2025年3月30日日曜日

The Suicide Machines / Destruction By Definition


 殺人マシーンなんて過激な名前で、カオスなライブの状況を物語るジャケットです。私、今は基本的にノージャンルで音楽は聴く人となりましたが、時代によってハマっている音楽は異なります。少年時代は当然ロック小僧で、ハードロック主体に、密かにパンクを、大学時代以降ジャズ・ブルース・ファンク系が聴く音楽の主体となり。ロック系から遠ざかっていたんですが、いったん30代でスカパンクにハマった時期がありまして、その時期に買い求めたもののほか、オヤジになっても買ってたりします。The Suicide Machines 意外だとSmash Mouth / Fush Yu MangKemuri / Little PlaymateKemuri / Alive the tracks from the last tour ”our PMA 1995-2007”Ska Ska Club / Twelve Ways To Go なんてとこがあったりします。
 The Suicide Machines の曲は、全曲5分以内、ほぼ2分以内の超ショートなマシンガン的なスタイルの曲を大量に羅列するタイプです。本アルバムの収録曲は16曲、2枚目の Battle Hymns は22曲です。本アルバムの方がスピード感ありますが軽めの印象です。
 
 
 
 

 ライナーノーツも白黒の写真と殴り書きの切り張り風で、いかにもパンクな感じがイカしてます。このヤジオの歳になったら、この手の音楽のライブとかに行くのは体力的に限界かと思いますが、未だに聴けば活力が出てくるような感覚はあります。
 今は昔気持ち悪くて聞けなかった、演歌もなんかも好んで聴くことはありませんが許容できるようになってきましたし、フリージャズ、果てはノイズまで、いけるようになりました。嗜好と感覚が昔とは違ってきているけど、昔聴いていたものは、やはり頭が快感だった頃を覚えているようです。果たして、70歳ぐらいになっても懐かしんで聞いてるのだろうか?70まで、これを書き続けていたら、その時にまた是非80まで聴けるんだろうか?と書いてみたいです🎶

vocals : Jason Navarro
guitar, vocals : Dan Lukacinsky
bass, vocals : Royce Nunley
drums, vocals, piano, organ, clavinet : Derek Grant
tenor sax : Larry Klimas
trombone : Vinnie Nobile

produced by Julian Raymond, Phil Kaffel, and The Suicide Machines
all songs written by The Suicide Machines except "I Don't Wanna Hear It" by Minor Threat
recorded November–December 1995 by Phil Kaffel with assistance by Alex Reed and Krish Sharma

1. New Girl
2. SOS
3. reak The Glass
4. No Face
5. Hey
6. Our Time
7. Too Much
8. Islands
9. The Real You
10. Face Values
11. Punk Out
12. Vans Song
13. Insecurities
14. Inside/Outside
15. Zero
16 So Long(I Don't Wanna Hear It)/ Minor Threat





  

2025年3月29日土曜日

Chris Daniels & The Kings / is My Love Enough


 ブルースに凝って買い漁っていた時期にタワーレコードかなんかで購入で中古では無い気がします。中身は、いかにもアメリカンな、ひたすら明るいファンク色の強いジャンプ・ブルースを基調のブルース・ロック。楽し気な雰囲気はジャケのイラスト通り。この人については相変わらず情報は乏しいです。
 Chris Danielsはコロラド初のジャムバンドと呼ばれたキングスのバンドリーダーで「コロラド音楽のアイコン」と言われる人とあります。バンドは14枚のアルバムをリリースし、米国でのツアーや21か国ののヨーロッパツアーをやっていたり、バンド名義でのブルースフェスなどの出演経歴から見れば、日本人の私がマイナーと思っていても、アメリカのブルース界では、結構なメジャー級なかたかと思われます。若い頃に組んでいたバンドのメンバーでは New York Dolls のボーカルの David Johansen もいたとのことで、こちらは超メジャー級。(David Johansen は、2015年2月14日ニュースで75歳になっており、ステージ4の癌とのこと)


