2024年7月7日日曜日

Freddie Hubbard / Red Clay

 

 Freddie Hubbard(フレディ・ハバード)は、1970~1975年までCTI時代に8枚ほどのアルバムを遺していますが、これはその移籍の第一弾の作品となります。ライナーノーツで初めて知ったのでCTIは、このアルバムのプロデューサーの Creed Taylor が1970年に独立したレーベル、Creed Taylor Incorporated の略だということ。CTIと言えばストリングスを加えたイージーリスニング路線のイメージですが、ここら辺は社長の Creed Taylor の戦略と言いうところが大きいようで、低迷するジャズ音楽業界に一石を投じるフリージャズに対しても、今後のジャズの在り方を自分のレーベルを作って体現していたようであります。個人的にはCTIのヒット作 Wes Montgomery / A Day In The Life なんかは余り好きではないのですが、なぜあのアルバムが出たのかが理解できました。
 さて、このアルバムの Freddie Hubbard のバンドは2管クインテットのジャズ・フォーマットでストリングは入っていません。編成は古いタイプでありますが、ハンコックはエレピとハモンドの演奏でアコースティックは一切なしですので、あまりCTIから発売の音源と言う感じではありません。
 また、音以外で気になったのはアルバムのデザイン。タイトルの Red Clay は、日本語では「赤土」ですから言葉からのイメージは、ドロドロのブルースっぽい曲が連想されてもよさそうですが、ジャケットは赤土の砂埃の中に月か太陽が見えるかのようなSFチックなデザインです。カバー写真は、Price Givens、アルバム・デザインは Tony Lane。ライナーノーツは赤土がひび割れたモノクロ写真がバックになっています。この赤土の意味合い、こだわりがどういったものかは、調べてもよくわからなかったのが、今回は残念です。


 といったところで、再度聴きながらのレビューですが、先ず最初に、このアルバムは全曲 Freddie Hubbard のオリジナルです。Red Clay 最初に聴いた音楽好きの集まる「おでんバー」では、人と話していたので聴き流していたのですが、ジャズ・フォーマットと思っていたのが中身はフュージョンですね。ドラムは8ビートだし、Ron Carter のベースはジャズ・ファンクです。最初はジャズっぽいこともやっているんですが、曲が進めばコード進行もジャズファンクの流れ。Hancockのエレピも、まさにそれ。「おでんバー」仲間には好まれない流れではありますので聞き流されてしまったのは、このせいですね。今晩もう一回持って行ってかけて反応を見ようと思います。何故「赤土」なんだろう? Delphia これもジャズっぽいけどフュージョンの流れです。サンボーンとかでも、この流れありますね。ブルース形式ではありますが、ちっとも泥臭くない。でも良い意味で古臭い。曲名が何を指すのか気になりましたが、Delphia の検索で出てくるのはヨットの販売会社ばかりです。人名なのか?もしかしたら Philadelphia の略? Suite Sioux 非常にジャズっぽい曲です。っていうかフュージョンっぽくない。これも曲名の Sioux が気になりましたので調べて見ると、先住する北米インディアンの諸部族のことです。インディアンと暮らす?を感じる曲調ではありませんので、これも不明ですね。The Intrepid Fox これはロンドンのパブがヒットしました。ただこの名前で開かれていたのは1997~1999年とのことで1784年に Samuel House の名前で開店したとのことなので疑問は深まります。曲としてはハード・バップスタイルです。Ron Carter のベースもそれなのですが現代的な音がします。曲としてはハード・バップですが、Hancock のエレピが、アコースティックでは出せないノリを産み出しますし Freddie Hubbard の吹きまくりのソロ、Joe Henderson の独特の雰囲気の作り方と間が良いです。
 あからさまなフュージョン路線ではない中途半端なところが魅力で、再度聴き直すと最初よりも味が出てきたアルバムになります。私のCD棚のヘビ・ロテ枠に収納しようか、どうしようか迷います🎵


trumpet : Freddie Hubbard
tenor sax, flute : Joe Henderson
electric piano, hammond organ : Herbie Hancock
bass : Ron Carter
drums : Lenny White

producer : Creed Taylor

recorded at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey, January 27–29, 1970

1. Red Clay
2. Delphia
3. Suite Sioux
4. The Intrepid Fox


▶ Delphia



  

2024年7月6日土曜日

Grant Stewart & Bruce Harris / The Lighting Of The Lamps

 

