2026年2月20日金曜日

Weather Report / Best Of Vol.1


 ほぼ Weather Report のアルバムは持ってますので、私が若い頃に聴き始めた頃に購入したアルバムです。最初に Weather Report を知ったのは、このアルバムの冒頭曲の Birdland が最初で当時ラジオかなんかでかかっていたのを聴いたのだと思います。なんてキャッチーでカッコ良い曲だと思ってカセットに入れて聴いていたら、ある時コーラスのみで構成されているThe Manhattan Transfer バージョンを耳にした時は、Weather Report を完コピかと感動し、以来どちらも愛聴しております。
 久しぶりに聴こうと、これを引っ張り出しましたが 改めて見るとドイツの輸入盤でした。ググってみるとヨーロッパ、ドイツ、オーストラリアでの CBSから発売されていて日本やアメリカでは発売されていないようです。なお Vol.2 が出ているのかも検索しましたがヒットしなかったので、2作目構想はあったものの売れゆきが思わしくなかったので頓挫したのかと想像します。ライナーノーツに何が書いてあるのか、さっぱりわからずですが、これも一興。

 

 と、ドイツ語をOCして翻訳かけては非常にめんどくさいので省こうと思っていましたが、今はAIが発達しています。Gemini に二つの画像ファイルをアップロードしてを、日本語に翻訳してくださいと頼めば数秒で面倒な作業が完了しますので、翻訳終わったものを掲載しときます。
ウェザー・リポート(WEATHER REPORT)の軌跡
 ウェザー・リポートは1970年に結成されました。CBSの会長クライヴ・デイヴィスは、彼らの演奏を一度も聴く前から契約を結びましたが、その理由は、メンバー全員がマイルス・デイヴィス・グループの出身であり、並外れて高い芸術的評価を得ていたためでした。ウィーン出身のキーボード奏者ジョー・ザヴィヌルのリーダーシップのもと、バンドは全く新しいジャズのスタイルを急速に確立しました。1971年に最初のLPをリリースすると、ジャズ専門誌『ダウンビート』の読者投票ですぐさま「年間最優秀グループ」の称号を獲得しました。
 もちろん、ウェザー・リポートの音楽的業績は、グループ最大のヒット曲となった「バードランド(Birdland)」だけではありません。ザヴィヌルとウェイン・ショーターを中心に、長年にわたってジャコ・パストリアス、ミロスラフ・ヴィトウス、アルフォンゼ・ムゾーン、アイアート・モレイラ、オマー・ハキムといった革新的なミュージシャンたちが集まり、数々の優れたアルバムを世に送り出しました。
 アルバム『ヘヴィ・ウェザー(Heavy Weather)』は、ジャコ・パストリアスの巧みなベース・プレイのおかげでミリオンセラーとなり、グループを70年代で最も成功したジャズ・ユニットへと押し上げました。「Eurydice」「Elegant People」「And Then」「A Remark You Made」「Hernandu」といった楽曲は、今日ではエレクトリック・ジャズの古典となっています。1983年には初のボーカル曲が登場しました。マンハッタン・トランスファーによる「バードランド」のボーカル・バージョンとは対照的に、彼らはアルバム『プロセッション(Procession)』収録の「Where The Moon Goes」で自分たちの歌声を披露しました。
 ウェザー・リポートは今日、ジャズとロックを決定的に結びつけた音楽史の一部として評価されています。その音楽的多様性は、シンプルでメロディアスなアレンジから、多層的な音の奔流まで多岐にわたり、聴き手に現代ジャズへの新しい理解を促しました。録音から年月が経過しているにもかかわらず、彼らの作品は今なおジャズ愛好家にとって真の傑作であり続けています。また、次世代のジャズ・ミュージシャンにとって、「ウェザー・リポートという科目」は広く愛される必須の学習要綱(カリキュラム)となっています。
 ライナーノーツは Weather Report 入門盤としてのエレクトリックジャズの古典としての解説でした。私も当時は揃えていなかったので Weather Report なんて、どうせそろえるんだからベストなんて買う必要無かっただろ!って思わずに購入したので目的通りです。ベスト・アルバムは資源の無駄と思っていたことも過去ありましたが、金儲け主義の曲の羅列と思われるものも多いですが、企画した人の趣味や意図を感じられるもの、メジャーな中に1曲だけあるマイナー曲で、そのマニアっぷりにニヤリとすることもよくあります。さてこのアルバムにニヤリの要素はあるのか?ライナーノーツからはヒット曲集としての位置づけしか書いてありませんが、それだけなのか?