 経歴を読んでいくと中々のインテリで、音楽活動をやっていたもののバークリー音楽大学とマカレスター大学に通ったとあり、1995年から2000年までスワローヒル音楽協会の事務局長を務め2002年にアラパホ・コミュニティカレッジの非常勤教授となり、コロラド大学デンバー校の学部に加わり、音楽ビジネスプログラムのエリアヘッドを務めているとあります。やっている音楽もきっちりしていますが、セールス的な成功ではなく音楽を職業とすることでも成功をつかんだ人であることが伺えます。


 アルバム全曲レビューはいいかなって感じです。改めて聴いて、ジャンプ・ブルースって感じではなく、ZZ Top っぽいギターにブラスを取り入れたブルースロックで、Kenny Loggin っぽい歌い方の曲なんかもあります。また Sing Sing Sing をやっているのは少しインテリっぽいくて、いかにもアメリカ。私のブルース収集時の冒険購入は、もっとマイナーなド・ブルースが多いので、これは違った方向での冒険してましたね🎶

electric acoustic guitar, synth, slide guitar, vocal : Chris Daniels
drums, vocals : S.Watson Soell
string(4,5), bass, vocals, piano, synth, acoustic guitar, 7strings guitar : Kevin Lege
baritone sax, tenor sax, bass sax, bass clarinet : Philip Mcclard
alto sax, flute : Carlos Chaves
flugle horn, mute trumpet, pocket trumpet : Forrest Means

1. Jackhammer
2. Is My Love Enough
3. Addin' Up
4. Hip & Thigh
5. Congo Square
6. Stealin' Candy
7. Three Straight Days Of Rain
8. Somebody's Messin'
9. Not Dead Yet
10. That's Why They Call It A Party
11. Sing Sing Sing
12. The Heart Of Saturday Night





  

2025年3月28日金曜日

Thelonious Monk Quartet, John Coltrane / At Carnegie Hall


 
 このアルバムはアメリカの国営放送局の Voice of America の国際放送サービス部門が残していたオープン・リール・テープの音源をデジタル変換作業していた際に発見されたものです。Monk が Bud Powell のヘロンイン所持を庇ってキャバレーカードを没収されたのが1951年、その後NYエリアでの演奏活動が出来ずにいたが、マネージャーの Harry Colomby と ニカ夫人の尽力で1957年に奪回し、NYでの活動を再開し、Coltrane と1957年7月18日から12月26日までマンハッタンの Five Spot で活動することになります。それが恐ろしく音の悪い未発表音源の The Thelonious Monk Quartet Featuring John Coltrane / Live at the Five Spot Discovery! (1957) で、そのほか、同年の4月6月7月で、二人のセッションが録音されているのが、Thelonious Monk With John Coltrane (1957-1958)Thelonious Monk Septet / Monk's Music (1957) になります(私の所持音源では)
 Coltrane も有名なヘロインのジャンキーで、1957年にマイルス・バンドを1回クビになっています。1957年のはじめ、Café Bohemia 出演の時、Coltrane が全く無反応だったのにマイルスは頭をひっぱたき、腹にパンチをいれ仲裁に入ったのが Monk だったとも。自身は薬物はやっていなくても、色々な事件の影に薬物があり、この時代のアメリカは映画のような世界だったようです。ニカ男爵夫人の著書で、Monk の3つの願いは、1.音楽的に成功すること、2.幸せな家庭をもつこと 3.君のようなクレイジーな友人をもつこと。ニカ夫人以外の友達もクレイジーだったようですが。