  Grant Stewart は、1971年のカナダのトロント生まれ。19歳でニューヨークへ来て Smalls Jazz Club と言うジャズ・クラブで演奏を始め、1992年にアルバム Downtown Sounds をレーベル Criss Cross で初レコーディング、安定した力強いハード・バップを得意とするテナー奏者。また、Bruce Harris は、1979年のニューヨークのブロンクス生まれ。リーダーアルバムのリリースは少なく、2016年 Beginnings、2022年 Soundview のようです。しかし、調べていたら Purchase College と言う音楽で音楽の勉強をしていたので、大学のページにインタビュー記事(自己紹介)が掲載されていました。
 いずれも、現役のジャズ・マンであり、これは恐らくタワレコで試聴してから購入に至った一枚であると思います。最近はジャズ関係の雑誌も購入しているとたまっていって整理が大変なので購入していませんので、新譜の情報源に乏しい私は、縮小されてしまって無くなってしまいそうなタワレコのリアル店舗も頑張って欲しいところです(最近は、たまにしか行ってませんけど)
 さてこのバンド、 Grant Stewart & Bruce Harris の2管がフロントに立ったクインテット編成の正統派バップ作品。目新しい音ではありませんが、しっかりとした伝統的ともいえる音楽は気持ちが良いものです。店頭で試聴、一発で気に入っての購入でありました。


 さてレビューしていきましょう。Little Spain は、1960年の Clifford Jordan の作曲。 Lee Morgan と Clifford Jordan のセッション作品が題材で、オリジナルのイズムを、まんま継承した演奏でテンポも、ほぼオリジナルと同じ。目新しさ、オリジナリティは無いが、冷静沈着な演奏が良いです。A Piece Of Art 作曲は Grant Stewart で、音符数多めのテーマが Grant Stewart & Bruce Harris のユニゾンがカッコ良い、気持ち早めのテンポのバップです。オールドスタイルではありますが、どこか新しい感じのする曲です。Ghost Of A Chance 原曲は「I Don't Stand A Ghost Of A Chance With You」という長い名前の曲で1932年の曲。「私はあなたと一緒になれる望みはこれっぽちもなさそうだわ」は切ない内容ですが、曲調はそんなに悲しいものではありません。Out Of The Past とても古臭い演奏がたまらないという人は多いかと思います。これもスタンダードで Benny Golson の作曲。Mo Is On 1953年の Elmo Hope によるハード・バップ。A Piece Of Art でも見せた完璧なユニゾンが美しいほどに決まっています。速さは楽しさでもありますので各自のソロ合戦を楽しめます。それにしても皆さん当たり前にテクニックは抜群。I'm A Fool To Want You 1951年にシナトラが歌ったものがヒットした、もとはシート・ミュージックとのこと。情感があって、エロさの漂う曲にはテナーが良くい合います。曲調としては Autumn Leaves をに似たような雰囲気があります。Bearcat は、Clifford Jordan の楽曲です。コードの流れとテーマがフワフワしてて、完結しないで延々とつながっていくような形式が面白い楽曲で、いかにもジャズですね。うん曲としても好きです。Bitty Ditty は1954年の Thad Jones 曲の意味は「ちっぽけな小曲?」のような感じでしょうか。ちょっとセッション的な軽い曲でした。各自余裕のある演奏で上品な仕上がりです。
 アルバムの印象としては少な目になってしまいますが、確かなテクニックで余裕の演奏で聴き進めるのが楽しくなるアルバムでした🎵

tenor sax : Grant Stewart
trumpet : Bruce Harris
piano : Tardo Hammer 
bass : David Wong
drums : Phil Stewart

recorded at the renowned Van Gelder Studios in Englewood Cliffs, New Jersey all in the same room

released on: 2022-06-17

1. Little Spain (Clifford Jordan)
2. A Piece Of Art (Grant. Stewart)
3. Ghost Of A Chance (Victor. Young) 
4. Out Of The Past (Benny Golson)
5. Mo Is On (Elmo Hope)
7. I'm A Fool To Want You (Joel Wolf & Jack Herron)
8. Bearcat (Clifford Jordan)
9. Bitty Ditty (Thad Jones)



▶ Bearcat


  

2024年7月5日金曜日

Keith Jarrett Trio / Somewhere Before

 

 1968年録音の Charlie Haden, Paul Motian とのトリオの3作目。1曲目から Bob Dylan の My Back Pages カバーと言うのが凄いセンスです。最初聴いた時にわからなかった Charlie Haden のベースのイントロはこの曲のテーマ・メロディ。ボソボソ弾いているので聴き直してから理解しました。本編は原曲の雰囲気をそのまま表現しています。喫茶店でピアニストが客のリクエストに応えているようかのような軽さに親しみを覚えます。Bob Dylan のバージョンを聴いてみてください。