 聴き直しながら懐かしみながら編集者の偏愛はどこらへんにあるのか聴いて参ります。「Birdland」 最初は一番メジャー級の最大ヒットアルバム Heavy Weather(1977) から、Jaco 参加2枚目のアルバムです。キャッチーなメロディ、編曲で誰もが一度聞いたら忘れられない曲です。Jaco のハーモニックスが粋です。「And Then」 中期のアルバム Mr. Gone(1978) からの曲で、Maurice White、Deniece Williams がボーカルで参加。Steve Gadd がドラムです。ここらへんの時代のフュージョン・バンドは歌物がアルバムに1曲入ってるものが多いのは、Weather Report の影響でしょうか。「A Remark You Made」 Heavy Weather(1977) から2曲目です。Wayne Shorter テナークス(テナー)がよく歌い、Joe Zawinul のシンセ音、Jaco のフレットレスがマッチした派手ではないが味わい深い名曲。「Second Sunday In August」Miroslav Vitous がベース、ドラムに Eric Gravatt)、パーカッションに Dom Um Romãoが新たに加入した2作目  I Sing the Body Electric(1972) で、ワールドミュージック的なスケールを感じる楽曲です。ポップさや派手さは無いですが世界観がすごい。「Herandnu」 Jaco が初めて参加したアルバム Black Market(1976) からの選曲で、この曲は Alphonso Johnson が作曲し、ベースを弾いています。スピーディで流れるようなリズム、アフリカを感じさせるシンセ音、ロックな雰囲気も感じます。カックイイですね。「Tears」しっとりと Wayne Shorter のサックスを聴かせながら段々とエッジの効いたシンセで煽ってくる静かなんだけどエネルギーが途中からドンドン出てくる楽曲です。マイルスのエレクトリック・ジャズ・ロック路線を引き継いだ Weather Report(1971) からの出品。「Elegant People」Black Market(1976)から2曲目の出品。これも Alphonso Johnson のベース。静かにエレガントに始まり、シンプルなテーマ繰り返しですがジワジワと緊張感を出してきて、これも名曲。「Eurydice」ファーストの  Weather Report(1971) からの2曲目です。Weather Report のイメージであるポップさは全くなく、Bitches Brew よりも少しバップよりな感じで Wayne Shorter のサックスが怪しい雰囲気で良い。「Man With The Copper Fingers」Weather Report  のラストアルバム This Is This!(1986) からの選曲です。ベースは Victor Bailey、ギターはCarlos Santana、ドラムはPeter Erskine の布陣で日本人もよくやるタイプのフュージョンサウンドで、聴いてて安心感あります。Santana のギターがメインですが(これを書いて知りましたが)、全くイメージのラテンフュージョン臭さが無いのもビックリ。「Where The Moon Goes」Jaco に変わって  Victor Bailey が参加した Procession(1983) からの選曲。スペースサウンドにアフリカンな変拍子リズムとそちら系のボーカルが入ってボコーダーも使ってしまうワールド・ミュージック・フュージョンです。最後のアレンジは Birdland 意識してる感あります。「Harlequin」Heavy Weather(1977) から3曲目の選曲で、よく聴くとつかみどころが少ないメロディーのスローナンバーですが、メチャクチャ頭にこびりつく名曲です。「Speechless」 Jaco Pastorius のフレットレスのソロに焦点があてられた奥深さが感じられるスローフュージョンです。余り今まで印象に無かった曲なのですが、改めて聴き直すと、ポップ過ぎない、ジャズ過ぎない、ワールドっぽさすぎない、ある意味 Weather Report の良さが詰まっている曲となのかと思いました。Weather Report 81(1982)からの選曲。「Palladium」大ヒットアルバム Heavy Weather(1977) からの4曲目。Jaco のお得意ベース・フレーズにスチールパンが入った大好きな曲です。
 このベストのプロデューサーの意図はよくわかりませんでしたが、導入部分にはヒット曲を起用し、ポップ路線を聴かせながら古いところも、こんな一面もあると聴かせる中々良い選曲と順番であると思いました。
 また、Sweetnighter(1973)、Tale Spinnin'(1975)、Weather Report 81(1982)、Domino Theory(1984)、Sportin' Life(1985) などは持っていないことを再確認したので、どこかで入手していきたいと思います🎶