 さて、この録音に戻ります。1957年11月にNYの Carnegie Hall で行われたライブ録音です。レギュラー出演の Five Spot とは別の場所でのライブ録音となっています。【Early Show】は、PM 8:30 ですから、遅い開始となります。このアルバムに収録は、Monk's Mood、Evidence、Crepuscule With Nellie、Nutty、Epistrophy の5曲で、1時間に満たないので、おそらく録音全てが公開されてはいないと思うので、ほとぼり冷めた頃に完全版が発売されるのでしょう。多分未だ出ていないと思います。音は結構良いのですが不満は若干あり、最後に書いときます。Monk's Mood は、最初は長めのピアノソロから始まり、 Coltrane が吹きまくる、ほぼデュオで始まります。ベースが弓弾きで控えめに入っていますがドラムは休みで幻想的な曲になっていて、まさにショーが始まる演出もばっちりです。Evidence では、ドラムも入ったキッチリとしたコンボ演奏です。Coltrane が相変わらず吹きまくるので、Monk の独特の和音と入れるタイミングは誇張しすぎず、調和のとれたバッキング。でもピアノソロ部分では思いっきり、あのタイミングを入れてくるので、それに合わせ Coltrane が単音を入れてきますが、Monk に少し遅れて入れてくる掛け合いが何とも楽しいです。Crepuscule With Nellie では、個人技よりもバンド・アンサンブルとしてモンク節の効いた演奏になっています。盛り上がってきたところで、Nutty です。ドラムの 
Shadow Wilson が、ドシャっとした音ですが上手い方だと、ここで気づきます。いつもの
Roy Haynes だと、もう少し四角い感じでリズムキープに徹する感じと対照的で、次のEpistrophy だと、もっと顕著に違います。シンバル・ワークとか曲の随所で細かい芸があります。でも演奏的には上手すぎて、どこか、ぎこちない感じがするような、いつもの演奏も良いもんなんだなと、聴きながら思ってしまいました。
 CDだと盤は変わりませんが【Late Show】は午前0時スタートです。電車で帰るという感覚が無いのでしょう、NYの遊び方は時間の感覚が日本と異なるようで遅すぎです。Bye-Ya 正統派なバップで、ここでもドラムのパーカッションが居るかのような細かな技、Coltrane の流れ出る音符に、Monk の感性が一つの音楽を創り出し説得力があります。と思っていたら次の Sweet And Lovely の朗々とした演奏もまた別の趣。長めの緩やかな演奏を静かに聴いていたら、途中からテンポ・アップにハッとさせられるのも面白い仕掛けかなと思います。ここら辺は Coltrane が居るならではの構成ではないでしょうか。長めの9分34秒です。そしてBlue Monk は、お馴染みのモンク・ナンバー。演奏し慣れている感じが十分に伝わる軽々した演奏で、テーマとソロ部分も変わったことはせずに、きっちりと演奏しきっていて安定感があります。最後は Early Show のラストでもあった、Epistrophy で締めくくりです。同じ曲でありますが Early Show はパーカッシブなイントロであったのに対し、Late Show では、アーシーなアレンジです。このタイプの演奏は Monk では珍しい気がします。ピアノソロに入ったところの2分24秒でフェイド・アウトはもったいない。あと30秒ぐらいは欲しかったです。🎶
 聴き終わりましたが、残念なことは、本CDは、PCでは普通に再生できない東芝EMIのセキュアCDであったこと。PCでの再生用のプログラムも動かず、私のPCでは再生できませんでしたが、幸いこのアルバムは別の方法で音源が入手できました。しかしこのほかに、Ben Harper / Both Of The Gun, Sony Music からの 小沼ようすけ / Jazz'n' Pop なんかは、全く歯が立ちませんので、盤はあるのに1回も聴けない状態です。よく見て買えよって話しですが、この盤を購入した人だけ「音質は落ちるけどストリーミングできるIDを入れておく」とかの何か救済措置はできないもんなのか。著作権は守らなければならないのでコピープロテクトは良いとしても、機器によっては全く再生できず、データを見ることもできないでリスナーを狭めるような技術の片手落ちのような音源の作り方はどうなのかな、日本盤を買わなければ良かったな、と思ってしまいます。残念
piano : Thelonious Monk
tenor sax : John Coltrane
bass : Ahmed Abdul-Malik
drums : Shadow Wilson

producer (concert) : Kenneth Lee Karpe
recorded by, engineer (Voice Of America) : Harry Hochberg
art direction, design : Burton Yount
ilustration (cover) : Felix Sockwell

recorded on November 29, 1957 by Voice of America at Carnegie Hall, New York City.
This concert was produced for the benefit of the Morningside Community Center.
The original recordings were engineered by Voice of America.
Tape preserved and provided from the collections of the Library of Congress.
24-bit/192 kHz digital transfer from the original 15 ips mono analog tape,
Sonic Restoration, Forensic Editing™, and Pre-Mastering by Transfer Master.