 なお、私の持っている、このアルバムはCDで、オリジナルは1969年にAtlantic Records のサブ・レーベルである Vortex Records からの発売でジャケットは異なります。写真は Chuck Stewart デザインは Bob Defrin となっています。オリジナルの写真はおそらく録音場所のジャズ・クラブ Shelly's Manne-Hole の写真と思われ、店の外にあったメニュー看板も左にあります。ジャケット・デザインはオリジナルの方が格調高くて好きですね。ホールのことは、SHELLY’S MANNE-HOLE – FIFTH ANNIVERSARY と言う2021年の記事が解説でありました。ここでの録音は Bill Evans の At Shelly's Manne-Hole も有名です。
 

 既に1曲目のレビューはしてしまいましたので2曲目から聴き直しながらのレビューです。Pretty Ballad 3分30秒の短いバラードです。即興だとは思うのですが、簡単なテーマらしきものは存在するような気もします。響きは美しいですが迷宮にさまよいこんだような楽曲。Moving Soon フリー・インプロです。ここら辺が好きな人は多いのではないでしょうか。曲名からしても混沌とエネルギーの塊りであることは想像がつくと思います。Somewhere Before フリーの次は、オールド・ファッションな感じのする1曲となっていますが、まとまった演奏をしていたのが、途中でドラム、ベース、ピアノともメンバーが自分だけの世界に各自フラフラとお出かけして行き、最後には、また皆戻ってくるのは、なんとも奇妙な仕掛けです。New Rag 確かによくあるタイプのラグではない。というよりも、ラグ的な感じは私には感じられずにいます。ベースソロになってから少しそれっぽいフレーズは出てきますがどうなんだろう。A Moment for Tears は、ポツン、ポツンとキースのピアノが音を出して、それにヘイデンが弓弾きでベースの音をのせている曲でした。響きは美しですが曲として美しいのかはわかりません。最後はどこで拍手をしたら良いのか戸惑いながらお客が拍手しています。Pouts' Over これは、ポピュラー・ソングのような曲です。8ビートのドラムで元気よく終了し、また戸惑いながらの拍手のような気がしますが先の曲よりも拍手の元気が良い。お客さんもホッとしているのでしょうか。Dedicated to You スタンダードの演奏のようですが、かなり崩した演奏にしているようです。フリーまではいかないですが、各自少しづつ、あちらこちらにお出かけしては戻ってきます。また終わったのかどうかわからずに、客は戸惑いの拍手。Old Rag 威勢よく始まるのは昔風のラグ。勢いに任せた演奏で、少しづつ混沌を混ぜ込んでいるのが素晴らしい。わかりやすいのでお客さんも元気いっぱいの拍手です。キースはラグタイムは好きだったようで、他のコンサートなどでも演奏されていました。Keith Jarrett Trio: "Rag Time" (encore) - Montpellier Jazz Festival (July 26 - 1985) Keith Jarrett plays REAL stride piano!
 様々なスタイルがありすぎるコンサートで、困惑したお客もいれば、心底楽しんだ人もいたライブだったのではないでしょうか。いつも最後に3曲だけおススメや、聴いてほしい曲を Youtube から載せていますが、今回は面白すぎるので今回は4曲掲載しときます。このアルバムは良く聴くアルバムの場所に入れときます🎵

piano : Keith Jarrett
double bass : Charlie Haden
drums : Paul Motian

producer : George Avakian

recorded live at Shelly's Manne-Hole, Hollywood, Oct. 30 & 31, 1968

1. My Back Pages (Bob Dylan) 
2. Pretty Ballad (Keith Jarrett) 
3. Moving Soon (Keith Jarrett) 
4. Somewhere Before (Keith Jarrett) 
5. New Rag (Keith Jarrett) 
6. A Moment for Tears (Keith Jarrett) 
7. Pouts' Over (And the Day's Not Through)( Keith Jarrett) 
8. Dedicated to You (Sammy Cahn, Saul Chaplin, Hy Zaret) 
9. Old Rag (Keith Jarrett) 




▶ Old Rag


  

2024年6月30日日曜日

Bob Marley ‎/ Volume 3 - Soul Shakedown Party


 ボブマーレイのベスト盤シリーズの3枚目。このシリーズ「The Collection」という往年のアーチストのベスト盤を、かなりいい加減な作りで販売しているシリーズでタイトルのつけ方がなどにニヤリとしてしまいます。
Volume One - Stir It Up」「Volume Two - Riding High」「Volume 3 - Soul Shakedown Party」「Volume four - Stir It Up
 よく見ると変なことに気づきます。3だけアラビア数字だったり、副題の Stir It Up がone と four に使われていたります。いい加減というか、ふざけているというか、いかれてます。 実に面白い。一枚目と同様に裏に曲が書いてあるだけのペラペラの紙が入っているだけで、あっさりとした作りですが海賊版ではないようです。
 まあそんな廉価盤なので、音が悪いとか、選曲がどうだとかは気にせず、ボブ・マーレイの Concrete Jungle ってどんな曲だっけか?と思った時に聴ければ良いわけで購入に後悔、不満はありません。