1. Birdland / Joe Zawinul Heavy Weather(1977)
2. And Then / S. Guest, Weather Report Mr. Gone(1978)
3. A Remark You Made / Joe Zawinul Heavy Weather(1977)
4. Second Sunday In August / Joe Zawinul, Weather Report I Sing the Body Electric(1972)
5. Herandnu / Alphonso Johnson Black Market(1976)
6. Tears / Wayne Shorter Weather Report(1971)
7. Elegant People / Wayne Shorter Black Market(1976)
8. Eurydice / Wayne Shorter Weather Report(1971)
9. Man With The Copper Fingers / Joe Zawinul This Is This!(1986)
10. Where The Moon Goes / Joe Zawinul, Nan O'Byrne Procession(1983)
11. Harlequin / Wayne Shorter Heavy Weather(1977)
12. Speechless / Joe Zawinul Weather Report 81(1982)
13. Palladium / Wayne Shorter Heavy Weather(1977)





  

2026年2月15日日曜日

Norman Brown / After The Storm

 
ジャケ写違いで2枚持ってました

 1作目「Just Between Us」も良いけど、1994年発表の2枚目の本作は、ブラコン的なニュアンスにポップさが加わってより聴きやすい仕上がりです。本作では8曲目 It Costs To Loveなどでボーカルもとっていますが、Georege Benson タイプの歌い方ではないのにホッとしくコンテンポラリーで単にソウル好きな感じがして好感。
 発売は MoJazz と言うレーベルで、1992年に設立、1998年に閉鎖したモータウン系。同じくモータウンの他にもあった Workshop Jazz にも類似したレーベルのようです。MoJazz 所属アーチストは The Crusaders、Terra Sul 、Lionel Hampton、Foley など(The Crusadersしか知らんです)Norman Brown は、このあと 3作目 Better Days ahead をリリースしてからレーベルが閉鎖され、Warner Records と契約しています。


 私のこのアルバム購入は、新譜で即購入ではなく発売から数年以内の購入。当時は今のようにギターレスのアルバムに興味が無くかったので、ギターアルバムばかりを買いあさっていました。その中でも、この After The Storm は、コンテンポラリーな中にファンクな要素の音楽感があり、ギターはジャズ素養がバリバリと入っている作風が、お気に入りのアルバムです。


 それでは全曲聴きながらのレビューです。1曲目「Take Me There」オクターブ奏法全開のギターでコンテンポラリーな曲調、スラップベースに甘い声のバッキング・コーラス で、細かく動き回るギターソロはベンソンっぽいけど好きです。「After The Storm」キラキラとした音色のシンセがイントロから落ちてきて、爽やかなで優しいメロディーのテーマですが、カチッと細かく刻むフレーズとユルユルと流れるフレーズの組み合わせ。さすがテーマ曲です。後半の怒涛のギターソロも素晴らしい。強すぎないアタックなので聴きやすいですね。「 That's The Way Love Goes」 Janet Jackson の1993年の Virgin Record から発表の作品のカバーです(Motown ではないのを先ほど確認)。原曲には、James Brown の「Papa Don't Take No Mess」とThe Honeydrippers の「Impeach the President」をサンプリングされていて、宇多田ヒカルの「Addicted To You」のUnderwater Mixではこの曲のフレーズが使われているので、何かと耳に馴染みがあります。ちなみに宇多田ヒカルの楽曲自体は1999年11月10日のリリースでした。次いで「Any Love」は Luther Vandross のカバーになります。作曲には Marcus Miller も絡んでます。サビでコーラス部隊が参加してきてからインスト曲から歌物に変わってしまうアレンジが素晴らしい。「Lydian」歌ものっぽいノリからコンテンポラリー・ジャズに回帰します。曲名は、音楽で使われる Lydian Scale からとられているのでしょうか。この曲が、そのスケールが多用されているのかはよくわかりませんが。「 For The Love Of You」 Isley Borothers のカバーです。原曲を聴いたことが無かったので特に懐かしむような感想はありませんが、後半からのスキャットとフレージングは、やはり Norman Brown はベンソン好きなのだと再確認の曲でした。「Trashman」こうゆうマーカス的な作風は大好物です。単純にカッコ良いでいいじゃないか。「It Costs To Love」 歌物ですがカバーでは無いようです。スキだからやってます。歌いたいからやってます。自己満でわるいですか感が非常にあります。歌に全力振り切り完成度は高いです。売れなくても良いんです。「Let's Come Together」 イントロからギターのカッティングの音が変わり、シングルコイルの音がしますが、メロディーラインはいつものヤツです。「Acoustic Time」曲名のとおり、アコースティックギターの独奏です。YouTube動画などで Norman Brown の独奏を見ますが作り込みとアレンジが凄いです。「El Dulce Sol」曲名の字面でわかるようにラテン系で、跳ねるリズムにラテン独特のキメを混ぜながらテーマの切れ目切れ目の間が Norman Brown ってこの節回しがクセだなって聴きながら思いました。「Family」特に感想も無いですが、ライブとかで見ると楽しそうな楽曲です。「Man In The Mirror」言わずと知れた Michael Jackson のカバーを独奏でやってるのですが、これが素晴らしい。多分私がギター弾きであることもあって、かなりグサグサ刺さります🎶
 日本のTV番組で演奏している映像がさらに良いので紹介しときます。