【Early Show PM8:30】
1. Monk's Mood / Thelonious Monk
2. Evidence / Thelonious Monk
3. Crepuscule With Nellie / Thelonious Monk
4. Nutty / Thelonious Monk
5. Epistrophy / Kenny Clarke, Thelonious Monk
【Late Show AM0:00】
6. Bye-Ya / Thelonious Monk
7. Sweet And Lovely / Charles N. Daniels, Gus Arnheim, Harry Tobias
8. Blue Monk / Thelonious Monk
9. Epistrophy (Incomplete) / Kenny Clarke, Thelonious Monk


▶ Nutty



  

2025年3月27日木曜日

Dulfer / Hyper Beat


 1995年の発売当時は、トヨタのRV4のCMで、視覚的にも音的にも情報が入ってきました。そしてフュージョン大好き人間だったので、このタイプの音楽もカッコ良いと思ったことは思いました。しかし何か違うものを感じて、当時購入することはなく、おそらく10年以上経ってから、中古でこの盤を見つけて手にしたはずなのでリアル・タイムでの購入ではありませんでした。そう思い返すと1995年グ以来の時は、バス釣りにハマっていて、車の購入にトヨタのRV4もどうしようかと思いながらも、ホンダのCRVを購入、休みの日には夜明け前に起きて、爆音で音楽を聴きながらバス釣りに行っていたことを思いだします。


 このアルバムの作者は Hans Dulfer で、1940年オランダ生まれ。フュージョン・コンテンポラリー系、娘さんの Candy Dulfer もコンテンポラリー系のジャズで有名なサックス奏者です。他のアルバムについて聴いたことはありませんが、ファンクやパンク・ロックの色合いの濃い音楽性があり、自身のアルバム以外にも様々なセッションに参加しているようです。


 本CDは、日本のみの独自編集版のEPで、Hyper Beat の3種類のリミックスと、Mickey Mouthを含む4曲を収録しています。Hyper Beat ついては、1曲目は、1930年代のスイング・ジャズのリフを使用して、ラップを取り入れながらの印象の濃いサックスのリフを繰り返す、ジャズ・ヒップホップ。2曲目は、重めのリズムに歪みかかったベース、ホーハードロックタイプのドラム、ラップ無し。3曲目 Double Dutch は、テクノっぽいリズムにのせて、打ち込みかサンプリングした切れ目の無いベース・リフを連続させる手法で、1、2曲目目の Hyper Beat には無かったアドリブを入れています。Grand Slam は、完全にプログラミングで作成したヒップホップのトラックにのせて、速いリフで軽快な楽曲。Hyper Beat に次いで色々なシーンで使い勝手が良さそうな楽曲。Valley People も、プログラミングで作成したヒップホップのトラックに、ダル目のサックスでのアドリブをのせる手法ですが、ねちっこいサックスにしています。ラップは味付けに使っています。Mickey Mouth は有名なので、このポップなリフは聴いたこともある人が多いはず。オジサン、オバサンはこれで踊り狂った人も結構いるでしょう。派手でキャッチーでポップ、ラップ愛好者にも受け入れられるセンス抜群の楽曲です。最後の、Hyperbeat (Rav4 Mix) は、基本は1曲目と同じなのですが、ラップでしつこく「Rav4」を連呼するトヨタの手先のような楽曲になっています。
 全曲レビューはする気が無かったのですが、懐かし過ぎて書いちゃいました。お祭り騒ぎ全開で、これはこれで楽しいです。昔のスイング・ジャズの要素もしっかり入れての近代的な音への展開・・・といっても1995年ですから約30年前ですか🎶