 さて、ボブ・マーレイと言えばジャマイカ。ジャマイカと言えばアメリカ大陸の中央に位置してカリブ海にある島国です。首都はキングストン。



 そしてジャマイカと言えばレゲエを思い浮かべるのですが、そのレゲエの定義は少しづつ変わってきているようです。元々は1960年代後半ジャマイカで発祥し1980年代前半まで流行したポピュラー音楽のことでボブマーレイを代表する音楽のことでしたが、最近は広義ではジャマイカで成立したポピュラー音楽全般のことを指すということ。なるほど最近のレゲエ・ミュージシャンと称する人たちの音楽は、私には縁遠いエレクトロ・ポップのようなことが多いのはそういう訳だったのかと納得。私は昔のレゲエ派🎵

1. Small Axe
2. Soul Almighty
3. Soul Captive
4. Back Out
5. Soon Come
6. Soul Shakedown Party
7. Do It Twice
8. Go Tell It On The Mountain
9. Can't You See
10. Cheer Up
11. I Gotta Keep On Moving





  

2024年6月29日土曜日

Hank Mobley / Thinking Of Home

 


 「入手困難盤復活!!名門レーベルに残されたJazz 秘蔵の名盤」のシリーズとの帯を見つけての購入です。このアルバムに参加の Cedar Walton からは「ハンク・モブレーはモダン・ジャズにおけるもっとも創造性と斬新なアイデアに富んだコンポーザーの一人だ」と評しているとライナー・ノーツに書かれています。
 しかし Hank Mobley は Art Blakey とともに Jazz Messengers を立ち上げ、Max Roach, Horace Silver, Miles Davis 等のグループで中枢として活躍し、コンポーザー、プレイヤーとしても数多くの作品を残してきた人であるにも関わらず、テナー・サックス奏者としては John Coltrane, Sonny Rollins, Johnny Griffin 等の華々しい名声に隠れてしまっているため、B級と言われることもあるようで、本国アメリカでは著名なサックス奏者と言うことではないらしく、日本での方が人気、知名度ともにあるようです。
 色々な人の評を見ているとこのアルバムは良作であると書かれていますが、理由としてはドラムが Billy Higgins から Leroy Williams に変わったのことで評価が高いとのことです。調べて見ると時期的には1965年 Dippin'、1966年 A Slice of the Top、Straight No Filter、1968年 Hi Voltage 等、少し調べただけで多数あります。
 いずれにしても15年在籍した、Blue Note での最後のセッションとなるこのアルバム・タイトルの「Home」は Blue Note のことを指しているとのことで1曲目の組曲(メドレー)に配置されています。
 

 ということで再度、聴きながらレビューです。最初は A. Thinking Of Home, B. The Flight, C. Home At Last の組曲形式です。マイナー調のルパートのイントロで始まります。このルパート部分が Thinking Of Home でしょうか。そこから始まるビ・バップ部分が The Flight でしょう。ライナーノーツによるとフライトはマンハッタンで、軽快な Hank Mobley, Cedar Walton のソロ、そしてテーマに戻り、直ぐにボサノバが始まるのが Home At Last。ライナーノーツによると思いは「南下」して故郷に戻るとのこと。ここで Eddie Diehl のギターが登場します。ジャズオルガンの Jack McDuff のバンドに参加していた、George Benson、Pat Martino の先輩で、後にギター教師とリペア・マンとなるとのこと。なんか仰々しいような気もするが、物語性もあり The Flight の部分が気持ち良い曲です。 Justine モブレーのオリジナル。テーマ部分は8小節の3つのパートから構成されていてメロディもソロへの導入として応用できるようなフレーズが良く練られている印象です。スリリングな演奏ではなく、淡々と各自の仕事をしている印象ではありますが退屈ではありません。You Gotta Hit は、ハード・バップでテンポ早めです。Hank Mobley、Woody Shaw、Leroy Williams、の4小節交換のソロが熱いです。Gayle's Groove はミディアム・テンポのブルースで、Mobley は落ち着いた安定の演奏、Woody が頑張ってます 。Eddie のギターの音作りはフュージョン的な感じです。ラストは Talk About Gittin' It ユーモラスなテーマでソウル的なノリの部分とラテン的な部分と二つの曲が合わさった曲で、Mobley 作。コンポーザーとしても評価が高いのはここら辺なんでしょう。
 優等生的な感じのアルバムで突き抜けた印象はありませんが、安心して楽しめるアルバムで円熟味を感じます。単純なテーマを膨らませていくのではなく、楽曲として完成させていく Hank Mobley の作曲家としての才能に着目するとより楽しめました🎵

tenor sax : Hank Mobley
piano : Cedar Walton
guitar : Eddie Diehl
bass : Mickey Bass
drums : Leroy Williams
trumpet : Woody Shaw

producer  : Duke Pearson, Frank Wolff

recorded at the Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey on July 31, 1970.