Norman Brown : guitars (1, 2, 5, 8, 9, 11, 12), guitar synth piano (1), backing vocals (1), arrangements (1–9, 11, 12), lead guitar (3, 4, 6, 7), rhythm guitar (3, 4, 6, 7), vocal arrangements (6, 8), wah-wah guitar (7), horn arrangements (7, 11), lead vocals (8), programming (9), keyboard bass (9), acoustic guitar (10)
Brian Simpson : keyboards (1, 7, 11), horn idea (7, 11)
Herman Jackson : keyboards (2, 4–6, 8, 12), acoustic piano (8), programming (9), keyboard bass (9)
Crayge Lindesay : vocal arrangements (1), keyboards (3), wah-wah guitar (3), bass (3), drum programming (3), arrangements (3)
Gail Johnson : keyboards (4, 6)
Larry Kimpel : bass (1, 7)
Freddie Washington : bass (2, 4, 6, 8, 12)
Tony Dumas : acoustic bass (5)
James Manning : bass (9)
George Lopez : bass (11)
Ricky Lawson : drums (1, 7)
Land Richards : drums (2, 4–6, 8, 11, 12), arrangements (4–6, 8)
Alonzo "Scotter" Powell : drums (9)
Munyungo Jackson : percussion (1, 4–6, 10, 11)
Gary Bias : alto saxophone (7, 11), tenor saxophone (7, 11)
Reggie Young : trombone (7, 11)
Ray Brown : flugelhorn (5, 12), trumpet (7, 11)
Steve McKeever : vocal arrangements (1)
Lynne Fiddmont-Lindsey : backing vocals (1, 4, 6, 8), vocal arrangements (4, 6, 8)
Bridgette Bryant-Fiddmont : backing vocals (4, 6)
Baby Lee : backing vocals (4, 6)
Arnold McCuller : backing vocals (4, 6)
DeNetria Champ : backing vocals (8), vocal arrangements (8)

executive-producer : Steve McKeever
producer : Norman Brown

released May 17, 1994
recoeded at Winsonic Process & Recording (Beverly Hills, California),Quintus Recording Studios (Hollywood, California)

1. Take Me There / Norman Brown
2. After The Storm / Norman Brown
3. That's The Way Love Goes / Jimmy Jam, Janet Jackson, Terry Lewis
4. Any Love / Marcus Miller, Luther Vandross
5. Lydian / Norman Brown
6. For The Love Of You / Ernie Isley, Marvin Isley, O'Kelly Isley, Ronald Isley, Rudolph Isley, Chris Jasper
7. Trashman / Norman Brown
8. It Costs To Love / Norman Brown, Les Colter
9. Let's Come Together / Norman Brown
10. Acoustic Time / Norman Brown
11. El Dulce Sol / Norman Brown
12. Family / Norman Brown
additional tracks
13. Man In The Mirror

▶ After The Storm




  