1995 EMI Music Holland

1. Hyperbeat (Single Version)
2. Hyperbeat (Ace Mix) 
3. Double Dutch
4. Grand Slam
5. Valley People
6. Mickey Mouth
7. Hyperbeat (Rav4 Mix) 





  

2025年3月26日水曜日

Bob Marly / Volume Two- Riding High


 Bob Marly(ボブ・マーレイ)のベスト盤シリーズの2枚目。このシリーズ「The Collection」という往年のアーチストのベスト盤を、かなりいい加減な作りで販売しているシリーズでタイトルのつけ方が自由奔放です。
 よく見てください。変なことに気づきます。3だけアラビア数字だったり、副題の Stir It Up が one と four に使われていたりしてます。曲名がアルバム名にもなっているかと思いきや、1,4番目のアルバムは Stir It Up ですが、4番目のアルバムに Stir It Up は収録されていません・・ジャケットのデザインをアルバイトに任せていたらこうなったのでしょうか。当然、詳細な解説のあるライナーノーツが入っていることは無く、裏面に曲が書いてあるだけのペラペラの紙がだけです。ただ、あっさりとした作りですが海賊版では無いようで、版権切れの楽曲を集めた廉価版と思われます。そんな廉価盤なので、音が悪いとか、選曲がどうだとかは気にせず、ボブ・マーレイの Put It Out ってどんな曲だっけか?と思った時に聴ければ良いわけで購入したことに背徳感、後悔、不満はありません。

ボブ・マーレイ博物館

 さて、ボブ・マーレイと言えばジャマイカ。ジャマイカと言えばアメリカ大陸の中央に位置してカリブ海にある島国です。欧米人が美しいカリブ海を求めて訪れるリゾート地としても人気があり、手つかずの山や海など大自然を体験できるアクティビティも豊富です。 公用語は英語、年間を通じて20℃以上と温暖な気候です。首都はキングストンで、ボブ・マーレイ博物館は観光名所になっているようです。
 ただレゲエとリゾートとしての明るい文化の反面、2022年の世界の殺人発生率 国際比較統計・ランキングでは、ジャマイカは2位の53.11件/10万人、で1位はタークス・カイコス諸島の76.34件/10万人、3位は南アフリカの43.72件/10万人となっていて、1959年にはイギリスから自治権を獲得してから65年が経過しているのに、治安に不安が残るようです。


 Bob Marly の活動は Bob Marley And The Wailers でバンドで活動していました。The Wailers(ウェイラーズ)は、1963年に Peter Tosh、Bob Marle、Bunny Wailer の3人で結成したバンドで Bunny Wailer の名前を冠していますが、1974年に Peter Tosh、Bunny Wailer は脱退してしまい本人不在のまま、Bob Marley And The Wailers にバンド名を改めて、新たなメンバーでツアー活動を開始しています。
 Bob Marley And The Wailers は、ラスタファリ運動の思想を背景として音楽・思想を語り続けています。ラスタファリ運動とは、1930年代にジャマイカの労働者階級と農民を中心にして発生した宗教的思想運動で、宗教ではなく一握りのエリートによって支配され、社会的に抑圧されたジャマイカ市民による抵抗運動です。
 アルバムのレビューは、今更良いですかね🎶

1. Riding High
2. Mellow Moods
3. There She Goes
4. Put It Out
5. Fussing And Fighting
6. Duppy Conqueror
7. Try Me
8. No Sympathy
9. Treat You Right
10. Chances Are
11. Hammer
12. You Can't Do That To Me
13. Touch Me
14. How Many Times





  

2025年3月25日火曜日

Jimmy Smith & Wes Montgomery / Jimmy & Wes: The Dynamic Duo

 