1. Suite : A. Thinking Of Home, B. The Flight, C. Home At Last / Hank Mobley
2. Justine / Hank Mobley
3. You Gotta Hit It / Hank Mobley
4. Gayle's Groove / Mickey Bass
5. Talk About Gittin' It / Hank Mobley


▶ Justine



  

2024年6月28日金曜日

incognito / Live In London The 30th Anniversary Concert


 2010年発売のこのアルバムは、30周年記念ライブ。つまり現在で既に結成40年は迎えてしまったということ。これ以降のアルバムは購入していないので、また少しづつ仕入れときたいです。それにしても月日の経つのは早いもの、インコグの結成は1981年、ブレイクしたのは1990年でした。私どちらかと言えば泥臭いブルースや、胡散臭いファンク、それにハード・バップ系ジャズが好みですが、一方で完成されたヒット確率90%以上みたいなインコグの音も結構好みです。このバンドメンバーはドンドン入れ替わりますがカリスマのブルーイのもと、まだまだ健在です。というかブルーイの私物のようなバンドなんで彼が現役の限り続く。


 UK 発、アシッド・ジャズの火付け役のこのバンド、30周年の貫禄のライブ。中身は当然、ソウルフル、ダンサブル、キャッチー。2枚組合計23曲の盛り沢山な内容です。正直知らない曲も未だあるもんだなと思いました。1枚目のレビューです。オープニングは、やはりインコグのテーマ曲のような Talkin' Loud 耳慣れた曲。ホーンズも充実の演奏で切れ良いのは当たり前ですが、サックス、トロンボーン、トランペットの三人だけでこの厚み。アルバム Positivity、Maxi Single Pieces Of A Dream 等でスタジオ版が聞けます。Step Aside 聴いたことがあると思ってたけどスタジオ版は持っていませんでした。When The Sun Comes Down 2008年 Tales from the Beach の曲で、これも持っていません。耳覚えはあるんですけど。Jacob's Ladder アルバム 100°and rising のラストの曲。ベースがメインのスパニッシュな一曲です、超絶技巧な感じですね。Centre Of The Sun ゆったりとした夜景に流れるような感じの楽曲で1999年 No Time Like The Future の楽曲です。もっと早いテンポでのこの曲を聴いたことがあると思ったんですけど見つけられませんでした。Get Into My Grouve これも1999年 No Time Like The Future の楽曲ですね。このアルバム買わなくっちゃ。Labour Of Love 少しテンポ落としてソウルフル。どのアルバムに収録されているのかよくわかりません。Ain't No Mountain は、Marvin Gaye と Tammi Terrell のヒット曲のカバーです。ストリングスが入ってマイルドですが、本家よりソウルフルで激しいですね。Always There 2作目1991年 Inside Life の楽曲で激しいパッションが溢れる曲ですね。今の incognito とは違う魅力があります・初期も聞いておくべきですね。Colibri 1992年 Tribes, Vibes + Scribes に収録でこれも聴いたことがあると思うのですが、所有の音源では見つかりませんでした。 N.O.T. 2008年 Tales From The Beach に収録。これも聴いたことがあるのに所有音源からは見つかりません。どうやら、このアルバムを過去に聴いた記憶が頭の中でゴチャゴチャになっているようです。This Thing Calles Love は1枚目のラストでピアノのソロが美しいバラードのイントロ。そしてボーカルとピアノでのデュオが、ヒートアップした気分を鎮めてくれる演出。
 そして大好きな Still a Friend of Mine から始まる2枚目のレビューとしたいですが今回は疲れたのでやめときます。
 ボーカルを数えると六人も入れ替わりで、これもインコグらしい層の厚さでした。リミックス・バージョンやジャケ写違いで、重複して何度も同じ内容の盤にお金を貢いでいるインコグですがやっぱり好きです。

leader, vocals, guitar : Jean Paul "Bluey" Maunick
vocals : Imaani, Jocelyn Brown, Joy Rose, Maysa, Tony Momrelle, Vanessa Haynes
keyboards : Graham Harvey, Matt Cooper
guitar : Richard Bull
backing vocals : Charlise, Dira, Gail Evans
bass : Francis Hylton, Randy Hope-Taylor
drums : Francesco Mendolia, Pete Biggin
percussion : Karl Van Den Bossche, Thomas Dyani
sax : Finn Peters
trombone : Trevor Mires
trumpet : Sid Gauld
violin : Alison Dods, Catherine Browning, Everton Nelson, Lucy Wilkins
violin, guest : Alice Hall, Davina Clarke
viola : Becca Ware, Vince Greene
cello : Chris Worsey, Ian Burdge

producer : Bernhard Rössle

recorded 22 August 2009 at indigO2 at the O2

【Disc 1】
1. Talkin' Loud
2. Step Aside
3. When The Sun Comes Down
4. Jacob's Ladder
5. Centre Of The Sun
6. Get Into My Grouve
7. Labour Of Love
8. Ain't No Mountain
9. Always There
10.Colibri
11. N.O.T.
12. This Thing Calles Love

