1968年録音の Charlie Haden, Paul Motian とのトリオの3作目。1曲目から Bob Dylan の My Back Pages カバーと言うのが凄いセンスです。最初聴いた時にわからなかった Charlie Haden のベースのイントロはこの曲のテーマ・メロディ。ボソボソ弾いているので聴き直してから理解しました。本編は原曲の雰囲気をそのまま表現しています。喫茶店でピアニストが客のリクエストに応えているようかのような軽さに親しみを覚えます。Bob Dylan のバージョンを聴いてみてください。
なお、私の持っている、このアルバムはCDで、オリジナルは1969年にAtlantic Records のサブ・レーベルである Vortex Records からの発売でジャケットは異なります。写真は Chuck Stewart デザインは Bob Defrin となっています。オリジナルの写真はおそらく録音場所のジャズ・クラブ Shelly's Manne-Hole の写真と思われ、店の外にあったメニュー看板も左にあります。ジャケット・デザインはオリジナルの方が格調高くて好きですね。ホールのことは、SHELLY’S MANNE-HOLE – FIFTH ANNIVERSARY と言う2021年の記事が解説でありました。ここでの録音は Bill Evans の At Shelly's Manne-Hole も有名です。
既に1曲目のレビューはしてしまいましたので2曲目から聴き直しながらのレビューです。Pretty Ballad 3分30秒の短いバラードです。即興だとは思うのですが、簡単なテーマらしきものは存在するような気もします。響きは美しいですが迷宮にさまよいこんだような楽曲。Moving Soon フリー・インプロです。ここら辺が好きな人は多いのではないでしょうか。曲名からしても混沌とエネルギーの塊りであることは想像がつくと思います。Somewhere Before フリーの次は、オールド・ファッションな感じのする1曲となっていますが、まとまった演奏をしていたのが、途中でドラム、ベース、ピアノともメンバーが自分だけの世界に各自フラフラとお出かけして行き、最後には、また皆戻ってくるのは、なんとも奇妙な仕掛けです。New Rag 確かによくあるタイプのラグではない。というよりも、ラグ的な感じは私には感じられずにいます。ベースソロになってから少しそれっぽいフレーズは出てきますがどうなんだろう。A Moment for Tears は、ポツン、ポツンとキースのピアノが音を出して、それにヘイデンが弓弾きでベースの音をのせている曲でした。響きは美しですが曲として美しいのかはわかりません。最後はどこで拍手をしたら良いのか戸惑いながらお客が拍手しています。Pouts' Over これは、ポピュラー・ソングのような曲です。8ビートのドラムで元気よく終了し、また戸惑いながらの拍手のような気がしますが先の曲よりも拍手の元気が良い。お客さんもホッとしているのでしょうか。Dedicated to You スタンダードの演奏のようですが、かなり崩した演奏にしているようです。フリーまではいかないですが、各自少しづつ、あちらこちらにお出かけしては戻ってきます。また終わったのかどうかわからずに、客は戸惑いの拍手。Old Rag 威勢よく始まるのは昔風のラグ。勢いに任せた演奏で、少しづつ混沌を混ぜ込んでいるのが素晴らしい。わかりやすいのでお客さんも元気いっぱいの拍手です。キースはラグタイムは好きだったようで、他のコンサートなどでも演奏されていました。Keith Jarrett Trio: "Rag Time" (encore) - Montpellier Jazz Festival (July 26 - 1985) Keith Jarrett plays REAL stride piano!
様々なスタイルがありすぎるコンサートで、困惑したお客もいれば、心底楽しんだ人もいたライブだったのではないでしょうか。いつも最後に3曲だけおススメや、聴いてほしい曲を Youtube から載せていますが、今回は面白すぎるので今回は4曲掲載しときます。このアルバムは良く聴くアルバムの場所に入れときます🎵
piano : Keith Jarrett
double bass : Charlie Haden
drums : Paul Motian
producer : George Avakian
recorded live at Shelly's Manne-Hole, Hollywood, Oct. 30 & 31, 1968
1. My Back Pages (Bob Dylan)
2. Pretty Ballad (Keith Jarrett)
3. Moving Soon (Keith Jarrett)
4. Somewhere Before (Keith Jarrett)
5. New Rag (Keith Jarrett)
6. A Moment for Tears (Keith Jarrett)
7. Pouts' Over (And the Day's Not Through)( Keith Jarrett)
8. Dedicated to You (Sammy Cahn, Saul Chaplin, Hy Zaret)
9. Old Rag (Keith Jarrett)
▶ Old Rag
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