 私目的のアルバムに目星をつけて購入することは少なく、適当に中古屋で見て購入していくスタイルなので、購入したものの1回聴いて、こんなものかと思って数年聴かないアルバムも多数あります。ウェスに関して言えば適当に購入したものが、当たりを引いていないので、意外とつまらない録音が多いのだなと言う感覚でした。適当ではない購入での一番のお気に入りは死後の発掘盤である Echoes Of Indiana Avenue (2012) が一番のお気に入りで、他つまらない作品については私の先入観なので記述はあえてしません。
 このアルバムは存在を知ってから、購入リストに入れていて中古屋で先日巡り合えたので、おっ発見 と思って手に入れました。暫く家で寝かせてから、いつもの音楽好きの集う「おでんバー」に持って行き開封しました。出だしはキレも良くカッコ良いビッグ・バンドをバックに、ご機嫌な演奏であることを確認していましたので期待しながらのご対面です。が、隣に座っていた常連の若い女子カメラマンと話しが盛り上がり、グイグイと飲んでしまったので、実は2曲目以降は、ほぼ内容を覚えておりません。


 しかし1曲目はとにかく好印象。帰ってきてから酒無しで聴いてみると・・・やっぱり好みの音で、素晴らしいアルバムでした。録音は1966年9月の21、23、28日の3回に分けての Van Gelder Studio での録音。1,2,4 曲目は Oliver Nelson のアレンジによるビッグ・バンド、3, 5曲目は、オルガン、ギター、ドラム、パーカッションになります。
 記憶通り、Down By The Riverside の突っ走りっぷりが、最初から勢いがあります。Oliver Nelson のビッグ・バンドは、鋭い切れ込み方のあるアレンジで迫力があり、Jimmy & Wes の二人のソリストが登場するまでを、大いに盛り上げてくれます。テーマが終わるとホーン部隊はスッと引いて Jimmy Smith 登場です。最初から飛ばし過ぎてはいませんが段々と熱が入ってくる感じです。Wes Montgomery のバッキングも四つのカッティングではなく、単音、オクターブ奏法を混ぜながらの歯切れの良いコード弾き。Jimmy Smith の頂点の盛り上がりでは細かなリズムでハモンドに絡み、ギターソロにつなげます。ソロ分では驚異的なオクターブ奏法のフレーズを連発しながら発展していき、コード・ソロの部分が最高です。長尺で十分に演奏を聴かせてくれます。またドラムの Grady Tate のノリノリのドラムのキレが良く、アレンジもドラムが遊びやすいアレンジなのでしょう。前半のテーマ部分はドラムの為のようなものに聞こえます。とにかく最高です。Night Train 1曲目が飛ばし過ぎたので、テンポを落としたブルースの2曲目は地味に聴こえます。Oscar Peterson Trio でも有名な曲ですが、Jimmy & Wesの方がブルースが強い8ビート・シャッフルで重いアレンジです。2回目のテーマは Blues March を模している感じで強めのビートにして印象を強烈にしながらの Wes Montgomery のソロです。1曲目と同じような対比のさせ方です。ソロのバックでブラス部隊が多めに出てくるのも1曲目との違いです。Wes Montgomery は、ブラスがバックで出てくるとブラスの音圧に負けないようにするためか、オクターブの細かいフレーズで対応するところが聴きどころでもあるように思います。James & Wes は、ブラス抜きの二人のセッションです。Jimmy Smith の他のアルバムをあまり持ってはいませんが、ベーシストを入れた演奏も多くペダル・ベースが聞き取れなかったので、足技は使わない人かと思っていましたがここでは聞き取ることが出来ます。交互にとられるソロの技を楽しむ曲ですね。13 (Death March)  映画「13」の主題歌とのことで、なるほどジェームスボンドのテーマのようなキメが映画っぽい感じです。1,2曲目は Jimmy & Wes の二人のソロを引き立てるためのビッグ・バンドのようなアレンジでしたが、この曲では曲自体に二人が溶け込んだソロを取るような曲になっています。最後のテーマでドラムが、タイミングをワザと外してタムを入れる小技などの芸の細かさも印象に残ります。最後は Jimmy & Wes のブラス抜きのセッションで Baby, It's Cold Outside も映画の主題歌とんことですが、ビッグバンドと張り合うような緊張感のある演奏と、楽器を歌うように使う名手二人のリラックスした演奏の対比も良くアルバムを楽しむことができます。
 酒で、聴いた記憶が飛んでいたアルバムですが非常に良かったです。Jimmy Smith、 Wes Montgomery ともに、あまり聴いてこなかったことと、購入したアルバムのめぐり合わせが悪くて、今まで興味が薄かったので、もう少し深堀してみようかと言う気になってます。愛聴盤コーナー行きに決定です。ビッグバンドを聴いてこなかった人にも楽しめる刺激が入っているかとも思います🎶