【Disc 2】
1. Still A Friend Of Mine
2. Can't Get You Out Of My Head
3. Deep Waters
4. Wild And Beauty
5. Morning Sun
6. Expresso Madureira
7. Don't You Warry 'Bout A Thing
8. Reach Out
9. Everyday
10. I Hear Your Name
11. Night Over Egypt





  

2024年6月23日日曜日

松岡直也 / MAJESTIC

 

  松岡直也に、とびっきりハマったわけではありませんが、私がロックから脱出してジャズ、フュージョン、ラテン 等をかじり始めた頃にい活躍されていた頃に活躍されていたので、このサウンドを聴くと心が躍ります。歳をとった方には、青い三角定規の「太陽がくれた季節」私と同年代の方には中森明菜の「ミ・アモーレ」などの作者、日本テレビで放送された「ハート・カクテル」の音楽担当をされていた、日本のラテン音楽シーンを牽引してきたかたです。アルバムを持ってはいませんが、松岡直也 & Wesing(ウィシング)の演奏はカッコ良くFMラジオからカセットに録音して聴いていた記憶があります。デジタルな楽曲も多かった松岡直也ですが、Wesing は安心アナログなラテン・フュージョンでデジタルな方にクールさを感じる人は多いようですが、私はアナログ派です。
 そんな懐かしさもあって中古屋で見つけた時に直ぐに購入の決断をしたわけですが、このアルバムは1988年作で、エレクトロ・ビートが特徴的なアルバムでした。メンバーも、高橋ゲタ夫、ウィリー長崎、和田アキラ、 カルロス菅野などの日本のジャズ、ラテン、フュージョン業界の重鎮がズラリと並んでいます。



 私は非常に懐かしく思って聞きましたが、いつもの音楽好きの集う「おでんバー」では、ほぼ皆さん無反応であったのが若干残念でしたが気を取り直して再度聴きながらレビューです。Majestic プログラミングされた打ち込みが前面に打ち出されています。最近YMOなんかも長々と聴き直したこともあり、その影響も感じられるサウンドは懐かしいとしか言いようがない。プログラミングは深沢純氏で、この無機的な音作りも今やレトロではあるが当時はクールと言う人は多かった気がします。生のストリングスも入れて豪華。In The Nude プログラミングのリズムトラックが更に無機的に感じます。和田アキラのギターは P. Project。 Cry For The Moon 当時NHKで放送されていた「ベスト・サウンドⅣ」で講師の松岡直也先生とともに演奏講座をする課題曲にもなっていたとのこと。ラテン・フュージョンですがリズム・トラックは生演奏なので違和感はあまりありません。Te Quero Mucho 明るいノリのラテン・フュージョン。和田アキラのギターがとてもよく泣いていて好きですね。この曲。
Primavera-Ba-Tu-Ca-Da 完全にリズムトラックは打ち込みで、スネアのアタックが強いのが印象に残るボーカル入りの曲です。スペイン語で歌われていますがメロディーは歌謡曲っぽいのが時代を感じます。昔は流行ったニューウェイブと言われるジャンルの曲作りにも感じます。primavera と言う単語を耳にすることが前にもあったような気がするので、意味を調べて見ると、木材の名前でプリマベーラ、ルネサンスの画家Sandro Botticelliの代表作でで春という意味。おそらく後者の意で曲名にしたと思うのですが春っぽい曲ではありません。Ba-Tu-Ca-Daは全く不明。Gossamer ラテン・フュージョンで、ここら辺の軽いノリは松岡直也のイメージ通りの曲です。パーカッションが気持ちよく、和田アキラのギターがまたそれっぽい。生ピアノも気持ち良い。Solitaire は、歌詞をはめたら歌謡曲で通用するイメージで、これもある意味松岡直也っぽいし、日本人の感性によく合うメロディーつくりの曲ですね。
 知っている曲はありませんでしたが、懐かしさは楽しめること、松岡直也の作るメロディーは歌謡曲などを通じて日本人に浸透していたんだなと実感させらました🎵