2026年2月10日火曜日

Eric Clapton / Unpluggrd


 1992年1月16日MTVの番組「Unpluggrd(アンプラグド)」を収録した盤で、この番組の収録盤は他のアーティストでも人気のとなっています。その人気の火付け役となったのがクラプトンは収録当時46歳で未だスモーカーでした。ほぼエレキしか弾かなくなっていたアマチュアギタリストの私も、このアルバムをきっかけで戦前ブルースを改めて聴き始め、アコースティック回帰した思い出のアルバムでもあります。世界中のアマチュアギタリストでも同じような影響を受けた人は数知れないものと想像できます。カッコ良いのは当然として、万人が聴いて気持ちの良いアレンジ、アマチュアギタリストにも弾けそうなギターのアレンジでもあることが、何度もこのアルバムを聴き返してしまい心に刻まれてしまうことにもなっていると思います。私は札幌在住時に家の近所の同じ歳のバーのギター弾きのマスターと、このアルバムから何曲か土曜の営業終了後に朝まで二人でセッションをしたのも良き思い出となっています。「Tears In Heaven」「Nobody Knows You When You're Down & Out」は録画していますがこのほか「Lonely Stranger」「Old Love」なんかもレパートリーにして年末の常連忘年会では余興の一つとして定番化してました。


 メインで使用しているギターは Stephen Stills から譲り受けたと言う「Martin 000-42」で、後にクロスロード・センター設立のためオークションにて約79万ドル(当時のレートで8,500万円で売却)オープニングではナイロン弦のアコースティックでブラジル的なインスト「Sign」なども披露しています。


 それでは改めて聴きながらレビューしていきます「Signe」ナイロン弦を使ったインストです。優しいメロディーラインでギタリストにありがちな超絶ソロも無くとっつき易いのが素晴らしい。「Before You Accuse Me」Bo Diddley= Ellas McDaniel のカバーで、リラックスしたリズムと基本のブルース進行が心をグッと惹きつけます。誰にでも手軽にできそうな曲なのがアマチュアギタリストにとってはたまらない2曲目です。「Hey Hey」  Big Bill Broonzy で有名な曲で、アコースティック・ブルースを始める時の教科書に出てくるような曲なのが刺さります。「Tears In Heaven」ここでクラプトンのオリジナルで、クラプトンが亡き息子への想いを歌った名曲として知られています。悲しみと思い出が込められたような曲であり、自分で演奏して見るとよく考えられギターと言う楽器の特色を活かした構造で作られたバッキングも素晴らしい曲かと思います。「 Lonely Stranger」 このアルバムの書下ろしの新作で、ナイロン弦が活躍しています。噛みしめるように歯切れよく刻まれるギターと味わい深い歌部分も良くて思わずギターも練習しながら自分でも歌ってみたくなる曲です。「Nobody Knows You When You're Down & Out」Jimmy Coxのクラシカル・スタンダードなブルースで、古き良きアメリカって感じが良く出ています。「Layla」様々なアレンジで演奏されるクラプトンの代表曲ですが、このアコースティック・バージョンではこう来たかとニヤッとする人も多かったでしょう。改めて、引き出しの多さ、アイデアも大事なのだと思わされます。「Running On Faith」 Jerry Lynn Williams の作曲のクラプトンの代表的なブルースナンバーです。ここではドブロで、スライドを使用したギターが印象的です。でもスライドで難しい技術は使われてもいなくて、キチンと基本のフレーズだけでも、これだけ表現できるのだと兄貴が全世界の弟子ギタリストに教えてくれている感じですね。カッコ良いですね。「Walkin' Blues 」 Robert Johnson のスタンダード・ブルースで様々な人に歌われていてわかりやすい名曲ブルース更に兄貴は解りやすく解説してくれているような感じに聴こえます。「Alberta」トラディショナル・フォークってヤツで誰にでも親しみがわくメロディーです。ゆったりとしてジャカジャカとギターを弾いて歌うのには良いですね。そのうち、これも練習しようと思いました。「San Francisco Bay Blues」コンサートを盛り上げてくれるカントリーブルースです。おそらく聴いているアメリカ人に一緒に歌おうぜみたいな感じなのでしょう。誰でもできる楽器「カズー」を使っているのもアイデアですね。久しぶりに聴きました。「Malted Milk」やはりブルースマンは Robert Johnson なのです。マイナーなナンバーですが現代版で聴きやすいアレンジが素晴らしい。「Old Love」Robert Cray が JOURNEYMAN の為に書いた楽曲でシリアスで演劇的な楽曲のブルースです。これは練習しましたが独りでやっていると単調になりがちでしたので、ダイナミックをどうつけるか工夫が必要でした。「Rollin' & Tumblin'」最後は McKinley Morganfield = Muddy Waters の古典です。ドブロを使ってラフにジャカジャカが気持ち良いです。
 久しぶりに聴いてみましたが、このアルバムから何曲か練習したこともあって細部も私の頭の中にずっと残っている思い出の素晴らしい一枚で久しぶり感は無く聴けました。アマチュア・ギタリスト必携の一枚🎶

