク・ギャンバレ) のギターは別次元。この奏法はヘビメタ系ギタリストに普及してからスウィープ・ピッキングとしてキラキラのフレーズを全世界に提供しています。発明者普及者のフランクギャンバレは、ものすごい正確さで様々なフレーズを繰り出していますが、私この奏法には無縁。ギャンバレを知ったのは Chick Corea Elektric Band (チック・コリア・エレクトリック・バンド)の 1986年 Light Years です。このアルバムはポップ色が強いのでギャンバレのギターは控え目でした。
 しかしこの作品はソロの通算6作品目の1993年発売のスタジオアルバムで、ロック・リフやペンタトニックとスウィープ・ピッキングを駆使したロック・フュージョン・スタイルのギターでロック・ファンに十分通用する作品です。楽曲は全曲インストで難解なフレーズよりも耳に残るフレーズで非常にわかりやすい。
 楽曲としては、ポップで軽めのフュージョンぽいタイトル曲 The Great Explorers、ロック丸出しの Frankly Speaking、伸びやかなギターを聴かせてくれる She Knows Me Well 、頭から弾きまくり具合でリフが気持ちいい Thunder Currentなどがロック魂には共感してもらえるのではないでしょうか。フュージョン・ファンにはアコースティック・ギターが美しい Dawn Over The Nullarbor なんてのも用意してあります。

guitar, electric sitar, synthesizer, drums, bass: Frank Gambale
keyboard, hammond organ , synthesizer , piano : Freddie Ravel
hammond organ : Tom Coster
bass : Stuart Hamm
drums : Jonathan Mover

1. Frankly Speaking
2. The Final Frontier
3. The Jaguar
4. The Great Explorers
5. Duet Tuet
6. She Knows Me Well
7. Thunder Current
8. Pathfinder
9. Dawn Over The Nullarbor
10. Cruising Altitude
11. Naughty Business





muu music webzine

  

2021年10月15日金曜日

本日のCD Wes Montgomery ♪ Eight Classic Albums


 Real Gone Jazz Collection と言うお買い得アルバムシリーズです。4枚のCDに8枚のアルバムが収められています。ジャズギター初心者のころに、とりあえずウェスとバレルは聞かねばなるまいと購入したシリーズになります。この頃はお買い得だとばかりに飛びついたのですが、だんだんとジャケット写真も含めてアルバムで購入していった方がアルバムを聴いた満足感があることにも気づいたこと、1曲を楽しむよりもアルバムを通して区切って聞いて、このアルバムは、ああだ、こうだ、と考えるのも意外と楽しいことに気づいたので、区切りなく音源が収録されているお買い得アルバムシリーズは意外に満足感が低いことを思い知らされています。
 それほど愛着がなければ繰り返し聴くことも少ないのも難点です。The Incredible Jazz Guitar を購入して見事にダブりが発生していますが気にしてはいけません。
 また1枚のディスクに1時間15分程度の録音が入っているため、全てを聴き始めて聴き終わるまでに6時間程度はかかりますので、やはり音源のコレクションとしては合格ですが聴いて楽しむには若干の精神的苦痛も強いられるのが難点です。良いところはぶっ続けで聴いていると、ギターの音質が変わったりバンド編成が変わったところでアルバムが変わったのか?どれどれと見る程度で済むので本でも読みながらぶっ続けるのには適しています。
 さらには Fingerpickin' は元アルバムより最後の3曲が少ないようで、なんとなく安物買いの銭失いという言葉を思いだし、お買い得シリーズなんでしょうがない。ウェスをこれから集める気が無い人には勉強のためにどうぞ!(ウェスについて何も語らずに終ります)

●DISC 1
【Fingerpickin'】1957
1. Sound Carrier
2. Bud's Beaux Arts
3. Bock To Bock (Back To Back)
4. Billies Bounce
5. Lois Ann
6. All The Things You Are
7. Fingerpickin'
【The Wes Montgomery Trio】1959
8. Round Midnight
9. Yesterday's
10. The End Of A Love Affair
11. Whisper Not
12. Ecaroh
13. Satin Doll
14. Missle Blues
15. Too Late Now
16. Jingles