synthesizer : Naoya Matsuoka (1 to 7)
piano : Naoya Matsuoka (1 to 4, 6, 7)
synthesizer, programmed by PPG Wave Term Programming : Jun Fukasawa (1 to 7)
electric bass (5 strings) : Getao Takahashi (3, 4, 6)
guitar (P. Project Guitar) : Akira Wada (2 to 4, 6, 7)
drums : Mansaku Kimura (3, 4, 6)
congas, guiro : Carlos Kanno (3, 4, 6)
timbales : Willie Nagasaki (3, 4, 6)
vocals : Brazuka (5), Leeza (5)
vocals, Surdo, Repinique, Ganzá, Agogô, Pandeiro, Cuica, Tamborim, Apito, Francis Silva (5)
strings : Joe Kato Group (1)

producer : Naoya Matsuoka

1. Majestic
2. In The Nude
3. Cry For The Moon
4. Te Quero Mucho
5. Primavera-Ba-Tu-Ca-Da
6. Gossamer
7. Solitaire





  

2024年6月22日土曜日

Nia Andrews / No Place Is Safe

 

 女性ジャズボーカルを発掘しようと DiskUnion をフラフラとして手に取った一枚。これも縁かと購入してみました。あまり私が聴いてこなかった現代音楽の不思議タイプですね。購入して最初の試聴時より印象は良くなってきています。DiskUnion の棚では、ジャンルはジャズ・ボーカルですが、Funk/Soul に分類される向きもあるようですが分類は非常に難しいので後でレビューします。
 さて Nia Andrews とはどんな方なのか?父は有名な作曲家で、Donald Byrd / Black Byrd でMusic Consultant としても参加されていたミュージシャンでもあり、LAでも有名な公立高校の Locke High School で音楽教師として在籍し、多くのミュージシャンを送り出した Reggie Andrews の娘です。さぞかし英才教育を受けたのだろうと思いきや、娘の音楽活動へのサポートは無しで、彼女は楽器や理論は自分で学んだそうです。しかしUCLAの学生時代は音楽ではなく映画関係の勉強をしていたが、途中で音楽を捨てきれずにツアーのローディをやりながら音楽の世界に戻ってきて、楽器からボーカルを執るようになり、バックシンガーを経て自分の音楽制作もするようになったとのことで、親の助けは無く自分の道を進んでこられたようです。
 また、ライナーノーツには、このアルバムはコンセプトを描いて作ったわけではなく、日々の作曲の積み重ねをまとめて完成した作品であることが書かれています。ただ曲の多くは「悲しみ」「安全」が多く、曲の作成中には、黒人が警官に職務中に殺されるが警察の処分は無かった事件なども書かれています。
 改めて日本でも報道のあった事件ですが調べて見ると「ニューヨーク・スタテンアイランドで2014年7月、アフリカ系アメリカ人男性エリック・ガーナー氏が逮捕される際、警察官から腕で首を絞められ死亡した事件」「ミネソタ州ミネアポリスで、たジョージ・フロイドさんが警察に拘束された際に首を膝で押さえ付けられ死亡する事件」は2020年に起きています。


 それではレビューしていきます。The Road (Intro)  ボーカルとキーボードのみの楽曲でスピリチュアルな雰囲気の楽曲。自分の中にある愛から離れてしまったことを歌っているとのことです。Linger 報われないラブソングで、誰かとの恋愛が終わっても消えない思いがあることを歌われているとのこと。内面に語りかけてくるような不思議な響きです。Might Be Eternity フォーキーなギターに独特のアフリカンを感じる音階を混ぜてくるボーカルでの弾き語り。人類のこの状態は永遠に続くかはわからない。自分の気に入らない状況でも心の平和を見つけることは大事と歌っています。Call Your Name とても作るのに時間がかかった曲とのこと。歌のテーマ自体はシンプルな繰り返しですが様々なアプローチで4人のキャラクターが歌っている仕様。音が掠れてくる演出は、とてもサイキックな感じがします。Be a Smart Girl 普通のアプローチで歌われる楽曲で普通に聴きやすい。だからか?1分43秒と短い。Cleo and the King 人間関係の中での自信喪失、操作、傷つけることについて歌っているとのこと。ここまで来て気づくのですが、ほぼこの人の曲は楽器のソロなどは無い。ひたすら歌で、メッセージを大切にしている感じです。Ho’oponopono (Interlude) 宇宙的なサウンドの中でI Love You, I'm sorry, Please forgive me, Thank you が繰り返される。ハワイの伝統的な和解と許しの儀式がモチーフとのこと。The Ceiling バンドサウンドとしては、かなり凝っているように聞こえるが、実は3人のみで作成しています。酔っ払いの大柄な友人が自分の悪行に気づいて、自分から離れないでと懇願してくるストーリーで、フィクションであるとのこと。と言うことは、他の曲はフィクションではないのか。Seems So これも聴きやすい楽曲です。Little Girl ピアノでの弾き語りです。とてもまとまった曲ですが、断片的な寄せ集めだそうです。まあ歌詞の中身が断片的と言う意味ですね。Old Man 鬱病について、その時の気持ちをそのまま表現しているとのこと。彼女は鬱を経験しているとのことですね。なるほど内省的なことが多いのは、そのような理由からですか。
 ライナーノーツなども見ながら、じっくり聴くと、なるほど1曲を大切に作ったことが良くわかりますので、聴こえ方もまた変わります。深いですね。再度じっくり聴いてみようと思います🎵