guitar, vocals : Eric Clapton
backing vocals : Katie Kissoon, Tessa Niles
keyboards : Chuck Leavell
guitar : Andy Fairweather Low
bass, backing vocals : Nathan East
drums : Steve Ferrone
percussion : Ray Cooper

producer : Russ Titelman
recorded by : Jim Barton

1. Signe / Eric Clapton
2. Before You Accuse Me / Ellas McDaniel
3. Hey Hey / Big Bill Broonzy
4. Tears In Heaven / Eric Clapton, Will Jennings
5. Lonely Stranger / Eric Clapton
6. Nobody Knows You When You're Down & Out / Jimmy Cox
7. Layla / Eric Clapton, Jim Gordon
8. Running On Faith / Jerry Lynn Williams
9. Walkin' Blues / Robert Johnson
10. Alberta / Traditional
11. San Francisco Bay Blues / Jesse Fuller
12. Malted Milk / Robert Johnson
13. Old Love / Eric Clapton, Robert Cray
14. Rollin' & Tumblin' / McKinley Morganfield

▶ Before You Accuse Me




  

2026年2月5日木曜日

Soulive / Up Here


 2009年に結成10周年となったソウライヴのスタジオ録音盤では通算8枚目のアルバムで、音は少し重量級に変化しています。発売は Royal Family の1枚目です。発売レーベルは1999年デビュー盤から Royal Family で2枚、メジャーの Blue Note で2001年から2枚+ライブ1枚+コンピ1枚、2005年 Concord、2007年 Stax 1枚、そしてこの Up Here が2009年。スタジオ3枚、ライブ2枚を発売しています。
 オルガン・ジャズ・インスト・ファンクが基本なので、ベースは無しのギター、ドラム、ギター、オルガンの基本構成に活動していましたが、前作 No Place Like Soul は、ボーカルのToussaint が加わって路線を変えたかと思いましたが、世の中では、賛否両論の否のほうが若干強めだったせいか、ボーカルナンバーを控えめにしたようです。ブラスは元々ゲストで参加している曲が多かったので全く気になりません。
 本作ではファンクナンバーは、ブラスもタイトにアレンジで、アルバム自体は力強いサウンドが良い。最初はもの足りなかった印象ですが再度聴くと聴きごたえのある良いアルバム。
 

 それでは全曲再度聴きながらレビューです。「Up Right」オーソドックスなジャズ・ファンクにブラスの加わって、現代風のダンサブルなビートも見えるナンバーで展開はソウライブ感があります。「The Swamp」ずっしりと重いビートに合わせピーピピとなる、オルガンの音が印象的です。音のうねりに合わせてギターがメロディを入れてきて、スパニッシュを感じるギターのリフが出てきたりします。「Too Much' 」ボーカルの Nigel Hall が張りのある歌声なので、JB的なノリですがBメロ部分で古き良き響き入っているのも何か懐かしい感じがします。コーラスもばっちり決まってます。「Backwards Jack」リフのベースラインの上下運動が気持ち良い曲です。テーマに明確なメロディ使わずにコードで曲が変化していくのが怪しい雰囲気のアシッドっぽい曲調になっているのも良いです。「 PJ's」は、Eric Krasno が弾きたい泣きのギターを思いっきり、ためてためて情を入れた曲になります。ゴリゴリのギターの印象の強い方ですが、泣きのギターも聞かせどころをわかっていらっしゃる。いや素晴らしい。「Tonight」懐かしきJBサウンドが、リフで Alan Evans が、身体を細かく震わせながら歌っているのが聴きながら見える気がします。ホーン部隊も絶好調ですが、このベースラインをオルガンのペダルだけで演奏しているのは驚異です。気持ち良し。「Hat Trick」これこれ、」このゆったりとしたグルーブと流れがソウライブらしいので安心します。こんな曲だとライブでは観客全体が揺れるんだろうなあと想像できます。「For Granted」ボーカル無しのJB+Grant Green パターン、流れるように出てくるギターやオルガンのお決まりフレーズが決まってます。サックスソロも良きです。ボーナストラックを除いて最後の曲は「 Prototype 」で、ドラムの Nigel Hall がボーカルをとります。歌いたかったんでしょう。スキなんでしょう。わかります。理解できます。そしてボーナストラックに突入「El Ron」サイケでダーク。観客の声が入っているのでライブ録音ですね。Steady Groovin' では、もっとストレートにゴリゴリのアレンジでした。「Reverb」もライブ録音です。スタジオ録音は Break Out に入ってます。イントロは何か違うダブの曲か何かを使っています。この録音はスタジオ盤のアレンジに近いものの、ビートのアクセントが変わっています。いやいや、このバンドやはり奥が深いですね🎶