organ (hammond) : Jimmy Smith
guitar : Wes Montgomery
bass : Richard Davis (1, 2, 4)
drums : Grady Tate
percussion : Ray Barretto (3, 4, 5)
arranged by : Oliver Nelson
sax, clarinet : Phil Woods (1, 2, 4)
alto sax, clarinet, flute, flute (alto) : Jerry Dodgion (1, 2, 4)
tenor sax, Flute, Clarinet : Bob Ashton (1, 2, 4)
baritone sax, bass clarinet, flute, flute (alto) : Danny Bank (1, 2, 4)
trumpet : Clark Terry (4), Ernie Royal (1, 2, 4), Jimmy Maxwell (1, 2, 4), Joe Newman (1, 2, 4)
flugelhorn : Clark Terry (1, 2, 4)
trombone : Jimmy Cleveland (1, 2, 4), Melba Liston (1, 2, 4), Quentin Jackson (1, 2, 4), Richard Hixon (4)
bass trombone : Tony Stud(4))
flute (tenor), flute (alto), clarinet : Jerome Richardson (1, 2, 4)

recorded at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.
tracks 1, 2 recorded on September 23, 1966.
tracks 3, 5, recorded on September 28, 1966.
track 4 recorded on September 21, 1966.

1. Down By The Riverside / Traditional
2. Night Train / Jimmy Forrest, Lewis Simpkins, Oscar Washington
3. James & Wes / Jimmy Smith
4. 13 (Death March) / Gary McFarland
5. Baby, It's Cold Outside / Frank Loesser





  

2025年3月24日月曜日

Dizzy Gillespie / Night In Tunisia


 ガレスピと言えば、リスのように頬っぺたを膨らませて、ベルが上に突き出たトランペットを高音で豪快に吹きまくるスタイルで人気のトランぺッターで、恰幅の良い体型で、だみ声でのスキャットを得意とするジャズ歌手でも有名です。このアルバムの音源の録音の1945年はガレスピーは27歳で盛んなソロ活動を開始していますので、年も若いのでスリムな体型です。しかし、このアルバムは細身のスキっとしたイラストです。演奏時に巨大に膨らむガレスピーの頬はパフォーマンスと思っていたら特異体質だそうです。(医者の研究にも協力したらしい)


 ベルが上を向いたトランペットを使い始めるのは、1954年からでパーティーの席で客席に置いてあったトランペットに奥さんが痴話喧嘩して他の客が転んでトランペットに尻餅をついて曲がってしまったことが始まりなのは有名な話。音の通りが良かったんで、ずっと使っててトレードマークになったらしいです。
 このアルバムは1945~1946年の録音のオムニバスで Giants Of Jazzというレーベルから発売されています。つまり1945年には曲がったトランペットは使用していなかったことになります。


 ところで最近トランぺッターのジャズアルバムを好んで聴いていることは多いものの、Dizzy Gillespie については、それほど好きなサウンドと言うこともなく、このアルバムは中古で見かけたので、お勉強のために購入してみたものです。
 古臭いアルバムではありますが、共演者を見ていると、お宝のようなメンバーです。9曲目までは Milt Jackson(Vib), Sonny Stitt(as), Ray Brown(b) Al Haig(p) を軸とした録音、12曲目 Blue N Boogie では、Dexter Gordon(ts) 13~17、22曲目は Charlie Parker(as) 
 全22曲はお買い得と思って購入。1945~1946年の録音のオムニバスとは、購入後に気づきました。他のオムニバスでも、ジャズに限らず、この時代の録音は1曲3分程度が標準です。メンバーを眺めながら聴くのも面白いとは思いますが、66分を超える録音内容で22曲は、正直、聴いていてもかなり惰性になります。真剣に聴くのも疲れます。
 なので、全曲レビューは疲れちゃうんで割愛ですね。そのうち真剣に聴く気になったら書き加えます。本アルバムに関してですが、同じレーベルから同じ名前ですが収録曲の異なるベストが販売されていました。発売する国によって変えているようです🎶