producer : Nia Andrews

1.The Road (Intro)
vocals : Nia Andrews
rhodes : Mark de Clive-Lowe
2.Linger
vocals, electric bass, piano, snaps : Nia Andrews
percussion and programming : Paul Taylor
additional programming : Nia Andrews
3.Might Be Eternity
vocals, acoustic guitar, piano, snaps : Nia Andrews
4.Call Your Name
vocals, piano, electric guitar : Nia Andrews
electric bass : Brandon Eugene Owens
5.Be a Smart Girl
vocals, piano, synth bass, drum programming, tambourine : Nia Andrews
additinal keyboads and additional programming : Mark de Clive-Lowe
6.Cleo and the King
vocals, piano, electric guitar, synth bass : Nia Andrews
rhodes, programming : Mark de Clive-Lowe
violin : Molly Rogers
7.Ho’oponopono (Interlude)
vocals, piano : Nia Andrews
programming : Mark de Clive-Lowe
8.The Ceiling
vocals, piano, keyboads : Nia Andrews
bass : Brandon Coleman
percussion : Allakoi Peete
drums : Guillermo Brown
violin, viola, additional percussion : Molly Rogers
habdclaps : Nia Andrews, Guillermo Brown, Allakoi Peete, Mark de Clive-Lowe
9.Seems So
vocals : Nia Andrews
piano : Joey Dosik
moog : Brandon Coleman
percussion  : Guillermo Brown
acoustic bass : Brandon Eugene Owens
additional vocals : Muhsinah and Nia Andrews
additional keyboads : Nia Andrews
handclaps : Coco O., Guillermo Brown, Mocky, Molly Rogers, Nia Andrews, Paul Taylor
10.Little Girl
vocals, piano : Nia Andrews
11.Old Man
vocals, piano, electric bass and electric guitar : Nia Andrews
violin : Molly Rogers
percussion, additional vocals : Allakoi Peete

▶ Linger


▶ Old Man


  

2024年6月21日金曜日

Deep Purple / Come Hell or High Water


 中古CD屋の安売りワゴンで見た時に思わず懐かしいと手にしたままレジに行ってしまった Deep Purple (ディープ・パープル)です。何しろ私が最初にロック・ギターの練習をしたのは、やはり Smoke on the Water ですし、初めて買ったエレキ・ギター教則本の課題曲は、タブ譜なしの Black Night と Speed King がスコア譜で掲載されていましたので、全く歯が立ちませんでしたのも良き思い出の、まさに青春の思い出のバンドです。最も最初にギターで弾けるようになった曲は、アコギでさだまさし の「雨宿り」です。これは当時のコード譜が乗っている「明星」という雑誌のコード譜が最初でしたか、いや懐かしい。


 特にこのアルバムが欲しかった訳では無く、見つけたので購入です。懐かしかったのは「Deep Purple」であり、私が聴いていたのは、ちょうどこの頃のメンバーの 第2期 (1969年 - 1973年) でした。この後にベースが Glenn Hughes、ボーカルが David Coverdale の頃までは良かったんですが、Tommy Bolin がギターになった頃にはすっかり興味が無くなり、David Coverdale を追って、White Snake にハマって Gary Moore に  Motörhead なんかも聴きだして、気が付いたら パンクなんかも聴きだしたんですね。
 はじめてライブ・ハウスのステージ・レンタルして演奏した時は、やっぱり Smoke on the Water はレパートリーに入ってました。Michael Schenker なんかも同じステージで演奏したんですから、節操がないハード・ロック・コピー・バンドでした。
 そしてはじめて生リッチーを見たのは、既に Rainbow 時代。いや懐かしい。アルバムレビューは、これはしなくても良いかな🎵

vocals : Ian Gillan
guitar : Ritchie Blackmore
organ, keyboards : Jon Lord
bass : Roger Glover
drums : Ian Paice

1. Highway Star
2. Black Night
3. A Twist in the Tale
4. Perfect Strangers
5. Anyone's Daughter
6. Child in Time
7. Anya
8. Lazy
9. Space Truckin'
10. Woman from Tokyo
11. Speed King
12. Smoke on the Water


Lazy