drums : Alan Evans
guitar : Eric Krasno
keyboards : Neal Evans
sax : Ryan Zoidis, Sam Kininger
vocals : Nigel Hall (tracks: 3,9)

produced by Soulive
2009 Royal Family Recordings

1. Up Right
2. The Swamp
3. Too Much' (vocals : Nigel Hall)
4. Backwards Jack
5. PJ's
6. Tonight (vocals : Alan Evans)
7. Hat Trick
8. For Granted
9. Prototype (vocals : Nigel Hall)
【Bonus Tracks】
10. El Ron
11. Reverb


▶  PJ's



  

2026年2月1日日曜日

Bill Evans Trio / Explorations


 1956年に最初のリーダーアルバム「New Jazz Conceptions」を録音し、ポール・モチアンとスコット・ラファロの歴史に残るピアノトリオ。1961年2月に録音し、Riverside からリリースしたアルバムです。Riverside 4部作と呼ばれる作品のうちの一枚で、他作品は Portrait in Jazz(1959年12月28日)、Waltz for Debby(1961年6月25日 ライブ録音)、Sunday at the Village Vanguard(1961年6月25日ライブ録音)。そしてメンバーの Scott La Faro の交通事故死は同年の7月とエヴァンスにとっては怒涛の1961年です。
 ちなみに「Explorations」とは「探求」です。派手ではありませんが、シンプルな美しさがあり、即興性に満ちたインター・プレイで緊張しつつ音を探求し、テーマに戻るといった聴いている方も落ち着く盤であり、このアルバムが一押しのファンも多いようです。