●DISC2
【The Incredible Jazz Guitar】 
1. Airegin
2. D-Natural Blues
3. Polka Dots And Moonbeams
4. Four On Six
5. West Coast Blues
6. In Your Own Sweet Way
7. Mister Walker
8. Gone With The Wind
【West Coast Blues (With Harold Land)】
9. Ursula
10. Klactoveedsedstene
11. Don't Explain
12. Terrain
13. Compulsion

●DISC3
【Movin' Along】
1. Movin' Along
2. Tune Up
3. I Don't Stand A Ghost Of Chance With You
4. Sandu
5. Body & Soul
6. So Do It!
7. Says You
【Groove Yard (Montgomery Brothers)】
8. Bock To Bock (Back To Back)
9. Groove Yard
10. If I Should Loose You
11. Delirium
12. Just For Now
13. Doujie
14. Heart Strings
15. Remember

●DISC4
【So Much Guitar】
1. Twisted Blues
2. Cotton Tail
3. I Wish I Knew
4. I'm Just Lucky So-And-So
5. Repetition
6. Somethin' Like Bags
7. While We're Young
8. One For My Baby (And One For The Road)
【George Shearing & The Montgomery Brothers】
9. Love Walked In
10. Love For Sale
11. No Hard Feelings
12. Enchanted
13. Stranger In Paradise
14. The Lamp Is Low
15. Double Deal
16. And Then I Wrote
17. Darn That Dream
18. Lois Ann
19. Mambo In Chimes





muu music webzine

  

2021年10月13日水曜日

本日のCD Stuff ♪ Stuff It


 Gordon Edwards (ゴードン・エドワーズ)、Richard Tee (リチャード・ティー)、 Steve Gadd (スティーブ・ガッド)、Eric Gale (エリック・ゲイル)、Cornell Dupree (コーネル・デュプリー) が参加する夢のようなバンドです。フュージョン・バンドですが、やっている音楽性は歌の入っていない R&B、ソウル。なので、Dance with Me /オーリアンズ、Since You've Been Gone/アレサ・フランクリン、Love Having You Around/スティーヴィー・ワンダーのカバーなんかも収録されているのはいかにもスタッフらしいアルバム。
 本作は3枚目でポップ色が強くカラフルなサウンドですが、ファンの間では賛否が分かれるようで、このアルバムは(どちらかと言うと冷遇)されているような印象です。このスタッフは初期はアルバム名にこだわりがないのかあるのか微妙なところで、1枚目は Stuff 1976年、2枚目は More Stuff 1977年、そしてこの Stuff It と非常に判別が難しい。

  

 私はギタリストの Cornell Dupree は、このスタッフで知ったギタリストなんですが、実はソウル系では、アレサ・フランクリン、ダニー・ハサウェイ のギタリストだったり、ジャズ系ではマイルスの Red China Blues、ジャズ・ヒップホップ系では The RH Factor に参加していたりと私の好みの音楽には深くかかわる人でもあります。またコーネル・デュプリーとリチャード・ティーはサックス奏者キング・カーティスのバンド、ザ・キングピンズにも参加していたんですね。先ほど知りました。
 芸術性云々ではなく、スタッフは楽しく聴ける R&B、ソウルのインストバンドとして長く愛聴しています。
 私の持ちネタなんですが、「従業員とかグループの構成員の意で→ staff」「stuff → 物とか事柄」なんで間違わないように!

keyboards : Richard Tee
guitar : Cornell Dupree, Eric Gale
bass : Gordon Edwards
drums : Steve Gadd

tenor sax : George Young
baritone sax : Ronnie Cuber
trumpet, flugelhorn :Alan Rubin, Jon Faddis
trombone : Tom Malone
drums : Chris Parker
percussion : Crusher Bennett
viola : Al Brown, Mitsue Takayama
violin : Guy Lumia, Julian Barber, Paul Winter
cello : Kermit Moore

producer : Steve Cropper

recorded May-October, 1978, at the House Of Music, West Orange, New Jersey and the Hit Factory, New York City.

