2021年2月24日水曜日

Thelonios Monk 「モンクはジャズを開く」

 


 行きつけの「おでんバー」(おでんがウリなわけではないんですが、一番目立つところにおでんがあるので「おでんバー」と呼んでいます)のマスターに、最近モンクをよく聞いてるんですよねえ。でもあんまり知識はないんですがなんかない?という会話で出てきたので貸してもらって読んでました。

 今ならほぼこの手の本を発刊するのはリットーミュージックさんですが、これは1991年の講談社から発行された本です。期待していたモンクの生い立ちやらエピソードはほぼ無く、モンクファンの著名人や評論家がモンク談義を延々としています。

 といってもダラダラではなくて「ピアニストとしてのモンク」「作曲家としてのモンク」「モンクと同時代人たち」「モンクと現代」のテーマに分かれて寄稿されているもので、結構皆さん独断と偏見で、持論を展開されています。共通しているのは、もちろん皆さんモンクのファンでアンチは一人もいないところ(笑)

 勝手に空想(妄想)して書かれていると思われるような人もいらっしゃってなかなか興味深いところです。ソロ・ピアノとコンボでのピアノのアプローチ、作曲家としてのモンクなどに着目して聞くことで、また違った楽しみ方ができるのかと読みながら読み返しながらモンクを聴いております。

 ピアニストとしてうまいのか?といったこともあがっていましたが、そんなところにモンクの面白さはないのでどうでもよい議論だなどというところには同感ですし、ピアノという楽器は整然と並べられた音階と調律から、どうしても白人的になってしまうのだが、モンクの場合は普通のピアノとしての使い方から脱却したところが素晴らしいとの意見は菊池成孔の「東京大学のアルバートアイラー」でも出てきたようなくだりでもあり、なるほど・・

 いかにもモンクらしいと言えば、Raise Four とか Little Rootie Tootie なんかが三連打と不況和音のぶつけかたが激しくておすすめ



作曲面での変度ではこれでしょうね。バンドメンバーは大変でしょう。 Brilliant Corners テナーはソニー・ロリンズ 


楽曲のテーマの面白さでは Skippy なんてどうでしょう?


そして、ギタリストと相性が良いのは Round Midnight ですね。ウェスの演奏はとても好きですがジョージ・ベンソンは派手すぎますが・・


奥さんに捧げた名曲 Crepuscule with Nellie セロニアス・モンクが、奥さんのネリーさんが病気で入院中に書いたとされるバラード Crepuscule はフランス語で日没の時の明るい感じだそうです。


まだまだ、奥は深い人のようですね



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