 それでは、全曲を再度聴きながらレビューです。「Israel」トランぺッターで作・編曲家としても知られる John Carisi の書いたマイナー・ブルースです。非常に端正で正調でアーティスティック。枠は崩さずしてピアノで引っ張りながらも各楽器が派手さはないものの有機的に曲を形成していく名演です。2曲目はバラード曲の「Haunted Heart」で、Arthur Schwartz 作曲の作品です。ピアノの音の響きをイントロで楽しませながら、徐々に Scott La Faro のベースが曲に輪郭を付け加え、Paul Motian は、二人の演奏を聴きながら、そっと効果音のようにブラシをこする。3分28秒と短いのですが余韻が長い。「Beautiful Love (take 2)」は、うって変わってリズミカルなトリオ演奏です。最初は律儀にテーマに沿っていますが、軽くステップを刻むようなリズムで、自然に発生するかのような Scott La Faro のベースソロ、Paul Motian のシャコシャコとしたブラシは軽いながらもリズムでこの曲の良さを引き出しています。実に気持ちの良い演奏です。「Elsa」では、少し流れを変えてアートな世界に没入します。ピアノの音にそっと寄り添うベースとドラムが妙に気持ち良い。エバンスのピアノも音数少な目にベースとドラムを聴きながら、そっと出番を譲りながら曲を引っ張っていきます。最初に聴いた時には、いささか退屈と感じたのですが聴きこむとなかなかのスリリングさ。「Nardis」マイルス作品で、最初は心地よく響きますが、曲が進むとテーマはなんのそのと難解になっていく感じです。「How Deep Is The Ocean?」オリジナルは1932年に Irving Berlin が、コメディドラマの Mammy の為に欠いた曲で軽いテンポの明るい曲調で、最初に弾かれるピアノでのテーマらしきものから、全くそれとは違う崩した旋律と明るさの質が全く違う曲調となっていて、最後にやっと原曲に近いメロディが顔を出すように聴こえますが、原曲を再度聴いたうえで、何回かこの曲を聴き直すとピアノの旋律の裏に原曲の歌部分がうっすらと見え隠れします。「 I Wish I Knew 」1945年に Harry Warren が作曲し、ミュージカル映画Billy Rose's Diamond Horseshoe のサウンドトラックとして作られスタンダード曲として定着した曲です。これは原曲が軽快に歩いていくような感じであるのが、そっと一歩一歩静かに歩いていくような曲に変わっています。何の変哲も無いように聴こえますが、一つの曲を三人が支える様に一体感があり秘かに素晴らしい。「 Sweet And Lovely」ここでアップテンポに所謂ジャズらしい演奏になりますが、テーマが終わってアドリブに入ってから Paul Motian のドラムがしばしば無音になり、その無音の間にアドリブがうねるように進行しまたドラムが入ってきてを繰り返します。演奏をしていないのに無音が一つの主役になってるような天才的な展開の曲かと思います。「Beautiful Love (Take 1 )」  3曲目のTake2の方が若干崩し方が冒険的でこちらの1テイク目の方が正調な感じでしょうか。細かな構成の違いもあるんでしょうが、そこは本職のピアニストの方やマニアに任せて心地よく聴く、これが庶民には一番です。「The Boy Next Door」1944年に公開された「若草の頃(Meet Me in St. Louis)」という映画の劇中歌でハリウッド女優 ジュディ・ガーランド(Judy Garland)が歌っています。イントロ、テーマ部分から自由に飛んでいきそうな素振りを見せて、アドリブに入るとドンドン舞い上るような上昇するスケール使いの多用は少し珍しいエヴァンスかもしれない。なかなか面白演奏です。曲名で間違いそうになったのですが、ジェニファー・ロペス(Jennifer Lopez)出演する「戦慄の誘惑」が「The Boy Next Door」という題名であります。こちらの映画青年からのストーカー被害を描くスリラー映画で、なるほどそれでこの題名になったのかと。お隣の彼に対する恋心を歌った曲とは大きく異なるようです。
 この人の演奏が好みではないと言うひねくれ者が私の周りには多かったので、いろいろなエヴァンスの聴き比べを真剣に行っていないので何とも言えないですが多分このアルバムはは、落ち着いて聞けてかつ面白い演奏も聞ける部類だと思いますので、お気に入りの棚にこれも入れときます🎶
 あと忘れないうちにメモっとくと重要人物の一人、プロデューサーの Orrin Keepnews は、1953年に Riverside Record を設立しほとんどのアルバムにプロデューサーとして関わっていた人物で、 Riverside Record では Thelonious Monk, Cannonball Adderley, Nat Adderley,  Montgomery, Johnny Griffin, Jimmy Heath などと契約し、順風満帆であったが、財政面を管理していた Bill Grauer が1963年に心臓発作で急死。リバーサイドも1964年夏に倒産。1966年に Milestone Records を設立しています。

piano : Bill Evans
bass : Scott La Faro
drums : Paul Motian

producer, liner Notes : Orrin Keepnews
recorded at Bell Sound Studios
recorded in New York City on February 2, 1961.

1. Israel / John Carisi
2. Haunted Heart / Schwartz & Dietz
3. Beautiful Love (Take 2) / Egbert Van Alstyne, Haven Gillespie, Victor Young, Wayne King
4. Elsa /Earl Zindars
5. Nardis / Miles Davis
6. How Deep Is The Ocean? / Irving Berlin
7. I Wish I Knew / Harry Warren, Mack Gordon
8. Sweet And Lovely / Gus Arnheim, Harry Tobias, Jules Lemare
9. Beautiful Love (Take 1) /  Egbert Van Alstyne, Haven Gillespie, Victor Young, Wayne King
10. The Boy Next Door / Hugh Martin, Ralph Blane

▶ Israel