1. Mighty Love
2. Dance with Me
3. Since You've Been Gone (Baby, Baby, Sweet Baby)
4. Always
5. Stuff It
6. Love Having You Around
7. Rainbows
8. Gordon's Theme
9. Talkin' About My Love for You
10. Do It Again

ダンシングクイーンにも似たフレーズが・・




muu music webzine

  

2021年10月12日火曜日

本日のCD Donny Hathaway

 

 ツタヤの中古CDコーナーで、何か掘り出し物はないのかと物色していたらDonny Hathaway (ダニー・ハザウェイ)のコーナーで見慣れないジャケットを発見!帯を見るとセカンド・アルバムとの文字が目に入った。本人名義のアルバムはほぼ押さえていた気になっていたので、即購入でした。そうかと今未購入アルバムのチェックをしてみるとライブ盤の In Performance ロバータフラッグのアルバムに Roberta Flack Featuring Donny Hathaway は持っていないことが判明しましたので、これもチェックです。
 本作は、Take A Love Song とボーナストラックの Be There を除いてポップス、カントリー、R&Bのカバーですが、ダニーの品の良いアレンジによってオリジナルのような感覚で聴けるアルバムとなっています。プロデューサーは Jerry Wexler (ジェリー・ウェクスラー)と Arif Mardin (アリフ・マーディン)です。ウェクスラーはプロデューサーでこんなにもアーチストのアルバムは変わるものかと最近になって私も感じている人で、リズム&ブルースの用語も作り出しアトランティック・レコードを業界の主要勢力にしてしまった名プロデューサー。アレサもウェクスラーによってキャリアを好転しています。
 そんなプロデューサーとかなり気合を入れて作ったと思われる本作はスケールもでかくてインテリジェンスを感じる作風は素晴らしいので、今後聴きこんでいこうと思います。
 大作なので選びにくいのですが私のお勧めは、しみじみとした情感で歌われながら感情があふれ出すような Giving Up、ビリー・ブレストンの曲で静かな出だしから盛り上がっていく Little Girl、元気が出るドーシー・バーネット作品の Magnificent Sanctuary Band、美しいバラードの She Is My Lady、ゴスペルタッチで豪華な Put Your Hand In The Hand など。

Vocals, Kebyboards – Donny Hathaway
backing vocals : Cissy Houston, Deirdre Tuck, I. Stone (8), J.R. Bailey, Judy Clay, L. Tynes (8), Myrna Smith, Myrna Summers & The Interdenominational Singers, Ronald Bright, S. White (8), Sammy Turner, Sylvia Shemwell
guitar : Cornell Dupree
bass : Steve Novosel (8)
electric bass : Chuck Rainey, Phil Upchurch (8)
drums : Al Jackson Jr., Morris Jennings
tenor sax : King Curtis (1)
trumpet : Joe Newman (6)

arranged by string, horn & choral arrangements : Arif Mardin (2, 5 to 7, 9), Donny Hathaway (1, 3, 4, 8, 10, 11)

producer : Arif Mardin, Donny Hathaway, Jerry Wexler

1. Giving Up
2. A Song For You
3. Little Girl
4. He Ain't Heavy, He's My Brother
5. Magnificent Sanctuary Band
6. She Is My Lady
7. I Believe In Music
8. Take A Love Song
9. Put Your Hand In The Hand
【Bonus Tracks】
10. Be There
11. This Christmas




muu music webzine

  

2021年10月11日月曜日

本日のCD Donald Byrd ♪ Fuego

 

 Donald Byrd (ドナルド・バード) と言えばファンキーで聴きやすさは抜群のトランペット・プレイヤー。しかしこの作品はファンキー・ジャズといえども意外とモーダルな演奏が多いアルバムです。ファンキージャズを意識してからかタイトル曲は Fuego。スペイン語で炎を意味し派手なテーマの曲ですがファンキーと言ってもまだまだ品の良さがあります。この盤の評でよくある熱気あふれる大作のような表現はちょっと違うような気がします。
 曲目の紹介になりますが、Fuego については先に書いた通り。続く Bup A Loop はテンポ早めのハード・バップでバードのソロもこのアルバムの中では一番饒舌でお勧めです。そしてゆっくりのブルースは Funky Mama でDoug Watkins のゆったりとしたベースから Duke Pearson のピアノ・ソロ、Jackie McLean の哀愁と粋なムードの歌心を聴かせてくれます。最後はリーダー、バードがゆったり目に一音づつ大切に吹くようなソロとピアノとの掛け合いで締めくくります。Low Life は映画音楽で使われそうなテーマが粋な曲で、ハード・バップからファンキー・ジャズへの足掛かりのような意欲作。Lament はブルージーなミディアム・テンポでリラックスした中にある歌心あふれる雰囲気が良い曲。ラストのAmen はゴスペルタッチでコンサートの終わりにメンバーが騒ぎながら盛り上げるような曲で、実はメンバーが一番ノリノリでソロをとっているのではないかと思われます。神妙に今までプレイしてきたのに我慢できなくなった感じがします。全体として聴きやすさは抜群。明るく楽しいジャズ。
 バードは1970年代にはファンク・ロック路線に転向していくだけに、何か新しいものを期待して聞いてしまったのですが録音は1959年。バラエティに富んだ楽曲構成ですが、それなりの時代を感じる録音でした。