1. 52Nd Street Theme
2. Night In Tunisia
3. Ol' Man Rebop
4. Anthropology
NewYork, February 22,1946 
Dizzy Gillespie Septet 
Dizzy Gillespie(tp), Don Byas(ts), Milt Jackson(vib), Al Haig(p), Bill De Arango(g), Ray Brown(b), J.C.Heard(d) 

7. Oop Bop Sh'bam
8. One Bass Hit (Pt.1)
9. That's Earl, Brother
NewYork, May15, 1946 
Dizzy Gillespie Sextet 
Dizzy Gillespie(tp/vcr), Sonny Stitt(as), Milt Jackson(vib), Al Haig(p), Ray Brown(b), Kenny Clarke(d), Gil Fuller(vcl)

10. I Can't Get Started
11. Good Bait
NewYork, January 9, 1945 
Dizzy Gillespie All Stars 
Dizzy Gillespie(tp), Trummy Young(tb), Don Byas(ts), Clyde Hart(p), Oscar Pettiford(b), Shelly Manne(d) 

12. Blue N Boogie 
NewYork, February9, 1945 
Dizzy Gillespie Sextet 
Dizzy Gillespie(tp), Dexter Gordon(ts), Frank Paparelli(p), Chuck Wayne(g), Murray Shipinski(b), Shelly Manne(d) 

13. Dizzy Atmosphere
14. All The Things You Are 
New York, February 29. 1945 
Dizzy Gillespie(tp), Charlie Parker(as), Clyde Hart(p), Remo Palmieri(g), Slam Stewart(b), Cozy Cole(d) 

15. Salt Peanuts
16. Hot house 
17. Shaw Nuff
New York, May 11, 1945 
Dizzy Gillespie and his All Star Quintet 
Dizzy Gillespie(tp/vcl), Charlie Parker(as), Al Haig(p), Curley Russell(b), Sidney Catlett(d) 

5. Round About Midnight
6. When I Grow Too Old To Dream
18. Confirmation
19. Diggin' For Diz
20. Dynamo A
21. Dymano B 
Hollywood, February 7. 1946 
Dizzy Gillespie Jazzmen (Tempo Jazzmen featuring Gabriel on trumpet) 
Dizzy Gillespie, as Gabriel(tp) LuckyThompson(ts) Milt Jackson(vib) Al Haig(p) Ary Garrison(g) Ray Brown(b) Stan Levey(d) The Three Angels : Dizzy Gillespie, Lucky Thompson & Milt Jackson(vcl) 

22. Hallelujah
New York, June 6, 1945 
Red Norvo and his Selected Sextet 
Dizzy Gillespie(tp), Charlie Parker(as), Flip Phillips(ts), Red Norvo(vib), Teddy Wilson(p), Slam Stewart(b), Specs Powell(d) 
1. 52Nd Street Theme
2. Night In Tunisia
3. Ol' Man Rebop
4. Anthropology
5. Round About Midnight
6. When I Grow Too Old To Dream
7. Oop Bop Sh'bam
8. One Bass Hit (Pt.1)
9. That's Earl, Brother
10. I Can't Get Started
11. Good Bait
12. Blue N Boogie
13. Dizzy Atmosphere
14. All The Things You Are
15. Salt Peanuts
16. Hot house
17. Shaw Nuff
18. Confirmation
19. Diggin' For Diz
20. Dynamo A
21. Dymano B
22. Hallelujah