trumpet : Donald Byrd
alto sax : Jackie McLean
piano : Duke Pearson
bass : Doug Watkins
drums : Lex Humphries

producer : Alfred Lion
recorded by : Rudy Van Gelder

Recorded October 4, 1959.

1. Fuego
2. Bup A Loop
3. Funky Mama
4. Low Life
5. Lament
6. Amen






muu music webzine

  

2021年10月9日土曜日

本日のCD Miles Davis / In A Silent Way

 

 1960年代後半のロックのパワーにより、ジャズ業界が立ち向かうべくエレクトリック楽器を取り入れながら試行錯誤していた時代の作品です。エレクトリックへ向かう作品の流れとしては、Miles In The Sky(1968年) で Herbie Hancock がマイルス作品で初めてエレピをプレイした。同メンバー録音で6月セッション、9月にはキーボードが Chick Corea、ベース が Dave Holland になった Filles De Kilimanjaro(1968年) を発表する。そして激しいエレクトリック・サウンドを導入しセールス的にも成功を収めた Bitches Brew(1969年)
 実はFilles De Kilimanjar (キリマンジャロの娘) は未だ聴いていないので、この流れを体感していないので語れないのですが、Miles In The Sky⇒In A Silent Way⇒Bitches Brewの流れだけでも最初は慎重にそして段々と大胆な実験をしていく流れは音楽の歴史の教科書を見ている(聴いている)ような気がしてきます
 私がマイルスを聴き始めた頃は、Bitches Brew だったので感動したというよりは面食らってしまってマイルス作品はどちらかと言えば敬遠しながらジャズを聴いていました。段々と幅を広げながら聴いているうちに最初は困惑した Bitches Brew が心地よくなってきて、昔のマイルスを聴いたら全く違うことに興味がわいて、ビバップ、ハードバップ、モードの流れを勉強しながらエレクトリック・マイルスの面白さにワクワクしています。
   さて、この作品 Hancock、Chick Corea、Joe Zawinulとキーボード奏者が3人、さらにギターの John McLaughlin の延々と続くジャムセッションのような作品で、キーボードが重なることで微妙に変化していくコードワークとベースラインの強調、そしてリズムはロックビートとなることで複雑に絡み合ったポリリズムとなり、不思議と宇宙的でありどこか牧歌的なところもあります。ただ、Joe Zawinul のアクは強くて私には Weather Report のようなものはかなり感じてしまいます。
 またこの作品はオリジナルではA面、B面に一曲づつという斬新なつくりで、Shhh/ Peaceful では編集によって同じ部分がリピートされていたり、In A Silent Way / It's About That Time では違う曲がサンドしてあったりする。そしてこれは適当にセッションして良いとこだけカットして編集した訳では無く何度もレコーディングしたものを編集しているらしい。それは「Complete in a Silent Way Sessions」に未編集バージョンが収録されているとのこと。
 これでこのアルバム関係を理解するのに2枚のアルバムを新たに買わなければならぬことが判明してしまいました。この道に終わりはないですね🎶🎺

trumpet : Miles Davis
electric piano : Chick Corea, Herbie Hancock
electric piano, organ : Josef Zawinul
guitar : John McLaughlin
bass : Dave Holland
drums : Tony Williams
tenor sax : Wayne Shorter

producer : Teo Macero
recorded 2/18/1969 in New York City.
originally released in 1969.

1. Shhh / Peaceful
2. In A Silent Way / It's About That Time

Shhh